やばいスキルがついちゃった   作:ナストマト

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日間ランキング39位に入っていたそうで。
本当にありがとうございます!!

急に評価とお気に入りが増えたと思ったらそんなことになってたんですね。いやー、朝起きて見てみたら一気にお気に入りが増えててビックリしましたよ(笑)。いやもう本当にありがとうございますとしか言えませんです。モチベーションだだ上がりですよ。というわけで今回は長めです。ではどうぞ。



YUI

 

 

 

「なあ、キリトよ」

 

「どうした?」

 

「父親って何すればいいんだ?」

 

「俺に聞くなよ」

 

「だよなぁ」

 

 

でもあなた、原作だと物凄く良い父親してましたよね。ねぇ、どうやんの? 何すればいいの? 父親ってなに? 家族って何? 俺って誰?生きるって何?(混乱)

 

アスナのホームのある街、《セルムブルグ》の湖の畔でアスナとユイが追いかけっこをしている。ここら辺は芝が生えていて寝転がるには最適だ。キリトと二人、寝っ転がりながら昨日のことについて話していた。ユイのこと、自らの口から出た失言のせいでアスナの家で暮らすことになったこと、父親になったこと。

 

 

「パパー!」

 

「ん? おっと」

 

 

体を起こすと同時にユイが胸に飛び込んでくる。しっかりと受け止め、自分の足の上に乗せてやる。頭を撫でてやると、くすぐったそうにしながらも微笑みながら上目遣いでこっちを見てくる。うわ、何この可愛い生き物。可愛いというより可愛い。いや、むしろ可愛い。

 

 

「パパも一緒に遊ぼー?」

 

「ちょっと待っててな。このおじさんともう少しお話しなきゃいけないから」

 

「おじさんて…」

 

「うん、わかったー」

 

 

元気のいい返事をすると俺の足から降り、アスナの元へと駆け寄って行った。すまんなアスナ。もう少し面倒を見ててくれ。やだ、今の自分旦那さんっぽい。

 

 

「それでな、おじさん」

 

「おじさん言うな。同じくらいだろ」

 

「さっき、ユイのメニュー画面について話したよな」

 

「ああ」

 

「ちょっと気になってな。調べて欲しいんだ」

 

「?」

 

「40層にシステムコンソールのような物を前に見つけてな、それでユイのことについて調べられるなら頼みたいんだ」

 

「システムコンソール?」

 

 

システムコンソールとは、俺に《愚者の勇志》が付いた時にあったアレだ。原作で出てきた第1層の物とは役割が違うかもしれないが、同じ可能性はある。なら、取り敢えずユイのデータをひとまず誰かのナーヴギアに移しておくべきだと思う。何が起こるかわからないしな。原作同様カーディナルシステムにエラーとして消されるかもしれない。

 

 

「お前、プログラムみたいなの得意だろ」

 

「それなりにな。でも、どうしてわかったんだ?」

 

「勘だ」

 

 

知ってるとは言えない。

 

 

「俺はそういうのからっきしダメだから頼みたいんだ。ダメか?」

 

「いや、そういう事なら喜んで頼まれるよ」

 

「そうか、ありがとう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

というわけで、40層。ここに来るのも随分と久しぶりだな。トントン拍子でレベルが上がってしまったから来ることもなかったが、当時はここで毎日レベリングしていたものだ。懐かしいものがある。

 

あーあ、現実世界のことを思い出しちまった。懐かしいな。久しぶりに家族に会いたい。友人に会いたい。遊びに行きたい。あ、そういえばアイツ俺の貸したエロ本返してねえ。てか俺もエロ本返してねえ。ったく、戻ったらちゃんと返さねえとな。ああ、SASUKE録画すんのも忘れてた、って今更か。なんて、ちょっと思い返すだけでも向こうでやることは沢山あるんだ。もちろん、こっちの世界も嫌なわけじゃない。むしろ好きだ。だけど、向こうの世界が恋しいのも事実。なんてな、センチメンタルな気分になっちまった。俺はもう16じゃないっての。

 

さて、あの時の俺は一人だったが、今は一人じゃない。アスナ、キリト、そして

 

 

「わーい、たかいたかーい!!」

 

「あんまり暴れると落ちるぞー」

 

 

