ゼンレスゾーンゼロ×ダークソウル3   作:黒龍くまさん

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猫又は作者が個人的に描写が難しすぎて書けませんでした
別行動として脳内補完してください()

主人公の装備は「逃亡騎士シリーズ」に「グレートソード」です


目覚め

プロキシ兄妹と出会って、ビジョンとのゴタゴタも終わり、邪兎屋の四人が少しだけ忙しくなってきた頃の話。借金だらけの経営は、相変わらず火の車だった。

郊外のさらに先、地図にも載っていない名無しのホロウの入り口で、ビリーが大きなため息をついた。

目の前では、景色がぐにゃりと歪んで、薄暗い境目をつくっている。ここから先がホロウだ。ニコは腕を組んで仁王立ち、アンビーは静かに刀の柄へ手を添え、ビリーは相棒の二丁拳銃をくるくる回して、ご機嫌ななめな顔でこちらを見ていた。

 

ビリー「親分〜、本当にそんなもんあるのかよ〜?」

 

アンビー「ニコ、そろそろ探索を始める時間よ」

 

ニコ「うっさいわねぇ!今回の依頼をこなさないと、うちの経営は崩壊するのよ?文句言わないで、きびきび働く!」

 

時間を少し戻して、昨日のお昼ごろ。

事務所に着信音が鳴り響いた。ニコが電話を取って、短くやり取りをして、通話を切る。そして、ニッコニコの笑顔でこちらを振り向いた。

 

ニコ「みんな、仕事よ!しかもホロウの中で物を探すだけの、簡単なやつ!」

 

ビリー「おお!やっとこれで家賃が払えるな!」

 

アンビー「物を探すだけで、この金額…。しかも前払い。ニコ、さすがにこれは怪しいと思う」

 

ニコ「仕方ないでしょ、明後日には家賃を払わなきゃいけないんだから…。プロキシ先生は最近引っ張りだこで頼めないし、あたしたちだけでやるしかないのよ」

 

机の上には、赤い文字でデカデカと「家賃」と書かれた督促状。ニコはそれをちらっと見て、ごまかすようにコホンと咳払いをした。

かくして、なんやかんやありつつも、三人は郊外のさらに先、名前もないホロウへやって来たのだった。

ホロウの中は、拍子抜けするほど静かだった。

空は鈍い灰色で、太陽がどこにあるのかも分からない。ひんやりした空気の中、砂を踏む足音だけが、やけに大きく響いていた。

 

ニコ「しかしほんとに、何もないわねぇ…」

 

見渡す限り、崩れた建物の跡と、錆びた墓標、それに朽ちた武器が転がっているだけ。しかもホロウなのに、エーテリアスが一体も出てこない。探索というより、遺跡見学にでも来た気分だった。

 

ビリー「エーテリアスどころか、鳴き声ひとつしねぇな」

 

アンビーは周囲を見渡して、小さく眉を寄せた。

 

アンビー「…静かすぎる」

 

そこからしばらく歩いて、「騙されたかしら…でも前払いだし…」とニコが思い始めた頃。突然、目の前に巨大な扉が姿を現した。

見上げるほど高い、黒ずんだ鉄の扉だった。表面には焼け焦げたような跡が残っていて、剣を象った古い紋様が、錆の下からうっすらと浮かんでいる。ずっと昔から、誰かがここを閉ざしていたのだと、嫌でも分かった。

 

ビリー「うはっ、なんだこれ、でっけぇ!」

 

ニコ「これは、開けないと先に進めないわね…」

 

アンビー「気をつけて。映画だと、大抵こういうのを開けた先に強敵がいるわ」

 

ニコ「物騒なこと言わない!」

 

