三好義継の野望(休載)   作:鈴木颯手

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 お久しぶりです。かなり遅くなりましたが更新します。


観音寺城攻防戦・上編

 武田信玄が総大将となった翌日。連合軍は攻撃を開始した。

 

 「掛かれ!先陣はこの柴田勝家が貰ったぁっ!」

 

 先陣を任されたのは織田家家臣柴田勝家。武田信玄に真っ向から対立した織田家は先陣に配置された。普通なら先陣は武将として誇れるのだが相手が相手なため信奈は素直に喜べなかった。

 

 織田家を使って三好家の策を見破る。そう言う意図が見え隠れしたからだ。

 

 しかし連合軍総大将となった信玄に今更逆らえるわけがなく渋々といった感じだが織田家一の攻撃力を持つ勝家に先陣を切らしたのである。

 

 「姫は信玄のせいで悩んでおられるがここであたしが手柄を立てればきっと喜んでくれるだろう。者ども進め!」

 

 勝家はそう思いながら観音寺城に向けて進んでいく。

 

 しかし、最初のうちは何事もなく観音寺城に近づいて行く。

 

 戦馬鹿の勝家にもこの状況は置かしいと感じたが落とせばいいだけと決めて進んでいく。

 

 しかし、それが勝家の命取りとなった。

 

 ドガァァァァァァァァン!!!!!

 

 突如として勝家の前の地面が破裂した。いや、何かが落ちてきたのだ。

 

 「な、何事だ!?」

 

 いきなりの事に勝家は驚く。そして勝家ののる馬もいきなりの爆音で暴れ出し、勝家を振り落としてしまった。

 

 「・・・ぐう!?」

 

 勝家はとっさに受け身を取ってダメージを減らすが右肩を強く打ち付けてしまった。

 

 そうしている間に二回目の轟音が鳴り響く。今度は勝家のずっと後ろの方へ飛ぶが今度は兵士が吹き飛んだ。

 

 「な、何じゃ!?」

 

 「仏様のお怒りだ!」

 

 「ぎゃあああああああ!!!う、腕が!腕が!」

 

 粉みじんに吹き飛ぶもの、あまりの爆音に神に許しを請う物、体の一部が吹き飛び激痛に泣き叫ぶもの、そこはまさに地獄絵図のような光景が広がっていた。

 

 「な、なんてことだ・・・」

 

 勝家はあまりの光景に漠然とする。そうしている間に三回目の爆音が響き再び兵士を吹き飛ばしていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「・・・これはまさか大筒!?」

 

 「どうやら観音寺城に密かに運んでいたのでしょう」

 

 自陣から勝家の様子を見ていた信奈は爆撃の正体に驚き、長秀は冷静に自身の推察を語った。

 

 信奈は三好家が大筒の設計図を南蛮人から買い取っていたのは堺の会合衆の一人・今井宗室からの情報で知っていた。しかし大筒は勢田城にしか置いていないと言う情報も持っていたため観音寺城にある事に驚きを隠せないのだ。

 

 義継は今は甲賀に逃げのびている六角家から忍びを大量に借りていたためそう言った情報規制を行っていたのだ。因みに三好家が観音寺城までの南近江を占領しているため六角家との仲はかなり悪くなってきているが。

 

 そう言う経緯で織田家以下浅井家、松平家、そして武田家すら分かっていなかった。

 

 「この間隔からして一門しかないみたいだけど・・・」

 

 「かなり攻めずらくなりましたね。42点」

 

 信奈も長秀も苦虫を噛み潰したような顔になる。大筒は強力だが次に打つまでに時間がかかるのとそこまで兵士をたおせない欠点があった。しかし、それを上回る程の爆発音があった。臆病な馬はそれで言う事を聞かなくなる。騎馬隊がメインの武田家にとっては天敵と呼べるものであった。

 

 更に不幸は続く。

 

 「浅井軍で謀反が発生!混乱の極みにあります!」

 

 右翼を務めた浅井軍の混乱である。

 

 謀反を起こしたのは赤尾清綱、海北綱親、雨森清定等親三好家のものたちである。元々先代当主久政は三好家につくべきと訴えていた。しかし長政は織田家について三好家と対立、久政は幽閉されたのだ。

 

 そこへ義継は密かに近づいたのだ。

 

 「浅井家の裏切りによって俺の兄上は死んだ。俺はあの件を許していないが望んでやったわけではないのは分かっている。だからこその提案だ。俺の一族の誰かを浅井家の養子に出し当主とする。それなら俺は浅井家を一門衆として迎え入れ場合によってはそちらの誰かが本家の家督を継がせることだってしてやる。さあ選べ、織田家について滅ぼされるか、裏切って三好家の一門衆となり存続するか。好きな方を選べ」

 

 この言葉によって浅井久政、浅井三人衆、他にも多数の家臣が賛成してこの合戦ですぐに裏切ったのだ。

 

 今頃三好家の手を借りた久政が小谷城を乗っ取り着々と領土を広げている事だろう。

 

 浅井家はこの時一万程率いていたが三千以上が裏切り本陣の周りを固める事で精いっぱいであった。

 

 「さすがは天下人。一筋縄ではいかないわね」

 

 信奈は吐き捨てるようにつぶやく。

 

 「・・・それで武田はどうしたの?」

 

 信奈は長秀に言った。武田家4万は不利に陥った所にすぐに行けるように後方で待機していた。

 

 「それが・・・、どうやら武田は浅井家を元々戦力に入れていないみたいです。出なければ街道の封鎖など命じなかったでしょう」

 

 「・・・やはりそうよね」

 

 信奈はため息をついた。今の配置は信玄が考えたものだが浅井家には街道の封鎖を命じていた。明らかに戦力として見ていない配置だが長政は何も言わずにそれを受け入れたのであった。

 

 「もし、武田が謀反を知っていたのならこの配置は納得できます」

 

 長秀のいう通りで浅井家はかなりは慣れているため戦闘に支障はなかった。

 

 信奈は改めて信玄の恐ろしさを噛み締めていた。

 




 ここでお知らせです。近々鈴木和人の方で信奈の野望二次創作を投稿します。そちらもぜひ読んでください。
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