中忍試験本戦当日。
木ノ葉隠れの里は、朝から普段とは違う熱気に包まれていた。
各国から集まった忍たちや大名、観客たちが試験会場へと向かっている。
その会場の一角に、心たち第七班の姿があった。
「いよいよ本戦だってばよ!」
ナルトは拳を握り、いつも以上に気合いが入っている。
「朝からうるさいわよ、ナルト」
サクラが呆れたように言う。
「うるさくねーってばよ! 今日はオレの強さを見せつける日なんだからな!」
「はいはい」
「何だよ、その反応!」
そんな二人を横目に、サスケは静かに腕を組んでいた。
以前と比べて、その雰囲気は大きく変わっている。
カカシとの一ヶ月間の修行。
それは、単に千鳥を覚えるだけのものではなかった。
実戦さながらの激しい訓練を繰り返し、サスケは何度も限界まで追い込まれた。
写輪眼による動体視力をさらに鍛え、相手の動きを見切る力を磨く。
体術も大きく成長し、瞬身の術を交えた攻防にも磨きがかかっている。
そして何より、千鳥を自分の技として扱えるようになった。
今のサスケは、予選の時とは比べものにならないほど強くなっている。
「サスケ、調子はどうだ?」
心が声をかける。
「問題ない」
「千鳥も?」
「ああ。いつでも使える」
サスケは短く答えた。
その表情には自信がある。
だが、慢心はない。
「お前との試合まで、負けるつもりはない」
「それは楽しみだな」
心は笑った。
続いて、サクラへと視線を向ける。
「サクラはどう?」
「まだ完成はしていないけど……形にはなってきたわ」
サクラは少し考えるように視線を落とした。
紅から教わった幻術の基礎と応用。
相手の視覚や聴覚を惑わせる方法、幻術への対処、そして相手の意識を誘導する技術。
それらを、これまで身につけてきた体術や優れたチャクラコントロールと組み合わせようとしている。
自分にできることを一つにまとめ、自分だけの戦い方を作り上げようとしているのだ。
「まだ試行錯誤してるところだけどね。でも、以前より自分にできることが増えたのは確かよ」
「そっか。本戦で見られるのを楽しみにしてるよ」
「ええ。期待してて!」
サクラは笑顔で頷いた。
最後に、心はナルトを見る。
「ナルトは?」
「へへーん! 聞いて驚けってばよ!」
ナルトは得意げに胸を張った。
「風の性質変化、バッチリ覚えたぜ!」
「おお、ついに?」
「滝の水だって割れるようになったんだってばよ!」
「それはすごいな」
風の性質変化。
ナルトは影分身を利用した修行を重ね、ついに実戦でも使える段階まで習得したらしい。
さらに、自来也からいくつかの風遁の術も教わったという。
「それだけじゃねーぞ! 蝦蟇の口寄せだってできるし、九尾のチャクラだって自分の意思で出せるようになったんだ!」
「へえ」
心は感心したように頷いた。
ただし、内心では別のことを考えていた。
(九尾のチャクラを自分の意思で引き出せるようになったのか。でも、今の段階じゃ使えているのはほんの一部だろうな)
原作知識から考えれば、九尾の力を完全に扱えるようになったわけではない。
それでも、ナルト自身の成長としては大きな一歩だ。
「よし! 今日は絶対に勝つってばよ!」
ナルトの声が控室に響いた。
心は三人を見回した。
(みんな、本当に強くなったな)
一ヶ月前とは違う。
それぞれが自分の課題と向き合い、確かな成長を遂げている。
今日の戦いが楽しみだった。
会場では、すでに多くの観客が席についていた。
大名や各国の要人も集まり、試験を見守る準備が整っている。
そして、試験会場の選手控室には、各試合の出場者たちが集まっていた。
心は周囲を見渡す。
砂隠れの我愛羅、カンクロウ。
木ノ葉の同期たち。
