艦隊これくしょん-ブルネイでの日々-(仮)   作:十文字氷架

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初投稿です!

楽しんで読んでもらえると幸いです。


第一話-鎮守府の様子①-

「これで終わり…っと。て、もうこんな時間か」

 

 山のように積み上がった書類の最後の1枚に判を押し、軽く伸びをする。仕事を始めた時は明るかった外の様子は既に日が落ちて暗くなっていた。

 そういえば朝から食事を取っていなかったと今更のように気づくが、別段いつものことだと納得し、席を立つ。小さい頃から食事を忘れるのが常だったので今では1日2食もとれば十分な体質になっていた。

 任務娘に報告書を提出し部屋に戻る途中で、ふと仕事の手伝いを命じていた秘書艦の姿が見えないことに気がついた。どこに行ったんだと、そう考えた矢先に部屋の扉が開いた。入ってきたのは俺の秘書艦である響である。

 

「仕事の進みは順調かい?司令官」

 

「ああ、今し方終わったとこだ。響は今までどこに?」

 

「夕飯の準備をしようと思って、食堂に。司令官にも声をかけたんだけど、気づいてくれなかったから」

 

「ん、そうか。まあそれは気づかなかった俺が悪いな」

 

いなかったのはそういう理由かと一人で納得する。集中してると他のことがおざなりになるのは俺の悪い癖だな。

 

「今、何時だ?時計をまたどっかやっちまってな」

 

二二:〇〇(フタフタマルマル)ってところかな。それと時計なら廊下に落ちていたから拾っておいたよ。鎖までついてるのにどうやったら落とすんだい?」

 

「さあな。トイレに行ったときにで鎖をつけ忘れたんじゃないか?」

 

「落とさないよう気をつけてね。それで、夕食にするかい?」

 

「ああ、もう今日はやることないしな。北上たちは明日の昼まで帰って来ないし、待つ必要もないだろ」

 

「了解、司令官。それじゃあすぐに準備するよ」

 

「頼む。俺はちょっと酒を取ってくる、響はどうする?」

 

「…ウォッカで」

 

「了解」

 

 響から懐中時計を受け取って、本来通常の鎮守府にはない部屋の一つである〈酒蔵庫〉へ向かう。1000mlサイズの酒瓶を一本持って食堂へと向かった。

 

 

「「На здоровье(ナ・ズダローヴィエ)」」

 

そう言ってお互いのグラスを軽く合わせ煽る。お互いグラスに入っているウォッカはストレート。それに氷を浮かべるのがいつもの飲み方だった。

 

「しっかし初めて会ったときは、まさかこうなるとは思わなかった」

 

「何がだい?」

 

「こんなふうに酒を飲むようになるとは思わなかったってことだ。しかも結構な頻度で」

 

「…私自身もまさかここまで気に入るとは思ってなかったよ」

 

 響が少し顔を赤くしながらグラスを置く。俺自身あまり類を見ないほどの酒豪だが、響も大概だ。もしかしたら艦娘はそういうものなのか、とも思ったが他の面子はそうでもなかった(といっても常人よりは強いのだが)ので響が特別だということだろう。この鎮守府に来ての初日の夜に、就任祝いで持ってきた結構値の張る酒を開けたのだが、試しに飲んでみるかと響に進めた結果、まさか1.8Lも飲むことになるとは思ってもみなかった。焼酎、日本酒、ウォッカの1L瓶が各一本ずつ空になったのだ。俺と響で6:4といったところだろうか。次の日に酔いが残ることはお互いなかったのが幸いだったが。それからというもの、他の面子が来てからも、たまにこうして二人で飲んでいる。ロシアに引き渡された経験からかウォッカが気に入ったようで、いつも二人で飲む時はウォッカを開けていた。

 

「今日は二人だけだからもしやと思ってたが、響最初から飲む気満々だっただろ」

 

「…まあね。最近飲んでなかったから」

 

「…一週間前に飲んだ気がするが」

 

「司令官は一週間も飲まなくて耐えられるのかい?」

 

「無理だ。体調不良の時以外はほとんど毎日飲んでるからな」

 

「なら、最近飲んでないと言ってもおかしくはないだろう?」

 

「んー…まあ、そうだな。一人で飲んだりしないのか?」

 

「どこで飲むんだい。部屋は電と同室だよ。…それに誰かとじゃないと限界まで飲もうとしそうでダメだ」

 

「そ、それはまた難儀だな…」

 

 酒に強そうな軽空母や重巡はまだここにはいないから、必然的に俺以外相手をできるやつがいないってわけか。

 