ニコは肩で、ビリーは両腕で、アンビーは足を踏ん張って、扉に体重をかける。錆びた蝶番が悲鳴をあげて、細い隙間から、冷たい風が吹き出してきた。灰の匂いがした。

三人で力を合わせて、扉をゆっくり押していく。ゴゴゴゴ…と重い音を立てて少しずつ開いていき、その向こうの景色に、三人は言葉を失った。

そこは、まるで世界の終わりのような場所だった。

地面は一面の灰。朽ちた剣や槍が数えきれないほど突き刺さっていて、それらは、灰をかぶった大きな丘の先へ向かって、どこまでも続いている。

空には、夕暮れとも夜明けともつかない鈍い光がにじんでいた。風が吹くたびに灰が舞い上がって、雪みたいに三人の肩へ降り積もる。ここは、火が燃え尽きたあと、時間だけが止まってしまった場所のようだった。

 

――最初の火の炉――

 

ビリー「…親分、今回探してるのって、結局何なんだ?」

 

ニコ「…遺骨と、剣よ」

 

ビリー「剣なんて、ここら中に刺さってるじゃねぇか。見分けつくのかよ? 遺骨はともかくさ」

 

ニコ「一緒に置かれてるらしいわ。それに、剣は見ればわかるって話よ」

 

ビリー「ますます怪しくなってきたな…。アンビー、さっきから黙ってるけど、どうした?」

 

アンビー「…あの丘の上に、何かいる。とても大きな気配を感じる」

 

ビリー「何だよそれ、やばくないか?」

 

ニコ「ここまで来たら、行くしかないわ。そのとんでもないのと出くわさないように、祈りましょ」

 

三人は丘に向かって、ゆっくりと歩を進めた。

足元の灰は思ったより深くて、一歩ごとに足首まで沈んだ。両脇には、折れた剣や砕けた盾が、墓標みたいにずらりと並んでいる。誰が、いつ、ここでこれほど戦ったのか。考えるだけで、背筋がひやりとした。

丘の上も、また異様な光景だった。相変わらず灰は積もっているけれど、広場のように開けた場所の中心に、錆びたマントと傷だらけの鎧をまとったまま座り込む、白骨があった。その横には、2メートルはありそうな傷だらけの特大剣が突き立てられている。少し離れた、灰が盛られた場所には、らせん状の剣も刺さっていた。

不思議と、その骸のまわりだけは荒らされた形跡がなかった。まるで、誰かがここで静かに最期を迎えて、そのまま時が止まってしまったみたいに。

 

ビリー「…あれが目標の物か? 剣が二本あるぜ」

 

ニコ「…大きいほうでしょ。恐らくあれが目標ね」

 

ビリー「じゃあ、さっさと回収しちまおうぜ」

 

三人は黙って近づいていく。ニコが骸に手を伸ばした、その瞬間。

 

「ギャアアアアアアア!!」

 

特大の咆哮が、空気を引き裂いた。

足元の灰が波打ち、丘の空気がびりびりと震える。

 

アンビー「二人共、危ない!」

 

アンビーに引っ張られて、三人は後ろに倒れ込む。直後、さっきまでいた場所に、大きな何かが降ってきた。灰が舞い上がり、地面が揺れる。

それは、まさに悪魔(デーモン)だった。

6.7メートル級の巨体。背中には、体に不釣り合いな小さな羽。手には、人なんて軽く押し潰せそうな棍棒。人のものとは思えない身体は、三分の一ほどがエーテリアス特有の核に侵蝕されていた。

黒ずんだ皮膚には、ひびのような亀裂がいくつも走っていて、その隙間から、赤黒い火がちろちろと漏れている。息をするたびに、口から灰が散った。空洞みたいな目が、ゆっくりと三人をとらえる。

けれど、妙なことに、こいつはエーテリアスに「なりかけている」状態だった。

 

ニコ「二人共、やるわよ!」

 

ビリー「見た目まんま悪役じゃねぇか! スターライトナイトの出番だぜ!」

 

アンビー「撃破する!」

 

