ぺこら、トワ、スバル! スト6世界に囚われる 作:スト6初心者未満が押し通る!
STREET FIGHTER 6 ~レジェンドになるまで帰れません~
第7話「筋肉の祭典! ザンギエフ襲来!」
「……ザンギエフ」
スバルは大型モニターを見上げたまま固まっていた。
「ぺこら、あの人とは戦いたくないぺこ」
「奇遇だね。トワも同じこと思ってる」
「いやいや! でも、いつかは戦わなきゃいけない相手っすよ!」
スバルだけは妙に前向きだった。
そのとき、背後から大きな笑い声が響く。
「ハッハッハ! 君たちが噂の新人か!」
振り返ると、そこには巨大な筋肉の塊が立っていた。
ザンギエフである。
「俺はザンギエフ! 鋼の肉体と魂を持つ男だ!」
「でっっっか!!」
スバルが思わず声を上げた。
「君たちも鍛えているようだな!」
ザンギエフはスバルの肩を掴む。
「おお! いい身体をしているじゃないか!」
「えっ、あ、ありがとうございます!」
「君も筋肉を愛しているのか!?」
「いや、まあ……嫌いではないっすけど!」
「素晴らしい!!」
ザンギエフの声がバトルハブに響き渡った。
ぺこらはトワの後ろに隠れた。
「トワ、助けてぺこ……」
「大丈夫。まだ何もされてないから」
1. 大空スバル、筋肉に目覚める?
「どうだ? 一度、俺と手合わせしてみないか!」
ザンギエフの提案に、スバルの目が輝いた。
「やります! お願いします!」
「おお! いい返事だ!」
トワは少し不安そうに二人を見送った。
「スバル、大丈夫かな……」
「大丈夫じゃないと思うぺこ」
試合開始。
スバルは前回のガイル戦で学んだことを思い出す。
(相手の動きを見る。攻撃を焦らない。距離を考える……)
ザンギエフがゆっくりと前進する。
スバルは慎重に距離を取った。
「ほう! 以前より落ち着いているな!」
ザンギエフが踏み込む。
スバルは横に避け、拳を叩き込んだ。
「よしっ!」
しかし、ザンギエフはびくともしない。
「いいパンチだ!」
「効いてない!?」
次の瞬間、ザンギエフの腕がスバルを捕らえた。
「さあ、これが俺の誇る技だ!」
「えっ、ちょっ、待っ──」
スクリューパイルドライバー。
スバルの身体が宙を舞い、地面に叩きつけられた。
「ぐえええええ!!」
LOSE:大空スバル
「スバルー!!」
「いっっったぁ……! 何すか今の!?」
ザンギエフは豪快に笑った。
「ハッハッハ! これが投げ技だ!」
スバルは起き上がりながら、妙に感心した顔をしていた。
「……すげえ。身体一つであんなことできるんすね」
「そうだ! 筋肉は裏切らない!」
「筋肉は裏切らない……」
スバルの目に、何かが宿った。
トワは嫌な予感がした。
2. 兎田ぺこら、逃げ回る
「次はぺこらぺこ!」
ぺこらは意を決して前に出た。
ザンギエフが構える。
「さあ、来い!」
「いや、そっちから来なくていいぺこ!」
試合開始。
ぺこらは距離を取り、左右に動き続ける。
ザンギエフが近づく。
ぺこらは逃げる。
ザンギエフがさらに近づく。
ぺこらはさらに逃げる。
「……」
「……」
スバルとトワは無言で見守っていた。
「おい、ぺこら。戦う気はあるのか?」
「あるぺこ! ただ、近づきたくないだけぺこ!」
ザンギエフが笑う。
「逃げるのも立派な戦術だ! だが、いつまでも逃げていては勝てないぞ!」
「分かってるぺこ!」
ぺこらは一瞬だけ足を止めた。
ザンギエフが踏み込む。
「そこぺこ!」
ぺこらは横へ飛び、背後に回り込む。
そして攻撃。
ザンギエフの背中に一撃が入った。
「おおっ!」
しかし、ザンギエフは振り返ると同時に腕を伸ばす。
「捕まえたぞ!」
「ぺこっ!?」
再び投げ技。
ぺこらの身体が宙を舞った。
「ぺぎゃああああ!!」
LOSE:兎田ぺこら
「やっぱり無理ぺこおおお!!」
ザンギエフは満足そうに頷いた。
「いい動きだった! 逃げるだけでなく、反撃を考えていたな!」
「褒められても嬉しくないぺこ……」
3. 常闇トワ、投げの間合いを読む
「最後はトワか」
トワは静かに前へ出た。
「よろしくお願いします」
「うむ! 全力で来るといい!」
試合開始。
トワはザンギエフの腕の届く範囲を慎重に見極めていた。
(この人は近づいたら危険。でも、遠くにいるだけじゃ勝てない)
ザンギエフが踏み込む。
トワは後退。
さらに踏み込む。
トワは横へ移動する。
ザンギエフの腕が空を切った。
「ほう!」
トワはその隙に攻撃を入れる。
一発、二発。
