やばいスキルがついちゃった   作:ナストマト

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前回のNM戦がずいぶんあっさりだったと言われたのですが、まだ導入したばっかということでひとつ納得してください。あそこの部分4回ほど書き直したんですよ。

さてさて、クエスト報酬とは何でしょうかねえ





刀の可能性

「紹介するよ、ショウだ」

 

キリトがリズベットに紹介してくれる。攻略組にいたことは黙っていることにしたらしい。それもそうか、攻略組から身を引いたっていうのはクリアを望んでいる攻略組以外の人からすれば戦力が減り、現実世界に帰るのが遅くなるのだから少なくともいい気分にはならないだろう。恨みを買ったりするかもしれない。リズベットはそんなこと思わないだろうが。

 

「ショウだ、よろしく。一旦攻略組から身を引いたんだけど、今は戻るために頑張ってる」

 

キリトが一瞬驚いた後、微笑んだ。

 

「そうか、戻って来てくれるのは嬉しいよ。でも無理はしないでくれよ」

 

「わかってるさ」

 

無理しないでも楽にLv.が上がるからな。そんなこと言わないけど。てか言えない。

 

 

もうわかると思うが、俺とキリトは知り合いだ。フレンド登録もしてある。以前攻略組にいた時には色々と世話になった。パーティーを組んだこともある。あのキリトとパーティーだぞ。羨ましいだろ。

 

 

「キリトの知り合いだったのね。なら、安くしとくわ」

 

「いいのか? ありがたい。えっと…」

 

「リズベットよ。気軽にリズでいいわ」

 

「リズな。よろしく」

 

リズ呼びのお許しが出たぜ。これはもうメインキャラの仲間入りじゃないのか、グフフ。おっとそこ、気持ち悪いとか言うな。

 

 

さて、用事を済まさないと。

 

 

「頼みがあるんだ。刀を打ってもらいたい」

 

「刀ねぇ。どんなのがいいの?」

 

「できる限り軽くしてくれ」

 

軽くする理由は俺の戦闘スタイルに合わせてだ。もうひとつ理由があるのだが、これはまぁそのうち。

 

「今使ってるのを見せてくれる?」

 

俺は《村雨》を出してリズに渡す。

 

「せめてこれよりは軽くして欲しい。出来るか?」

 

「うーん、出来ないことはないと思うんだけど、材料が取りに行かないと無いのよねぇ」

 

「そうなのか、良ければ俺が行くけど」

 

「ならよろしく頼むわ。場所は…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて翌日、やって来ましたのは53層の洞窟。洞窟内は非常に暑く、所々マグマが壁から流れている。53層は火山地帯のエリアで温泉があることで有名だ。それだけに基本的にどこもかしこも暑い。刀の材料はこの洞窟にいるあるモンスターを倒すと手に入るらしい。刀なだけに精錬された金属なんだろうか。

 

それにしても

 

 

 

「なんでお前まで来てるんだよ」

 

 

「別にいいだろ。減るもんじゃないんだし」

 

 

キリトが付いて来ていた。いや別にいいんだよ。いくらLv.が上がったからとはいえ、ソロで53層はキツいからさ。このゲーム最強の人がいてくれるなら安心して進める。感謝はしてる。けど

 

 

「S級食材はもらうからな」

 

 

キリトがギクッとした表情をした。やっぱりな。S級食材ではなく、こっちで貸しを作って二刀流のことを黙っててもらおうってことか。そんなにS級食材渡したくないか。だが残念だったな、食べ物にかけちゃ俺にも譲れないモノがある。

 

 

「まぁ、ショウなら黙ってるってくれるって信じてるさ。それに、俺が付いてきたのはどんな刀が出来るのか気になるからでもあるんだ」

 

 

……くそっ、信じてるとか言われたら黙ってるしか

ないじゃないか、卑怯者め。それが冗談ではなく本気で信じてくれるから困る。そりゃヒロイン達も好きになりますわ。爆発しろ。

 

パーティー申請を送る。キリトが嬉しそうな笑顔を浮かべる。刀目的で付いて来たんじゃ仕方ないな。それに、久しぶりにパーティーを組むのも悪くない。悪くないったら悪くない。う、嬉しくなんかないんだからね! 今の誰得だよ。

 

「キリトとパーティー組むのも久しぶりだな」

 

「そうだな、1年ぶりぐらいか」

 

本当に久しぶりだな。あの頃は俺もキリトも若かったな。二人でフロアボス倒そうとか言ってたこともあった、主に俺だけど。今考えるとアホすぎる。

 

