三好義継の野望(休載)   作:鈴木颯手

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 ハーメルン初投稿です。
 PIXIVで同名で連載しています。
 そちらもどうぞよろしくお願いします。


第一章三好家激動編~転生から三好の当主へ~
義継「三好の当主としてここから先へは行かせない」


 「全軍、京へ!」

 

 織田信奈率いる上洛軍は、9月7日に岐阜から出発した。その勢いはすさまじく、三好家についていた六角義賢は浅井長政と合流した5万の軍勢に電光石火の勢いで負けてしまった。

 

 「ぐずぐずしている暇はないわ。速攻で京まで一直線よ!」

 

 左手に種子島、右手に自慢の鷹をとめている。

 

 三好家による足利将軍襲撃があり、将軍のいなくなった京は混乱に満ちていた。

 

 そこへ、次期将軍候補である今川義元を連れての上洛。大義名分をもとに京へ進行していた。

 

 「さあ!あと少しで京よ!」

 

 岐阜を出て20日余りで織田軍は京の手前の勢田城に来ていた。

 

 対する三好家は6万の軍勢を率いて目の前まで来ていた。

 

 決戦の時は近い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 三好の本陣では議論が行われていた。

 

 「ここは一旦撤退すべきだ!あの六角家が1日で降伏したのだぞ!」

 

 撤退するべきと言っているのは三好3人衆の一人の三好長逸である。先代の長慶のころから仕えており、長慶からも信頼されていた。40代と高齢だがいざというときは、自らも槍をふるう猛将である。

 

 「もう敵は目の前にまで来ておるのだ!今ここで背後を見せれば好機とばかりに織田は攻め寄せてくるぞ!」

 

 これに真っ向から反抗しているのが三好三人衆の一人、三好正康である。長逸に比べて20代と若いがその戦績は輝かしいものである。初陣の時には自ら戦場に立ち、敵兵をちぎっては投げ、ちぎっては投げと無双しまくったのである。ただ長逸には「大将のするべきことではない」と言われていたが。

 

 家臣の面倒見もよく家臣たちから絶大な信頼を得ている。

 

 家臣にあまり信頼されていない長逸とは前から反抗しあっていた。

 

 「そんなもの殿で十分防げる!」

 

 「その殿は誰がやるのだ!それに殿をかってでたものは確実に死ぬぞ!」

 

 当時は殿をやる時は大抵のものが死んでいた。

 

 「全軍を殺すよりはましだ!」

 

 「我らが負けると申すか!」

 

 長逸が言っている事は織田には勝てないからここは一旦引くべき、ということだ。長逸は桶狭間で今川軍をたおした時から信奈には決して勝てないと思っていた。自分が大将だったら降伏か逃走していただろう、と考えている。もちろんいま戦えば勝てるとも思っているがここで兵を失うわけにはいかないと思っている。反三好家を唱えるものはたくさんいるのだ。そいつらにスキを与える事はしてはいけない、と考えている。

 

 対して正康は三好が負けるとは微塵も思っていない。決して織田を侮っているわけではない。陣形、軍勢、士気、大将の技量、そして兵の質を考慮して三好は負けないと言っているのだ。

 

 二人の意見は真っ向から対立した。

 

 「二人とも落ち着け。あまり熱を込めて喋ってもいい事は何もないぞ」

 

 そう言って二人を宥めているのが三好三人衆の最後の一人、岩成友通である。三人衆の中で唯一三好一族ではないが、その実力は高く、呼び出されるまで本拠地の阿波を守護を任されていた。

 

 ややおっとりしてはいるが見た目とは裏腹に結構素早い。

 

 「何を言うか友通!誰も厚くなっておらぬは!」

 

 正康は声を荒げて反発する。友通はそれを軽く受け流して言う。

 

 「まあ、そんなことよりここは殿に決めてもらおうではないか。先ほどから何も言ってないしな」

 

 そう言って上座に座る青年に視線を向ける。南蛮がっぱもどきを羽織り、黒刀を携えた姿はどこか畏怖させるものがあった。

 

 「それもそうだな。ここは若殿の意見を聞いてみるか」

 

 長逸も同意し、青年に視線を向けた。

 

 「お館様」

 

 正康も視線を向けた。

 

 短い沈黙の後、彼は言った。

 

 「・・・ここに来た時点でどうすればいいかは分かるだろう?俺はここで織田軍をたおす」

 

 彼は今まで閉じていた目を開ける。彼の目はとてつもなく赤かった。

 

 「三好家の当主としてここから先へは行かせない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺は元々平凡な高校生だった。成績も中の上程度。認知度もクラスのみんなが知っている程度だ。唯一誇れるものは戦国の知識だけだ。もっともその知識量は半端ないが。

 

 俺は空気のように過ごして空気の様にいなくなるかとずっと思っていた。

 

 そんな俺は一瞬にして人生が変わった。横断歩道を歩いていたら突然宙に体が舞ったのだ。落下し、襲ってくる激痛と睡魔。それだけで引かれたことを理解した。

 

 おれは睡魔に抗うこともしないでそのまま目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次に目を醒ましたら赤ん坊になっていた。びっくりしたよ。死んだと思ったら赤ん坊になっていたんだから。しかも前世の記憶を持ったまま。

 

 しかも周りの奴らの話を聞いているとどうやらここは戦国時代らしかった。しかも三好の重臣十河一存の次男だ。

 

 あれ?俺の記憶が正しければ十河家の次男はのちの三好の当主三好義継じゃなかったっけ?え?もしかしてマジで?やだよ。だってあの人22で死んでんジャン。俺そんな若くして死にたくないな。

 

 これは歴史を変えてでも長生きしなければ。後天下も取ろう。織田家や武田家とかもいるだろうけど何とかなるっしょ。

 

 俺はそう決意して、再び寝た。今後の事を考えながら。

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