ぺこら、トワ、スバル! スト6世界に囚われる   作:スト6初心者未満が押し通る!

2 / 21
第2話

 STREET FIGHTER 6 ~レジェンドになるまで帰れません~

 

 第2話「初めての敗北、そして三人三様の戦い方」

 

「……っ、ぺこら!」

 

 ルークの拳が、ぺこらの腹部にめり込んだ。

 

「ごはっ……!」

 

 身体がくの字に折れ、ぺこらは地面を転がる。

 

「おい! 大丈夫かよ!」

 

 スバルが駆け寄ろうとする。しかし、ぺこらは片手を上げて制止した。

 

「……まだ、終わってないぺこ」

 

「いやいやいや! どう見ても終わってるだろ!」

 

「うるさいぺこ! ぺこーらはまだ立てる!」

 

 ぺこらは震える足で立ち上がった。

 

 目の前には、腕を組んで待っているルーク。

 

「いい根性だな。けど、根性だけじゃ勝てないぜ?」

 

「分かってるぺこ……!」

 

 ぺこらは構えた。

 

 しかし、先ほどまでのように無闇に飛び込まない。

 

 ルークの拳が飛んでくる。

 

 ぺこらは横に避けた。

 

 続く蹴りも、今度は一歩下がってかわす。

 

「おっ?」

 

 ルークの表情が少し変わった。

 

「さっきより動きが良くなってるな」

 

「当たり前ぺこ! ぺこーらは学習するウサギぺこ!」

 

「その割にはさっきから殴られてるけどな!」

 

「スバルうるさいぺこ!!」

 

 ぺこらはルークの懐に飛び込んだ。

 

 拳を振るう。

 

 しかし、ルークはそれを受け止め、カウンターを叩き込んだ。

 

「ぐえっ!」

 

 再び吹き飛ぶぺこら。

 

「学習しても、まだ足りないか」

 

 ルークは構えを解いた。

 

「今日はここまでにしようぜ。無理して身体を壊したら元も子もない」

 

「……負けたぺこ」

 

「そうだな」

 

「悔しいぺこ」

 

「なら、次は勝てばいい」

 

 ルークは笑った。

 

 ぺこらは悔しそうに唇を噛んだ。

 

 その姿を見て、トワが静かに口を開く。

 

「……でも、最後の方は良かったと思う」

 

「トワ様?」

 

「最初は相手の攻撃を見ずに突っ込んでたけど、途中からちゃんと見てた。あれは大きな進歩だよ」

 

「そうそう! あのまま続けてれば勝てたかもしれないしな!」

 

「……二人とも」

 

 ぺこらは俯いたまま、ぽつりと呟く。

 

「次は勝つぺこ」

 

 その言葉に、トワとスバルは頷いた。

 

 1. 大空スバル、ジェイミーと出会う

 

「さて、次は誰が行く?」

 

 ルークが二人を見渡す。

 

「じゃあ、スバルが行く!」

 

「お、いいね。相手はどうする?」

 

「誰でもいいっすよ! こう見えても運動には自信あるんで!」

 

 その瞬間だった。

 

「へぇ、運動自慢かい?」

 

 軽い調子の声。

 

 振り返ると、酒瓶を手にした青年が立っていた。

 

「ジェイミーだ。よろしく」

 

「大空スバルっす! よろしくお願いします!」

 

「おう。じゃあ、軽くやろうか」

 

「軽く?」

 

 ジェイミーは酒を一口飲む。

 

「まあ、俺も本気を出すつもりはないよ」

 

 その態度に、スバルの眉がぴくりと動いた。

 

「……それ、ちょっと失礼じゃないっすか?」

 

「ん?」

 

「こっちは真剣なんすよ! 最初から手加減されるのは嫌っす!」

 

 ジェイミーは一瞬だけ目を丸くした。

 

 そして、笑う。

 

「いいね。そういうの嫌いじゃないよ」

 

 二人が構える。

 

 開始の合図。

 

 スバルは一気に距離を詰めた。

 

「うおおおおお!」

 

 大振りのパンチ。

 

 ジェイミーは身体を傾けて避ける。

 

「おっと」

 

 続く蹴り。

 

 これも避けられる。

 

「なかなか元気だねぇ」

 

「まだまだぁ!」

 

 スバルは連続して攻撃を繰り出す。

 

 だが、ジェイミーはその全てを紙一重でかわしていく。

 

「ちょっと待って! なんで当たんないんすか!?」

 

