やばいスキルがついちゃった   作:ナストマト

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アンケートは活動報告の方でやらさせて頂きます。まだ投票は受け付けるので、よろしくお願いします。

ご忠告ありがとうございました。



決闘

 

 

 

ディアベルを瞬殺してしまうという事件(?)から1週間。俺はほぼぶっ通しで決闘に明け暮れた。あの決闘は予想以上の効果があったようで、決闘の後は申し込みが後を絶たず、順番待ちとなっている状況だ。

 

いやー、ありがたいね。こうして皆に実力が認められるっていうのは。しかしね、そりゃギルドリーダーを倒したとは言ってもね、アイツ多分手を抜いてたぜ? そうでもなければ瞬殺なんて有り得ないだろ。後でディアベル本人にそのことを言及したのだが、とんでもない、手を抜いてなんかいない、本気でやった、と言われた。嘘つけお前。キリトは反応して受け止めてそれを受け流すまでやったぞ。比べちゃダメかもしれんが、しかし反応出来ないなんてことはあるまい。まぁ、花をもたせてもらったということにしておこう。おかげでこうして修行が出来たわけだし。

 

決闘では、まず基本その場から動かないで純粋に剣の腕だけで勝負した。いつもの戦い方は後回しということで、とりあえず刀使いだけを鍛え上げてから応用として鍛えることにした。というより、いつもの戦い方だと兵士たちじゃあ反応できないんだよな。最初に決闘した奴なんかディアベルと同じように瞬殺してしまって困った。名も知らぬ最初の奴、すまん。それからは剣筋の速さを抑えて見える程度にした。

 

1週間経ったのだが、いい感じに成長できたのではないだろうか。攻撃の捌き方や、ステップによる躱し方など様々な動きを練習できた。やはり人が相手だと、複雑な動きをしてくる分練習になる。けど、そろそろかな。俺はディアベルのいる部屋へ向かった。リーダー室っていうの? 机と椅子と本棚があるだけの意外と普通の部屋だ。客間の方が豪華だったな。

 

 

「ディアベル」

 

「なんだい?」

 

「ありがとう、世話になった」

 

「…そうか、もう行くんだね。いや、俺たちの方こそ世話になった。色々と教えられたよ」

 

「俺から教えたことなんてないけどな」

 

「君みたいな強いプレイヤーと決闘出来ただけでもいい経験さ。それに動きを見れただけで十分参考になったよ」

 

「そうかい、そりゃよかった」

 

 

俺から教えれるようなことなんてないしな、そう言ってもらえるとありがたい。本当、ディアベルさんいい奴だな。

 

 

「じゃあ、行くわ」

 

「ああ、今度は攻略組として会おう」

 

 

攻略組として、だってよ。お前まで認めてくれるのか。もしかしたら、自分が思ったよりも成長しているのかもしれない。こ、これが俺の力か…ッ! なんてな。こうして修行をしてるのだから目標が攻略組ということは想像出来ることだ。決して褒めたわけじゃない。勘違いするなよ俺。

 

さて、行きますかね。おっと、その前に兵士たちに挨拶して行くか。俺のわがままで練習相手になってくれたことだしな。鍛錬場へと向かう。そこには、兵士たちが列を作って待っていた。え、何?どゆこと?

 

 

「言っただろ、俺たちも世話になったって」

 

 

ディアベルがいつの間にか後ろに来ていた。

 

 

「皆、ショウさんには感謝してるんだよ。それぞれが攻略組の人と戦ったという経験、思い出が出来たんだから。この世界では、強い人はヒーローみたいなものだからね。自分たちを解放するために戦ってくれる、正しくヒーローだよ」

 

 

ヒーローか。そんな大逸れたもんじゃないけどな。まだ攻略組じゃないし。しかしそうか。確かに、俺が中層にいた頃はキリトとか物凄くカッコ良く見えたからな。いつの間にか自分がそんな立場になってたのか。なんというか、感慨深いモノがある。

 

 

「改めてショウさん、世話になった。ありがとう」

 

 

歓声がこだまする。俺がいたのは少しの間だったのにここまでしてくれるなんてな。うん、凄く嬉しい。いい奴らばっかりだな、この世界は。なんとしても、このゲームをクリアしないとな。俺のためだけじゃなく、皆の為にも。

 

 

「ありがとうな、皆」

 

 

でもやっぱり、こういうのは恥ずかしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからまた1週間、俺は上の階層で修行に励んだ。兵士たちとの決闘で鍛えた剣術とAGIを活用し、どんな攻撃が出来るかを探った。結果、しっくりと来る動きが見つかった。まぁ、これはそのうち話す。それはともかく、修行として上の階層のモンスターを相手にしていたものだからLv.が77まで上がってしまった。早いよ、上がるの。

 

最初の方は攻略組に戻るのに必死だったので気にしなかったが、戻れるLv.まで来ると、今更ながら攻略組の人達に申し訳なく思ってくる。攻略組というかプレイヤーの皆にだな。ごめんなさい。許してください。俺だってこんなスキル取りたくて取った訳じゃないんです。全部あの兎が悪いんです。俺は悪くない(逃避)。

 

さて、俺が修行している間にまた階層が1つ開放された。今は65層が最前線だ。俺はいよいよ攻略組に戻ろうと思う。剣術も鍛えた。Lv.も上げた。後は進むのみ。

 

 

 

と、言いたいところだが、その前に約束を果たさないとな。俺は50層《アルゲード》のエギルの店にキリトを呼び出した。例のS級食材の件である。お互いにS級食材を出すという良くわからない感じになったが、それでも約束は約束。約束を守る男、ショウ。いかがですか皆さん。アホか。