「まあでも飲むのは週一と祝いの席ぐらいにしておけ。ここにアル中を増やすわけにはいかんだろ。まだ弱小鎮守府なんだからな」

 

「…既に資材の量も、家屋の広さも、後ついでにお酒の貯蔵量も弱小どころか並の鎮守府は超えていると思うけどね」

 

 響はそう言って溜息をつく。ここに来てから半年であった様々なトラブルを思い出したのか少しげんなりしているみたいだ。というのもここブルネイ泊地は、深海棲艦の襲撃がしばらくなかったせいか、一種の無法地帯と化していたのだ。艦娘売買に資材密輸に横領と違反のオンパレードである。ブルネイの三つの鎮守府全てが結託してやっていたので大本営も気がつかなかったらしい。それで卒業生として派遣された俺と秘書艦の響が憲兵と(助っ人に来た変人三人と)協力しての一斉検挙を命じられたのである。検挙の結果、ギャング・ヤクザ・マフィアの全3グループを壊滅。ブルネイ三鎮守府の無能提督三人を更迭し、なんとか丸く収まったわけである。その報酬として大量の資材と建築物の拡張と整備、そこそこの賞金に派遣艦5名が送られてきたわけだ。ただ…この鎮守府には問題があった。工廠の建造、近代化改修機能の故障に給糧艦間宮の不在…通常の鎮守府なら死活問題になるであろう問題だ。

 

「それはそうだがなあ…戦力強化しようにも建造が出来ないんだ。もう少しで修理が終わるらしいからそれまでは今の状態でやっていくしかないだろ。戦果はなんとかノルマ達成できてるんだから」

 

「もう練度もだいぶ上がったね。ただ北上さんを改造してあげられないのはちょっとかわいそうだと思うよ?」

 

「仕方ないだろ、他に軽巡がいないんだ。遠征任務ができなくなっちまう」

 

「遠征するほど艦娘がいるわけでもないのに司令官も無茶をやらせる。それによく司令官は軽巡1隻と駆逐5隻で鎮守府前の5海域全て攻略できたものだね」

 

「そこはお前たちが優秀だっただけだ。いくら作戦を立てても実行する奴が無能だったら成功するもんもしないだろ」

 

「…あれだけしごかれたらいやでも成功させたくなるさ」

 

「たかが特訓難易度Hard(ハード)だぞ。ブラック鎮守府よりましだろ」

 

「…司令官の基準で測られたらたまらないよ…結構ここのメンバーって忍耐強い子たちばかりなんだよ?不知火や天津風が訓練で弱音を吐くなんて訓練生時代は見たことないのに」

 

「そうなのか?まあでも全員しっかりクリアできただろ。なら万事OKだ」

 

「全員最後の方はほとんど気力と根性で乗り切ってたけどね…」

 

 今話していた特訓というのは、体力作り、筋トレ、射撃訓練、移動訓練など俺が昔やっていたメニューを艦娘用にアレンジしたもののことである。…正直一番厳しかった時の訓練をやらせるのはかわいそうだと思って、加減はしているつもりなのだが…それでもきつかったらしい。ただそのかいあってか、空母の爆撃も、戦艦の砲撃もある程度は避けられるようになった。まあ普通に鎮守府前にも戦艦、空母は多少なりとも出現するからな、訓練にはちょうど良かった。

 

「駆逐艦と軽巡洋艦じゃ当たったらアウトだし、かつ相手の弱点を正確無比に打ち抜かなきゃダメだろ?回避と機動力、それに命中が売りなんだからそこは努力してもらわないとな」

 

「…もうあんな無茶は勘弁してほしいな」

 

「わかってるって。まあ後は実戦をもっと経験しないとダメだな」

 

「そうだね。新しいメンバーが来たらどうするんだい?」

 

「艦種によってもうメニューは組んである。駆逐艦が来たら指導はお前+天津風か電+不知火にまかせる」

 

「…時雨は?」

 

「あいつは教師ができても教官には向かん。やることは山ほどあるんだから別のことをやってもらうさ…っとごちそうさま。ボルシチうまかったよ、響」

 

Пожалуйста(パジャールスタ)、司令官。この後はどうするの?」

 

「工廠で製図作業だ」

 

「…徹夜はほどほどにね、正直今の装備でも十分なんだから」

 

「気をつける」

 

 食堂を出て工廠へと向かう。今日の作成予定は確か…

 

「〈61cm5連装酸素魚雷〉…か。そろそろ北上も雷巡にしてやれそうだし、早めに完成させないとな」

 

