俺は早速撤退する織田軍にもう猛攻撃を仕掛けようと馬を走らせた。すると殿軍とおめる小規模の軍勢が立ちふさがった。
「ふっ、この俺の邪魔をするのか。いい度胸だな」
俺は走らせながら持っていた槍で足軽の首らへんを横に薙ぎ払う。すると3人の首が胴体と離れた。俺はその間も進み続ける。他の奴らも敵殿軍を叩き潰しながらついて来る。
しばらく進むと殿軍の大将ら意識奴に出くわす。
「あたしは柴田勝家だ!ここから先へは死んでも通さない!」
妙に胸のデカい姫武将と出会った。ハッキリ言って織田家の姫武将と会うのは初めてだった。一応名乗っておくか。
「俺は三好家当主三好義継だ!デカパイ!邪魔だ!」
「ふざけんな!デカパイいうな!」
柴田勝家は顔を真っ赤にしながらハルベルトのような槍を突き出して来る。俺はそれを紙一重でよけると愛槍を敵へ振り払う。見事にそれは命中して勝家は大きくバランスを崩す。俺はその瞬間を見逃さない。一気に槍を敵の心臓のある場所へ突き刺す。このままいけば勝家は即死するだろう。
しかしそうはならなかった。
「させるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
一体どこから現れたのか相良良晴が槍にしがみ付き槍を手放してしまった。
「ちっ!」
俺は軽く舌打ちをすると勝家の方を見る。そこには体勢を立て直した勝家の姿があった。
「・・・あと一歩のところを」
俺は恨めし気に良晴を見た。馬の上から落下したためか「いてぇぇぇぇぇっ!」と叫びながら地面をのたうち回っている。
「邪魔が入ったな次こそ必ず・・・」
「殿!」
「兄上!」
そこへ三好政康と安宅信康が現れた。
「ちょうどいい、お前らそこでのたうち回ってるくそざるをつかまえろ生きていればいい。五体満足じゃなくてもいい。とにかくつかまえろ」
「「はっ!」」
俺は返事を聞くと勝家のいた場所を見る。既にその場にはいず、はるか前方に少し見える。恐らく良晴に意識が言っていた瞬間に離脱したのだろう。もちろん俺は追いかける。
「今度こそその首を取ってやる。筆頭家老のいなくなった織田家には大きな戦力ダウンだろう」
そうつぶやきながら勝家を追いかけた。
「はぁはぁ、何なだよあいつ・・・。強すぎだろ」
相良良晴を囮にして戦線を離脱した勝家はそうつぶやいていた。良晴についても「捕えろ」の言葉を聞いたからこその判断だった。
「次あいつにあったらおしまいだな・・・ん?」
後ろから馬をかける音がする。殿軍の誰かか?と思い後ろを振り向いた先には
「待ちやがれ!もう一度勝負しろ!」
もう戦いたくないと思っていたヤツがそこにいた。
「待て!逃げるな!」
「姫様の撤退は十分に稼げた!もうあそこにとどまる理由はない!」
「んなもん関係あるか!今後のためにもてめぇの首は取らせてもらう」
そう言いながら俺はさらに距離を詰める。あと少しで槍が届く。そこまで近づいた。
しかしそれ以上は近づけなかった。
「悪いな、こやつをここで死なせるわけにはいかないんだ」
「っ!?」
瞬間俺は馬から放り出されていた。俺は何が起こったか分からなかった。男の声とともに馬からはじき飛んだのだ。
「驚いているようだな」
声のする方向を向くと何と宙に浮かぶ男がいた。
まるで狐のような細顔の男はこちらを見下ろしている。
「・・・おめぇがやったのか?」
さっきの籠った眼で睨みつける。いつでも手に持った槍をあいつにさせるように構える。
「いかにも。しかしあそこまできれいに吹き飛ぶとはな。面白かったぞ」
「・・・時間稼ぎのつもりか?挑発して柴田勝家を逃がす時間を作る、そんなところだろ?」
男は少し笑みをこぼして言う。
「ほう、さすがは三好家の当主だ。このくらいじゃ動揺せぬか」
「当たり前だ。このくらいの挑発に乗るのはよほどのうつけものだろう」
「確かにな。ではどうする?俺をたおしてあいつを追いかけるか?」
俺は構えを解いて後ろを向く。
「・・・今からではもう遅い。ここは今は織田領。いつまでも敵の領土にいるのは危険なんでなここで引かせてもらおう」
「・・・やはりお主は強いな」
「最後に聞きたい。お前は誰だ」
「軍師竹中半兵衛の式神、と答えればいいかな」
竹中半兵衛の手駒か、一筋縄ではいきそうにないな。
「そうか、次に会う時は覚悟をしとくんだな」
「次は合いたくないな」
そう言って俺は馬に乗り勢田城に戻る。
その姿を見えなくなるまで男は見ていた。
「勢田城撤退戦」はここに終わりを迎えた。
前鬼が登場しましたが、竹中半兵衛は登場しませんでした。後なんか良晴掴まってしまいましたね。まあ、大丈夫だと思いますが。