と、馬鹿なことを考えているとキリトがやって来た。

 

「悪い、待たせちゃったな」

 

「いや、今来たところだ」

 

 

一度は言ってみたかったこのセリフ。言えてよかったぜ。相手が女性だったら尚良しだ。

 

 

「それで、S級食材は持ってきたろうな」

 

「もちろん」

 

 

俺達はせーので食材を出す。俺は《ラグー・ラビットの肉》、キリトは《ハイディ・ボアの肉》だ。肉ばっかだな。いや、好きだから良いんだけどさ。

 

 

「よく《ラグー・ラビットの肉》なんて手に入ったな」

 

「足には自信があるんでな」

 

「ああ、なるほど」

 

 

《ラグー・ラビット》は、まず見つけることがほどんど出来ない上に、見つかったと思ったらすぐに凄まじいスピードで逃げてしまう。しかもドロップ率が低く、倒したところで手に入るとは限らない。が、俺はAGIを相当鍛えてあるので逃げられることはない。見つけられれば倒せるので、他の人よりは手に入れやすいのだ。

 

ついでに言えば、俺は前の世界にいた時から運が妙にいい。商店街のクジを引けば特賞をもらえたり、ビンゴ大会なら1番抜けだったりな。《ラグー・ラビットの肉》も後4つあったりする。絶対に言わないけど。

 

 

「お前こそ、《ハイディ・ボアの肉》なんてよくゲット出来たな」

 

「索敵には自信があるからな」

 

「はは、なるほど」

 

 

《ハイディ・ボア》は姿が認知されない。見えないと言ってもいい。索敵スキルで調べないと見つけられないのだ。動きがおそいので比較的倒すことは簡単ではあるのだが、相当な索敵スキルの熟練度が必要とされる。そこはキリトか、流石だな。

 

 

「さて、これを誰が調理する?」

 

「エギルが出来るんじゃねえの?」

 

「俺に振るなよ、S級食材なんて調理したことねえぞ」

 

 

言ってなかったけど、エギルもここにいます。本人の店だからな、いてもおかしくないだろ。

 

さて困ったな、エギルでも調理出来ないとなるとどうしたものか。誰か料理スキルが高い奴がいないかな。

 

 

「私が調理しようか?」

 

 

ああ、いたな。料理スキルが高い奴。アスナである。てか

 

 

「何でここにいんの?」

 

「いちゃダメ?」

 

「いやいや、副団長様がこんなところに来る方がおかしいだろ」

 

「こんなところとは失礼だな」

 

 

エギルが文句を言ってくる。こんなところはこんなところだろ。もっと店構えを良くするんだな。

 

 

「私がいつどこに行こうと私の自由だと思うけど?」

 

「はいはい、わかりましたよ」

 

 

ダメだ、なんていうか有無を言わせぬ気迫が凄い。強い。勝てない。

 

 

「それで、調理しようか?」

 

「頼めるならお願いしたいけど、いいのか?」

 

「いいわよ。ただし、1つお願いを聞いてくれたらね」

 

 

お願い…だと…?ゴクリ

いやいや、アスナって凄い美人さんなんだよ!

そんな人からお願いとか言われてみろよ。唾を飲むことくらい普通だって。

 

 

「ショウ君、キリト君と決闘したそうね」

 

「あ、ああ、そうだな」

 

「私とも決闘して」

 

「…はい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ルールは初撃決着。いいわね?」

 

「アッハイ」

 

 

俺達はエギルの店の裏側にある空き地に移動し、決闘することになった。何でなん? 何でいきなり決闘すんの? 申請が送られてくる。これ拒否したらすっごい怒るんだろうな。というより、拒否したらS級食材を調理してくれない。それは困る。仕方ない、受けるか。キリトが受けてくれオーラを半端ないくらい出してるし。他人事でいいですね。申請を承諾する。

 

カウントダウンが始まる。見ればアスナは真剣な眼差しをしている。一体なんだってんだ。何かしたか俺? まぁいい。S級食材のことは一旦後回しだ。真剣勝負というのであれば受けて立とう。

 

カウントダウンが終わる直前、俺は駆け出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これで調理してくれるんだよな」

 

 

勝負は俺の勝ちだった。ディアベルみたいに瞬殺で終わってしまった。何でお前ら手を抜くん? 真剣勝負だと思ってやってた俺が馬鹿みたいじゃん。まぁいいけどさ。人それぞれだし。決着がついた後、何故か呆然としていたが、声をかけると気を取り戻したようだ。

 

 

「…ええ」

 

 

よし、やったぜ! アスナの料理の腕は原作でも有名だからな。これは期待せざるを得ない。ジュルリ。いかん、涎が。この世界に涎なんてないけど。

 

 

「ねぇ、ショウ君」

 

「ん?」

 

「もう、攻略組に戻ってくるのよね?」

 

「ああ、そうだな。今の階層から戻ろうと思ってる」

 

 

 

 

 

 

 

「攻略に私も連れて行って」

 

 

 

 

 

 

俺、何かやらかしたっけ?

 

 

 




おまけ 青龍連合がショウを見送る時のディアベル

・あれ? もしかして俺よりも人気者なんじゃ…



はい、ここまでです。
ショウがだんだんと覚醒してきてますね。

アンケートの方であったのですが、ロストソングまではやらない予定です。もし、書くことがあるとすれば、外伝という形になると思います。
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