やばいスキルがついちゃった   作:ナストマト

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落第騎士のアニメを観てやっぱり剣術ってカッコイイと思いました(小並感)
ちなみに原作を読んでる派です。ステラ可愛いよステラ。




違和

 

 

「団長、今日は勝たせてもらいます」

 

「随分と気合が入っているね。彼がいるからかな?」

 

「そうですね、それもあります」

 

「ふふ、しかし、こちらも血盟騎士団の団長として負けるわけにはいかない」

 

 

一方はレイピア、一方は片手に盾、片手に剣を持つ戦闘スタイルの異なる2人。四天王に数えられるほどの実力を持つが、この2人が戦うところを見たことがなかった。そもそも四天王同士の戦いを見たものは少ない。それだけに、コロッセオは異様な空気に包まれていた。これから起こることへの期待、未知への怖れ、不安が入り交じっている。

 

そんな客席の一角にもまた、四天王が座していた。方や《黒の剣士》の異名をとり、方や《火影》の異名を持つ2人。ついでにその取り巻き。

 

 

「誰が取り巻きよ」

 

「急にどうしたんだよリズ?」

 

「いや、なんか妙な電波が…」

 

 

唐突になにやら言い出したリズは置いといてだな、ていうか今の地の文誰だよ。俺じゃないぞ。そんなに中二チックな言葉なんか使ったりしない。そもそも高二だし。なら高二病か。どっちでもいいよ。

 

さてさて、フィールドではアスナとヒースクリフがなんか話しているが、全く聞こえやしない。今はただカウントダウンを待つだけである。

 

うーむ、どっちが勝つのかね。アスナにはぜひとも勝って欲しいものだが、相手が相手だしなぁ。

 

 

「キリト、どう思う」

 

「…わからないな。こればっかりはわからない」

 

「だよな」

 

 

お互いに攻める手立てはある。だからこそ、純粋に実力がものをいう。わかんねぇな、どっちが勝ってもおかしくない。

 

ちなみに、トトカルチョでのオッズはアスナの方がやや高い。ヒースクリフに歩があると見ている人の方が多いようだ。俺はもちろんアスナに賭けてる。ディーラーのアルゴには『ニャハハハッ!やっぱりナ』なんて笑われたが。別にいいだろ、むしろヒースクリフに賭けろってのか?オレにそっちの趣味はねぇよ。

 

ていうかお前ら、アスナさん舐めんなよ。あの人マジパネェかんな。バーサーカー時代のアスナさんはモンスターがビビって逃げ出したっていう逸話が残ってんだぞ。それとな、朝起きた時の『おはよう』っていう笑顔、あれ破壊力抜群だから。マジで可愛いから。ヒースクリフもやられるんじゃないの?アスナのおはようこうげき!こうかはばつぐんだ! ヒースクリフはたおれた!なにそれ見てみたい。

 

 

「勝ってくれよ」

 

「ママー!」

 

 

ほら、大事な娘だって応援してるんだ。これで勇気100倍の元気100倍だろ。頑張れよ、アスナ。

 

 

 

 

カウントダウン

 

 

3……2……1

 

 

 

 

 

 

決闘が始まった。しかし

 

 

『ざゎ・・ざゎ・・・』

 

 

会場は戸惑いに包まれている。それもそのはず

 

 

「動かないな」

 

「だろうな」

 

 

試合が始まったにも関わらず、お互いに動かないのだ。見に来ている人の大半は激しいやり取りを期待していただろうが、正直これは予想できた。

 

 

「どうして動かないんでしょうか?」

 

 

と、シリカが尋ねてくる。ってシリカ、いたのか。ずいぶんと久しぶりな気がするな。いや、確かにさっき挨拶も交わしたし、ちょこちょこ会っていたし久しぶりなはずがないんだが、不思議だ。まるで8ヵ月程会話をしていなかったみたいだ。影が薄いんじゃないか?リズと一緒に[MORE DEBAN]の看板でも掲げたらどうだ?

 

 

「なんかイラッとしました」

 

「おちつけ、カルシウム摂れよ」

 

 

身長も増えるし、なにより胸も増えるぞ。

 

 

「これから成長するからいいんです!」

 

「なぜわかったし」

 

「視線がいやらしいです」

 

「いや、ちょっと待て。それは違う断じて違う。おいお前ら、そんな軽蔑した目で見るな。違うから、決して性的な目で見てないから、ロリコンじゃないから」

 

「誰がロリですか!」

 

「いや、ロリでしょ」

 

確か設定ではこのゲームに入った時は12歳だったはずだ。このゲームでは歳は取らないから、容姿は12歳のまま。うん、どう考えてもロリです。ありがとうございます。

 

 

「やっぱりアスナさんみたいに大きい方が良いのかなあ」ボソボソ

 

「で、どうしてどっちも仕掛けないのかって話だったなロリカ……ごめん嘘、冗談だから無言でダガー取り出すのやめて怖いマジで怖い」

 

「怒りますよ?」

 

「もう怒ってるじゃないですかあばばば」

 

「ハァ…それで、どうしてですか?」

 

