やばいスキルがついちゃった   作:ナストマト

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《アーマード・ミノタウロス》のLv.が68なのは、ショウの今の《抜刀術》で削り切れると判断したのがそのLv.だったからです。ショウはこれから強くなっていくので今はこれぐらいで。

今回は短いです。

まさかの刀の名前の入れ忘れ(汗)
なんたる凡ミス



相棒

パリーン

 

 

 

角を切断された《アーマード・ミノタウロス》はHPゲージが0になり、ポリゴンとなって散っていった。うまくいったようだな。ホッとした。

 

 

「今のは…」

 

 

唖然とした表情でキリトが呟く。そりゃ驚くよな。さっきまで全く攻撃が通らなかったのに一撃でズバンだもんな。

 

 

「《抜刀術》だ。おそらくユニークスキル」

 

 

恐らくではなく間違いなくユニークスキルだ。元いた世界では公式でユニークスキルとして存在していた。原作でも登場せず、名前しか出ていなかったので詳しくは知らなかったが、まさか自分に付くとは思わなかったな。

 

 

「そうか、ショウもユニークスキル持ちだったのか」

 

「といっても、一昨日だけどな。スキルが付いたの」

 

 

一昨日、爺さんに討伐したことを伝えた時、感謝の言葉とともに、『お礼にはならぬかもしれんが儂の技を伝授しよう』と言われ、《抜刀術》がクエスト報酬として付いたのだった。クエスト報酬でユニークスキルが貰えるって何なんだよ。初めて聞いたわ。

 

 

これは後にアルゴに聞いた話だが、あの道場の老人は刀スキルを持っている人以外が話しかけても寝てるだけで、スキルをとっている人が話しかけても、目は覚ますものの、プレイヤーを一瞥するだけで道場から追い出していたのだという。恐らく、刀の熟練度が関係しているのではないかというのがアルゴの見解だ。つまり、一定以上の刀スキルの熟練度がなければ老人に認められずクエストが出来ないというのだ。48層にあることから、そこに訪れる人は熟練度が足りなかったのだろう。俺みたいに偶然通りかからなければ、わざわざ通るような場所でもないからな。

 

因みに、老人は既に居なくなっているらしい。もうクエストを受けることが出来ないため、《抜刀術》を持っているのは俺だけというわけだ。ユニークスキルだから一人だけなのは当然だが。そう考えると俺ってめっちゃラッキーじゃん。熟練度にもブーストがかかっていなければ俺が取れたかどうかわからないしな。《愚者の勇志》といい《抜刀術》といいなんでこんな稀有なスキルが俺にばっかり付くのかね。

 

 

さて、ユニークスキルという点では《二刀流》も《抜刀術》も同じだが大きな違いがある。

 

 

「言っておくが、《抜刀術》は強いぞ」

 

 

もう一度見せてやろう。俺は少し離れたところに見えるLv.60のゴーレムを投擲スキルでスローイングピックを投げておびき寄せた。ゴーレムは《アーマード・ミノタウロス》程ではないが相当硬い敵だ。俺は先ほどと同じように鞘に収めた《村雨》に手をやり、ゴーレムに向かって突っ込む。

 

 

抜刀術のソードスキル《扇華(せんか)》。

 

 

すれ違いざまに斬り込み、そのまま駆け抜ける。《アーマード・ミノタウロス》の時もこのソードスキルを使った。相手は一撃でHPが0になり散っていく。

 

 

「ゴーレムを一撃……」

 

 

キリトが言う。Lv.64の俺が(《アーマード・ミノタウロス》を倒した時に1つ上がった)Lv.60のゴーレムを一撃で仕留めたのだ。そりゃ驚くよな。

 

これが《二刀流》と《抜刀術》の違いだ。《二刀流》は手数でダメージを稼ぐのに対し、《抜刀術》は一撃で大きなダメージを相手に与える。さらにこのスキルはAGI補正がある。以前、AGIが上がればその速さを攻撃に乗せると威力が上がると述べたが、《抜刀術》の場合はさらに補正がかかるのだ。これがリズに出来るだけ武器を軽くしてくれと頼んだ理由である。武器を持つと、武器の重さ分AGIがマイナスされる。つまり武器が軽ければ軽いほど、《抜刀術》は威力が上がるというわけだ。まさにAGI極振りの俺のためにあるようなスキルである。もう一つ言うなら《抜刀術》は武器スキルの切り替えが速い。普通は武器スキルを変えるには武器を持ち変えなければならないが、《抜刀術》の場合は鞘の出し入れだけで切り替えが出来る。

