やばいスキルがついちゃった   作:ナストマト

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お久しぶりです。遅くなってしまい、本当に申し訳ありません。

四月になって少しドタバタして遅くなってしまいました。ちゃいますねん、決して社会の荒波に飲まれたのとちゃいますねん。(本当に違います)


どうやら日間ランキングにこの作品が載っていたようで、いやー、本当にありがとうございます。まさかまさかですよ。書き始めた頃は乗れたらいいなーとは思っていましたが、まさか本当に乗ることになるとは(汗)






Memory of Sho

 

 

 

俺は夢を見ていた。思い出すと暖かくもあり、酷く心が痛む昔の記憶の夢。忘れられない。忘れたくない。そんな記憶の夢。

 

 

 

 

 

最前線が7層だった頃。まだ俺が攻略組から引く前のことだ。7層の森で、俺は1人クエストで素材集めをしていた。この時はクラインがギルド《風林火山》を作っていたので、俺はもう必要ないだろうとソロで活動していた。クライン達には引き止められたんだけどな。元々ソロでやろうと思ってたし。

 

その素材は人型の大きな木のモンスターからドロップするやつで、目標のモンスターを見つけては倒していった。

 

しかし、俺の運の良さが発揮されず、なかなか素材は集まらなくて、その日はもう終わりにしようかと思っていた。その時、その素材を落とすモンスターが目の前に来たんだ。こいつを倒したら今日は帰ろうと思い、この時使っていた武器、曲刀で一太刀浴びせた。すると、あっさり敵を倒してしまった。変だなと思っていると

 

 

「あー、それアタシの獲物!!」

 

 

という声が後ろから聞こえた。見れば、一人の少女が立っていた。顔はまだ幼げで、見たところ中学生くらいか。いや、アスナとか大人びてたし、それとは逆で高校生かもしれないな。身長は俺より低く、大体150cmくらい。日本人のような肌の色。赤髪のセミロングで、アーマーは原作でサチが着けていたのと似ていた。

 

 

「追い詰めたのはアタシなのに〜」

 

 

どうやら倒したソイツは瀕死の状態だったようで、それを俺が横取りしてしまったというわけだ。まぁ、何かしらの言葉はかけてやろうと思った。

 

 

「ドンマイ」

 

「いやドンマイって」

 

 

俺は悪くない。

 

 

「仕方ないだろ、お前に気づかなかったわけだし」

 

「だとしても少しは悪びれて謝罪の言葉があってもいいと思うんだけど」

 

「めんどい」

 

「ざけんなコノヤロー!!」

 

「ちょ、振り回すな!!」

 

 

彼女は武器である片手剣を振り回しながら俺を追ってきた。もちろん、それで攻撃を当ててしまったらオレンジになってしまうので本気ではないにしろ、街の中まで追ってきたんだからあの時は怖かった。何とか振り切ったけどな。

 

 

その次の日、俺は再び素材集めのために森に入った。敵を倒していって、前日のと合わせて後一つで素材が揃うという所まで来ていた。そして、最後の1つを手に入れるため、件のモンスターを見つけ、追い詰めた。ダメージを蓄積させていき、後少しで倒せるというところで

 

 

「よいしょー!!」

 

 

という声と共に俺の後ろからソードスキルが放たれた。攻撃は見事に敵を捉え、倒した。

 

 

「……おい」

 

 

横取りしたやつは例の少女。仕返しのつもりだろうが、俺は少女の存在に気づいていなかったのだ。コイツは俺の後ろからやってきた。つまり意図して横取りしたのだ。これは文句を言ってもいいだろうと思い声をかけた。

 

 

「俺の獲物だぞ」

 

「ドンマイ」

 

 

流石に怒ったよね。

 

 

「てめぇコノヤローッ!!」

 

「昨日アンタが言ったんだろ!!」

 

「俺は違うがお前はわざとだろうが!!」

 

「だったらアタシだって違う!!」

 

「嘘つけ!!」

 

「昨日のアタシの気持ちがわかったか!!」

 

「ぐっ!」

 

 

うん、ドンマイってのはないな。わざとであろうとなかろうと流石にドンマイはないわと思った。言われて気づいた腹立たしさ。

 

 

「ちっ、悪かったよ」

 

「あら、案外素直なんだな」

 