戦いの幕が、切って落とされた。

見た目の割に、戦闘は意外なほど簡単だった。動きは単純で遅く、デーモンは少しずつ追い詰められていく。

振り下ろされた棍棒が、さっきまでビリーのいた地面を叩き割る。ビリーは軽々と跳んでかわし、空中から二丁の銃を連射した。弾は黒い皮膚に当たって、小さな火花を散らす。

後ろではニコがアタッシュケースを構え、ガチャンと展開する。砲口が火を噴くと同時に、アンビーは側面へ回り込み、電気をまとわせた刀でデーモンの腕を斬りつけた。

 

ビリー「へイヘイヘイ! そんな攻撃、当たんねぇぜ!」

 

ニコ「弾薬もタダじゃないんだから、節約しなさい!」

 

ビリー「オレの娘たちが、撃ちたがってんだよ〜」

 

アンビー「おかしい…。あの気配でこれなら、弱すぎる…」

 

ニコの砲弾がデーモンの足を砕いて動きを止め、ビリーの弾が顔面に当たってのけぞらせる。そこへ、アンビーの刀が胸の核を貫いた。デーモンは膝をつき、動かなくなった。

ずん、と地響きを立てて、巨体が崩れ落ちる。しんとした静けさの中で、灰だけが、ゆっくりと降っていた。

 

ニコ「意外とあっけなかったわね」

 

ビリー「正義は勝つ!」

 

アンビー「…まだ終わってない!」

 

ホロウの主を倒した、と三人は思っていた。けれど、突然デーモンの体が燃え上がる。体の奥で炎がくすぶり、脈打つように勢いを増していく。砕いたはずの足もいつの間にか元に戻っていて、デーモンは立ち上がり、再び咆哮した。

三人は武器を構え直して、向かい合う。

その時、パチッ、と乾いた音が大きく響いた。

デーモンから漏れ出した混沌の炎が、飛び火して、そこに座っていた"王"に火をつけた。

ぽっ、と小さな火が灯る。それは骸の鎧の隙間から、静かに、でも確かに広がっていった。三人は声を出すことも忘れて、その光景を見つめていた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

やがて消えゆく定めの、火の時代。

その遥か昔、ホロウもエーテルも、新エリー都もなかった頃。世界は"火"によって生まれた。

けれど、最後の"王"は、"火"を消して世界を終わらせることを選んだ。

それでも世界は、まったく別のルールで続いていった。かつて火と王がいた火の炉には、灰が残るだけだった。

そして、今。

無限の時を生きたデーモンが、再び"火"をつけた。たとえそれがまがい物の"混沌の炎"だったとしても、燃え残っていた"王"を目覚めさせるには、十分だった。

 

 

――この世界に、再び"王"が。"混沌"と"始まり"を併せ持つ、"最後の王"が目覚める。

 

 

〜灰または王視点〜

火が消えた。

その瞬間から、世界は少しずつ「同じ」になっていった。

温かさと冷たさの差が消えた。光と闇の差が消えた。生と死の差が消え、上と下の差が消え、近いものと遠いものの区別さえ、やがて溶けて、ただ一枚の、のっぺりとした黒になった。

王は、その黒の中にいた。

いや、「いた」という言い方は正しくないのかもしれない。体は、もうずっと前に朽ちている。肉は落ち、骨になり、その骨さえ脆くなって、鎧の中でひっそりと崩れていった。残っているのは、意識だけだった。

神に近い魂を持つ者は、死ぬことすら許されない。

だから王は、眠りと目覚めの境目にある、冷たい微睡みの底を、ただ彷徨い続けた。何年も。何百年も。何千年も。数えることは、とうの昔にやめた。数える意味のある「時間」そのものが、もう世界になかったのだから。