そして、少し離れた場所にはカカシの姿もあった。
今回は遅刻していない。
サスケもすでに会場にいる。
原作でのように、試合直前にカカシとともに遅れて登場することはなかった。
「お、カカシ先生!」
ナルトが手を振る。
「おはよう。みんな、調子は良さそうだね」
「当然だってばよ!」
「サスケも、準備はできてるみたいだね」
「問題ない」
カカシはサスケの様子を確認し、満足そうに目を細めた。
「ふふ。楽しみにしてるよ」
心はそのやり取りを眺めながら、意識の一部を別の場所へと向けていた。
――小鳥たちだ。
心はすでに、複数の小鳥を口寄せしていた。
それぞれ別々の場所へ配置し、隠密行動を取らせている。
観察対象は、ナルト、サスケ、サクラ、三代目火影。
そして木ノ葉の里に五羽。
複数の小鳥たちが、それぞれの場所で周囲を監視していた。
もちろん、誰にも気づかれていない。
朱雀一族の隠密能力は、心が想像していた以上だった。
小鳥たちは姿だけでなく、匂いや音、気配、チャクラまでも完全に消している。
心が緋の眼を使っても、隠密状態の小鳥を見つけることはできない。
その時、一羽からテレパシーが届いた。
『心さま〜。見つけたよ〜』
(どうした?)
『自来也って人が、三代目さまの影の中に潜んでるよ〜』
(……影の中?)
心は思わず三代目の方を見た。
三代目火影は、観客席に設けられた特別席に座っている。
その影に自来也が潜んでいるらしい。
(よく分かったな)
『えへへ〜。気配がちょっとだけ違ったの〜』
(そうか。ありがとう。引き続き頼む)
『はーい!』
心は小さく息を吐いた。
(すごいな……)
朱雀一族の感知能力には舌を巻く。
あの自来也が隠れている場所を、ほとんど気配を感じさせずに見抜いたのだ。
(これなら、何か異変が起きても早めに察知できる)
心は改めて、小鳥たちを配置しておいてよかったと思った。
やがて、会場に審判の声が響き渡った。
「それでは、これより中忍選抜試験本戦を開始する!」
観客席から大きな歓声が上がる。
「まずは、対戦表を確認してもらおう!」
審判が操作すると、会場中央の大型スクリーンにトーナメント表が表示された。
◇中忍試験本戦・トーナメント表
Aブロック
第1回戦
うずまきナルト vs 日向ネジ
第2回戦
秋道チョウジ vs 春野サクラ
第3回戦
油女シノ vs Aブロック第2回戦勝者
Bブロック
第1回戦
我愛羅 vs うちはサスケ
第2回戦
枢流陀心 vs カンクロウ
第3回戦
奈良シカマル vs 山中いの
「以上が本戦の対戦表となる!」
観客席から歓声が上がる。
ナルトは自分の対戦相手を確認し、ネジを睨んだ。
「へっ! ネジか!」
対するネジは、落ち着いた表情でナルトを見ている。
心は二人の様子を見ながら、静かに考えていた。
(最初はナルトとネジか)
この試合は、ナルトにとって大きな意味を持つ。
ネジは日向一族の宗家と分家の問題に囚われ、運命は変えられないと信じている。
一方のナルトは、そんな考えを認めない。
そして今回、ナルトは原作とは違い、風遁を習得している。
九尾のチャクラに頼らず、どこまで戦えるのか。
心は純粋に興味があった。
「それでは、第1回戦!」
審判がナルトとネジを指名する。
「うずまきナルト! 日向ネジ! 両者、中央へ!」
「よっしゃあ!」
ナルトが勢いよく前へ出る。
「行ってくるってばよ!」
「ああ。頑張れよ」
心が声をかけると、ナルトは親指を立てた。
「任せとけ!」
サスケ、サクラ、心、そしてほかの出場者たちは観戦場所へと移動する。
中央には、ナルトとネジだけが残った。
「それでは、始め!」
審判の合図と同時に、ナルトが動いた。
「影分身の術!」
ボンッ!