「うるせ」

 

「まぁいいや。わかればいいんだよ、わかれば」

 

 

そういって彼女はアイテムを送ってきた。それは、例の素材だった。

 

 

「今のやつが落としたんだ。アタシの方こそ悪かったな」

 

 

そう彼女は謝罪した。何ていうか、見た目はこっちの方が上だろうに、自分の方が子供っぽくて恥ずかしく思った。

 

 

「アタシはサラ。アンタは?」

 

「ショウだ」

 

「ショウね。もしかしてアンタ、あのクエストやってんの?」

 

「たぶん、それだな」

 

「アタシもやってんだ。ちょっとまだ足んなくてさ。ショウ、手伝えよ」

 

「は?」

 

「いいだろ別に、何ならアタシの時の返してくれよ」

 

「お前のやつは落ちなかったんだよ」

 

「アンタが倒したからだろ、アタシが倒してれば落としてたんだ」

 

 

子供か。

 

 

「なんだその無茶苦茶理論は」

 

「まぁいいだろ? ちょっとくらい付き合えよ」

 

「嫌だと言ったら?」

 

「セクハラしたってあちこちにデマ流す」

 

「さぁ行こう、グズグズするな」

 

「あいよー♪」

 

 

いやね、基本ソロプレイヤーな俺にとって周りに敵を作るのはキツかったのよ。そう考えると原作のキリトって本当に凄いと思う。このデスゲームで相当数のプレイヤーを敵にまわしたんだからな。

 

 

 

 

まぁ、そんな感じで素材集めに振り回されたわけだ。それが俺とサラの出会いだった。最初はなんて女だと思ったけどな。しかし、男口調でとっつきやすい性格で話しやすかった。女性プレイヤーの知り合いなんてアスナとアルゴしかいなかったし。俺の中では男性プレイヤーと接するような感じで気楽だった。

 

それからというもの、彼女は何かと俺に構うようになった。何処へ行くにも着いてきて、パーティは組んでいないものの、クエストや攻略は一緒に行った。ほら、いきなりパーティってのはねぇ。急に知らんやつとは組めないだろ? ボス攻略は別として、それ以外はソロで何とかなっていたんだからな。そのうち組むようになったけどな。

 

 

 

 

そして、そんな付き合いは、10層の所まで来ていた。相変わらず彼女は毎日のように俺にくっ付いていた。その頃の俺は、それが当たり前のようになっていた。最初は諦めて付いてくるのを容認してただけだったんだけどな。毎日のように雑談をしながら攻略、クエスト。

 

攻略だけじゃない。買い物や遊びにも一緒に出かけた。後からは俺から誘うようにもなったしな。いつの間にか彼女は、俺の中で気が置けない親友のような立場になっていた。

 

 

しかし、気になることもあった。彼女はボス攻略には参加しなかったのだ。彼女は最前線にいた事から、そして一緒に戦っていてLv.の高さは伺えたのだが、ボス攻略には一度も参加したことがなかった。それについて前に聞いてみたことがある。

 

 

「どうしてサラはボス攻略に参加しないんだ?」

 

 

彼女はこう答えた。

 

 

「怖いから」

 

 

と。

 

 

「攻略だって、ソロの時は怖くてしかたなかった。でも、だからって街に引きこもるのは嫌だ。そんな自分になりたくなかった。アタシさ、このゲームで知り合いなんていなかったんだよな。アンタと会うまでは。何ていうか、このゲームにいる人みんなが敵に見えてさ。もちろんアンタの時もな、獲物を取られたし」

 

「悪かったな」

 

「ハハッ、今更いいんだよ。じゃなくて、そんなんだったから、ソロでやってくしかなかったんだ。いくら怖くてもな。アンタと一緒に戦うようになってからは、怖くなくなったけどな。だから、アンタには感謝してる。けど、やっぱりボス攻略は怖いんだ。攻略組として失格だよな。ハハハッ」

 

 

それはそうだろう。怖いに決まってる。むしろこんな小さな女子が、ソロで7層まで来れたこと自体驚きだ。アスナだってキリトとコンビを組んでいたからな。これはゲーム。力などのステータスはLv.に依存する。そこら辺の大人より彼女の方がよっぽど強い。だが、だからと言って彼女が戦わなければならない理由なんてどこにもない。