「あ、ああ。ええと、それは二人ともリスクが伴うからだ」

 

「リスク?」

 

「そんなのは当たり前のことなんだけどな、2人の場合はそれが大きすぎる。アスナは細剣の特徴を活かしたスピード重視のタイプだ。対して、ヒースクリフは防御からのカウンターが主な戦い方になる、ここまではいいな?」

 

「はい」

 

「じゃあ、アスナから仕掛けた場合を考えよう。細剣の特徴は色々あるが、ここで重要なのは軽いこと、それと突きが基本攻撃となるということだ」

 

「?」

 

「簡単に言えば、攻撃が軽いからパリィされやすいんだよ。盾も剣も弾くほどの攻撃はできない。だから隙を突いて攻撃するしかない。普通のモンスター相手ならそれも出来るだろうが、相手が相手だ。キツイだろうな。ていうか、それで勝てるならとっくに動いてるはずだ」

 

 

躱される可能性の方が高いと思うけどな。まあここでは言うまい。

 

 

「それと、突きが基本っていうのは、細剣は突き以外だとダメージが極端に少ないんだ。初撃決着のルールで勝ちが決まるほどのダメージは与えられないだろうな。となれば、ヒースクリフはそこをつけばいいわけだ」

 

 

よく勘違いされるが、初撃決着はただダメージを与えれば勝ちというわけではない。それだと掠めただけでも勝ちになってしまう。ほんの少しだが一定のダメージを与えないと決着は着かないのだ。ソードスキルなら突き以外でも結構削れるんだけどな、ルールで禁じられてるからしょうがない。

 

 

「じゃあヒースクリフが動いたら?」

 

 

今度はリズが聞いてくる。お前はキリトに教えてもらえばいいじゃん。別に良いけどさ。

 

 

「そもそもカウンターがメインになるからな。っていうのも、盾を装備するとスピードがガクッと落ちるんだ。攻撃しようとしてもそこを突かれておしまいだろう。半減決着ならそれでもいいかもしれないが、初撃決着のルールだと負けになるからな」

 

「なるほどねぇ」

 

「二人とも、動かない方が勝つ可能性が高い。結果が今の状態だ。まぁ、強いていうなら動くとすればアスナの方か」

 

「どうしてですか?」

 

「ヒースクリフが仕掛けるとも思えないし、そもそもメリットがないからな。もしあくまで勝つつもりなら、アスナは動くしかない」

 

 

ジリジリと動きつつはあるものの、互いに仕掛ける様な気配はない。このままじゃジリ貧だぞ。どうするアスナ。

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

流石の存在感。味方にするとあんなに頼もしいのに、敵になるとここまで怖いものなのか。まるで、動くことのない山を前にしているような圧迫感がある。動かざること山の如くとは、かの戦国大名は上手く言ったものだ。

 

決して戦ったことがないわけではない。しかし、そのどれもがカウンターを食らっての敗北。自ら動くことをせず、待ちに徹し、相手が攻めてきた所を撃つ。それが団長の戦闘スタイル。もちろん、ボス戦ではこの限りではないが。

 

ここで待っても埒があかない。向こうから攻めてこないならこっちから行くしかない。勝つためにはそれしかない。

 

なら───

 

身体を前に倒し、脚に力を込める。

 

 

《ウワァァアアアアアアア!!》

 

 

会場に歓声が響き渡る。動かなかった試合がようやく動き出したのだ。アスナが飛び出したのは試合が始まってから10分を超えようかという辺り。激しい試合を見に来た観客の気持ちも推して知るべしだろう。

 

まずはあの盾を突破しないと。

 

距離がヒースクリフのリーチまで来たところでアスナはほんの一瞬、しかし極端にスピードを緩めた。そして一気に蹴り出し、盾を持つ左方に回り込む。まだ盾は前方に構えていてガード出来ていない。

 

とれる!

 

胸元めがけて突きを放つ。今にも吸い込まれんとしたその攻撃は、だがしかし鉄の如き壁に阻まれた。

 

 

「くっ!」

 

 

ガードされると悟るや否や、すぐさまバックステップで離れる。するとその位置に一閃が走る。かろうじて躱せたが危なかった、あそこから躱せるなんて。

 

 

「見事な攻撃だった。受け流す余裕もなかったよ」

 

「いけると思ったんですけどね」

 

「伊達に団長はやってないよ」

 

 

初撃は弾かれてしまったが、こうなったらとことん攻めるまでだ。カウンターされるならしかたない。自分の実力がそれまでだということ。でも、負けるわけにはいかない!

 

 

「ハァァァァアアアア!」

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

攻める、右から、左から、とことん攻め続ける。そのどれもが盾で弾かれる。しかし、ただ弾かれるだけだ。決して隙を作ってはいない。

 

 

「やるなアスナ」

 

「むしろよくあれを返せるわ。俺なら出来ない」

 

「嘘をつくなよ。ショウならあそこからでも躱せるだろ」

 

「返せないって言っただけだが?」

 

「それも嘘だろ?」

 

「あの〜」

 

 

遠慮気味にシリカが尋ねてくる。どしたん?