一瞬で複数の分身が現れる。
「行くぞ!」
分身たちが一斉にネジへと襲いかかった。
ネジは白眼を発動させる。
「……」
視界が広がり、ナルトたちのチャクラの流れが見える。
ネジは落ち着いて攻撃を避け、接近してきた分身を次々と消していく。
しかし、ナルトの攻撃はそれだけではなかった。
「風遁!」
ナルトが手を前に突き出す。
「風遁・大突破!」
強烈な風が地面を巻き込みながらネジへと襲いかかった。
「!」
ネジは横へ跳び、風を避ける。
その隙に、別方向からナルトの分身が迫っていた。
「そこだってばよ!」
拳がネジの顔面へと迫る。
ネジは上体を反らして避け、分身の腹部へ掌底を叩き込んだ。
ボンッ!
分身が煙となって消える。
だが、すぐに別の分身が背後から迫る。
「くっ……!」
ネジは体を回転させて攻撃を避ける。
ナルトは次々と分身を繰り出し、風遁と体術を組み合わせて攻め続けた。
(ほう……)
観戦場所で、心は目を細める。
(風遁で相手の体勢を崩し、分身で逃げ道を塞ぐ。そこから体術で攻めるのか)
以前のナルトとは明らかに違う。
力任せに突っ込むだけではない。
相手の動きに合わせて、攻撃を組み立てている。
「やるじゃない、ナルト!」
サクラも驚いた様子で試合を見ていた。
サスケは腕を組んだまま、静かに分析している。
「風遁の使い方が上手いな」
「ああ。かなり実戦的だ。自来也さんに相当鍛えられたみたいだね」
心は頷いた。
一方、ネジの表情から余裕が消え始めていた。
(こいつ……以前とは違う)
白眼によってナルトの動きは見えている。
しかし、分身の数と風遁による妨害が厄介だった。
風の流れによって、わずかに足場や体勢が乱される。
その一瞬を、ナルトは見逃さない。
「まだまだぁ!」
ナルトが地面を蹴る。
正面からの攻撃を見せかけ、横へ回り込む。
ネジが反応した瞬間、背後から分身が飛び込んだ。
「もらった!」
ナルトの拳がネジの脇腹に叩き込まれる。
「ぐっ!」
ネジの体が大きく揺れた。
さらに、ナルトは風遁で相手の足元を狙う。
風が地面の砂埃を巻き上げ、ネジの視界を一瞬だけ遮った。
「そこだってばよ!」
ナルトが踏み込む。
拳が迫る。
ネジは咄嗟に両手を広げた。
「八卦掌回天!」
ネジの体が高速で回転する。
周囲にチャクラが放出され、ナルトの攻撃と風遁を弾き飛ばした。
「なっ!?」
ナルトは距離を取る。
回転が止まり、ネジが姿勢を整えた。
「……今の攻撃は悪くなかった」
「何だと?」
「だが、僕には通用しない」
ネジはナルトを見据えた。
「日向一族に伝わる技、回天。体内からチャクラを放出しながら回転することで、あらゆる攻撃を弾き返す」
「へっ! なら、何度でも攻撃してやるってばよ!」
「無駄だ」
ネジは静かに言った。
「君はまだ分かっていない。日向一族のことも、運命というものも」
ネジはナルトを見つめたまま、日向一族の歴史を語り始めた。
日向一族には宗家と分家がある。
宗家は一族の本家であり、分家は宗家を守るために存在する。
分家の者は、宗家に逆らうことができない。
その額には、呪印が刻まれている。
「この印は、分家の者を縛るためのものだ」
ネジは額当てを少しずらし、額に刻まれた印を見せた。
