Side サン
目から溢れる涙を必死に堪えながら私は自室に戻る。
私の仲間の1人スノウが不治の病に掛かった、その事実をまだ受け止めきれていないから。
闘争を好む私達
それは戦士にとって不名誉な事であり悲しい事だ、何より長年一緒にいた仲間の弱っていく姿を見なければいけない事が酷く辛い。
「5年…………5年か」
彼の余命は5年、私達がパーティとして活動した半分程度の時間、同時に、もう皆とパーティを組んで10年になるのかと見当違いな考えが頭に浮かんで来る。
10年前
私は冒険者としてソロで活動していて手当たり次第にモンスターを狩って回っていた。
それまで私は冒険者として5年程活動し幾つかパーティを組んだ事もあった。まぁ、全て上手くいかなかったが。
『貴女にはもうついて行けない、申し訳無いけれどウチのパーティを抜けてくれないかしら?』
『もうあんたにはついて行けない、俺達は自分達に合った依頼を受けるよ、あんたならまた別の良いパーティが見つかるさ』
『ごめんなさい、貴女1人だけ凄すぎるの、私達はついて行けない』
私は強過ぎた、
やがて私に声を掛ける冒険者は誰も居なくなりソロで冒険を続けた、そんなある日だった。
『なぁアンタ、もしかしてソロか?』
そう言って声を掛けてきたのは人間では珍しい白い髪と瞳を持つ少年、当時まだDランクパーティだった【冬桜】のスノウだった。
『そうだと言ったら?』
『なら俺達のパーティに参加しないか?今度受ける依頼に人手が欲しいんだ、今回だけでも良いからさ』
『………………………………良いだろう』
どうせ1回だけのパーティならと軽い気持ちで受けたそれが彼らとの最初の依頼だった、内容は駆け出しの依頼らしく
依頼された村に向かい話を聞いた後
私は必死に戦った、奴らの喉を突き刺し魔法で灰へと変えた。
(漸く半分って所か?そう言えば彼奴等は?私の半分でも倒してくれていれば良いが)
そう思い彼らの戦果を見てみると何と半分どころかほぼ同数倒しており周りの
『アンタすげぇな、1人で半分倒すなんて』
そう言うスノウの周りには20匹近い切り傷のある
それが【冬桜】との出会い、そして私を超える剣士となる男と真に仲間と呼べる者達と出会った瞬間。
気が付くと外はすっかり暗くなっていた、正直、スノウに何をしてあげられるか分からない、わがままが叶うなら彼の死を否定したい、拒絶したい、4人でずっと冒険者でいたい、でももし、もし彼の死が絶対的で神にも覆せないと言うのなら、彼には後悔して死んで欲しくない、そう思う。