『枢流陀一族で初めて生まれた、蒼い瞳の子供……』
朱明は、悲しげに目を伏せた。
『一族の者たちは、皆が困惑しておった。何しろ、それまで生まれてくる子供は、例外なく緋色の瞳を持っておったのじゃからな』
心は黙って耳を傾ける。
『一番困惑しておったのは、当然、その子供の両親じゃ。特に父親の方は、妻が浮気をしたのではないかと、相当に疑っておったそうじゃ』
「……そんな」
思わず、心の口から声が漏れた。
『無理もない話かもしれぬ。自分たちの一族には、蒼い瞳の者など一人もおらなんだ。ましてや、生まれてきた我が子が、自分たちとは明らかに異なる特徴を持っておったのじゃからな』
朱明は、深いため息をついた。
『ほかの者たちも、表向きは母親を労わっておったらしい。出産を終えたばかりなのだから、身体を大切にしろとな。じゃが、陰では相当に疑われておったと、眷属から聞いておる』
「……」
『母親にとっては、地獄のような日々だったのじゃろう』
心は、何も言えなかった。
生まれたばかりの子供に罪などない。
ましてや、目の色など本人が選べるものではない。
それなのに、誰もが理解できないというだけで、母親と子供は疑いの目を向けられていた。
『そして、子供が生まれてから一年ほど経った頃じゃ。母親は、赤子を抱いて夜逃げをした』
「夜逃げ……」
『お腹を痛めて産んだ子じゃ。周囲から何を言われようとも、自分の子供であることに変わりはない。目の色など関係なく、守ってやりたかったのじゃろう』
朱明は、ゆっくりと目を閉じた。
『その母親が、どこへ向かったのか。どこで暮らそうと考えておったのか。眷属も詳しくは把握できておらなんだ。ただ、あの母親が子供を抱きしめて集落を出ていく姿だけは、今でも覚えておる』
心は、無意識に拳を握っていた。
(母親は、自分の子供を守るために集落を出たのか……)
一族から疑われ、夫からも疑われ、それでも子供を手放さなかった。
その選択が正しかったのかどうか、心には分からない。
だが、少なくともその母親は、子供を愛していたのだろう。
朱明は、再び口を開いた。
『それから、数日が経った頃じゃ。集落では、何組かの夫婦に新しい赤子が生まれた』
心は、顔を上げた。
そして、朱明の表情を見て、嫌な予感がした。
「……まさか」
朱明は、悲しそうにこくりと頷いた。
『生まれた赤子は、全員が蒼い瞳をしておった』
「……っ!」
心は息を呑んだ。
『それまで誰一人としておらなんだ蒼い瞳の子供が、短い期間に次々と生まれたのじゃ。さすがの枢流陀一族も、これはただ事ではないと考えた』
朱明の声が、少しずつ重くなる。
『父親たちは妻を疑い、妻たちは夫の言葉に傷つき、周囲の者たちも互いを疑い始めた。自分の子供が本当に自分の子供なのか。誰かが嘘をついているのではないか。何か恐ろしいことが起きているのではないか……とな』
「そんなことで、一族が……」
『そんなこと、か』
朱明が心を見た。
その瞳には、怒りではなく、深い悲しみがあった。
『お主からすれば、目の色が違うだけの話じゃろう。じゃが、当時の枢流陀一族にとって、緋色の瞳は一族の証そのものじゃった。全員が生まれながらに持っておる、当たり前の特徴だったのじゃ』
「……すみません」
『謝ることはない。お主が悪いわけではないのじゃからな』
朱明は、そっと首を振った。
『疑心暗鬼に陥った一族は、次第にいくつもの集団へと分かれていった。そして、それぞれが集落を去っていったのじゃ』
「全員が、ですか?」
『全員ではない。いくつもの集団に分かれ、それぞれ別の土地へ向かった。自分たちの目の色が変わった理由を探そうとした者もおれば、蒼い瞳の子供を受け入れられず、距離を置こうとした者もおったじゃろう』