ときどき、記憶の欠片が、黒い水面に浮かんでは沈んでいく。

玉座。鐘の音。重たい剣の柄を握り直す、あの感触。

そして最後に、自分の手で世界の火を消したときの、指の間からこぼれ落ちていく、小さな、小さな、最後の熱。

あれは、正しかったのか。

答えを教えてくれる者は、誰もいない。問いかける相手もいない。黒は何も返さず、どこまでも同じ静けさで広がっているだけだった。

――そのはずだった。

パチッ。

小さな音がした。

音。音だ。何千年ぶりかの「差」だ。完全な静寂と、それ以外。世界に生まれた、はじめての区別。

黒の遠く、ほんのわずかな場所で、何かが熱を持った。

朽ちたはずの体の、いちばん深いところに、ぽつりと赤い点が灯る。それは本物の火ではなかった。かつて世界を照らし、焼き、すべてを始めた最初の火とは似ても似つかない、荒々しくていびつな、不純な炎。混沌の炎だった。

けれど、火は火だった。

それは、燃え尽きたと思われていた灰の底へ、ためらいもなく潜っていく。冷えきった魂のさらに奥、もう誰にも触れられないはずの場所へ。

灰の魂に、火がつく。

熱い。

王は、思い出した。熱いという感覚を。痛みという、あまりにも生々しい証拠を。

胸の奥で、火種が脈を打つ。ひとつ、ふたつ。そのたびに黒が剥がれ落ち、凍りついていた意識にひびが入っていく。微睡みが、焼かれていく。

温かさが戻る。冷たさも戻る。光が、闇が、重さが、世界の輪郭が。ひとつ、またひとつ、差異がゆっくりと息を吹き返していく。

灰の匂い。錆びた鉄の味。遠くで吠える、獣の声。

そして、もうひとつ。

小さな温もりが、三つ。

か細く、けれど確かに脈打つ、生きているものの熱。それはひどく懐かしくて、目が眩むほどまぶしかった。

 

 

――燃え残ったものに、火がついた――

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

誰一人として、目が離せなかった。

デーモンの炎が燃え尽きたかと思った矢先、その火の中から、一つの肉体が形を成していく。燃えていた火の色が、荒々しく燃え盛るものから、暗く力強い火へと変わっていった。

炎の中で、白い骨に肉がつき、朽ちていたマントが風もないのにふわりと揺れる。ボロボロの鎧が、赤く熱を帯びて、がしゃり、と音を立てた。

彼は、ゆっくりとした動作で特大剣を引き抜き、肩に担いだ。

剣の重みで、足元の地面がきしむ。灰がざあっと舞い上がる中、暗い火の灯った眼差しが、じっと三人を見ていた。

そのとき、くすぶっていたデーモンが身体をさらに強く燃え上がらせて、彼に向かって突っ込んでいった。

地面が揺れる。灰の波を割って、炎の塊が棍棒を振りかざし、猛然と迫ってきた。

 

「ギャアアアア!!」

 

ビリー「危ねぇ!」

 

三人は突然のことに呆気にとられていたけれど、デーモンの叫び声で我に返って、慌てて起き上がり、彼を助けようと走り出す。

でも、デーモンのほうが速い。間に合わない…! そう思った時、彼は逃げようとしなかった。体勢を低くして、身を畳むように少しだけ傾け、身体の前で、デーモンに剣の側面を向けて構えている。

 

ニコ「は?」

 

ビリー「え?」

 

ガァン、と鐘を突いたような重い音が響いた。衝撃で灰が円を描いて吹き飛び、足元の地面に深いひびが走る。

彼は吹き飛ばされるどころか、デーモンの突進をがっしりと受け止めた。そして、その体勢から顔面めがけて剣を突き上げ、のけぞって膝をついたデーモンを、横薙ぎの一撃で吹っ飛ばす。

デーモンはそのまま倒れ、燃え盛っていた炎も、嘘みたいに静かに消えていった。

あたりに、また静けさが戻った。灰が降り積もる中、彼は剣を肩に担ぎ直して、一歩ずつこちらへ歩いてくる。足音はやけに重く、鎧のきしむ音だけが響いていた。

三人が呆気にとられていると、彼が近づいてきて、一言だけ発した。

 

 

「貴公らは、生者か?」

 

 




続かないです
誰か続きを…この夢の続きを…

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