俺の肩に乗っているユイ。俺を含めたこの4人でこの40層に来ている。最初は俺とキリトだけで来ようかと思ったのだが、ユイが『私も行く!』と言って譲らなかったので、折角だし小旅行気分でアスナも誘うことにしたのだ。今はコンソールの元へと続く道なき道を歩いている途中である。これも家族サービスですかね。ユイは喜んでるっぽいし、アスナもそんなユイの笑顔を見て微笑んでいる。これで良かったのかな。さながら、ハイキングってところか。

 

 

「しかし、こっち側には来たことあったけど、流石にここまでは来たことなかったな」

 

 

というのはキリトだ。アスナも頷いているし、攻略組屈指の二人がそう言うのだから本当に未知の領域だったのかもな。整備された道らしい道はそうとう前に終わってるし、ここまで来ようとする者もそうはいないだろう。俺だってあの兎に招かれなければ一生行くことはなかったはずだ。まぁ、あそこでついて行ったという選択は正しかったと思うけどな。

 

 

「遠くまで行ってみようっていう軽い冒険心があったんだよ。お前ならわかるだろ?」

 

「なるほどな」

 

 

クスッと笑うキリト。そう、男ならわかるはずだ、この気持ちが。インディなジョーンズのように洞窟を探検したり、大海原へ出て七つの海を渡りパイレーツなカリビアンでグランドラインを目指してありったけの夢をかき集めたりしたいといった冒険心を男なら一度は誰しもが抱くものだ(俺調べ)。

 

さて、結構歩いたけどマップを見るにもう少しだな。そういえば、あの時はコンソールを守るモンスターがいたよな。モブモンスターは時間が経てばポップするけど、あのモンスターはポップするんだろうか。まぁ、コンソールを守るわけだからな。恐らくポップしてるだろうな。となると、また戦わないといけないのか。

 

 

「キリト、一応パーティを───」

 

「グオオオオオオオオォォォォオオ!!」

 

「……組んどいた方が良さそうだな」

 

 

やっぱり居たか。

 

 

「アスナ、お前はユイを見ててくれ」

 

「わかったわ」

 

 

あの時は何故かあっさり勝てたけど、本来ならもっと強いはずだよな。今回もあっさり勝てるとは限らない。気を引き締めていかないと。

 

 

「いつも通り行くぞ」

 

「ああ」

 

 

あの時はソロだったが、今はキリトもいる。なら、それを活かした戦い方をするだけだ。相手はミノタウロス系のモンスター。動きはそれほど早くはないが、一撃は重い。だから、AGIの高い俺が撹乱してキリトが攻撃を加えるいつものやり方が有効的なのだ。

 

地面を蹴りあげる。一足目からスピードはほぼMAX近くまで出ている。これは65層のLAボーナスのブーツの能力だ。普通なら地面を蹴るたびに加速度的に上がっていくものだが、これはゲームの世界。正に俺のためにあるような装備だ。運良く出てくれたのは本当にありがたい。もしかしたら運が良くなるようなスキルがついているんじゃないかと疑うレベル。

 

懐に飛び込んだ俺を、ミノタウロス系のモンスターはしっかりと目で捉えている。動きは速くないとはいえ、流石にレベルは高いだけある。俺に目掛けて斧を振り上げる。まぁ、それだけなら大したことはないんだけどな。振り上げた斧を持つ右腕に目掛けて体術スキル《閃打(せんだ)》を放つ。

 

体術スキルはそこまで威力はでないため、大きなミノタウロス相手にやるのは普通なら威力が足りず、隙をみせるだけになるが、AGI特化した俺のスピードを乗せればそこそこの威力が出る。さらに、体の中心ではなく腕という軽い部分を狙うため、弾くことくらいは出来る。ただ、難しいのは腕を正確に狙うのが難しいということだ。少しでも腕の芯を外すと勢いが腕に伝わらない。まして、相手は人形などではなく動くモンスター相手。

 

 

 

 

 

 

 

やれるか?