 工廠の専用の作業室に入り、作業を始める。現在のうちの鎮守府練度は31。戦艦や空母といった強力な戦力がいない今、高難度海域の攻略は出来ない。よっていい装備を手に入れるためには自身で、所謂レシピといわれる設計図を引く必要があった。

 開発は建造とは違い、鎮守府練度、攻略海域の有無によって大本営からレシピが渡されることになっている。例えば現在最大の火力を持つ、大和型専用の幻の主砲、〈51cm三連装砲〉は鎮守府練度105、攻略海域数27で大本営から開発を許可される。現在開発許可を得るのにもっとも難しい装備はこれだろう。他にも〈秋水〉や〈震電〉、〈神龍〉といった強力な艦載機もかなりベテランの提督にしかレシピは回ってこない。では弱小・中堅レベルの鎮守府が強力な装備を手に入れるにはどうするか…その方法が、今俺が行っている製図である。

 士官学校時代の指導内容の中に製図があり、装備改修、改造に必要だと言われ、徹底的に叩き込まれるのだが、そのときに教官が上位装備の設計図の大体の概要を教えてくれるのだ。その特徴をメモし、後は自身で試行錯誤して完成させる。レシピが正しいかどうかは工廠に持っていけば妖精さんが判断してくれるので、新人提督は早急に海域を突破し、大本営からレシピを手に入れるか、安全に攻略しながらも自身の時間を削って、レシピを自力で作成していくかのどちらかになるのである。うちの鎮守府はどうやっても後者の方法しかとれないため、今こうして製図にいそしんでいる…わけではない。これは俺の趣味の1つなのだ。結果として装備がガンガン強化されていくだけで、別に攻略のためにやっているのではない。強い装備は男のロマン、というやつだ。

 ちなみに今の鎮守府の練度で大本営からもらえる最新レシピは〈10cm高角砲〉、〈61cm3連装酸素魚雷〉、〈20.3cm連装砲〉、〈天山〉、〈彗星〉、〈紫電〉といったところだろう(ちなみに最低クラスの装備は最初から全て作ることが出来る)。今まで俺が設計したのは〈12.7cm連装砲B型〉、〈61cm4連装酸素魚雷〉、〈15.5cm三連装副砲〉、〈彩雲〉の計4つ。駆逐、軽巡に関してなら中堅鎮守府の連中にも負けない自信があった。

 

「(とは言え流石に制空権はどうにもならない。早く空母が欲しいところだな…)」

 

 そんなことを考えながら俺は製図作業に没頭していった………

 

 




現在のブルネイ第一泊地

鎮守府レベル:31
攻略完了海域:5

保有資材量
燃料  26000
弾薬  23500
鋼材  30250
ボーキ 35200
修復材 550
建造材 400
??? 0
提督コメント:どう考えても弱小とは思えない資材量だよなあ…

【第一艦隊】


旗艦  響   LV43  司令官はもう少し休む、ということを覚えたほうがいいな。

二番艦 None

三番艦 None

四番艦 None

五番艦 None

六番艦 None


【第二艦隊】
遠征内容:南西諸島大規模鼠輸送


旗艦  北上  LV41  あー、だるい。早く帰りたいなあ…。

二番艦 電   LV38  今回の遠征は長いのです…。

三番艦 時雨  LV38  なんとか大成功で終われそう…かな?

四番艦 天津風 LV39  ドラム缶重いわ…なんで私だけ1つ多いのかしら。

五番艦 不知火 LV40  無事帰還できそうです。司令と響は元気にしているでしょうか。

六番艦 None




というわけでハーメルン初投稿の作者です。読んでいただけた方かつ提督のみなさんにはわかると思いますが、一話からオリ解釈・設定のオンパレードです。ひゃっほう!

というのも、時代設定として、現在のゲームから少なくとも10年は経過している設定なので仕方ないのです。だから装備も強いし、もちろん敵も強い。あとオリキャラも結構でます。提督の名前は次の設定資料集にて。苗字は史実の方たちのものをお借りしているので、分かる人にはわかると思います。

世界観設定は無駄に壮大ですが、書きたかっただけです。そこまで関わってはきません。海がヤバいのに世界中でいがみ合っていたらおかしいかな、と。もちろん完全に和解したわけではありませんが。

ちなみにうp主の嫁艦は響&北上です。イラストも同人誌もいっぱいです。夏と冬は財布が軽くなって困ります。

感想・評価を募集してます!言われたことは極力改善できるよう努力していきます。
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