「そりゃあ、当たらないようにしてるからね」

 

「そういうことじゃなくて!」

 

 ジェイミーの足が、スバルの軸足を払った。

 

「うおっ!?」

 

 スバルが転倒する。

 

 そこへ、ジェイミーの蹴りが飛んできた。

 

「ぐっ!」

 

 スバルは腕で防いだものの、衝撃で後退する。

 

「おお、ちゃんとガードできるんだ」

 

「そりゃあ、これでも運動部出身っすからね!」

 

「へえ。じゃあ、もうちょっと崩してみようか」

 

 ジェイミーの動きが変わる。

 

 先ほどまでの軽い足取りとは違う。

 

 連続した攻撃がスバルを襲う。

 

「うわっ! ちょっ! 速っ!」

 

 防御するだけで精一杯。

 

 そして最後に、ジェイミーの蹴りがスバルの胸元に突き刺さった。

 

「がはっ!」

 

 スバルは後方へ吹き飛んだ。

 

「スバル!!」

 

 ぺこらが叫ぶ。

 

「いってぇ……!」

 

 スバルは胸を押さえながら立ち上がった。

 

「……くっそ。今のは効いたぁ」

 

 ジェイミーは少し驚いた様子だった。

 

「今ので立つのか。結構タフだね」

 

「当たり前っすよ……!」

 

 スバルは再び構える。

 

「まだ終わってないっす!」

 

 2. 常闇トワ、ジュリと遭遇する

 

 一方、その頃。

 

 トワはバトルハブの片隅で、壁にもたれていた。

 

 スバルとぺこらの戦いを見ながら、自分にできることを考えていた。

 

(相手の動きを見る。攻撃の癖を読む。自分の動きに反映する……)

 

 トワは先ほどのルークの戦いを思い返す。

 

 ぺこらは途中から対応できるようになっていた。

 

 スバルは身体能力と反射神経で食らいついている。

 

 では、自分は? 

 

「なーに難しい顔してんの?」

 

 突然、頭上から声が降ってきた。

 

 トワが顔を上げる。

 

 そこには、笑みを浮かべた女性が立っていた。

 

 ジュリだった。

 

「……誰?」

 

「ジュリ。アンタは?」

 

「常闇トワ」

 

「へえ。可愛い名前じゃん」

 

 ジュリはトワの周囲をゆっくり歩く。

 

「さっきから見てたけど、アンタも戦うんでしょ?」

 

「まあ、そのつもりだけど」

 

「じゃあ、アタシと遊ぼうよ」

 

「遊ぶ?」

 

「そう。楽しいこと、好きでしょ?」

 

 ジュリは不敵に笑った。

 

 トワは少しだけ眉をひそめる。

 

(なんか……嫌な感じ)

 

「断ったら?」

 

「別に? でも、帰れないんでしょ?」

 

 その言葉に、トワの表情が変わった。

 

「……知ってるの?」

 

「さあね。面白そうだから声をかけただけ」

 

 ジュリは肩をすくめた。

 

「それとも、怖い?」

 

「……誰が?」

 

 トワは壁から身体を離す。

 

「やってやるよ」

 

「いいねぇ!」

 

 ジュリが笑った。

 

 3. 三人三様の戦い

 

 スバルとジェイミーの戦いは続いていた。

 

 スバルは攻撃を当てようとするが、ジェイミーの動きについていけない。

 

「くっそ! なんでそんなに避けるの上手いんすか!」

 

「そりゃあ、そういう戦い方だからね」

 

「だったら!」

 

 スバルは一度距離を取った。

 

 そして、ジェイミーの動きをじっと見る。

 

(こいつ、攻撃する前に必ず身体をひねってる……?)

 

 次の瞬間、ジェイミーが踏み込んだ。

 

 スバルは反射的に腕を上げる。

 

 衝撃。

 

 しかし、今度は吹き飛ばされなかった。

 

「おっ?」

 

「……見えた!」

 

 スバルはジェイミーの腕を押し返す。

 

 そのまま、拳を振るった。

 

「うおおおっ!」

 

 拳がジェイミーの頬をかすめた。

 

「へえ!」

 

 初めて、ジェイミーの表情から余裕が消えた。

 

 一方、トワとジュリ。

 

 こちらは、まるで別の競技だった。

 

 ジュリの蹴りが、次々とトワに襲いかかる。

 

「ほらほら、どうしたの?」

 

「くっ……!」

 

 トワは必死に避ける。

 

 だが、ジュリの攻撃は不規則で、間合いも掴みにくい。

 

