問題だらけのアイドルグループを武道館に連れていく 作:AK999
「パパ、明日の休みは一緒に遊園地行こ?」
「旦那様、明日は私とお菓子作りをする約束ですよ?」
「先輩は私とデートしに行くんです」
「うささんは私と酒造巡りをするんだよ」
「No,ダーリンはワタシとアソビにイキマス」
赤、青、白、紫、ピンク。各々のカラーに彩られた衣装を来た 5人の女の子が、互いを牽制し合いながらにじり寄ってくる。
どうしてこうなってしまったんだろうか。僕はただ、彼女たちを武道館に連れていきたかっただけなのに。
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高校を卒業して、入った職場がブラックだった。新人教育に当てられていた人は7月で音信不通になり、そこから自力で仕事を覚えてきた。2年目にして、後輩の教育係になった。右も左も分からない新人2人をギリギリ右が分かるぐらいになった僕が教える。高校で教育学について学んでいて良かったと思った事は1度や2度ではすまないだろう。
3年目にして係長にまで上り詰めた。新人も新しく3人入った。教育係は続行していた。この間、給料は1円も上がらなかった。
そして、苦節4年。俺はとうとう勤めてきた会社を辞める決意をし、社長室へと勇み足で踏み込んだ。
「あ、男画七(おがな)くん。君にはアイドルのプロデューサーになってもらうからね〜」
「は?」
椅子に座った瞬間告げられる衝撃の事実。
「俺の友達がね〜、アイドルグループ立ち上げたんだけどさ〜。プロデューサーの人がいないとかなんとかでさ〜。アテはないかって泣きついてきたんだよ〜。そこで、ビビッと来たわけさ〜。若くて新人教育に実績のある男画七くんなら、プロデューサーに適役じゃないかって〜!」
「はぁ」
なんだよ、プロデューサーって。こちとらこの会社辞めに来たんだぞ。よし、そのことを伝えてプロデューサーの話も諦めてもらおう。
「あの、実は私、、、」
「あ、ちなみに給料とか、福利厚生はこんな感じになってるからね〜」
渡された紙を見ると、そこにはなんともまあ素晴らしい条件が書かれている。
「やります!ぜひやらせてください!武道館でも海外ツアーでもどんとこいです!」
「おお〜すごいやる気だね〜。じゃあアイツにはプロデューサー確保できたよ〜って伝えとくね〜。詳しくは1ヶ月後ぐらいに連絡するよ〜。そういえばさっき言いかけてた事って何〜?」
「いえ、それはたった今、大丈夫になりました。プロデューサーの件楽しみにしています。では、失礼します」
俺はそう告げると、辞めるという話が嘘だったかのような足どりの軽さで部屋を出て、仕事に戻って行くのだった。