俺は今勝瑞城に来ている。なぜかって?おいおい、前話見てないのか?説明すんのめんどいのに。
謹慎処分三日目に父の十河一存が部屋に入って来て今日から三好長慶様の養子になったといきなり伝えてきたからだ。俺はびっくりしたよ。いつかこの日が来るとは思ってたけどさすがにこんなに早いとは思わなかったな。
まあ、そんなわけで三好長慶様のいる勝瑞城にいる。勝瑞城は鎌倉時代に築かれた歴史ある城である。紀伊水道を隔てているため機内への移動も便利ということもあって三好家の本城として栄えて来た。おっと、少ししゃべりすぎたな。
だが、平城だから防衛力は低いけど。
そんな事を考えていると遂に三好長慶様が入って来た。実際に会うのは初めてなので少し緊張した。なんたって一代で畿内を収めるというすごい人物だからだ。しかし三好長慶様亡きあとはあっという間にほろんだが。
「ほう、お主が熊王丸か」
父上から聞いたのによると30代だったはずだが目の前の長慶は50代波に老けていた。老人とも思える細い腕。目の下に真っ黒い隈。髪も真っ白でとても30代には見えなかった。しかし天下人としての力は健在なのか身体からは覇気を感じる。
「はt、熊王丸でございます」
平伏しながら言った。
「よいよい、そう頭を下げるな。これからお主は儂の義息なのだから」
「はっ」
そう言って頭をあげる。
長慶様は俺をじっくりと見てから言った。
「うむ。言い目をしておる。お主なら義興の代わりになるかもしれんな」
ん?義興の代わり?え?義興もう死んだの?早すぎでしょう。
「まだ皆には言うとらんが、儂の息子の義興が病死してしまったのじゃ。儂はすごく悲しんだ。ようやくできた一人息子であるのに」
成る程それでこんなに老けてたのか。人はストレスがたまりすぎると白髪になると聞いたことがあったな。
「そんな時じゃった。一存が熊王丸を差し出すと言うてきたのじゃ」
おい親父、俺は物じゃねぇぞ。
「弟がわざわざ言うてきたのだ。断りきれなくてな。それに一存はいまは十河と名乗っているがもとは儂の弟で三好一族じゃ。その子も三好一族だからな当主になる資格は十分にあるじゃろう」
なんか結構強引な気もするが断らない。それが歴史だからだ。
「分かりました。この熊王丸、精いっぱい勤めさせてもらいます」
「うむ、それとお主はすぐに元服して三好義存と名乗るがいい」
義継が三好家になってから最初に貰った名を貰い確実に当主となる日が近づいていた。
この後俺は勝瑞城に住まい、当主になるべく励むのであった。
因みに長慶様は安心したのか生越づつ体調がよくなってきたそうだ。