「攻撃しないの?」

 

「隙がないんだよ!」

 

「隙なんて、作るもんでしょ?」

 

 ジュリが踏み込む。

 

 トワは一歩後退。

 

 その瞬間、ジュリの蹴りが空を切った。

 

「……!」

 

 トワは見逃さなかった。

 

 ジュリの身体が流れた一瞬。

 

 トワは踏み込み、拳を突き出す。

 

 しかし。

 

 ジュリはその拳を片手で受け止めた。

 

「惜しいね」

 

 そして、トワの足を払う。

 

「わっ!」

 

 トワは地面に倒れ込んだ。

 

「反応はいい。けど、まだまだだね」

 

 ジュリは楽しそうに笑う。

 

「もっと本気で来なよ」

 

「……言われなくても」

 

 トワは立ち上がった。

 

 4. 初めての敗北

 

 数分後。

 

 三人は、それぞれの戦いを終えていた。

 

 ぺこらはルークに敗北。

 

 スバルはジェイミーに敗北。

 

 トワはジュリに敗北。

 

 全員、初戦敗退。

 

「…………」

 

 三人はバトルハブのベンチに並んで座っていた。

 

「……全敗ぺこ」

 

「全敗っすね……」

 

「全敗だね……」

 

 沈黙。

 

 そして。

 

「いやいやいや! こんなの無理だろ!!」

 

 スバルが叫んだ。

 

「相手強すぎるっすよ! 何あの動き! 何あの威力! こっちは生身なんすよ!?」

 

「ぺこらなんて腹に拳入れられたぺこ……。まだ痛いぺこ……」

 

「トワも蹴り食らったところ痛い……」

 

 三人とも満身創痍だった。

 

 そこへ、ルークがやってくる。

 

「お疲れ。初戦にしては悪くなかったぜ」

 

「悪くなかったって……」

 

 スバルは顔を上げる。

 

「全員負けたんすよ?」

 

「そりゃそうだ。初めて戦ったんだろ?」

 

 ルークは笑った。

 

「それに、三人とも最後まで諦めなかった。そこは評価してる」

 

「でも、勝たなきゃ帰れないんでしょ?」

 

 トワが尋ねる。

 

「ああ。三人全員がレジェンドに到達する必要がある」

 

「……長い道のりぺこね」

 

 ぺこらは深く息を吐いた。

 

 そのとき、システム音声が響いた。

 

【ランクマッチ解放】

 

 初回戦闘データを確認。各プレイヤーの適性を解析しました。

 

 三人の目の前に、それぞれの情報が表示される。

 

 * 常闇トワ:反応速度・観察能力に優れる。適応型。

 * 兎田ぺこら:発想力・行動予測の困難さに優れる。撹乱型。

 * 大空スバル:身体能力・持久力に優れる。近接突破型。

 

「……なんか勝手に分析されてるぺこ」

 

「適性って言われてもなぁ」

 

「でも、方向性は見えたんじゃない?」

 

 トワは表示を見つめる。

 

「トワは相手の動きを見て対応する。ぺこらは相手の予想を裏切る。スバルは正面から押し切る」

 

「おお、なんかそれっぽいっすね!」

 

「ただし、今のままでは三人とも勝てない」

 

 ルークがきっぱりと言った。

 

「だから、まずは基礎からだ。俺が教えてやるよ」

 

「えっ、いいんすか!?」

 

「もちろん。レジェンドを目指すなら、まずは自分の身体を知ることだ」

 

 ぺこらが立ち上がる。

 

「……やるぺこ」

 

 スバルも立ち上がった。

 

「次は絶対勝つっす!」

 

 トワは二人を見て、微笑んだ。

 

「うん。三人で帰ろう」

 

 その瞬間。

 

「おーい、そこの三人!」

 

 遠くから声がした。

 

 振り返ると、そこにはブランカがいた。

 

「お前たち、面白いことになってるな!」

 

「……なんか来たぺこ」

 

「次の先生候補か?」

 

「いや、待って。あれ絶対まともなトレーニングじゃないでしょ!」

 

 三人の直感は、正しかった。

 

 ブランカは満面の笑みで言った。

 

「よし! まずはジャングルで特訓だ!」

 

「「「ええええええ!?」」」

 

 次回、第3話「地獄の特訓!? ブランカちゃん人形とジャングル生活!」

 

 レジェンドへの道は、まだ始まったばかり。




よくこんなぽんぽん出せるよなぁ……
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。