しかし、ザンギエフは耐えた。
「いいぞ!」
ザンギエフが両腕を広げる。
トワは即座に距離を取った。
「……危なかった」
投げの間合いに入らないようにする。
攻撃を欲張らない。
トワは少しずつダメージを重ねていった。
だが、ザンギエフも黙ってはいない。
「これが俺の本気だ!」
ザンギエフが踏み込む。
トワは避けようとするが、腕が肩を掴んだ。
「しまっ──」
スクリューパイルドライバー。
トワの身体が地面に叩きつけられる。
「きゃあっ!」
LOSE:常闇トワ
トワはしばらく地面に座り込んでいた。
「……やっぱり、捕まったら駄目だね」
ザンギエフは手を差し出す。
「素晴らしい戦いだった! 君は間合いをよく理解している!」
「ありがとうございます……」
「だが、俺の投げを恐れているだけでは勝てないぞ!」
トワはその言葉に頷いた。
4. ザンギエフの教え
三人はベンチに戻った。
「全員投げられたっすね……」
「ぺこら、もう二度と戦いたくないぺこ」
「でも、ザンギエフさんって投げが強いだけじゃないよね」
トワが試合を振り返る。
「攻撃を受けても前に出てくるし、こっちが逃げる方向も読んでた」
「そうそう。あの人、近づいたら終わりみたいな圧があるぺこ」
そこへザンギエフがやってきた。
「君たち、少し話をしよう!」
三人は姿勢を正した。
「俺の戦い方は、相手に近づいて投げることが基本だ。しかし、そこに至るまでの駆け引きこそ重要なのだ!」
「駆け引き……」
「相手が逃げるなら追い詰める。攻撃してくるなら受け止める。焦った相手は必ず隙を見せる!」
ザンギエフはスバルを見る。
「君はもっと自信を持っていい。身体能力は十分だ。だが、相手の攻撃を恐れすぎるな!」
続いてぺこら。
「君は動きが読みにくい。だが、奇策を成功させるには基礎が必要だ!」
最後にトワ。
「君は冷静だ。だが、慎重になりすぎるところがある。勝つためには、時に踏み込む勇気も必要だ!」
三人は真剣に聞いていた。
「ありがとうございます!」
スバルが頭を下げる。
「よし! では最後に、俺から一つ提案がある!」
ザンギエフが両腕を広げた。
「筋肉を鍛えよう!!」
「「「結構です!!」」」
三人の声が見事に揃った。
5. スバルの決意
その夜。
バトルハブから戻る途中、スバルは自分の腕を見つめていた。
「……筋肉かぁ」
「どうしたの、スバル?」
トワが尋ねる。
「いや、ザンギエフさんの身体、すごかったなって」
「スバルも鍛えたら、ああなるぺこ?」
「いや、そこまでじゃなくていいっすよ!」
ぺこらの言葉にスバルは苦笑した。
「でも、身体を使った戦い方はもっと上手くなりたいっすね。せっかく自分の身体で戦ってるんだから」
トワは頷いた。
「いいと思う。スバルらしいし」
「よーし! 明日からもっと頑張るっす!」
「ぺこらは筋肉より頭脳派で行くぺこ!」
「その頭脳で今日の投げを回避できたんすか?」
「うるさいぺこ!!」
三人の笑い声がバトルハブに響いた。
6. 次の壁はイタリアから
翌日。
三人がランクマッチの対戦相手を探していると、ルークが近づいてきた。
「お前ら、ちょっと面白い話があるぜ」
「何っすか?」
「次の交流戦、参加者が追加されたらしい」
大型モニターに新たな名前が表示される。
エドモンド・本田。
ダルシム。
ディージェイ。
そして、その下にもう一人。
マリーザ。
「……また強そうな人が増えたぺこ」
「マリーザはかなりのパワーファイターだ。ザンギエフとは違う意味で厄介だぜ」
ルークが説明する。
そのとき、別の方向から陽気な声が聞こえた。
「チャオ! 君たちが噂の新人かい?」
金髪の青年が近づいてくる。
「僕はディージェイ! 音楽と格闘技を愛する男さ!」
「おお、なんか明るい人が来たっすね!」
スバルが笑顔になる。
ディージェイは三人を見て、ニッと笑った。
「どうだい? 音楽に合わせて一戦やってみないか?」
「音楽?」
「そう! 楽しく戦おうじゃないか!」
ぺこらが小声で呟く。
「……今度は踊らされるぺこ?」
トワは苦笑した。
「でも、相手のペースに乗せられない練習にはなりそうだね」
ディージェイは両手を広げる。
「さあ、ショータイムだ!」
三人の新たな戦いが始まろうとしていた。
次回、第8話「ショータイム! ディージェイのリズムを崩せ!」
陽気なファイター、ディージェイとの対決。
リズムを崩されるスバル、翻弄されるトワ、そして謎のダンスを始めるぺこら。
三人は音楽に乗せられずに勝利できるのか!?