 

ただ、少し悪い面もある。ソードスキル後の硬直がやや長いのだ。昨日、リズの店から出た後こっそりとそこらのモブモンスター相手に《抜刀術》を試したのだが、一匹を倒した後、硬直の間に他のモンスターに襲われて危うくHPがレッドゾーンに行くところだった。その時は硬直が解けると同時に即離脱したが、使い時を考えないと命取りになるのだ。しかし、それ以外は正しくチートと言ってもおかしくない性能である。

 

 

「攻略組に戻れるのもそう遠くはなさそうだな」

 

 

少しドヤ顔で言う。

 

 

「ああ、心強いよ」

 

 

心強いだってさ。キリトに言われると嬉しいね。攻略組に戻ることを止められなかったということは、少なくともある程度は強さが認められてるってことだ。この調子で頑張ろうと改めて思った。

 

 

「さて、それじゃあ帰りますか」

 

 

キリトに声をかけ帰路に着く。今回は材料の他にも実りあるモノになったな。《抜刀術》のことはバラしてしまったけど、キリトだし別にいい。どうせ黙ってるだろうし。そうか、キリトもこんな感じだったのか。本当に信頼されてるのね俺。S級食材なんて言うんじゃなかったな。まぁいいか。

 

 

 

 

あ、材料?

《鎧牛の角》というアイテムでした。角かよ。普通金属だろ。火山関係ないじゃん。

 

 

 

 

リズの店に戻った。中ではリズがお茶を用意して待っていた。格好と相まってメイドにしか見えないんだよなぁ。お帰りなさいませ、ご主人様。とか言いそう。行ったことないからわからんけど。

 

 

「材料取ってきたぞ」

 

「ありがとう。じゃあ早速打つわね。お茶でも飲んで待ってて」

 

「打つとこ見ちゃダメか?」

 

「別にいいけど、キリトもアンタも物好きね。特に面白いところなんて無いわよ?」

 

「いいんだよ、俺の新しい相棒が出来るんだ。目の前で迎えてやらないとかわいそうだろ?」

 

「ふふ、そうかもね。いいわ、付いてきて」

 

「俺も見ていいか?」

 

「もちろん」

 

 

 

全員で鍛冶場へと移動する。鍛冶場はアニメでは見たけど、こんな感じだったのか。なるほど、雰囲気が凄いな。

 

リズに材料を渡す。

 

 

「じゃあ始めるわよ」

 

 

リズが材料に向かって鎚を振り始める。カーンカーンと響く音が耳を叩く。けして不快ではない。武器とはいえ命を吹き込んでいるいい音だ。腰の《村雨》に手をやる。しばらくお別れだな。今までお疲れさん。

 

SAOの武器作成は至って簡単。材料をただひたすら鎚で叩くだけだ。ただし成功する確率は鍛冶屋の腕による。その点リズは《マスタースミス》と呼ばれる鍛冶スキル完全習得者だ。心配はいらないだろう。出来る武器によって叩く回数が違い、叩く回数が多ければ多いほど強い武器が出来る。平均回数がどれくらいかはわからないが、いま作成している武器はかなりの数を叩いている。

 

 

 

 

何回叩いただろうか。材料が発光し変形し始めた。リズは叩くのを止め、じっと見つめる。

 

 

 

 

 

発光が終わると、そこには一振りの刀があった。

 

 

 

 

「出来たわ」

 

 

 

 

手渡される。

 

 

 

 

軽い。今まで使ったどの刀よりも。

 

 

 

 

燃えるような赤色。

 

 

 

 

全てを斬り捨てる刀身。

 

 

 

 

これが俺の新しい相棒。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よろしくな、《紅椿(べにつばき)》」

 

 

 

 




おまけ キリトがショウの速さを見た感想

・ショウとは決闘(デュエル)したくないな…



はい、キリがいいところでやめときます。
今回は《抜刀術》の説明がメインの回でした。これで皆さんに《抜刀術》について理解していただけたかと。筆者オリジナルの設定ですが。


次回はプログレッシブということで、第一層を予定しています。外伝のような形になりますね。
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