 

 

 

 

 

 

 

やれるさ。俺なら。

 

 

 

 

 

 

 

 

「うおおおおおおおおおお!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「グオオオォオォオォオ!!!!????」

 

 

 

 

 

 

バシッという音がすると共に、ミノタウロスはその右腕を大きく後ろに逸らし、体勢を崩す。俺が放った《閃打》は見事に右腕を捉えた。やってやったぜオイ。一発勝負だったが出来るもんだな。

 

一先ず俺の仕事はここまでだ。次はお前だぜキリト。

 

 

「スイッチ!!」

 

 

俺と入れ替わって飛んできたキリトが片手剣のソードスキル《ホリゾンタル・スクエア》を放つ。《ホリゾンタル・スクエア》は片手剣の中級ソードスキルで、上段右水平切り、左に垂直切り、下段左水平切り、右に垂直切りと順番に攻撃し、その攻撃の軌跡が正方形になるように刻むソードスキルだ。原作の中でキリトが一番最初に使ったソードスキルだし知っている人も多いのではないだろうか。

 

攻撃を食らったミノタウロスは雄叫びをあげながらよろめき、HPゲージもガリガリと削れていく。よし、次は俺だ。体術スキルは硬直が短いのが助かる。キリトの硬直が解けるまでこっちにヘイトを向けないと。抜刀し、一撃を加えようとしたのだが、キリトが与えたダメージは思いのほか大きかったのか、ゲージの減りが止まらない。あれ? このパターンってもしかして。と思ったのと同時にHPは0になり、あっさりと倒してしまった。

 

 

「………」

 

「………」

 

 

ちょっとした静寂はパンパカパーンと愛宕さんの如く鳴り響くファンファーレによって破られた。どうやら、俺のLv.が上がったらしい。経験値もらえるのかよ。左上に見える自分のLv.を確認すると

 

 

 

 

 

《Sho》Lv.97

 

 

 

Lv.97

 

 

 

97

 

 

 

 

 

91→97

 

 

 

 

 

 

What?

 

 

 

あれれー、おっかしいぞー。さっきまでLv.91だったよねー。なんで97になってるのかなー?

 

うん、またやらかしやがったなあの野郎。前回はチートスキルを付けて今回は馬鹿みたいな経験値を寄越しやがった。いいのかコレ?本当にいいのか? ズルいどころの話じゃないぞコレ。

 

 

「なんか、あっさり倒しちゃったな」

 

 

キリトが話しかけてくる。うん、わかるよ。ほら、お宝の前の敵ってもっとボスらしい強さがあるじゃん。某伝説の妖精もごまだれの前のボスってそれなりに強いじゃん。こんなにあっさりは勝てないじゃん。なんか、気が抜けたというかなんというか。

 

それより、キリトはLv.上がってないのか。確かにファンファーレは一つしか聞こえなかったな。アレってLv.がいくつになったかはわからないんだけど、音だけは他人にも聞こえるんだよな。どうしてだろうな。

 

 

「まぁ、倒せたから良かったな」

 

「そうだな」

 

「んじゃ、邪魔者もいなくなったし頼むな」

 

「ああ」

 

 

コンソールに近づき、キーボードのようなもので操作し始めるキリト。するとなにやら文字列の並んだ画面が浮かび上がる。

 

 

「凄いな、本当にシステムにアクセス出来る」

 

「ユイのことを調べられるか?」

 

「まだわからないな」

 

 

ふむ、可能性はあるってことか。なら、しばらく任せようか。俺に出来ることはないだろうし。

 

 

 

 

 

 

 

「うーん」

 

「ダメか?」

 

「ユイの情報がどうしても見つからないんだ」

 

 

うーん、原作ではあっさりとこなしてたけどな。ここも原作とは違うところか。とはいっても、俺には手伝えることなんてないしな。どうしたもんか。

 

 

「どうしたのユイちゃん」

 

「ん?」

 

 

アスナの声に気付き見てみれば、ユイがコンソールに手をつきジーッと画面を見ている。

 

 

「どうした?」

 

「パパ、ここ気になる」

 

「ん?」

 

 

と言って指を指したのは一列の文字。俺にはよくわからないが、何かあるのだろうか。

 

 

「キリト」

 

「ああ」

 

 

キリトが操作し、その文字列からどこかへアクセスする。

 

 

「見つけた、MHCP001 YUI」

 

 

そこにはユイのデータがあった。と言っても、英語なので俺には何が書いてあるかはほとんど読めないが。むしろ読むのを諦めるレベル。てか諦めた。無理。英語とか何語?