心は唇を噛んだ。
一族が、少しずつ壊れていく。
誰かが明確な悪意を持って始めたわけではないのかもしれない。
ただ、理解できないものを恐れ、恐れたものを疑い、疑った相手を遠ざけていった。
それが積み重なった結果だった。
『ワシの眷属も、すべての枢流陀一族を把握することはできなんだ。何しろ、彼らはあちこちに散らばってしまったからのう』
朱明は、静かに続けた。
『だから、ワシが確かに知っておるのは、最初の集落のこと。そして、最初に集落を飛び出した母親と、その子供のことだけじゃ』
「……それで、その親子に何があったんですか?」
心は、続きを促した。
朱明の表情が、いっそう暗くなる。
『何年か経った頃じゃ。眷属が、あることに気づいた』
「あること?」
『蒼い瞳で生まれた子供たちは、自然エネルギーを吸収しておらなんだ』
心の目が見開かれた。
「……自然エネルギーを?」
『うむ。枢流陀一族は、意識せずとも自然エネルギーを取り込み、それを自分たちの力へと変換することができた。緋の眼も、その力と深く結びついておったのじゃ』
朱明は、自分の胸元に手を当てた。
『じゃが、蒼い瞳の子供たちは違った。チャクラは確かに受け継いでおったし、チャクラを扱うこともできた。ハゴロモから教わった忍宗の技術も、学ぶことができたのじゃろう』
「それなのに、自然エネルギーだけが……」
『吸収できなかったのじゃ』
心は、思考を巡らせた。
チャクラはある。
忍宗を学ぶこともできる。
しかし、枢流陀一族が本来持っていたはずの能力だけが失われている。
そして、その特徴は蒼い瞳と結びついていた。
(つまり……緋の眼が発動型になったのは、単に瞳の色が変わったからじゃない。自然エネルギーを取り込む性質そのものに、何か変化が起きたんだ)
まだ確証はない。
それでも、今まで自分の一族について抱いていた疑問が、少しずつ形を成し始めていた。
『目の色の違いだけなら、まだよかったのかもしれぬ』
朱明の言葉に、心は顔を上げた。
『じゃが、一族特有の能力を持っておらぬことが知られるまで、そう時間はかからなんだ。やがて、蒼い瞳の子供たちは差別され、軽蔑され、迫害されるようになっていった』
「……!」
『枢流陀一族の力を持たぬ者は、本当に同じ一族なのか。そんな言葉まで飛び交うようになったそうじゃ』
心の胸が、締めつけられた。
自分もまた、蒼い瞳を持って生まれた者だ。
違いがあると知っただけで、同じ一族から拒絶される。
その苦しみが、どれほどのものだったのか。
心には想像することしかできない。
『そして……本当の悲劇が始まったのは、最初に集落を去った、あの母親と子供じゃった』
朱明の声が、かすかに震えた。
『子供は成長し、やがて、イヤイヤ期と呼ばれる頃合いになった。まだ幼く、自分の感情をうまく抑えられぬ時期じゃったのだろう』
心は、黙って頷いた。
『ある日、その子供が癇癪を起こした。何が原因だったのか、眷属の報告では詳しく分からなんだ。ただ、母親が子供をなだめようとしていた、その時じゃった』
朱明は、一度言葉を切った。
『その子供の瞳が、緋色に変わったのじゃ』
「……!」
心の全身に、緊張が走った。
『そして、枢流陀一族が本来持っておった力が、目覚めてしもうた』
自然エネルギーが、子供の身体へと吸収されていく。
それも、普通の枢流陀一族とは比較にならない勢いだったという。
『周囲の自然エネルギーが、ものすごい勢いで子供の身体に流れ込んだ。チャクラは急激に膨れ上がり、抑えきれぬ力が外へと吹き荒れたそうじゃ』