 

だから言ってやった。

 

 

「なら仕方ねぇな」

 

「え?」

 

「怖いなら仕方ねぇって言ってんの。俺たちはデータかもしれない。でも、この世界に生きてるんだ。その存在は確かに本物だ。だったら怖いからって逃げてもいいだろ」

 

「……」

 

「俺たちは強い。攻略組としてこのゲームをクリアしようと進めてる。それがどうした。だからって戦わなきゃいけない義務なんてどこにもない。だろ?」

 

「でも」

 

「でもじゃねえっての。そもそも、お前は十分頑張ってるじゃんか。ボス攻略じゃなくてもダンジョン攻略をさ。それで何が悪い」

 

「……だったら、誰がこのゲームを攻略するんだよ」

 

「そんなん、キリトみたいな廃人ゲーマーに任せときゃいいんだよ」

 

「人任せかよ」

 

「違う。適材適所だ、ワークシェアリングだ」

 

「間違ってるはずなのに合ってる気がするなそれ」

 

「うっせ。てか、俺だってボス攻略やってるだろ。人任せじゃねぇよ」

 

「それもそうだな」

 

 

と言って彼女は軽く微笑んだ。

 

 

「あ〜あ、何か楽になった気がするな」

 

「ん、そうか」

 

 

それはよかったと安堵した。落ち込んでるなんてサラらしくないからな。

 

 

「ショウ」

 

「ん?」

 

「さっきも言ったけど、アタシは自分以外は敵だと思ってた。だから、この世界でまともに話したのはアンタが初めてだったんだ。嬉しかった。うん、嬉しかったんだ。敵対視しといて変だろうけどな」

 

「………」

 

「やっぱりアタシは、寂しかったんだ。だからアンタに付きまとった。そんなアタシを、ショウは迷惑がったりしなかった。おかげでアタシは独りじゃなくなった。こんな糞ったれなデスゲームだけど、楽しむことが出来た。本当に感謝してる」

 

「……そうかい、そりゃよかった。まぁ、その、俺の方こそ楽しかった」

 

「なんだ、照れてんのか?」

 

「当然」

 

「可愛いやつだな」

 

「うっせ」

 

「ハハハッ」

 

「……まぁ、あれだ、これからもよろしく頼む」

 

「……ああ、よろしく」

 

 

彼女は、今度は微笑みではなく思いっきり笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「サラさん……」

 

「アスナも会ったことがあるんじゃないか?」

 

「ええ」

 

 

随分と前にショウ君に紹介された覚えがある。ただ、それ以外にほとんど接点がない。ショウ君と一緒にいたというが、私は基本ダンジョン攻略の際はキリト君と共にいたのだ。だからボス戦以外では、あまりショウ君には会っていなかった。ショウ君はパーティを組むことを嫌ったから。無理やり組んだこともあったけど。

 

だからだろうか、あまり記憶にはない。ただ、明るい子だったような印象はある。

 

 

「俺はあまり会ったことはなかったんだけどさ。話しやすいやつでさ、すぐに打ち解けられたよ。それに、なかなかの手練れだった。ボス戦に来ないのが不思議ほどに」

 

 

上を見上げるキリト君。

 

 

「彼女と出会ってから、ショウは目に見えて変わった。俺たちとの距離が縮まったし、明るくもなった。ショウが自覚してたのかは知らないけどさ。それは間違いなく彼女のおかげだと思ってる」

 

 

確かに、あの時のショウ君は妙に明るかった気がする。

 

 

「見ている限り、いい雰囲気だったな。俺たちも密かに応援してた」

 

 

……へぇ、そうだったんだ。

 

 

「アスナ?」

 

「続けて」

 

「あ、ああ。俺は、そんなショウの変化を嬉しく思った。それまでは何ていうか、違う視点から見てるって言うか、どこか達観してる感じがあった。だからかな、俺たち、というより、プレイヤーとの間に壁のようなものを作ってた気がした」

 

 

わかる気がする。上手く言葉には出来ないけど、ショウ君は私たちとはどこか違う感じがしてた。いや、今でもする。ただ、それは前よりも薄くなっている。それも、サラさんのおかげなのだろう。

 

 

