いつかイチゴ味風北斗の世界に出久が居たらの番外編とか書いてみたいです
「ケンシロウ兄さん!サウザーに秘孔は聞かなくても痛みはあるよ!脚を狙って!」
「秘孔が効かないからって痛覚が無いわけじゃないよ!金的!金的だよ兄さん!」
顔と違ってエゲツ無い戦術を勧める姿、面白そうです。
北斗の家の朝は早い。
出久は日が登る前に起きるとすぐに顔を洗い、訓練場で一人シャドーボクシングみたいな事を始める。
これは脳内で相手を思い描き、それと組み手をする北斗の基礎訓練の一つであり今は南斗の男をイメージしている。
「ふ!は!はぁ!!!」
足運びはトキをイメージし、流れるようにと意識するがあれ程華麗には動けなかった。
そして……
「『天破活殺』!」
自身の得意技を放ち、イメージの敵を倒した。
そして自身の動いた後を見てノートに改善点を纏め、再度組み手を再開。
出久の朝はこうしてはじまるのだ。
日が昇ると水を浴びて汗を流し、朝食の支度を始める。
基本的に当番制であり、今週は出久の番であった。
前日に用意した味噌汁を温め、米を炊き、小鉢を用意して魚を焼く。
米が炊きあがる頃には違うところで訓練してた兄弟子達が戻ってきて食卓を囲む。
「……む?豆腐と油揚げの味噌汁?」
「はい、ラオウ兄さんが今朝はこれがいいってリクエストしてくれたので」
「……ネギ」
ラオウは現場仕事であり、今日はたまたま近くの現場なので朝がゆっくりなのだ。
ちなみに早い時は5時前には家を出ている。
「今日は帰り遅いですか?」
「私はいつも通りだ、7時には帰ると思う」
「夕方には戻る」
「……ネギ」
「俺は店に顔を出して出しなぁ……分かったら連絡するぜぇ」
夕飯はいるか尋ねる。
一応、流石にこんな平和な時代ではマトモに仕事をしてる北斗一家。
ラオウは鳶なので特に帰りの時間がブレるので、遅い日は適当に外で食べてくる。
トキは整体師をしており、急な来客が無い限りは安定した時間に帰ってくる。
ジャギはバイクショップのオーナーをしており、仕事量によってはその日帰ってこれないもあるのだ。
ケンシロウは学生なので彼女とのデート等が無い限りは安定した時間に帰ってくる。
「イズクは?」
「もう卒業前なので自由登校ですから訓練して……昼辺りに『サザンクロス』に買いに行こうかなと」
スーパー『サザンクロス』
ケンシロウ、そしてその彼女のユリアの幼馴染であるシンの実家であり、そこそこ大きいのが特長だ。
四人が家を出ると7冊のノートと教科書、そしてトキから譲り受けた医学書を丁寧に纏めていく。
確りと知識をつけるために勉強するのだ。
特に現代の医学書は大事であり、北斗神拳の奥義である秘孔を突くためには欠かせない。
異形系の個性により人離れした人物が多い以上、こうして相手を知る事で己の力に変えていくのだ。
昼近くになると出久は伸びをしノートを閉じてエコバックを片手に玄関を開けた。
昼食と夕食、そしてもしジャギが徹夜するなら従業員の分の夜食も作るために買い出しに行くのだ。
外に出るとたまたま幼馴染の爆豪勝己とであった。
彼はストイックそのもので、訓練後の食事やケアは自分でこなすタイプなのでこうして買い出しに出ているのだ。
「あれ、かっちゃん」
「おう、お前もサザンクロスか?」
「うん」
長い付き合いだからか、要点だけ言葉にして伝わる。
二人は道中話していた。
「まぁ、俺と出久なら合格は確実だな
準備しておけよ」
「相変わらず自信満々だねかっちゃん」
「はん、俺はナンバーワンヒーローになるんだよ!
受験なんてこんなくだらねぇもんで躓いてたまるかってんだ!
