やばいスキルがついちゃった   作:ナストマト

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2年半ぶりの更新だそうですよ。(気絶)
そのくせして短いのはキリがいいからです。
許してください。


忘却

人は知の生き物である。

 

人は既知に飽き未知を探求する生き物だ。未だ知らずと書いて未知。何とも甘美な響きではないか。かのアリストテレスも未知の知と、知ることの重要性を説いている。

 

まだ知らぬものを知りたいという知的好奇心、それこそが今日の人類の発展へと繋がったと言える。このソードアートオンラインというゲームも元を辿れば、ゲーム→プログラム→電気など、先駆者の発想無くして今は無い。サンキュー偉人たち。フォーエバー偉人たち。

 

そんな技術特異点を生み出せるのは極一部限られた人間だが、俺たち凡人にだって知的好奇心はある。子どもの頃に宝探しとか言って地面を掘って見たり、ちょっとした冒険心から遠出したり、スカートの中を覗きたいと思ったり、見えないものを見ようとして望遠鏡を覗き込んだりした事があるはずだ。それも全て未知を求めているからこそなのだ。

 

ゲームに関しても同じことが言える。少し前までは、そのゲームは発売されればそれが完成系だった。ユーザーに渡ったソフトに手を加える手段が無かったとも言える。

 

しかし、昨今のゲームはハードのネット接続が容易になったことで、DLCという追加要素を提供することが可能になった。その結果、手抜きとも思えるバグが多々見つかるようになったのは頂けないが、ともかくプレイヤーに飽きが来ないようDLCが配布されるのは、プレイヤーにとって嬉しく思うに違いない。1度遊び尽くしたゲームを再び堪能ことが出来るようになるのだから。

 

要は何が言いたいかって言うと、

 

 

新エリアって良いよね。

 

 

 

 

 

 

 

「うわ怖ぇ...」

 

「ちょっと落ちないでよ?」

 

「いやほら、高いところ行くと何となく下覗きたくなるじゃん」

 

「気持ちはわかるけど...」

 

 

『バステアゲート浮遊遺跡エリア』。

 

その名の通り、遺跡のような古代的人工物が浮遊しているエリアだ。浮遊している遺跡の上を歩くことになるのだが、これがめっちゃ怖い。だって外周に柵が無いんだもの。ちょっと足を踏み外せば千の風になってSKY-HIである。そんな浪漫飛行は求めてないからマジで。

 

そもそも、ホロウ・エリアはプレイヤーに対するセーフティが為されていないように思える。

 

アインクラッドではこうした浮遊している場所には落下防止の為の柵があるのがほとんど(因みに山のような地続きの高所にはあまり無い。転落してもいいってことですかねふざけんな)だが、ホロウ・エリアにはほとんど無い。どの階層にもあるはずの街もこっちには無い。セーフティエリアも無い。

 

まだメインルートは、というか、横道も横道に逸れない限りは敵が強くないだけマシだが、アインクラッドに比べてホロウ・エリアはだいぶハードモードである。キリトはやたら目を輝かせてたが。あいつゲーマーだしな、原作でも1人Lv.抜けてたし。

 

とにかく、ホロウ・エリアは楽じゃないという事だけ分かって欲しい。

 

 

「さてさて、どこから攻略するかね」

 

「まずはあの塔に行ってみない?」

 

 

フィリアが指さした先には、天高く聳える巨大な塔がある。このエリアに入って周りを見渡せば、すぐに気づく。大きく聳え立つ巨大な塔が一つだけあるのだ。まるでバベルの塔のように、それだけが天へと至る道のように。

 

 

「確かに気になるな、行ってみるか」

 

「うん」

 

 

モンスターを倒しながら道を進む。ありがたい事に、どうやらエリアが変わってもそこまで急激に敵が強くなるわけでもないらしい。少しばかり強くなったものの、今の俺たちでも余裕で倒すことができる程度のレベルだった。

 

そして、エリアが変わったことで出てくる敵も変わってくる。もちろん、今までにいたやつもいたが、新たに加わった敵もいる。そういうのも含めて新エリアって楽しみがあるから良いよな。

 

といっても、俺の戦闘スタイルからすれば一撃が致命傷になりかねないので、楽しみながらも油断は出来ない。ましてや、そこまで足場が広くない所が多いし、下手すれば戦闘中に真っ逆さまに落ちてdesireである。閉鎖空間なら壁や天井使ったり出来るんだけどなぁ。こんな場所だと戦いづらくて仕方ない。

 

愚痴言ってもしゃーないし、柵ありだけど浮遊してる場所で戦ったこともあるからやりようはある。伊達にソロで生き残ってないのだ。

 

その道中、オークと交戦しているプレイヤーを見かけた。俺たちがこのエリアに来てからまだ間もないのに、もうこんな所に来てるなんてずいぶん早いもんだ。

 

そこそこ大きなオークが相手だが、パーティーを組んでいるし大丈夫か。カーソルもグリーンだし、ここまで来れるなら苦戦はしないだろう。

 

……え?