「宗家の者が術を使えば、僕たちは苦痛を与えられ、命さえ奪われることがある」
ナルトは黙って聞いていた。
ネジは続ける。
「僕の父は、宗家のために命を捨てることを強いられた。日向ヒザシ。僕の父だ」
父の死。
宗家と分家。
そして、変えられない運命。
ネジの声には、長年積み重なった怒りが滲んでいた。
「人間は生まれた時から、変えられない運命を背負っている。どれほど努力しようと、その定めから逃れることはできない」
「……」
「君も同じだ。忍者としての才能がない者は、どれだけ努力しても上には行けない」
ネジはナルトを見据える。
「君は火影になりたいと言っていたな。だが、それは無理だ。君にはその才能がない」
ナルトは拳を握りしめた。
そして、ネジを真っ直ぐに見返す。
「……うるせーよ」
「何?」
「勝手に決めつけんなってばよ!」
ナルトの声が会場に響いた。
「生まれた時から決まってる? 運命は変えられない? そんなの、やってみなきゃ分かんねーだろ!」
「君は何も分かっていない」
「分かってねーのはお前だ!」
ナルトは一歩踏み出した。
「お前は自分の父ちゃんのことを、運命に負けたって決めつけてるだけだ!」
ネジの表情が険しくなる。
「……黙れ」
「父ちゃんが何を考えてたのか、何で死んだのか、本当に分かってんのかよ!」
ナルトは拳を握り直す。
「オレはな! 火影になるって決めたんだ! 誰に何を言われたって、絶対に諦めねー!」
「君に何ができる!」
「やってみせる!」
ナルトは地面を蹴った。
「オレは絶対に負けねー!」
二人の戦いが再開された。
ネジは白眼でナルトの動きを見極め、柔拳を繰り出す。
ナルトは影分身を使って攻撃を散らし、風遁で距離を調整する。
ネジの掌底が分身を消し、ナルトの拳がネジの頬をかすめる。
互いに一歩も譲らない攻防が続いた。
「くっ……!」
ネジはナルトの動きを見ながら、攻撃の軌道を読み取ろうとする。
だが、ナルトは以前よりも動きが洗練されていた。
分身を囮に使い、相手の反応を誘う。
風遁で足場を乱し、わずかな隙を作る。
そして、そこへ体術を叩き込む。
「これで終わりだってばよ!」
ナルトは複数の分身とともに一斉に飛び込んだ。
風が渦巻く。
分身たちがネジの逃げ道を塞ぎ、本体が真正面から突っ込む。
「風遁・大突破!」
強烈な風がネジを襲う。
ネジは目を細め、両足を踏みしめた。
「甘い!」
両腕を広げる。
「八卦掌回天!」
再び高速回転が始まった。
風遁の勢いを受け流し、分身たちを弾き飛ばす。
そして、ナルトの本体が放った拳も、回転するチャクラに阻まれた。
「なっ……!」
回天が止まる。
ネジはゆっくりと姿勢を整えた。
「君の攻撃は確かに強くなった。だが、僕には届かない」
「くそっ……!」
ナルトは距離を取った。
ネジはナルトを見つめる。
「これで分かっただろう。才能の差は埋められない」
「……まだだってばよ」
ナルトは顔を上げた。
「まだ終わってねー!」
再び影分身を作り出す。
だが、ネジは回天の構えを取った。
ナルトは分身とともに攻め込む。
「行けぇ!」
複数方向からの攻撃。
風遁による妨害。
しかし、ネジはそれらを回転で弾き続けた。
ナルトは一度後退し、呼吸を整える。
そして、右手に力を込めた。
(ここで決める!)
