とある地方都市の高校が付属している大学。駅近くの丘の上に立っていることもあり在校生の数はとても多い。
友人関係が広い高校生であれば大学生の友人がいるだろう。もしくは、面倒見の良い大学生を慕う高校生もいるだろう。
そんな大学に主人公たちは所属している。
夏の気配を感じるある日の昼頃、
昨日起こったゼミでの面白おかしかった出来事や授業や課題の愚痴などいつも通りの他愛ない雑談だ。
昼食を食べ終え、雑談も一区切りしたころに友人の
「武~、最近俺を見た?」
「…いや見てないな、というかどう意味だ?記憶が飛んだのか?」
冗談を言ってみるが、もしサークルで何か出たのなら助けられない。
武もその何かに追われるかもしれないからだ。
最近はサークルに顔を出していないが、武も長谷川も毎日顔を出すような生徒ではない。なので何か課題が出たのであればさっさと聞かないと自分の首を絞める羽目になる。
しかしながら、サークル自体が毎日活動していないため1、2週に1回顔を出すくらいで丁度いいサークルだ。たまに教授から課題が出るが期間が長く余裕は結構ある。そんな緩いサークルだが、たまにめんどくさい課題が出るのだ。
もし、そのめんどくさい課題が出たのであればさっさと取り掛からねば…そう思っていると、長谷川春斗から想定外の返しを受ける。
「この前、隣町で俺を見かけたってヤツがいてさ~。俺、その日、行ってないんだよね。
別の用事で遠い場所にいたし、時間的にもその時間にその場所にいることはちょっと難しいんだよね…。
つ~ことはよぉ~、俺のそっくりさんがいるんじゃね!?って思ってさ!俺のそっくりさんって…会ってみたくない?」
想定していたよりもバカな内容の返事だった。
「思ってたよりもクダらないわね…。そんな似てないんじゃない?
よくあるでしょ、パッと見は似てると思ったけ、どもう一度確認するか、よく見ると似てなかったって事。多分ソレじゃないの?」
呆れているとベルも会話に入って来る。
「ベルまで言うか…。いや、それが不思議なことなんだが、そんな話をここ1週間で2、3回も聞いたんだよ。
場所や時間の違いはあるけど、俺に似てる奴を見たって話を」
「確かにそこまで行くと気になるな」
春斗のそっくりさんの話が気になり、目撃情報が多かった隣町に行きそっくりさんを探しに行くことにした。
長谷川春斗、藤田武、漆ベル、漆京介、井原誠、芥川剣の6人で探せば何か情報が得られると思い軽く街中を探すが、特にめぼしい情報は得られなかった。
「やっぱり見つからないか」「そんなに似てなかったりしてな」などと話し、そっくりさん探しを諦め帰ろうとする。
すると、通りすがりの人から「あら、この間はありがとうね」と長谷川春斗に対して感謝される。
「え…?あ、ど、どういたしまして、です…?」
「母の手押し車が側溝にハマったらしくて、それを長谷川春斗さんが助けてくれたのよ、って母が感謝してまして」
どうやら以前、長谷川が助けた人の娘だったらしく、それを感謝されているようだがどうも長谷川の様子がおかしい。
目星→成功
確かに長谷川は目の前の人が困っていたら助ける奴だが、感謝されるのは恥ずかしいからと言ってそそくさと終ろうとする。
しかも感謝している人は圧が強いわけでも話が途切れないわけでもないのにここまで話が長引くのは珍しい。
「母が言っていたよりもおとなしい方でしたのね。雰囲気もなんだか話で聞くのと違う気がしますわね。」
話題が変わっているのに長谷川も様子がおかしい。まるで心当たりがないように見える。
話が終わり、様子がおかしかった理由を聞くと、その日は講義やレポートに追われていたから隣町に入っていないとのことだった。
つまり、さっき話で助けたのはそっくりさんらしいが、なんだかおかしい気がする。
「そっくりさんがいいことをするのはいいんだがなんで俺の名前を名乗ったんだ?」
そんな話をしながら各々の住まいへと帰宅する。
アイデア→成功
そこで武はふと思った。話を聞いていたとしても、パッと見で分かるほどそっくりな人なんているのか?と疑問に思う。
藤田武、漆ベル、漆京介、井原誠、芥川剣もそのことが気になったようなのでそのそっくりさんを調べようと話になった。