「スノウ、残念だけど、貴方は死ぬは、恐らく早ければ5年以内に」
異世界に転生して25年、宿屋の部屋で2人っきりの中、仲間の
俺の名はスノウ、Bランク冒険者パーティ【冬桜】の人間の剣士だ、元は日本生まれ日本育ちの生粋の日本人だったが敢え無く不治の病に掛かり治療も虚しく死んだ、そして気が付けばこうして剣と魔法の異世界に転生したわけだが、何の因果か前世と同じ病をたった今宣告された。
「………………………………そうか、ありがとう」
俺は申し訳無さそうにする彼女を傷付けまいと微笑みを浮かべる。実際俺に悲しみは無かった、あるのはただそうかという事実を受け入れる気持ちだけ。自分でも驚く位他人事だった。
「止めて、お礼を言われる様な事じゃないわ、私では貴方の病は癒せない、人を癒す事が仕事なのに目の前で病に蝕まれている人を癒せない、こんなに情けない話ある?」
そして今俺の前で項垂れる彼女はスフリ、金糸の様に滑らかで靱やかで美しい金髪を腰まで伸ばし女性でも羨む程豊かな胸と括れた腰、そして何より精霊にも劣らぬ美しい顔立ちをしている俺の冒険者パーティの仲間の1人で
つまり彼女に治せないなら少なくともこの街での治療は不可能と言う意味だ。
「スノウ、これからどうするつもり?」
屈辱を一通り味わい終えた彼女は顔を上げ俺にそう問いを投げかけて来る。
「どうする、とは?」
「ここまで言ったのだから私もはっきり言うわ、冒険者は引退した方が良い、王都に行けば私より腕の良い治療師がいる、そこで療養すればまだ可能性があるかも知れない」
「腕の良い
可能性に縋るスフリに俺が現実を突き付けると彼女は何も言えなくなり表情を暗くする。
「そうね、でも、それじゃあどうするつもり?」
「冒険者を続ける、Aランクも目前だ、俺のせいで皆が昇格を逃すのは避けたい」
俺は診察の為に外していた装備を付け直し具合を確かめながらスフリにそう返す。
「待って、貴方もしかして2人に黙ってるつもり?」
「正直迷ってる、伝えないのは不誠実な気がするが伝えて余計な心配を掛けるのもどうかと思ってる」
「私は伝えるべきだと思うわ、貴方の病は隠し通せる物じゃない、今は何とも無くても進行すれば必ず症状が現れて必ず皆にバレる」
「……………………なら言うべきだな」
「私から言ってもいいわよ?」
「自分の事だ、きちんと自分で言う、だが仲間内だけにしておきたい、皆を集めてくれ」
「わかったわ」
スフリが部屋を出ていったのを確認し俺は天井を見上げ息を吐き窓の外を見る。美しい花々と温かい日の光が世界を鮮やかに彩っていた。
「5年、5年か…………長い様な短い様な気がするのは神様のお情けって奴なんだろうか」
俺の問いに答えてくれる存在は誰も居なかった。