番外編 BLEACH ~No Future Worth Your Ruin~ EXTRA STORIES 作:冬冬✻
番外編 劇録 五番隊!!
劇録 一 イメチェンですか?
「周介、トリートメント買ってきといてや」
「いや、まだ書類が――」
立ち去る平子真子。
「仕方ないな」
近くの隊士に声をかける。
「悪いんだけど、トリートメント買ってきてくれない? 業務は一旦いいからさ」
「はい、わかりましたけど……」
その後、その隊士は外せない仕事が入り、別の隊士へ。その隊士もまた別の隊士へと伝言ゲームのように依頼はまわっていった。
「柊三席! 頼まれた物買ってきましたであります!」
「ああ、ありがと……ん?」
パッケージがいつも見るのと少し違う。
どうやら別の物を買ってきてしまったらしい。
「もう一回、買いに行ってもらう訳にはいかないし……」
少し考え。
「まあ、気づかないよね。」
柊は平子の専用トリートメント入れに買ってきた物を詰め替えた。
「これでよしと。さて仕事に戻ろう」
その日の夜。平子が入浴中のこと。
「おお、新しいの詰め替えてあるやん。周介も何だかんだ律儀なやつやな」
トリートメント入れから中身を手に出し、頭に塗り始める。
「おお。これや、こ――」
平子は頭皮に違和感を感じる。
翌日。
「さて、今日はこれからやろうかな」
――ガタン
戸が開く
「周介ェ!!」
「平子隊長、そんな慌ててどうしたんです?」
柊が顔を上げ、平子を見ると。
「平子隊長? イメチェンですか?」
平子の髪はタワシのようになっていた。
「イメチェンちゃうわ! トリートメント入れにボディソープ入っとったぞ!!」
「あ」
「あ、ちゃうわ! どないすんねんコレェ!?」
「平子隊長」
「あ? なんやねん、惣右介」
「お似合いですよ」
沈黙。
「惣右介ェ!」
その日からしばらく、平子のあだ名は
金たわしになった。
後日、ひよ里に見つかった平子は、案の定……
「おい、台所でも洗えや、金たわし」
「誰が金たわしやねん!!」
完
劇録 二 平子真子のくえすちぇんあんどあんさー
Q 美髪の秘訣とは
「せやなぁ。まあ一つは手入れやな」
Q では他には?
「よく聞いたな。実はもっと大事な事があんねん」
Q その大事な事とは?
「俺か俺以外かや。俺の髪は神様が三物くらい与えた結果やからな」
「藍染副隊長……」
「何だい? 柊君」
「なんか、腹立ちますね」
「そうだね」
Q 隊長の仕事とは
「隊長の仕事?そんなん決まっとるやろ」
Q いったいそれは?
「部下に仕事を任せて、レコード聴くことや!」
Q それはいつも?
「そらそうや。昨日も周介と惣右介の机に俺の分の書類も混ぜといたわ」
「藍染副隊長……」
「ああ。わかっているよ、柊君」
バリカンの音
「ん?お前ら、何して――」
その日五番隊隊長室に平子真子の悲鳴が響き渡った。
そして、しばらくの間、平子真子は隊長室から出てこなかった。
完
劇録 三 藍染副隊長の弱点って何ですか?
「周介」
「何ですか? 平子隊長」
「お前ェ、惣右介の弱点って何やと思う?」
「藍染副隊長の弱点?」
少し考えるが、特に思い当たらない。
「ないんじゃないですか?」
「んなわけあるかァ! 弱点ないやつなんておらんやろ!?」
「じゃあ、平子隊長は何だと思います?」
「そらァ、あれや。そのな……」
沈黙。
「思いつかないんですね」
「やかましいわ! だから聞いとんのやろ!」
「ただ、ちょっと気になりますね……」
「せやろ?」
二人が珍しく意気投合した。
その日以来、二人は様々なことで藍染の弱点を探り出した。
「惣右介、麻雀しようや」
「珍しいですね?」
「なんや、嫌なんか?」
「いえ。構いませんが」
三十分後。
「次の仕事がありますので、この辺で」
平子、柊
五戦五敗
藍染
全勝
「まだや、何かあるはずや!」
数日後。
「惣右介、じゃんけんしよや」
「じゃんけん、ですか?」
「せや。ええやろ別に」
「ええ。構いませんが」
十分後。
平子
全敗
藍染
全勝
「全部負けてましたね」
「おかしいやろ! あいつ、何でじゃんけんであんな心理戦しとんねん!?」
その後も二人の調査は続いたが、ことごとく失敗に終わり、調査は行き詰まっていた。
「もうやめません?」
「諦めるんか! 何か、絶対あるはずや!」
そんな時だった。
「あの、平子隊長、柊三席」
一人の隊士が何やら包みを持って話しかけてきた。
「どないした?」
「実は……」
彼の話によれば、どうやら今朝、寝ぼけて茹で卵を作りすぎてしまったらしい。
「それで配りに来たってわけか」
「はい……」
「ほな、貰うわ。ありがとな」
「俺もいただきます。ありがとうございます」
二人は茹で卵を口にする。
「おお。普通に美味いなこれ」
「ですね」
隊士は嬉しそうだった。そして。
「惣右介、お前も貰えや」
沈黙。
「いえ。僕の分もいただいて下さい」
珍しく、藍染が断った。
「申し訳ないのだけど、平子隊長に僕の分もあげてくれるかな?」
藍染は隊士に謝った。
「はい! 平子隊長どうぞ!」
平子が一瞬藍染を見つめた後。
「おお。ほな貰うわ」
その後隊長室にて。
「周介、見つけたで。惣右介の弱点」
「ほんとですか?」
「せや。茹で卵や」
「茹で卵?」
「さっき、断ってたやろ? 普段ならありえんやろ、あんなの」
「まあ、そうですね」
平子が良からぬことを企む顔をしていた。
翌日。
「柊君。これは何かわかるかい?」
「あぁ……」
藍染の机の上には五番隊中の隊士からの贈り物が置かれていた。
日頃の労いの言葉と、大量の茹で卵。
平子は五番隊の隊士達に藍染を労ってやろうと呼びかけていた。
そして、必ず最後には、こう言い残していた。
『惣右介のやつ、喜ぶやろなァ。特に茹で卵貰えたりしたら。あいつの大好物やからなァ』
柊からことの経緯を聞くと、藍染が静かに席を立つ。
「どこ行くんですか?」
「少し、平子隊長のところにね」
「あぁ」
柊は全てを察した。
「まあ、自業自得ですね」
翌日。
「周介ェ!」
「どうしました?」
「俺のジャズのレコードが、全部盆踊りのやつに差し変わっとんぞ!!」
「え?」
「他にも、隊長室が勝手に模様替えされて、
ハートの装飾塗れになっとんねん!」
柊が思わず吹き出した。
「あんなの他の隊士に見られたら、俺の立場どうなるねん!?」
その後も平子の身の回りで不可解な現象が起こり続けた。
数日後。
「藍染副隊長ですか? 平子隊長のやつ」
「何のことだい」
「いや、茹で卵の仕返しかなって」
「平子隊長は皆に好かれているからね。きっと誰かが日頃の労いとしてやっているのだろう」
その言葉を聞いて柊は思った。
藍染に茹で卵の悪戯をするのは絶対にやめよう。
完
Q. 次の番外編はどれを読みたいですか?
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1. 110年前の日常
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2. 女性死神協会絡みのドタバタ
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3. 番外編0(110年前より過去)
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4. 名探偵周介&惣右介シリーズ