そんな感じで思い出話に花を咲かせていると敵が出てきた。ここら辺の階層によく出る《アシッド・バブル》だ。スライム系のモンスターで、アシッドの名がついているとおり毒状態にする攻撃を放ってくることがある。それにだけ気をつければソロでも勝てる相手だ。でも折角パーティーを組んでいるのだ。

 

 

「俺が初撃を与えるから、キリトが追撃してくれ」

 

「わかった」

 

と短く作戦を交わす。キリトは片手剣で行くようだ。まだ二刀流は隠すつもりか。誰が見てるかわからないしな。

 

ところでコイツ蒸発しないの? バブルでしょ?

 

 

そんな疑問はさておき、それじゃ行きますかね。

俺は《アシッド・バブル》に一足飛びし一太刀浴びせる。憎悪値(ヘイト)がこっちに向く。よし、いいぞ。俺は相手の後ろに回り込み、こちらを振り向かせる。

 

 

憎悪値(ヘイト)が向くと向けられた相手に注意が行くようになる。基本的に与えたダメージ量によって憎悪値を向ける相手が決まる。この場合は俺が太刀を浴びせたため俺に憎悪値が向き、キリトには基本的に無視というわけだ。つまり俺に憎悪値が向いている今、キリトの攻撃を防ぐことはないのだ。

 

 

遅れて挟み込むようにキリトがやってくる。キリトは《アシッド・バブル》の背中に向けて連撃を浴びせる。今度はキリトに憎悪値が行く。俺はその背中に向けて刀の下級ソードスキル《浮舟(うきぶね)》を放つ。《浮舟》は下から斜めに振り上げるソードスキルで、ソードスキルの中でも硬直が非常に短いのが特徴だ。

 

ダメージをくらった《アシッド・バブル》はそのままポリゴンとなって四散する。余裕だな。やっぱパーティー組むと楽だな。経験値効率はソロの方がいいけど。

 

 

「おつかれさん」

 

キリトに労いの言葉をかけるがこっちを見て唖然としている。どうしたんだ?

 

「ショウ、Lv.いくつなんだ?」

 

「63だけど、それがどうかしたか?」

 

昨日の戦闘でLv.が2つ上がりました。強い相手ほど経験値は多くもらえるが、それでも一体倒しただけだ。改めて《愚者の勇志》がチートなのがわかる。

 

「速すぎるんだよ、動きがほとんど見えない。ステ振りどうしてるんだ?」

 

「ほぼAGI極振り」

 

「やっぱりな」

 

キリトが呆れた表情を浮かべる。別にいいだろ。昨日だってNMに勝ってるんだ。いくらキリトとはいえ俺の方針にケチはつけさせない。それにしても、キリトでさえ動きが見えないのか。俺としても速くはあるとは思っていたが、そこまでとは思わなかったな。Lv.をあげていけばそのうち残像を残せるんじゃないか。ドラゴ○ボールみたいに。

 

 

「これが俺の戦い方だからな」

 

「そういえば、前からAGIばっか上げてたな」

 

 

再び思い出話に花を咲かせながら先に進む。今の戦闘といい懐かしさで胸がいっぱいだ。チートスキルに関しては胸が痛いけどな。なんで俺なんだろうホント。

 

 

 

 

 

 

 

 

俺たちは極力戦闘を避けることにした。いくら最前線でないとはいえ、モンスターに囲まれたりしたらお陀仏になる危険性もある。今回は材料を取りに来ただけなのだ。安全を考えたら避けるのがベストなのである。ここまでが建前。

 

本音は、戦闘をしまくってLv.がどんどん上がっていくとキリトが不審に思うだろうからだ。切れ者のキリトのことだ。チートスキルに気づかないとも限らない。二重の意味で危険を避けるために戦闘回避したのだった。

 

その結果、Lv.が上がらずに件のモンスターがいるであろう場所に着いた。1つくらいは上げても良かったのかもしれないが、この戦闘で2つ3つ上がる可能性もある。そう考えるとこれで良かったのだと自分を納得させる。

 

さて、件のモンスターとはどんな奴なのか。そこにいたのは2本の角以外全身を鎧で包み込んだミノタウロスだった。名前は《アーマード・ミノタウロス》。体は2mほどで武器はそこそこ大きな斧。HPゲージも1本だけで、Lv.は68と53層にしては高いと言えるが、決してNMほど強い相手ではない。

 

