TSしたけど声だけは良かったからV始めたけど駄目だったから同人声優でなんとか命を繋ごうと思う   作:粗だらけ

1 / 3
転職

 

「……」

 

つい数ヶ月の事、何でもない当たり前の日常が崩れた。

 

端的に言えばTSした。これがラノベなら美少女になって配信デビューしたら、切り抜きがバズって一躍有名配信者!なんて言う王道ストーリーが描かれるんだろうけど。

 

残念ながらこれは現実だ。そんなトントン拍子で、事は進まないし。そもそも。

 

「相も変わらずフォロー数は十二人か」

 

そもそも、このご時世にバーチャル配信者を始めたとて結果はご覧の通りである。配信を始めてから一年が経った。性別が変わった当初は、自分が選ばれた特別な人間だと言う今思えばとても浅はかな思想を持っていた。そして最悪な事に、顔は並以下で目立った個性も無いが声だけは良く。街行く人達や顔見知りの人間達は、二言目には私の声を褒めた。一人二人三人と、道ゆく人に声を褒められて満更でも無い気分になった私は思った。思ってしまった。

 

「神は言っている。私に声の仕事をしろと」

 

そんな存在する訳もない神に希望を持った愚かな私は、その日声優養成学校に通おうとして。

 

「高……えぇ」

 

かかる費用で即諦めた。自己流で頑張るしか無いなと思い、その日からバーチャル配信者として活動を始めた。幸い今はバーチャル配信に関してはやりやすくなっており、ガワもある程度は安価で手に入りやすくなっていたのでそこは良かった。が。

 

「その結果がこれなんだよなぁ」

 

そう簡単に上手く行く訳が無かった。経験無しの素人が成人してから、未経験でプロ野球選手になろうとして上手くいくだろうか?無理に決まっている。とは言え、貯金も底が見えている。ここら辺でどーんと稼がないと不味い。かなり不味い。

 

「何か方法は無いものか」

 

そう思ってAIに尋ねてみたところ。出された候補の中に一つ興味深い物があった。

 

「同人声優か」

 

声優ではあるのだが、ざっくり言って仕舞えばインターネット声優みたいな。良くエッッッッッなASMRとかでお世話になっている人も少なくないだろう。そう言う私も男の頃にハマってた事がある。成程、まだこっちの方が多くの人目に止まる可能性はあるかもしれないか。

 

そう思った私はやってみる事にした。幸いマイクとかは揃ってるし、ぐだぐだしてるよりはやった方がマシでしょ。

 

正直に言うとその時の私はあまり期待していなかった。失敗続きだったので、どうせ今回もダメだろうと思っていたのだ。それがまさかランキング入りしてしまうなんて夢にも思わなかったのである。

 

「まぁ、適当にやろう。そうだな、アカウント名はバーチャル配信者のままでいいや。どうせ誰も見ないし」

 

改めて誓おうと思う。物事はちゃんと考えてからやった方が良い。本当にその通りだとこの身をもって私は知りました。

 




もし続きが見たい面白いと思って頂けたら、高評価お気に入り感想などよろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。