三好義継の野望(休載)   作:鈴木颯手

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 今回は義継が新たな力を手に入れます。


義継「土御門久脩?餓鬼が何の用だ?」

将軍襲撃から一週間たった。未だに大和では松永久秀がいいようにやっている。

 

 最近の進展と言えば織田信奈が稲葉山城を落とし、美濃を手に入れた事くらいだろう。

 

 俺はこの間にも織田家に対しての準備を進めている。恐らく何かしらの大義名分を掲げて進軍して来るだろう。

 

 俺としても天下取りの野望の妨げになる織田家には滅んでもらいたい。その方が今後もやりやすくなるだろう。

 

 そんな時一人の珍客が現れた。

 

 「初めましてだね。僕は土御門家当主、土御門久脩だよ。新たな京の支配者になった義継さんに手土産を持って来たよ」

 

 十歳ほどの、幼い少年だった。

 

 青白い顔、人形のように冷たい瞳。まさに孤高の存在のような奴だ。

 

 清水寺の上座に座って対峙していた俺は手に妙な汗が流れてくるのを感じた。

 

 「(何なんだこいつは?餓鬼の癖に強者のような雰囲気を醸し出して嫌がる)」

 

 それが俺の久脩に対しての印象だった。

 

 「それより今回は何の用だ?俺は忙しんだ」

 

 将軍襲撃で混乱した京の街を立て直すので今は忙しいのだ。

 

 久脩は笑って答える。

 

 「足利将軍の時にはダメだった土御門家の復興、その許可を貰いに来たんだよ」

 

 「なるほど、所で一ついいか?」

 

 「?何だい?」

 

 「土御門家って一体何の人?」

 

 ・・・・・。

 

 一瞬時間が止まったかのように久脩が動きを止めた。

 

 「・・・まさか僕の家計の事を知らないとはね。これは後回しにしなくてよかったよ」

 

 と呆れた様に言った。失礼な!本当に知らなかったんだから!無知で何が悪い!・・・まあ、無知で要り続けるのは悪いが。

 

 「いいかい?土御門家は代々陰陽師の棟梁さ。昔は安倍家を名乗っていたけど今は若狭の国で隠棲してたんだ」

 

 つまりあのスーパー陰陽師の安倍清明の子孫てことか。と、するとこの小僧も陰陽師か。

 

 「つまり京で再び陰陽師として活動したいと」

 

 「そう言う事だよ。もちろんタダでとは言わない。これを君にあげるよ」

 

 そう言って隣に置いていた布に包まれた細い棒を掴む。布をはがすと中から黒い刀が現れた。鞘も柄も全てが黒い刀だ。

 

 「これは前に使役していた鬼を使って作った刀だよ。この刀は特殊でね持ち主を選ぶんだ。刀を持って鞘から抜ければその人を認めた事になる。まあ、大抵の人は刀を持った瞬間に刀に取り込まれるんだけど」

 

 つまり鞘から抜ければ俺の戦力になるが運が悪ければ俺が刀の戦力にされちまうって事か。

 

 「・・・一つ賭けをしよう。もし俺の事をこいつが認めたら京で活動させない。だが俺がこいつに認められなければすぐに復興させると言い」

 

 二人のほかに誰も居ない広間で俺は言い切った。久脩は少しぽかんとしていたが、すぐに気を取り直して

 

 「ふふふ。面白いね。いいよそれで。そこまで覚悟を決めているとは驚いたよ」

 

 それじゃあどうぞ、と刀を俺によこす。

 

 俺はその刀を無造作に掴む。瞬間酷いめまいに襲われるが刀を抜こうとする。

 

 すると力を入れずに抜くことができた。

 

 「へぇ、驚いたよ。まさか本当抜くとはね」

 

 感心したように久脩はいった。その後久脩は立ち上がり

 

 「それじゃあ今回は諦めるとするよ。また来るね」

 

 ああそれと、といいながら振り返る。

 

 「君が気にしている織田家の事だけどね‘今孔明‘と呼ばれてる竹中なんとかっていう陰陽師を仲間にしたらしいよ。気を付けてね」

 

 そう言って久脩は清水寺を後にする。

 

 俺は一人久脩の言葉について考えた。

 

 「・・・久脩が言っていた奴って竹中半兵衛だろうな。この世界では陰陽師だったか」

 

 厄介な敵である。織田が美濃を手に入れてから三木城攻め最中で病死するまで秀吉の軍師として支え続けた智将。相手にすると厄介この上ない。

 

 「だが、俺は負けない。織田家に絶対に負けるわけにはいかない」

 

 俺は誰も居ない清水寺の広間でそう決意を固めると黒刀を持ってその場から離れた。

 




 打倒織田家の準備が整ってきました。次の話で三好の戦力化なんかをやってその次の話で1話に戻る予定です。
 まだ織田家と三好家、どちらが勝つといいか募集してます。どうぞじゃんじゃん感想の方をお願いします。
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