ぺこら、トワ、スバル! スト6世界に囚われる 作:スト6初心者未満が押し通る!
第20話「帰還を懸けた三人の拳」
バトルハブの中央。
紫色のサイコパワーが渦巻き、ベガが三人の前に立ちはだかっていた。
背後には、元の世界へつながる帰還ゲート。
レジェンド到達によって開いたはずの道は、ベガの力によって不安定に揺れている。
「お前たちがどれほど強くなろうと、この世界の理を超えることはできん」
ベガが片手を掲げる。
「常闇トワ。その魔力を渡せば、他の二人も無事に帰してやろう」
「だから、何度言えば分かるの?」
トワは一歩も退かない。
「私たちは三人で帰る。誰か一人を犠牲にするなんて選択肢、最初からないんだよ」
「ぺこーらも同意見ぺこ!」
「そういうこと! いい加減、道を開けてもらおうか!」
ベガは薄く笑った。
「ならば、力ずくで奪うまでだ」
1. 最初の一撃
ベガが瞬時に距離を詰めた。
最初に狙われたのはトワ。
強烈なサイコパワーをまとった拳が迫る。
「トワ!」
スバルの叫びと同時に、爆声衝撃波が放たれた。
ベガの身体がわずかに横へ流れる。
その隙にトワは後退し、デモンズ・ショットを放った。
紫黒い魔力弾がベガへ直撃する。
しかし、ベガはほとんど動じない。
「その程度か」
サイコパワーが膨張し、三人をまとめて吹き飛ばした。
「うわああっ!」
「ぺこおおっ!」
三人は地面に転がる。
ベガはゆっくりと歩み寄ってきた。
「レジェンドという称号を得た程度で、我に届くと思ったか?」
スバルが立ち上がろうとする。
だが、身体が思うように動かない。
トワも魔力の消耗が激しい。
ぺこらは膝をつきながら、二人の様子を確認した。
「……まだ、終わってないぺこ」
2. 三人だからできること
トワはベガの動きを観察していた。
サイコパワーによる攻撃は強力だが、攻撃の直前には必ず力が一点に集中する。
そこに隙が生まれる。
「スバル、次にあいつが踏み込んできたら、正面から止めて」
「分かった!」
「ぺこらは上から。私が魔力で追撃する」
「了解ぺこ!」
ベガが再び踏み込んだ。
スバルは逃げない。
「おおおおおおっ!!」
爆声衝撃波が正面から炸裂する。
ベガの進行が一瞬だけ止まった。
その瞬間、ぺこらが高く跳び上がる。
「ぺこーら、行くぺこおおお!」
空中で軌道を変え、ベガの背後へ回り込む。
強烈な飛び蹴り。
ベガの身体が前方へ傾く。
そこへトワが魔力を集中させた。
「これで……!」
通常の波動拳とは異なる軌道。
さらに途中で軌道を変える、トワ独自の魔力弾。
「デモンズ・ショット!!」
直撃。
ベガが初めて大きく後退した。
「ほう……!」
三人は顔を見合わせる。
今の連携は通用した。
だが、ベガはまだ倒れていない。
3. ベガの本気
「面白い。ならば、こちらも本気を見せてやろう」
ベガの身体から、膨大なサイコパワーが噴き出した。
周囲の空間が歪む。
その圧力だけで三人の足が止まる。
「なんだよ、これ……!」
「スバル、気をつけて!」
ベガがトワへ向かって突進した。
トワはデモンズ・ショットを放つ。
しかし、ベガは魔力弾をかき消し、そのままトワを捕らえた。
「トワ!」
サイコパワーがトワの身体を包み込む。
「お前の力は、我が支配する!」
トワの魔力が吸い上げられていく。
「……っ、やめて……!」
スバルが助けに入ろうとするが、ベガの力に弾き飛ばされる。
ぺこらも飛び込む。
しかし、空中で軌道を変える前にサイコパワーに捕まった。
「ぺこおおっ!」
二人とも動けない。
トワの魔力が少しずつ失われていく。
それでも、トワはベガを睨みつけた。
「……私の力は……あんたのものじゃない」
「まだ抗うか」
「当たり前でしょ……!」
トワの魔力が、ベガのサイコパワーの中で紫色に輝いた。
4. 帰るための一撃
トワは気づいていた。
自分の魔力は、ベガに吸収されているのではない。
サイコパワーに触れることで、逆にその流れを読み取っていたのだ。
「スバル……ぺこら……!」
二人が顔を上げる。
「今、力を貸して!」
スバルは残った力を振り絞る。
「おうっ!」
ぺこらも身体を起こす。
「任せるぺこ!」
スバルが叫ぶ。
「うおおおおおおおっ!!」
爆声衝撃波がベガのサイコパワーを揺さぶる。
拘束が緩んだ。
ぺこらが跳躍する。
「ぺこーらの全力、受けてみるぺこおおお!!」
空高く舞い上がり、ベガの背後から急降下。
強烈な飛び蹴りが決まる。
ベガの体勢が崩れた。
そして、トワが両手を前に突き出す。
「私たちは……帰るんだ!」
通常の波動拳。
そこへ魔力を重ねる。
スバルの衝撃波が、その弾道を後押しするように前方へ押し出す。
ぺこらの飛び蹴りによって崩れたベガの防御へ、紫黒い光が突き刺さった。
「デモンズ・ショット!!」
轟音。
バトルハブ全体が光に包まれた。
ベガの身体が吹き飛び、地面へ叩きつけられる。
サイコパワーが霧散していく。
「……馬鹿な……」
ベガは片膝をついたまま、三人を見上げた。
「我が力を……打ち破ったというのか……」
トワは息を切らしながら答えた。
「三人の力だよ」
5. 帰還
ベガの力が消えた瞬間、背後のゲートが大きく開いた。
向こう側には、見慣れた景色が広がっている。
三人が元いた世界。
「……帰れる」
スバルが呟く。
ぺこらは目を見開き、ゲートの向こうを指差した。
「見えるぺこ! あれ、ぺこーらたちの世界ぺこ!」
トワも思わず笑顔になった。
そこへ、リュウたちが駆け寄ってくる。
「どうやら、決着がついたようだな」
「はい。これで帰れます」
トワが答える。
リュウは三人を見つめ、静かに頷いた。
「お前たちは強くなった。だが、強さだけではないものも手に入れたはずだ」
スバルは拳を握る。
「うん。ここでのこと、絶対忘れない!」
ぺこらも頷いた。
「ぺこーらも! でも、もうここで戦うのはお腹いっぱいぺこ!」
トワは二人の手を取った。
「行こう。三人一緒に」
三人はゲートへ向かって歩き出す。
一歩、また一歩。
そして、光の中へ飛び込んだ。
目を開けると、そこは見慣れた場所だった。
いつもの世界。
いつもの空気。
スバルは周囲を見回し、ぺこらは自分の身体を確認する。
トワは二人の顔を見て、ようやく安心したように息を吐いた。
「……帰ってきたね」
「帰ってきたぁぁぁ!!」
スバルの声が響く。
「ぺこーらの勝ちぺこ! 異世界からの生還ぺこ!」
トワは笑った。
三人とも、無事に帰ってきた。
長い戦いは終わった。
そして、三人の手には、あの世界で手に入れたものが残っていた。
戦い抜いた自信と、互いを信じる気持ち。
トワは拳を軽く握りしめる。
「また三人で遊ぼうね」
「もちろん!」
「次は普通にゲームで対戦するぺこ!」
今度こそ、三人は自分たちの日常へ戻っていった。