心は、自分が緋の眼を発動させた時の感覚を思い出した。
視界が鮮明になり、身体能力が高まり、普段なら扱えない量のチャクラさえ生み出せる。
だが、心は自分で発動を制御できる。
長時間維持する訓練も積んでいる。
それでも、使い続ければ疲労は蓄積する。
ましてや、幼い子供が突然そんな力を得たらどうなるのか。
『子供は、自分に何が起きておるのか、分からなかったのじゃろうな』
朱明は、苦しそうに目を伏せた。
『感情のままに動き、母親に向かって飛びついた。そして――』
「……その、母親は……どうなったんですか?」
心は、恐る恐る尋ねた。
朱明は、悲しそうに頷いた。
『粉々に吹き飛んだそうじゃ』
「…………っ」
心の喉が詰まった。
母親は、子供を守るために一族を捨てた。
誰からも疑われ、誰からも理解されなくても、我が子だけは手放さなかった。
その子供に、自分が殺されてしまったのだ。
しかも、子供に悪意があったわけではない。
ただ、力を制御できなかった。
『子供は、自分が母親を殺してしまったことを悟ったのじゃろう』
朱明の声が、低く沈んだ。
『そして、感情がさらに爆発した』
自然エネルギーが、再び子供の身体へと流れ込む。
先ほどよりも激しく、強く。
チャクラが一気に膨れ上がり、周囲の空気さえも震わせるほどの力が溢れ出した。
『その子供は、笑っておったそうじゃ』
「……笑って?」
『そうじゃ。母親を失った悲しみも、恐怖も、自分が何をしたのかという理解も、幼い子供には受け止めきれなかったのかもしれぬ。感情が壊れてしまったのか、それとも、力の暴走が心まで蝕んでおったのか……今となっては分からぬ』
朱明は、ゆっくりと首を振った。
『ただ、眷属の報告によれば、その子供は笑いながら、近くに暮らしておった人間を殺しまくっていたそうじゃ』
心は息を呑んだ。
「……そんなことが」
『ワシは、その報告を聞いて、これはまずいと思った。あの子供を放置すれば、どれほどの被害が出るか分からぬ。じゃから、ワシは枢流陀一族との契約の力を使い、その子供をこの場所へ呼び寄せたのじゃ』
「呼び寄せた……」
『そうじゃ。ここなら、まだ何とかできると思った。ワシら朱雀一族が総出で抑え込めば、止められるかもしれぬとな』
心は、周囲を見回した。
草木に覆われた町の跡。
崩れた家屋。
人が暮らしていたはずの場所なのに、今は誰もいない。
そこで、ふと一つの疑問が浮かんだ。
「……あの」
『なんじゃ?』
「もしかして……この集落が崩壊しているのは、その子供が暴れたから、なんですか?」
朱明は、静かにこくりと頷いた。
『その通りじゃ』
心は言葉を失った。
ここは、ただの廃村ではなかった。
かつて枢流陀一族が暮らし、朱雀一族と交流していた場所。
そして、暴走した一人の子供を止めるために、朱雀一族が戦った場所だったのだ。
『ワシら朱雀一族は、もともと戦闘力が高い一族ではなかった。じゃが、あの子供を止めるため、一族総出で立ち向かったのじゃ』
朱明は、自分の手を見つめた。
『それは、長く、苦しい戦いじゃった。子供の力は、幼い身体に見合わぬほど膨れ上がっておった。攻撃を受け止めるだけでも精一杯で、近づくことすら難しい。何とか押さえ込もうとしても、自然エネルギーを取り込むたびに、チャクラが増大していくのじゃ』
「止めても、力が増え続ける……」
『うむ。ワシらは、どうすればよいのか分からなんだ。殺すつもりなどなかった。まだ幼い子供じゃ。母親を失い、制御できぬ力に振り回されておるだけなのだからな』
朱明の声に、痛みが滲んだ。