あれ、あいつだよな? もっと強い奴がいるのかと思ったのだが。最近強いモンスターと戦いすぎてまた強い奴がいるんじゃないかと思ってしまう。悔しい、でも思っちゃうビクンビクン。まぁ楽ならそれに越したことはない。とっとと倒してしまおう。キリトに声をかける。

 

 

「さっきと同じで」

 

「了解」

 

 

敵に向かって飛んでいく。胴に太刀を浴びせ憎悪値を俺に向かせる。俺は後ろに回り込み、相手が俺の方を向く。そこにキリトが背中に片手剣の中級ソードスキル《ホリゾンタル・スクエア》を放つ。原作で1番初めにキリトが使ったソードスキルで、四角形を描くように剣を振る4連撃のソードスキルだ。キリトによって敵HPが半分と少しが削られる。意外と硬いな。でも楽勝だな、と思ったのだが急に敵が大きな唸り声を出した。

 

 

 

「グオオオオオオオォォォォォ!!」

 

 

 

何だ?

俺とキリトは一旦離れ相手の動きを伺う。見たところ、攻撃するような動作はない。仲間を呼んだのか?しかし、索敵スキルで探しても敵が近寄ってくる様子はない。とすると、身体強化(エンハンス)か。雄叫びを止めると、相手はこっちの様子を伺った。

 

 

「俺が切り込んでみる」

 

 

キリトに言う。取り敢えず先ほどと同じように相手の胴に太刀を浴びせようとする。しかしそれは鎧に弾かれてしまった。体制が崩れる。相手が斧を振り下ろす。まずい!

 

 

 

 

「うおおおお!!」

 

 

 

 

ガキィンという音がする。いつの間にかキリトが俺と相手との間に入り攻撃を防いでくれた。斧と剣とがせめぎあっている。

 

 

「離れろ!」

 

 

言われて俺は相手から距離を取る。キリトは斧を弾き相手の体制を崩す。そこに俺と同じように胴に一撃を加えようとするが、やはり弾かれてしまった。キリトは体制を崩すことなく、俺の元まで戻ってくる。やっぱすげぇなアイツ。

 

 

「身体強化だな、たぶん全部のステータスが強化されてる。特に防御力」

 

 

キリトが言う。全部のステ強化ってことはSTR()もか。あぶねー、てことはキリトが防いでくれなきゃ致命傷、下手すりゃ死んでたな。紙装甲には自信がある。

 

胴に攻撃が通らなかったということは鎧がダメなのか? とすると、鎧に守られていないところ。

 

 

「角だな」

 

 

同じことを思ったのだろう。キリトに先に言われた。思い当たる箇所が角しかないからな。

 

 

「今度は俺が行く」

 

 

キリトが買って出てくれる。ありがたい、同じ目にあいたくないからな。

 

キリトが相手に突っ込む。そこに斧を振り下ろすがキリトはそれを躱し、角に片手剣の下級ソードスキル《ソニック・リープ》を放つ。バックハンドで横なぎに払う単発ソードスキルだ。キリトなら行けるか? しかし今度も弾かれてしまう。キリトは歯噛みしながらこっちに戻って来て言う。

 

 

「たぶん、一定以下のダメージを通さないんだ。いくら攻撃しても、一撃でダメージが行かないと意味がない」

 

「てことは二刀流でも無理か?」

 

「たぶんな」

 

 

二刀流も手数で行くタイプだ。これはキリトではダメかもしれない。

 

 

 

 

 

 

あー、ちくしょう。昨日の今日でやるしかないのか。隠しときたかったんだけどな。

 

 

 

 

 

 

「キリト」

 

「ん?」

 

「S級食材」

 

ポカンとした顔でこっちを見る。まぁこれからわかるさ。俺は《村雨》を鞘に収める。そして柄に手をやったまま、相手に突っ込む。相手は動かない。弾いたところを狙おうというのだろうか。だがそうは行かない。

 

 

 

 

接近した俺は角に向かって、抜刀する。

 

 

 

 

 

 

 

一閃

 

 

 

 

 

 

 

 

相手の2本あった角は綺麗な切り口を残し切断された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これが昨日のクエスト報酬

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユニークスキル《抜刀術》

 

 

 




はい、というわけでクエスト報酬は《抜刀術》でした。これは最初からこれで行こうと決めてました。抜刀術は原作ではでてませんが、公式ではユニークスキルとしてあります。アニメのキャリバー編でクラインがそれっぽいのを使ってましたね。かっこよかったです。

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