 

 

「プレイヤーがいるのか」

 

 

以前、プレイヤーが笑う棺桶に襲われていた所を助けられなかった事があったが(43話参照)、あれ以降他のプレイヤーと出くわすことは無かった。なので、アイツら以外でまともなプレイヤーを見かけるのはこれが初めてになる。

 

そういえば、プレイヤーといえば、前にフィリアが変な事を言ってたな。

 

 

「なぁ、前にこっちのプレイヤーはどこかおかしいとか言ったよな」

 

「う、うん。あ、でも勘違いしないでね。別に悪口じゃなくて、その……そうとしか表現出来ないんだ」

 

「なるほどわからん。ま、話せばわかるか」

 

 

戦闘が終わるのを黙って見てるのもなんだし、加勢するか。

 

 

「手伝うぞ!ヘイトを稼ぐからそっちで攻撃してくれ!」

 

「ありがとう!助かるよ!」

 

 

戦闘は直ぐに終わった。オーク型の敵だけあってそこそこ硬かったが、流石に人数がいれば容易い。

 

戦闘が終わり、改めてパーティーに向かい合う。男2人、女1人の構成だ。みんな高校生くらいの見た目をしている。

 

男の1人が話しかけてくる。

 

 

「ありがとう、助かったよ」

 

「新エリアだしな苦戦するのもしょうがない。にしてもずいぶんと早いな。開通したのついさっきなのに」

 

「君たちが開通したのか。凄いな」

 

「運良く俺たちが早かっただけだ。次はそっちかもしれないぜ?」

 

「ハハハッ、そうなるように頑張るよ」

 

 

今の所別段不自然な所は無い。うーん?

あ、そうだ。この人たちも向こうから飛ばされて来たんだろうし、その時のことを聞いてみるか。

 

 

「なぁ、そっちもホロウエリアに飛ばされてきたんだろ?どうやって飛ばされてきたんだ?」

 

「えーっと?どうやってだっけ?」

 

「えへへ、忘れちゃった!」

 

「覚えてないなぁ」

 

「...? それじゃ、何階層から来たんだ?」

 

「それもよく覚えてないんだよ」

 

「はぁ?」

 

「それじゃあ、俺たちはもう行くよ。改めてありがとうな。それじゃあ」

 

「あ、ああ...」

 

 

どういう事だ?みんな記憶が曖昧になってる?そしてそれを気にしている様子もない。

 

 

「フィリアは覚えてるのか?」

 

「うん。忘れるわけないよ、あんな衝撃的なこと...」

 

「普通そうだよな。俺だってしっかり覚えてる」

 

 

そう、そのはずだ。だからおかしいのは向こうだ。なら何故?むしろ俺たちがおかしいのか?

 

 

「ね、何かおかしいでしょ?」

 

「だな。んー、わっかんねぇなー」

 

 

その後も、何人かのプレイヤーと会話をしたが、どれも同じような不明瞭な答えしか返ってこなかった。なんでぇ?

 

 

「これ俺たちがおかしいのか?」

 

「い、いやそんな事ない...と思うけど...」

 

「否定しきれないよなぁ。なんか自信無くすわ」

 

 

とはいえ、今は先に進むしか無いわけで。

 

 

「考えても今はわからん。とりあえず進もう。このホロウエリアの事もよく分かってないんだし、情報を集めればわかるかもしれない」

 

「...そうだね」

 

 

大きな塔を目指して進んだ俺たち。しかし、もう少しで塔まで辿り着くという所で、森林エリアの時と同じように紋章の入った透明な壁がまたしても道を塞いでいるのだった。

 

 

「分かりやすくていいな。またエリアボスがいるんだろ」

 

「うん、たぶんそうだと思う」

 

 

とりあえず落下しそうにない安全なところに居ることを願うわ。いくら弱くてもそれだけでアウトだから。

 

 

「んじゃ、今日はこれくらいにしとくか」

 

「私はもう少し調査していくよ」

 

「わかった。もし何か手伝えることがあったら言ってくれ」

 

「うん、それじゃあまたね」

 

「ああ、またな」

 

 

今日会った何人かの名前は覚えたし、知人を辿ってその人のこと聞いてみるか。何か情報得られるかもしれないし。そんなことを思いながらアインクラッドへと戻るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もしかしたら、本当に私たちがおかしいのかもしれないよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






エタらないとか言っておきながらエタってました。

言い訳はしません。
気分が乗らず、モチベーションに欠けていました。

一応この間にも本当に少しずつですが書き進めていました。そのため、文体が変になっているかもしれませんが許してください。




さて、今回投稿に至ったきっかけとなった出来事がありました。twitterで感想をいただいたんですよ。

それもこんなに更新もしていないのに今になってですよ。そらもうテンションも上がりますよ。

駄文ながら今からでも読んでくださる方がいる。ありがたいことです。改めてありがとうございます。

それから、また少しずつですが書き進めた次第です。今後も不定期ではありますが、書いていく所存です。

こんなグダグダな作者でありますが、また読んでいただけたら幸いです。

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