『じゃが、止めなければ、もっと多くの命が失われる。ワシらは必死になって戦った。そして、ようやく暴走を止めることができたのじゃ』
「……その子供は、助かったんですか?」
朱明は、しばらく黙っていた。
やがて、ゆっくりと首を横に振った。
『……急激に高まったチャクラに、幼い身体が耐えきれなかったのじゃろう』
心の胸が、重く沈んだ。
『暴走が止まった途端、その子供は……狂ったように笑いながら、死んでしもうた』
部屋に沈黙が落ちた。
心は、何も言えなかった。
力を得たこと自体が、罪だったわけではない。
子供は、まだ幼かった。
感情を制御することも、自分の力を理解することもできなかった。
それなのに、母親を失い、自分の手で命を奪ったことを知り、最後には自らの力によって命を落とした。
あまりにも、救いがなかった。
『……ワシらにも、大きな被害が出た』
朱明は、窓の外を見つめた。
『一族総出で戦ったのじゃ。傷ついた者もおれば、命を落とした者もおった。ワシ自身も、あの時は余裕などなかった。だからこそ、気づくのが遅れてしもうた』
「……何に、ですか?」
『最初の集落じゃ』
朱明は、静かに告げた。
『あの子供が暴走したのと、同じ現象が、最初の集落でも起きておったのじゃ』
「……っ!」
心は、思わず身を乗り出した。
『最初の集落に残っておった枢流陀一族も、蒼い瞳の子供たちが成長するにつれて、同じような事態に見舞われたらしい。緋の眼が発現し、自然エネルギーが身体に流れ込み、制御できぬほどチャクラが膨れ上がる。そうして暴走した者たちが、周囲を巻き込んでいったのじゃろう』
朱明の声は、淡々としていた。
だが、その目には、今も消えない悔恨があった。
『ワシらが異変を知った時には、もう遅かった』
心は、拳を握りしめた。
『集落は崩壊しておった。生き残りは、誰一人として確認できなんだ』
「……誰も?」
『そうじゃ』
朱明は、深く頷いた。
『そして……蒼い瞳で生まれた子供たちの姿も、どこにもなかった』
心は、背筋が冷たくなるのを感じた。
「いなくなった……というのは、逃げ延びた可能性もあるんじゃないですか?」
『もちろん、その可能性はある。じゃが、ワシの眷属が周囲を探しても、誰一人として見つけられなんだ。どこへ行ったのか、どうなったのか、何も分からぬままじゃ』
朱明は、目を閉じた。
『それが、ワシの知る最後の記録じゃ』
長い沈黙が続いた。
心は、これまで自分の一族について抱いていた認識を、根底から覆されていた。
かつての枢流陀一族は、生まれながらに緋の眼を持ち、自然エネルギーを取り込む力を当たり前のように使っていた。
だが、ハゴロモからチャクラを分け与えられた時代を経て、蒼い瞳の子供が生まれるようになった。
そして、蒼い瞳の子供たちは、普段は自然エネルギーを取り込めない。
しかし、強い感情をきっかけに緋の眼が発現すると、眠っていた力が一気に目覚める。
それは、制御できなければ、自分自身さえも滅ぼすほどの力だった。
(……そういうことだったのか)
心は、ようやく一つの可能性にたどり着いた。
緋の眼が発動型になったのは、単なる退化ではない。
本来、常に働いていた自然エネルギーの吸収能力が、何らかの理由で普段は眠るようになった。
そして、感情が高まった時だけ、その封じられた力が表へ出てくる。
だが、なぜそんな変化が起きたのか。
ハゴロモがチャクラを分け与えたことと、関係があるのか。
それとも、忍宗そのものに秘密があったのか。
(まだ、分からない……)
心は、朱明を見た。
「朱明様。あの子供たちは……本当に、全員が暴走したんでしょうか?」
朱明は、ゆっくりと目を開いた。
『分からぬ』
その答えは、あまりにも重かった。
