問題だらけのアイドルグループを武道館に連れていく   作:AK999

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幕間1

プロデューサーが酒寄さんを迎えに行くために事務所を出てからはや5分。事務所内には気まずい沈黙が流れていた。なにか話さなければ、そう思った高宮花子が意を決して話しかけようとしたその時だった。

 

ガチャ!

 

2人の視線が扉に向けられる。

 

「‪”‬ルナホワイトよ。呼ばれたから来てあげたわ‪”‬」

 

入ってきたのはまさに絵画から出てきたかのような美しさを誇る少女。プラチナブロンドの髪をはためかせ遅れてきたのにも関わらず、さも仕方ないから来てやったぞという風に立ち振る舞っている。

そして、必然的に話しかけるタイミングを失った高宮花子は「あぅ」とへこんでいる。

 

「‪”‬私がさっき電話した佐々木玲奈よ。隣にいるのが高宮花子さん。私たちの大先輩よ。あとはプロデューサーもいたのだけれどもう1人のメンバーを迎えに行っていて今はいないわ‪”‬」

 

「‪”‬そう、私を待たせるなんていい度胸ね。まあ、今は気分がいいから待ってあげるわ‪”‬」

 

「‪”あなたも人を待たせていたくせによく言うわね‪”‬」

 

「‪”‬私はいいのよ、だって可愛いから‪”‬」

 

「‪”‬可愛い以前に遅れてくるのは人としてどうかと思いますが‪”‬」

 

へこんでいる1人を除いて、先程の沈黙が嘘かのように会話が続く。

 

「あ、あのあの佐々木さん。ルナさんはなんて言ってるんですか?」

 

伊達に長年アイドルをやっているだけはある立ち直りの早さだった。

 

「あ、ああ。すみません。えっと、まとめるとルナさんは自分の性格が悪いと言っています」

 

「∑( °д° )ぇぇ.ᐟ‪.ᐣそんなこと自分で言う人いるんですか!?」

 

「‪”‬そうよ、私の性格はパーフェクトでしょ!‪”‬」

 

「‪”‬え、日本語分かるんですか?‪”‬」

 

「‪”‬当たり前でしょ、1年も日本に住んでたらある程度の言葉は分かるわ。話せないけどね‪”‬」

 

「‪佐々木さん、もしかしてなんですけどルナさん日本語分かるんですか?」

 

「喋れはしないそうですけど」

 

「そ、そうなんですね。ルナさん凄いですね!」

 

「‪”‬ま、それほどではあるわね‪”‬」

 

「あ、あのあの、私質問したいことがあるんですけど。ルナさんはどこから日本に来たんですか?」

 

「‪”‬カルフォルニアからよ。日本にはパパの仕事の関係で来ているわ‪”‬」

 

先程からしているように佐々木さんに翻訳して教えてもらう。

 

「カルフォルニアから来たんですね!私カルフォルニアのディノニーランドにに行くのが小さい頃からの夢だったんです!」

 

「‪”‬ディノニーランドね。小さい頃パパと何度も行ったわ。あなたディノニーが好きなの?゛」

 

「そうなんです!小さい頃からディノニーのプリンセスに憧れてて!特にハマと沖の大王に出てくるハマが大好きで!」

 

「‪”‬そ、そうなのね。でも日本にもディノ二ーランドはあるでしょ。日本のには行かないの?‪”‬」

 

「1週間に一度は必ず行きますよ!でも日本のディノニーはハマと沖の大王のアトラクションはないんですよ!(泣)グッズ展開も少ないですし!あとホシーウォーズもディノニーの中では好きなんですけど本格的なグッズは日本には無いんですよ。私も自分専用のレフトセーバー作りたいです!」

 

先程とはうって変わって、水を得た魚かのようにしゃべり続ける高宮花子。こんなにも喋ってくるとは思っていなかったため少し引き気味のルナホワイト。そして、その通訳に追われている佐々木玲奈。

 

「それでですね、日本のディノニーに無いものはもっとあってですね!トイテイルのハンディーの人形なんかもアメリカと日本では仕様が違って、アメリカの方がより本格的なんですよ!」

 

「‪”‬そ、それはすごいわね。えっと少し喉が乾いたわね、お茶ってあるかしら‪”‬」

 

「そうですね、あの冷蔵庫に何か飲み物は入ってませんかね?」

 

「あ、なら私が探してきますね。ルナさんと佐々木さんは座っていてください」

 

そう言って席を立ち、冷蔵庫の中を探しに行く高宮花子。

 

「‪”‬やっと止まったわね、まさかあの大人しそうな彼女があんなに喋るとは思わなかったわ‪”‬」

 

「‪”‬そうですね、私もまさかアイドルになって通訳の仕事をするとは思いませんでした‪”‬」

 

聞きとられないように英語で会話する2人。

 

「‪”‬あなたはどうしてアイドルになろうと思ったの?‪”‬」

 

ルナホワイトが佐々木玲奈に質問をする。

 

「‪”‬私ですか。私は妹がいるのですが、妹がアイドルが好きで。私がアイドルになった時とても喜んでくれました‪”‬」

 

そう言う彼女の顔はとても優しげである。

 

「‪”‬そうなのね、ちなみに私がアイドルになったのはどうしてだと思う?‪”‬」

 

「‪”‬分かりません。人のために何かをするような気はしませんし、お金もあまり苦労していないように見えます。強いていえば自分のためですか‪?‪”‬」

 

「‪”‬ふふ。私がアイドルになろうとした理由はね、世界のためよ。私は可愛いもの。私がアイドルになって有名になれば私の可愛さに救われる人が増える。世界は平和になる。だって可愛いは正義だもの‪”‬」

 

「‪”‬そ、そうですか。確かに可愛いのは認めますが。それより高宮さん遅いですね。お茶取ってくるだけだと思うんですけど‪”‬」

 

「皆さーんお茶入りましたよ〜。コップを探すのに手間取ってしまいました〜」

 

「あ、高宮さん走ったら危な

 

佐々木玲奈の忠告虚しく宙を舞うコップ達。向かう先は何も無いはずのところで転んだ高宮花子の頭の上。

 

ガチャ

 

「すみません、ただいま戻りました って、なんじゃこりゃあ!!!」

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