「だからこそ、そんな風にショウを変わらせてくれた彼女には感謝してたし、任せられると思った」

 

 

そこで、キリト君は顔を暗くした。

 

 

「でも、そんな関係は急に終わってしまった。ラフィン・コフィンの手によって」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの日、俺たちは遊びに出かけていたんだ。10層のクエスト途中で湖を見つけていて、彼女が泳ぎたいというのでそこに遊びに行った。迷宮区から遠く離れていて、人気がなく、安全圏内だったので、モンスターや人を気にすることなく楽しむことができた。

 

楽しく遊んだ帰り道。

 

 

「いやー、楽しかった!!」

 

「水泳なんて久々だったわ。ゲームなら案外泳げるもんだな」

 

「なに、ショウ泳ぎ苦手?」

 

「結構苦手、泳げないことはないんだけど、水に浮かないんだよ」

 

「カナヅチか」

 

「うっせ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ああ、この時、遊びになんて行かなければ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん?」

 

「どうした?」

 

「今、アタシの索敵に何か引っかかったような?」

 

「……俺は何も引っかかってないぞ」

 

「気のせいか」

 

「まぁ、一応警戒はしとこう」

 

「オッケー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この時、もっと警戒を強めていれば。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガサッという音がした。と思った瞬間には、俺は何かに切りつけられていた。

 

 

「何だ……うっ!?」

 

 

そのまま俺は倒れ込んだ。麻痺状態にされていた。

 

 

「ショウ!?」

 

「ヒャッハー!!」

 

 

俺を切りつけたやつはそのままサラを狙った。しかし、サラもさる者。斬撃を見事に剣で躱してみせた。

 

 

「やるじゃねえのお嬢ちゃん」

 

「テメェ、ショウに何しやがった」

 

「なーに、ちょっくら麻痺ってもらっただけよ」

 

「何の為に」

 

「愚問だなぁ、殺すためよ」

 

「テメェ!!」

 

「おっと、俺に気を取られてていいのかい?」

 

 

サラの横の木の陰から、もう一人が飛び出してきた。サラは不意を突かれ、そいつが放った斬撃をくらってしまった。

 

 

「しまっ……!?」

 

 

サラは俺と同じように倒れ伏してしまう。

 

 

「くっ、ショウ、逃げろ!!」

 

「ダメだ、まだ動かない…」

 

 

動こうにも、彼女を助けようにも体が動かない。しかも、ここは迷宮区から遠く離れているため、あまり人は来ない。助けが来る望みは薄い。

 

 

「さて、どうします頭領」

 

「そうだなぁ、まずは女の方から殺してやるかぁ」

 

 

頭領と呼ばれ姿を現したのは、顔に大きな傷跡がある男。そう、PoH。

 

 

「こいつらいい関係みたいだからなぁ、野郎の方に見せしめてろうぜぇ」

 

「やめろ、やるなら俺からやれ!!」

 

「ハッハー!! いいねぇ、その反応!! 余計にお前が絶望する顔が見てみたくなっちまったぁ」

 

 

そういってPoHは大きな鉈のような武器を取り出した。

 

 

「さて、麻痺が解ける前にさっさとやっちまうかぁ」

 

「やめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろ!!」

 

「ショウ……」

 

「ハハハハハハ!!」

 

 

 

 

 

 

「おい、何してるんだ!!」

 

 

叫ぶ声。そこに現れたのはキリトとクラインだった。

 

 

「チッ」

 

 

舌打ちするPoH。よかった、攻略組でも屈指の二人が来てくれた。これで助か───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「Good-bye」

 

 

そう言ってPoHは鉈をサラに振りおろした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は、この瞬間を忘れない。

 

 

 

 

 

忘れることは出来ない。

 

 

 

 

 

最後のサラの言葉。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ありがとう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして彼女の首は切り落とされ、サラというプレイヤーは、この仮想世界から消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 






はい、ここまでです。

いやー、回想って難しいですね。持ってるラノベを参考にしながら書いていたんですが、何回も書き直すことになってしまいました。何日かに渡って書いていたので文章的におかしな所があるかもしれません。もしありましたら、ご報告お願いします。

更新ペースについてですが、もしかしたらこのペースになるかもしれません。できる限り早めに投稿するよう努力いたしますが、その辺はご了承下さい。
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