やばいスキルがついちゃった   作:ナストマト

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人が増えてくると書くのが大変です。




食事会

 

 

 

 

 

ムフフフ。今の俺は気分がいい。いよいよ今日はアスナがS級食材を調理してくれるのだ。アスナを説得したあの日から一週間が過ぎた。俺たちはその間もパーティーを組み攻略に励んだ。あの後からはいい感じに連携が取れたと思う。そして、つい昨日、第65層のボス部屋が発見された。残念ながら発見したのは俺たちではないが、喜ばしいことである。何より、自分が攻略組に戻ってから初のボス部屋発見だ。嬉しくない筈がない。時期に攻略会議も開かれるだろう。

 

だがその前に、アスナにS級食材を調理してもらうという約束を果たしてもらおうということになったのだ。主にキリトの意思で。どんだけ期待してたんだよアイツ。約束取り付けたの俺だぞ。アスナも了承してくれた。場所はエギルが店を貸してくれた。しかも貸し切りで。ありがたいね、仕方ないから少し食べさせてやるか。

 

というわけで50層《アルゲート》。俺とキリトは転移門前で人を待っていた。せっかくだからと知り合いを呼ぶことにしたのだ。食事会みたいな感じになるな。待ってる間退屈だなと思っていると、キリトが話しかけてきた。

 

 

「今更だけど、アスナが作るんだよな。大丈夫なのか?」

 

「自信があるから買って出てくれたんだろ。大丈夫だって」

 

「でもなぁ、普段からすると料理をするように思えないな。攻略一筋って感じだし」

 

「ああ、なるほど」

 

 

確かに、原作を知っている俺としてはアスナが料理スキルを持っていることを知っているからいいが、キリトは知らないからな…まてよ?原作だとアスナが料理スキルを取ったのってキリトを振り向かせるためだよな。しかし、この世界ではキリトに惚れている様子はない。あれ? アイツ料理スキル持ってんの?

 

 

「だ、大丈夫なんじゃないか? 多分、恐らく、Maybe…」

 

「自信無くすなよ…。まあ、アスナも女の子だからな。料理スキルを取っていてもおかしくないか」

 

「そ、そうそう。そうだって」

 

「大丈夫よ。アスナの腕はアタシが保証するわ」

 

 

待っていた人の1人。リズがいつの間にか来ていた。

 

 

「そうとう美味しいから期待していいわよ」

 

「そうか、それは良かった」

 

 

本当によかった。何だ、ちゃんと取ってたのか。しかも、相当な腕らしいし、なんだかんだ言ってやっぱり楽しんでるじゃんか。

 

 

「ショウさーん、キリトさーん!!」

 

 

む、この可愛らしい声はシリカか。彼女も今日は呼んである。こっちに駆け寄ってくる。うんうん、今日も可愛いな。

 

 

「こんにちは! 今日は呼んでいただいてありがとうございます!」

 

「おっす、シリカ。ピナも元気そうだな」

 

「キュル!」

 

「久しぶりシリカ」

 

「お久しぶりですキリトさん」

 

「お前にシリカはやらんぞ」

 

「何を言ってるんだ…」

 

 

黙れ。お前が天然ジゴロだってことは知ってるんだ。ダメダメ、シリカは嫁にはやらんぞ。そんなの、お兄ちゃんは許しません。

 

 

「や、やらんってショウさん!」

 

「…ははーん」

 

 

何やら意味有りげな視線をシリカに送るリズ。俺はどっかの鈍感系主人公とは違う。その顔は誰かに好意があることを察した顔だ。おい待て、まさか本当にシリカはキリトのこと…。い、いや、そうと決まった訳じゃない。リズの勘違い、もしくは俺の勘違いということもある。決め付けるのはまだ早い。そう思わないと泣きそう。

 

「ええと、この方は?」

 

「リズベットだ。48層で武具店を営んでる。この紅椿を打ってくれたのもコイツだ」

 

「コイツって何よ。こんにちは、シリカ…でいいのよね? リズベットよ。気軽にリズでいいわ」

 

「はい、よろしくですリズさん」

 

 

さて、まだ来てないのは誰がいたかな。

 

 

「ごめん、遅れちゃった」

 

「お、来たか。いやそんなに待ってないよ」

 

 

 

やってきたのは、黒髪のセミロングに右目の下の泣き黒子が特徴的な女の子。本来なら既にこの世界から退場しているはずだった子。キリトが紹介する。

 

 

「紹介するよ。サチだ」

 

「サチです。よろしくね」

 

 

サチ。《月夜の黒猫団》というギルドの紅一点。原作ではギルドは壊滅してしまったが、この世界ではビーターと呼ばれるような格差は無いため、キリトがLv.を隠すことがなかった。そのため、キリトの言う事を聞き、あの宝箱を開けなかった。結果、壊滅せずに済んだというわけだ。今では月夜の黒猫団は中堅ギルドとして活動しているらしい。ディアベル生存の影響がここまで出るとは。ディアベルさん、流石っす。マジリスペクトっす。

