三好義継の野望(休載)   作:鈴木颯手

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義継「俺の夢を邪魔する奴は容赦しない」

 織田信奈は重臣を集めて会議を行っていた。

 

 「三好軍は強固な勢田城に籠城するようです。25点です」

 

 丹羽長秀が報告する。

 

 丹羽長秀は織田の重臣で、信奈からは「万千代」のあだ名で呼ばれている。よく点数を付ける癖がある。

 

 「そんなの関係ない。出て来ないならこちらから攻めて落としてしまいましょう」

 

 強気な発言をするのは織田家筆頭家臣柴田勝家である。「亀割柴田」の名で恐れられている猛将である。胸がデカい。

 

 「勝家どの、敵は三好軍ですよ?今までの中で一番攻略が難しいでしょう。むやみな攻めはこちらの大打撃に通じます。10点です」

 

 「む、むぅ。じゃあどうするんだ?」

 

 「それを今考えているのですよ」

 

 三好軍はこの時「天下一の軍団」と呼ばれていた。先代長慶の時から鍛えられ、義継の技術革命によりそんじゃそこらの軍団では太刀打ちできなかった。しかし兵の士気が低いのが難点だが。

 

 「この戦いに動員されている兵はおそらく5万以上。まともにぶつかっては危険です」

 

 実際には5万対6万。籠城側の方が兵の数は多かった。

 

 「囲もうにも敵兵の数が多いのでは意味がありませんし、敵の方が兵站は楽です」

 

 「正攻法でも無理。囲むのも無理。一体どうすればいいのよ」

 

 信奈からため息が漏れる。上洛軍を編成してここまで来たはいいが京には入れないのだ。

 

 「このままではまずいわね。半兵衛!何か策はない?」

 

 信奈は末席にいる良晴の後ろに座っている竹中半兵衛に意見を求めた。

 

 竹中半兵衛は元々斎藤家に仕えていたが良晴に惚れて織田に寝返った。現在は良晴の側に居ながら信奈に意見を与えている。

 

 「今の状態では何もできません。包囲くらいは出来るでしょうが、ほとんど形だけになります」

 

 「半兵衛でも無理なのね」

 

 信奈ががっかりする。‘今孔明‘と呼ばれる竹中半兵衛ですら落とせないと言ったのと同じであった。

 

 そこへ手をあげる物がいた。

 

 「信奈!俺にやらせてくれ!」

 

 相良良晴である。元々現代の高校生だったがタイムスリップし、良晴をかばって(というより流れ弾がたまたま当たって死んだ)死んだ木下藤吉郎に替わり信奈に仕官して桶狭間で今川義元助けたり、竹中半兵衛を織田方につけたりしたのであった。

 

 「サル、何か案があるの?」

 

 信奈が少し期待を込めて問う。しかし帰ってきた言葉は信奈を停止させるには十分だった。

 

 「俺が砦に入って退くように言ってくる!」

 

 ああ、良晴・・・。一同は開いた口が開かないと言う感じだった。

 

 「良晴・・・。アンタバカなの?相手が引くわけないじゃん」

 

 「そん時はそん時だ。大体やってもみねぇで決めつけるのはよくない!何事もやってみるのが肝心だ!」

 

 「やっぱりばかだわ!そんなのやんないでもわかるでしょ!」

 

 「だけど他に方法はねぇだろ!ここで手をこまねいてるよりは十分マシだ!」

 

 「っ!分かったわ。行ってくるといいわ」

 

 ありがとう信奈!と言って良晴は本陣から出て行った。

 

 残されたものはどうすればいいのかわからず信奈を見た。

 

 「姫様、相良どのは成功するでしょうか?」

 

 「無理ね、おそらく砦にすら入れて貰えない。下手をすると殺されるわ」

 

 「それを分かっていて向かわせたのですか?」

 

 「大丈夫よ。いつも通りならたとえ大ケガ使用がへらへら笑いながら戻ってくるわ」

 

 「そうですね」

 

 そう言って長秀は勢田城の方を見た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「殿、相良良晴と名乗るものが来ております。追い払いましょうか?」

 

 伝令兵の言葉に俺は作業を中断する。

 

 「相良良晴?聞いた事ないな。どんな奴だ?」

 

 「はっ、何でも織田の武将で織田家の使者として参ったとのことです」

 

 「そうか、通せ」

 

 「はっ」

 

 そう言って伝令兵は出て行った。

 

 俺は一人考えていた。

 

 「相良良晴・・・。やはり聞いた事がないな」

 

 「御屋形様、その相良良晴についてですが」

 

 「何か知っているのか長逸?」

 

 「はい。確か桶狭間の時に今川義元の居場所を教えたのがそのものだったかと」

 

 「なるほど、やはり織田信奈は今川本陣の場所を知っていたわけか」

 

 「そのようですな」

 

 「殿、相良良晴を連れてまいりました」

 

 「ご苦労、下がっていいぞ」

 

 「はっ」

 

 そう言って出て行くのと同時に相良良晴が入って来た。年は俺と同じくらい。背は俺より低い。ひ弱、それが相良良晴の第一人称だった。

 

 「相良良晴だ」

 

 「・・・三好家当主三好義継だ」

 

 横暴な奴と思いながら言う。

 

 先に行ったのは俺だった。

 

 「で、織田の武将が何の用だ?」

 

 「単刀直入にいう。京を織田に譲ってほしい」

 

 ・・・。

 

 一同唖然とした。横暴だなと思っていたがただのバカらしい。

 

 「・・・バカには理解できないだろうが京を譲ると言う事は大変な事なんだ」

 

 「そこを頼む!未来には信奈が必要なんだ!」

 

 「ほう、自分の君主を呼び捨てにする奴がなにを言う。それに織田は邪魔な存在なんだ。いずれ織田はつぶすつもりだった。それが早まっただけだ」

 

 「織田を潰す?」

 

 「ああ、織田がいれば俺の夢はかなわない。だから潰す。俺の夢を邪魔する奴は誰であろうと潰す。そう信奈に伝えると言い。連れて行け」

 

 はっ、と控えていたものたちが現れ良晴を連れていく。

 

 「そうだ一つ言っておく。浅井に伝えろ。織田に味方し続けるなら浅井家を敵とみなす、と」

 

 その言葉を聞きながら良晴はあっという間に連れてかれた。

 

 翌日、織田は撤退し始めた。

 

 もちろん俺は見逃さない。

 

 「これから逃げ去る織田軍を追撃する!みなのもの!準備はいいな!」

 

 おおっ!雄叫びが三好軍から響き渡る。

 

 「勢田城撤退戦」が始まろうとしていた。




 なんか戦わずに撤退戦になってしまいました。結果としては織田軍上洛失敗です。
 これからも「三好義継の野望」をお願いします。
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