『眷属が見届けたのは、ほんの一部にすぎぬ。枢流陀一族は広い世界へ散らばっておった。どこかで力を制御できた者がいたかもしれぬ。誰かが生き残り、子孫を残した可能性もある』
「……」
『じゃが、確かなことは一つじゃ』
朱明は、心の青い瞳を見つめた。
『お主が今、こうして生きておるということじゃ。お主は、かつての枢流陀一族の力を受け継ぎながら、その緋の眼を自分の意志で発動させることができる』
心は、自分の掌を見下ろした。
自分の力は、呪いなのか。
それとも、長い歴史の果てに、ようやく制御できるようになった一族の可能性なのか。
まだ答えは出ない。
だが、少なくとも、今の自分はかつての子供たちとは違う。
自分には、力を制御するための知識がある。
鍛錬を重ねてきた経験がある。
そして、何より――力を振るう理由を、自分で選べる。
「……俺は、同じことを繰り返したくありません」
心は、顔を上げた。
「自分の力で誰かを傷つけるのも、自分の力を恐れて誰かを遠ざけるのも……どちらも嫌です」
朱明は、しばらく心を見つめていた。
やがて、その表情が少しだけ和らいだ。
『……そうか』
彼女は、穏やかに微笑んだ。
『ならば、お主は学ばねばならぬ。枢流陀一族の力が、なぜあのような形に変わったのか。そして、その力をどう扱うべきなのかをな』
「はい」
心は、力強く頷いた。
朱明は、再び窓の外へ視線を向ける。
『あの時、ワシには分からなんだ。なぜ枢流陀一族に変化が起きたのか。なぜ蒼い瞳の子供が生まれ、緋の眼が発動するようになったのか』
そして、静かに続けた。
『じゃが……今のお主を見ておると、あの頃にはなかった可能性を感じるのじゃ』
心は、息を呑んだ。
「可能性……?」
『うむ。お主は、緋の眼を発動させても、己を失ってはおらぬ。自然エネルギーを取り込み、チャクラを増大させながらも、それを制御しておる』
朱明の目が、真剣なものへと変わった。
『それは、あの時代の枢流陀一族にはなかった力なのかもしれぬ』
心は、胸の奥が熱くなるのを感じた。
自分が今まで積み重ねてきた鍛錬。
纏や練を参考にして身につけた、チャクラの制御技術。
そして、緋の眼を長時間維持するために繰り返してきた訓練。
それらが、単なる戦闘力の向上にとどまらず、一族の悲劇を乗り越えるための鍵になるかもしれない。
「朱明様。俺に、もっと教えてください。自然エネルギーのことも、枢流陀一族のことも」
朱明は、力強く頷いた。
『もちろんじゃ。お主が望むなら、ワシの知る限りをすべて教えよう』
そして、彼女は少しだけ口元を緩めた。
『ただし、その前にじゃ』
「……はい?」
『お主、山を走ってここまで来たのじゃろう? 身体は回復しても、心の疲れは別じゃ。まずはしっかり食べて、休むことじゃな』
「……あ」
そう言われた瞬間、心の腹が、ぐう、と鳴った。
朱明は、楽しそうに笑った。
『ほっほっほ。どうやら、話の続きより飯の方が先らしいのう』
「……すみません」
『謝ることはない。腹が減るのは、生きておる証拠じゃ』
心は苦笑しながら立ち上がった。
しかし、胸の中では、先ほどの話が何度も繰り返されていた。
緋色の瞳。
蒼い瞳。
自然エネルギー。
そして、ハゴロモ。
自分が受け継いだ力には、まだ知らない秘密がある。
それを知るために、ここまで来たのだ。
(絶対に、答えを見つけてやる)
心は、静かに決意した。
自分のためだけではない。
かつて失われた枢流陀一族の歴史を知るために。
そして、いつか自分の力が誰かを傷つけることのないように。
この場所で、学べることをすべて学ぶ。
そう、心に誓ったのだった。