 

黒猫団に詳しいなって? 詳しいに決まってる。もうわかるかと思うが、この世界のキリトも一時期だけ月夜の黒猫団に入っていた。その時、俺も一緒に入ったのだ。キリトと月夜の黒猫団のメンバーが会ったとき、偶然そこに鉢合わせたのだ。普通に狩りしてたらバッタリ。本当に偶然。いや、マジで。そして、キリトがギルドに入ってくれないかと頼まれたとき、何を思ったのか俺も一緒ならという条件をキリトは出したのだ。当然俺は断った。しかし、黒猫団の連中とキリトにしつこくお願いされ、最終的に折れて加入した。それからキリトが抜けるまで俺もいたのだから詳しいのは当たり前だ。ていうか当事者だし。当然、サチとも知り合いなわけで。

 

 

「久しぶりだね」

 

「ああ、久しぶり」

 

「でも、私はこの間ショウ君を見かけたよ」

 

「え、どこで?」

 

「20層の森でゴブリンを狩ってたよね。その時にたまたま見かけたんだ。何か考え事してるみたいだったから声はかけなかったけど」

 

 

ああ、修行の時か。そういえば、ギルドホームは20層にあるんだったな。それなら見かけてもおかしくないか。なんだ、声かけてくれればよかったのに。

 

て、ちょい待ち。確かあの時は色々やってたよな。ステップやらソードスキルにシンクロさせることとか。そして《抜刀術》の練習も。もしかして見られたかな。いや、知り合いだから別に良いんだけどね。一応確かめておくことにする。

 

 

「何か見た?」

 

 

と聞くと、サチはそっと人差し指を自分の口に当てた。なにこれ可愛い。じゃなくて、やっぱり見られてたか。ただ、今の仕草からすると誰にも言っていないようだ。ありがたい。

 

 

「ショウ〜?今のサチさんのは何かな〜?」

 

「ショウさん、今のは何ですか?」

 

 

今のありがたみを返してくれ。何でそうやって聞きたがるんだよお前ら。ていうかシリカさん? 顔が怖いですよ? どうしたんですか?

 

 

「ちょ、ここだとマズイから後でな」

 

「なんだ、言えることなのね」

 

 

おいリズ、お前からかってやがるな。ちくしょう、これでまた後で聞かれる羽目になったな。後でなんて言わなきゃ良かった。

 

それはともかく、俺たちが呼んだのは月夜の黒猫団全員のはずだ。しかし、見たところサチしか来ていない。どうしたんだろう?

 

 

「サチ、他の皆は?」

 

「え、ええと、それは、その…」

 

 

 

なにかまずいことを聞いてしまっただろうか?

 

 

「…お誘いはありがたいけど、私一人で行ってこいって。それで、キ、キリトと仲良くやってこいって…」

 

 

ピキーンという音が聞こえた気がした。見れば、リズの表情が固まっている。あ、修羅場だコレ。普段なら爆発しろと言うところだが、今は本当に爆発しかねない。洒落にならない。よし、話を切り替えよう。

 

 

「ええと、じゃあこれで全員揃ったよな。じゃあ店に行くか」

 

 

ディアベルはギルドの方で忙しいらしいし、アルゴは、遠慮しとくヨ、と返事が来たし、これで全員だよな。ヒースクリフ? 誰それ?

 

 

「そうだな、行こうか」

 

 

おいキリト、お前の修羅場なんだぜ。なに我関せずみたいな態度とってるんだ。さっきの話を聞いて何も思わないのか。後ろでリズの視線に気づいたサチがリズを睨んでるんですけど。そして、二人してぐぬぬって感じで睨み合い始めたんですけど。気づかないんですかキリトさん。これが伝説のスーパー鈍感人か…っ!

 

そういえばシリカはそれに参加してないな。キリトのことが好きではないのか、それとも、今の話が理解できなかったのか。いずれにしろ、シリカはまだ離れないということがわかった。それが全て。それが真理。よかったよかった。

 

俺たちはエギルの店へと歩き始め、リズとサチも睨み合いをやめて後についてくる。月夜の黒猫団のメンバーが来ないのは残念だけど、知り合いは集まったし、今いるメンバーで楽しもう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お〜い、オレ様を置いてかないでくれよ〜!!」

 

 

何か聞こえた気がするが気のせいだろう。

 

 

 





おまけ この時のキリトの脳内

・肉〜♪肉〜♪


はい、ここまでです。このあとが長くなりそうだったので一旦切ります。


ヒロインが集結することになりますね。いやー、書いててなんですが、こいつら爆発しないかな。


このアインクラッド編は多くても後10話程だと思います。それが終わったらホロウフラグメント編に入りたいと思います。
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