 

 

「何かわかるか?」

 

「……少しは。いや、ごめん、よくわからない」

 

「アスナ、読めるか?」

 

「……私も少しだけ。専門的な用語かな、が多すぎて」

 

「読めるところにはなんて書いてある?」

 

「mental health counseling program、これって」

 

「ユイのMHCPの意味、だろうな」

 

「つまりユイちゃんは…」

 

「プログラムだってことになる」

 

 

驚きを隠せないアスナとキリト。そりゃそうだよな。今までの言動、行動からプログラムだなんて誰が想像できる。誰も出来やしないだろう。さて、やることはやろう。いつまでもここにいたらまたポップするかもしれない。

 

 

「キリト、ユイのデータを、そうだな、アスナのナーヴギアに移せないか?」

 

「出来ないことはないと思うけど、なんでだ?」

 

「いや、何が起こるかわからないしな。ユイは普通のNPCとは明らかに違う。もしかしたら何らかの異常でこの世界に来たのかもしれない。記憶を失っているのもそれが原因とも考えられる。となると、システムを管理してる何かがバグと捉えて消去する可能性もある。そうなる前にデータを移しとけば恐らく大丈夫だろうと思ってな」

 

「…根拠は」

 

「勘だよ」

 

「なら信じる」

 

「いいのかよ」

 

「ショウの勘は当たるからな」

 

 

すまん、それ全部原作知識なんだ。

 

 

「わかった、じゃあやってみる」

 

 

キリトは画面にむかって操作をし始める。どうやら出来るらしいな。よかった、これで少なくとも消去は免れるだろう。ユイに消えて欲しくなんかないからな。大事な娘なんだから。父親かよ。はい、父親です。

 

 

「でも、何で私のナーヴギアなの?」

 

 

とアスナが尋ねてくる。そりゃお前、決まってるだろ。

 

 

「言ったろ、お前は俺が守るってな。だからお前に預けるんだよ。それに、キリトには悪いが、母親であるアスナの方がユイも安心だろうし」

 

 

アスナは俺が守る。そんなアスナのナーヴギアに移すということは、ユイも同時に守るということだ。俺のナーヴギアじゃダメだということもある。そもそも俺の存在があやふやだからな。ナーヴギアを使ってるかどうかも怪しい。そんなところにユイは預けられない。大事な娘なんだから。父親かよ。はい、父親です(二度目)。

 

 

「そ、そう」

 

 

ん、何で顔を逸らすん? あー、流石にキザったらしかったか。たぶん、めっちゃ笑ってるんだろうな。何言ってんのコイツうぷぷって感じで。うわ、アカン恥ずい。俺もアスナから顔を逸らしてしまう。逸らした先にはキリトがニヤニヤしながらこっちを見ていた。

 

 

「なんだよ」

 

「いや、なんでもない」

 

 

ったく、お前まで馬鹿にしてんのかよ。やめろよ恥ずかしい。あー、暑い暑い。

 

 

「それより、出来たのか?」

 

「ああ」

 

「そうか、ありがとう」

 

 

いやー、よかったよかった。取り敢えず第一段階はこれでいいかな。後はユイの記憶が元に戻るのを待つだけか。いつ取り戻すかわからないけど、まぁ焦っても仕方ないしな。

 

 

「んじゃ、帰るか。いつまでもここにいるわけにもいかないし」

 

「そうだな」

 

「ええ」

 

「ユイ」

 

「はーい」

 

 

駆け寄ってくるユイを抱きかかえて行きの時と同じように肩に乗せてやる。もうここが定位置みたいなもんだな。そんな感じでキリトにお礼として飯を奢ることを約束して、俺たちは帰路につくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ええ、じゃあそのように」

 

「頼んだぞ」

 

「わかってますよ、私もアイツには恨みがありますからね」

 

「俺らがあの程度で潰れると思ったら大間違いだぜ」

 

「アイツには一泡、いや、百泡ぐらいは吹かせてやらねぇと気がすまねぇ」

 

「その通りです。私たち」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────笑う棺桶(ラフィン・コフィン)に歯向かったらどうなるか、教えてあげましょう。

 

 






はい、ここまでです。

今回は新たにショウに体術スキルが付いていることが発覚しました。これは以前紹介したショウのスキルの未定の部分にあたります。やっぱり持っていた方が後々便利になるんじゃないかと思いまして。主にネタ的に(笑)。

それと、LAボーナスですね。以前からLAボーナスはどーするんだと言われてきましたが、いや長らくお待たせしました。プレイヤーによっては結構なチート装備でしょう? これでどうですか!!文句ないでしょう!!

P.S
まだロストソングのアップデートver.やれてないんですよねぇ。はやくやりたいヾ(>y<;)ノ

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