今日も王様は異世界から勇者の厳選作業に勤しむ様です 作:aruaru
「王様!魔王から世界を滅ぼす宣言の手紙が来ています!」
ある日の午後のティータイム、大臣からそんな情報が届いた。
「何だと!?それは不味いな」
にしても、魔王め。わざわざ世界滅ぼしますよって伝えてくれるの優しいな。それほど自信があると言う事か。いやそれよりも、世界を滅ぼされたら我が国の市民まで死ぬ事になる。そんなのはあってはならない。だがしかし。
「どうしましょうか?兵を集めましょうか」
「兵を集めたところで魔王に勝てるのか?そもそも、魔王だけが相手ならまだ良いが。過去の文献によれば魔王は軍を持っていたらしい。それが強大な力を持っていて私達の軍を倒されたら、それで私達の打つ手は無くなるぞ」
「確かに。ではこの国にいる冒険者に協力を要請して、共に戦う様話を」
「それは良いが、そうなると誰がこの国を守る?責められたらこの国は終わりだ」
「でしたら、どうしましょうか?」
大臣が渋い顔で聞く、分かってる。全否定して悪かったな。だが、その言葉を待っていたのだ。
「うむ。それなんだがな。実は、私に一つ考えがあるのだ」
◆◆◆
「これは……」
「かつてご先祖もこの様な窮地に至った時に、異界のモノを呼び出しててその者と協力をして事態を解決に向かわせたと書いてあった。つまり、これは異界へと通ずる召喚魔法陣なのだ!」
「そんな物があったとは……。長年大臣を務めていましたが全く知りませんでした」
過去百年程は使われていないみたいだったからな。大臣が知らないのも無理はないだろう。大きな召喚台を見ながら、大臣は言った。
「ところで、どうやってこれは召喚するのでしょうか?」
「これだ」
その質問に対して、私は懐から紙を取り出して大臣に見せる。これは、数週間前から枕元に置いてあった紙だ。過去の文献にはこうも書いてあった、この召喚魔法陣は魔力を通した魔法陣に特殊な紙を燃やして召喚する物だと。恐らくコレを燃やして使うのだと理解した。
「どうだ?早速試しにやってみないか?」
「そうですね。やってみましょうか」
大臣が魔法陣に魔力を注ぐと。一度光り輝いた後、点滅をし始めた後。よし。やってみるか。
「出でよ、異界の者よ!我らの国を。世界を救い、救世主となれ!」
輝く魔法陣にそう叫び、私は召喚紙を燃やして魔法陣へと投げる。すると、キィンと音がした後眩い光で目を閉じた。
「コレは……凄いモノが出る気配がしますぞ王様ァ!」
「本当か?大臣よ」
「あくまで予感ですが、そんな気がします」
「では信じよう!何見えないが、そろそろ目開けても大丈夫か?」
「いっせーので開けましょう」
「怖いからな。一緒にだぞ」
そしてゆっくりと目を開いて目に入った物は……。
「剣?」
人で無くて物だった。
「えぇ……」
「これはハズレですかねぇ」
困った様に大臣と二人顔を見合わせながら、手に取ってみる。
「でも大臣によると凄い物なんだろう?これは」
「あくまでもそんな気がしただけですからね。本当に凄いかどうかは……」
「えいっ」
鞘から取り出し、剣を振ってみる。
「あ」
何だ。何も起きないではないか。そう思っていると、風が吹きこんできた。どうやら何処かに穴が空いてしまった様だ。
「王様……やはりその剣はとんでもない剣です」
大臣がそんな事を言う。が、あまりしっくりは来ない。
「ん?そうか?」
「この城には結界が貼ってあります。ただの結界じゃありません。この世界随一の実力を持つ宮廷魔術師が全力を込めた結界です。ここも例外ではありませんそれをたったの一振りで」
「やばいな」
コレは鑑定士に良く調べてもらう必要がありそうだな。