 

 

「どうしてヒースクリフさんは攻めあぐねているのでしょうか?」

 

「ああ、なるほどな」

 

 

そうだな、どう説明したもんか。

 

 

「んじゃ、今から手を振り下ろすから、それを両手で挟んでみてくれ」

 

「え?」

 

「ほらいくぞ」

 

「わわっ!」

 

 

合図するや否や素早く手を振り下ろす、が、途中で一旦止めた。それにシリカは見事に釣られ、パーンと乾いた音が響く。

 

「あっ」

 

「そういうことだよ。つまり、向かってくるものに対して、脳はそのまま来ると思い込んでしまうから急な速度変化に対応出来ない。アスナは攻撃の動作中にそれをやっている。今のシリカ見たいになるはずなんだ。はずなんだがなぁ」

 

「それをヒースクリフさんは防いでいると」

 

「そういうこと。見たところ防いでるだけで手一杯って感じだから攻撃に回れないんだろうな」

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

攻める手は緩めない。緩められない。攻めているのはこっちの方なのに、ほんの少しでも後退の意思を示したらやられる。

 

むしろ攻めることを強いられているという錯覚。いつの間にか絡み付いた鎖が徐々に身体を縛り付けてくる、そんな感覚

 

 

「ふふ」

 

「……ッ!」

 

 

追い詰めているはずなのに、まだ笑みを浮かべる余裕があるのか。なにか策があるのだろうか。

 

なら、やられる前にやってやる!

 

あえて正面に突っ込む。それこそ、盾と接触するほどに。押し返そうしたのだろう、団長は盾を前に出す。

 

その瞬間、私は盾の下へと滑り込んだ。

 

頭のわずか上を盾の下部が通過する。

 

 

もらった!

 

 

賭けに勝った。もし少しでもタイミングがズレればパリィされて体勢を大きく崩されただろう。

 

だが、その決死のスライディングは実を結んだ。団長はまだ攻撃の体勢には入っていない。お互いに躱す術はないが、ここから同時に手を出したとしても、AGIの差でダメージが通るのはこちらの攻撃が先。

 

細剣から放たれる一撃は団長の胸へと吸い込まれていく。そして、この手には突いた衝撃が伝わる。

 

 

 

 

はずだった。

 

 

 

 

「え?」

 

 

口から出た声は確かな言霊を持って放たれた。躱されるはずのない、正に必殺の一撃だったはずだ。

 

それがどうして、空を突いている?

 

 

「惜しかったね」

 

 

首元にはキラリと光沢を放つ剣が当てられていた。

 

いつの間に後ろに回り込まれたのか。どうして躱されたのか。

 

わからない。

 

ただ、1つあるのは私が負けたという事実。

 

 

「……参りました」

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

「う~、負けちゃったよ」

 

「いやいや、お疲れさん。よく戦ったよ本当に。あそこから躱すヒースクリフがおかしいだけだ」

 

 

帰ってきたアスナをみんなで迎える。頑張った、頑張ったよ。本当にお疲れさん。

 

 

「ママ、カッコよかった!」

 

「ありがとねユイちゃん。でもやっぱり悔しいな」

 

「敵はとってやるよ」

 

「うん、よろしくね」

 

 

……正直、勝てたと思った。下に潜り込んだ時、ヒースクリフはあそこから回避できる体勢ではなかった。それが、急激にスピードを上げたと思ったら既にアスナの後ろに回り込んでいた。不可解だ。そうとしか言いようのない動きだった。

 

 

だが、俺はそれをどこかで知っている。頭に鳴り響く警鐘。走る電気。

 

なんだ、俺は何を知っているんだ。

 

 

「ショウ君?」

 

「ん、どした?抱きしめて欲しいの?」

 

「出来るならどうぞ」

 

「すんません調子に乗りました」

 

 

いかんな、考えてもわからないもんはわからないのだ。気にしない方がいいか。軽口叩いて話を逸らしたが、こいつらのことだ、気づかれてるよな。誰も追求してこないのは本当にありがたい。みんなの優しさに感謝だな。

 

さて、そろそろ準備しないとな。

 

 

「次は俺だな。行ってくる」

 

「頑張ってね」

 

「はいよ」

 

 

娘の前で格好つけたいしな。それに…

 

 

「?」

 

「いや、何でもない」

 

 

さてさて、行ってくるとしますかね。旦那さんが引っ張ってやんないとな。

 

 

 

 

 

 

 

 

ショウVSクライン

 

 

「今日は勝たせてもらうぜショウの助よ!」

 

「へいへい、本気で行きますよー」

 

「え、いや、それはちょっと、少しは手加減してもらえると」

 

「はい3、2、」

 

「うおっ! カウント待っt」

 

 

 

 

結果は言うまでもない。

 

 






はい、ここまでです。

今更ですが、この作品の剣術や策略などは自分がそうだろうと思ったことを書いているだけですので、本当にその技術が難しいのか等はわかりませんので悪しからず。一応軽く触ってはいるんですがね。
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