お前こそこの未来のナンバーワンのサイドキックになるんだから自信持てよ」
「僕がナンバーワンになるからかっちゃんがサイドキックだよ」
「はん!そこまで言えれば上等だ」
幼い日の約束だ。
片方がナンバーワンヒーローになったらもう片方がサイドキックとして支える。
負けず嫌いの二人には良い起爆剤としてラオウが提案したのだ。
「そうそう、僕さ誕生日になったら免許取りたいんだ」
「あ?中型か?」
「うん」
世間話の中、出久はふと誕生日を迎え16になったらバイクの免許を取ると言い出した。
そこに何か嫌な予感がする爆豪。
「ジャギ兄さんがさ、免許取ったらスペシャルカスタムのバイクくれるって言っててさ」
「あのクソダセェバイクか?」
爆豪が思い出すのはジャギの世紀末カスタムの中型。
ギリギリ公道で走れるレベルのとにかくいじり倒したクソダサいバイクが彼の感想であった。
「カッコいいじゃん!」
「センスいかれてんのか!?
あんなんダセェぞ!それならまだホークスファンの自己主張乗り物の方がセンスあるわ!」
速すぎる男ことプロヒーロー『ホークス』
彼には過激なファンが多く、とある金持ちファンはランボルギーニをホークスカラーにしあらゆるところにホークス要素を着けてると、正直滅茶苦茶ダサいのだ。
それの方がマトモって思えるほど、ジャギの世紀末カスタムバイクは……
サザンクロスに到着すると二人は精肉コーナーに向かった。
「失敗?気にしないでください、貴方達は大事な従業員なのですから」
到着するとデカくて太いナマズヒゲの男が、従業員の切り分けミスに寛容に許していた。
二人はこんな従業員居たっけ?と頭に疑問符を浮かべるが彼は二人を見つけると嬉しそうに駆け寄ってきた。
「出久君に勝己君、いらっしゃい」
「「?」」
誰なのかわからないで居ると、男性は嬉しそうにバーコードの着いてない肉を袋に詰めて渡してきた。
「雄英高校合格の前祝いですよ」
「「アルフレッドさん!?」」
気さくに前祝いとか色々称して二人にサービスする彼の名はアルフレッド。
違う世界ではハートと呼ばれていた男だ。
少し前までは細く金髪が華麗な美青年そのものだったのに、どんな遺伝子変化が起きたのか今ではファットガムに負けず劣らずのデカいスキンヘッドデブになっていた。
二人は困惑しながら肉を大量に受け取ると礼を言って違うコーナーに向かった。
「アルフレッドさん……どうしたんだろ?」
「わからねぇ……個性の暴発か?」
「なのかな?いやだよね、じゃないとあのアルフレッドさんがああはならないよね」
あまりの変化に二人は困惑しながら買い物を終える。
そして夕食の準備をしてるとジャギから今夜は帰れないと電話が来たので追加で店員用の夜食も作った。
そしてラオウ達が帰ってきて夕食を出すとすぐにジャギの店へと向かった。
「ジャギ兄さん」
「どうしたイズク?」
「皆の分の夜食、作ってきたんだ」
オーナーでありながら油まみれになってバイクの改造に勤しむジャギ。
人手が足りないのもあるが、自分についてきた部下に仕事を押し付けるのが嫌らしくてこうやって現場に出ているのだ。
「ヒャッハー!マジかよ出久!最高だぜ!」
従業員の一人が歓喜の声を上げると、全員が集まり夜食のおにぎりと唐揚げを貪る。
「うんめぇ!!!これだから辞められねぇぜ!」
「出久が女だったら声かけてるぜぇ!!!」
「「「ヒャッハー!!!」」」
ジャギは呆れた顔をしながらおにぎりを食べる。
「自由登校だからって無理すんなよ」
「無理なんてしてないよ
兄さん達が頑張ってるから応援したいだけ」
眩しすぎる善性にジャギは目を覆った。
ケンシロウと違い過ぎる弟が可愛いとさえ思った。
「ったく、早く帰れよ」
「うん」
何処か呆れながらそう伝える。
暴漢程度には負けないだろうが、やはりこんな可愛い弟は心配らしい。
これが緑谷出久の日常。
鍛えて、なにかあれば恩返しと動いてしまう善性に満ちた子なのだ。
アルフレッド
ハート様の過去の姿
一応作者公認らしい
滅茶苦茶儚い系の美少年で、どうしてこうなったと思うレベル