三好義継の野望(休載)   作:鈴木颯手

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お久しぶりです。2か月ぶりに投稿します。


三好包囲網
三好包囲網2


 「う~む。これはどうしたもんか」

 

 観音寺城城代の岩成友通は観音寺城を包囲する織田軍に難色の顔をしていた。

 

 三好義継が朝倉征伐に行ってからしばらくたった後、突如織田軍が侵攻して来たと思ったら一部の軍勢を浅井寮へと向かわせたのだ。

 

 「(もしや浅井が裏切ったのを知ったのでは?)」

 

 この時代に絶対と言う事はない。どんなに隠していても必ず最後には見つかる。人であっても財宝だろうと敵国に有利になる情報だろうと。

 

 故に友通は織田がどこからか浅井が裏切った情報を知って浅井家に攻撃をしているのでは?ここ(観音寺城)を包囲するのは邪魔をされたくないからでは?友通はそう考えていた。

 

 「(どうしたもんか)」

 

 殿はいずれ浅井家は滅ぼすと言っていた。となるとここは見捨てるべきかもしれないが、織田家の領土になると言うなら話は別だ。

 

 これ以上織田家の領地を増やせば今度は前よりも多い軍勢で押し寄せてくるだろう。

 

 それは困る。

 

 前の上洛戦は織田軍の撤退で終わったが次も撤退で終わるとは限らない。そもそも大軍を率いて侵攻するのにあっという間に撤退するのもおかしい。

 

 となるとここは眼下の軍勢をたおすべきなのかもしれないが、もしこの行動自体がここを落とすための策略だったら?と考えてしまい考えがまとまらずにいた。

 

 「(こんな時、義継様なら・・・)」

 

 友通はそこまで考えて頭を振った。今ここの大将は自分だ。義継様がどうのではなく自分で決めなければいけないのだ。

 

 そんな友通のもとへ凶報が舞い込む。

 

 「浅井家謀反!織田軍と合流して越前へと侵攻しました!わが軍は壊滅状態とのことです!」

 

 この報告に友通も唖然とした。たとえ書状のやり取りの話とはいえ、浅井家は三好側に寝返ったのだ。それを浅井家はなかった事にしたのだ。

 

 「・・・それで殿は無事なのか?」

 

 いつまでも呆然としているわけにもいかず友通は状況確認を始める。

 

 「はっ!義継様は無事越前から脱出され今は京にいます。しかし、義継様の兄君十河存保様が討ち死になされました」

 

 「なっ!」

 

 友通は驚きのあまり声を挙げる。十河存保は主君義継様の兄君で正式に十河家の後をついで義継に仕えていた。ひとたび戦に出れば敵からは「鬼十河」と呼ばれ、その姿を見た敵は畏怖し、味方は大いに元気づけらえる。

 

 人当たりもよく、三好家に敵対していた讃岐の豪族たちを自ら言って従わせることに成功するほどだ。

 

 とてもじゃないが十河存保が死ぬなんてことは思い浮かばなかった。

 

 逆に言うとそこまで状況はひどくなっていると言う事かもしれないが。

 

 「・・・分かった。お主はゆっくり休むと言い」

 

 そう言って友通は伝令兵を下がらせた。

 

 「・・・前途多難だな」

 

 友通はそうつぶやいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「なあ、聞いたか?義継様朝倉に負けたそうだぞ」

 

 「ああ、聞いた。みんなその話ばかりしているからな」

 

 比叡山のふもとには現在三好軍2万が包囲していた。

 

 三好軍の越前撤退とともに蜂起した比叡山延暦寺であったが、蜂起の事を事前に把握していた三好軍に包囲されて現在は寺に籠っていた。

 

 その軍勢を束ねている荒木村重と池田勝正が話していた。この二人は摂津の豪族で先代の三好長慶と対立していたが義継の代に降伏していた。義継は二人の事を知っていたので今では一軍を率いる武将として重用している。

 

 荒木村重は30くらいのおっさんで色々な事をそつなくこなしているが名器を集めるのが趣味でよく茶器をいじくっている。

 

 池田勝正は20代後半の武将で、政は全くできない(政は池田家当主の池田知正が行っている)が、猪武者でんその実力は義継の兄・十河存保に勝るとも劣らない。

 

 「朝倉ってそんなに強かったか?」

 

 「浅井家が裏切って朝倉に加勢したらしい。更に織田の軍勢も現れたそうだ」

 

 「浅井家どんだけ裏切んだよ」

 

 「何でも三好につくと言ったのが久政で当主の長政は織田家につくと言っているそうだぞ」

 

 「前当主と現当主の争いか・・・」

 

 「俺の家も結構微妙な感じだしこっちも気を付けないとな」

 

 池田家は最初のうちは勝正が継いでいたが嫡男である知正こそが当主となるべきとすぐに譲っていたのだ。しかし、知正は戦が得意ではなくそこを指摘して勝正に家督を譲るべきという家臣がいた。

 

 今のところは何も起こっていないが、いつ何かが起こっても不思議ではない状態にまでなっていた。

 

 「それで、殿はどうしてるんだ?」

 

 「今は本猫寺に向かっているはずだぞ。加勢してくれたお礼を言いに行ったらしい」

 

 無事に撤退できた義継はすぐに各地に軍を出した後本猫寺を訪ねていた。上記の勝正のいう通り、加勢してくれるお礼を言いに行ったのだ。

 

 宗教との対立がどれほど恐ろしいか分かっている義継は本猫寺に気を使っていた。ちょっとしたきっかけで敵に回られたくないからだ。

 

 故に義継はわざわざ自分からお礼に言っていたのだった。

 

 「まあ、今の俺らの目標は比叡山延暦寺だけだけどな」

 

 「そうだな。よし、勝正。どちらが多く敵をたおせるか競争しようぜ」

 

 「別にいいけど・・・、こちらから攻められないしあんまり意味がないと思うぞ」

 

 三好家の天下統一は始まったばかりである。




かなり池田家については史実と違った感じになりました。
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