ナルトは地面を蹴った。
分身たちが一斉にネジへと迫る。
その隙に、本体が低い姿勢から懐へ飛び込んだ。
「これで、トドメだってばよ!」
ナルトの拳がネジへと迫る。
ネジは反応した。
「八卦掌回天!」
再び回転が発動する。
「うおおおおっ!」
ナルトの攻撃は、回転するチャクラによって完全に弾かれた。
衝撃でナルトの体が後方へ吹き飛ぶ。
「ぐあっ!」
地面を転がり、何とか立ち上がる。
ネジは静かにナルトを見た。
「終わりだ」
観戦場所では、サクラが思わず身を乗り出していた。
「ナルト……!」
サスケは腕を組んだまま、回天を見つめている。
「厄介な術だな」
「そうだな。攻撃を受けるだけじゃなく、回転によって周囲を弾き飛ばす。正面から破るのは難しい」
心は冷静に分析していた。
ナルトの成長は確かだ。
風遁と影分身、体術を組み合わせた戦い方は、ネジを追い詰めるところまでいった。
しかし、最後の一撃は回天に防がれた。
(ここからどうする、ナルト)
心は静かに見守る。
ナルトは地面に手をつき、ゆっくりと立ち上がった。
「……まだだ」
その声に、ネジが眉を動かす。
「まだ戦うつもりか?」
「あったりめーだってばよ!」
ナルトは口元の血を拭った。
「オレは、まだ負けてねー!」
その目には、諦めの色などなかった。
ネジは小さく息を吐く。
「君は本当に理解していないようだな」
「理解する必要なんかねー!」
ナルトは拳を握りしめた。
「オレはオレのやり方で勝つ!」
その言葉と同時に、ナルトの周囲に再び影分身が現れた。
今度は、先ほどまでとは違う動きだった。
分身たちは正面から突っ込まず、距離を取りながら風遁を放つ。
風が何度もネジの周囲を吹き抜ける。
ネジは回天で防ぐべきか、移動して避けるべきかを判断しなければならない。
そのわずかな迷いを、ナルトは見逃さなかった。
「そこだ!」
ナルトが地面を蹴る。
分身が左右から同時に迫り、ネジの動きを制限する。
ネジは回転を始めようとした。
だが、その直前――。
ナルトが放った風遁が、地面の砂を巻き上げる。
視界が一瞬だけ遮られた。
「何っ!?」
回転の始動が遅れる。
ナルトはその隙を逃さなかった。
「うおおおおっ!」
分身の一体がネジの腕を掴む。
もう一体が足元へ飛び込む。
そして、本体の拳がネジの腹部へと叩き込まれた。
「ぐっ……!」
ネジの体が大きく折れ曲がる。
ナルトはさらに踏み込み、追撃の蹴りを放った。
「これで終わりだってばよ!」
ドゴォッ!
ネジの体が地面へと叩きつけられた。
土煙が舞う。
しばらくして、ネジは動かなくなった。
審判が二人の様子を確認する。
そして、手を上げた。
「勝者――うずまきナルト!」
会場が大歓声に包まれた。
「やったぁぁぁ! ナルトの勝ちよ!」
サクラが両手を上げて喜ぶ。
サスケも口元をわずかに緩めた。
心は静かに笑った。
「やったな、ナルト」
ナルトは勝利の喜びを噛みしめながら、拳を高く突き上げた。
「よっしゃあああ! オレの勝ちだってばよ!」
九尾のチャクラを使わずに勝利した。
風遁と影分身、そして自分自身の体術。
一ヶ月間の修行で身につけた力だけで、ネジを打ち破ったのだ。
ネジは意識を失う直前、ナルトの言葉を思い返していた。
運命は変えられない。
そう信じていた自分に、ナルトは真正面から反論した。
そして、実際に勝ってみせた。
ネジの中で、何かが少しだけ揺らぎ始めていた。
心はそんなネジを見つめながら、胸の内で呟く。
(ナルト、お前は本当に強くなったな)
本戦は始まったばかりだ。
次の試合も、そしてこの先に待ち受ける出来事も、まだ終わってはいない。
心は会場の特別席へと視線を向けた。
三代目火影は、静かに試合を見守っている。
その影には、自来也が潜んでいる。
小鳥たちからは、まだ異常を知らせる声は届いていない。
(……このまま何事もなく進めばいいんだけどな)
心はそう願いながら、次の試合を待った。