「な、なんだ……!? こりゃあ、始解なのか……!?」
なんせ、今まで彼ら死神が相手にしてきたのは「大虚」。それとはまた別の存在として成ったスァロに、大虚の常識は通用しない。まだこの時代に、「
「眩し……!」
スァロの周囲を回る銀色の砂がキラキラと光を反射し、反射的に目を瞑る。
「……な、なんだこれ……!?」
昏目台が目を開くと、スァロの背中から羽が生えていた。それはまるで、天からの使いのような……それとも、気味の悪い悪魔かもしれない。
だが、それに驚くばかりの昏い目台ではない。
「これは……砂、か?」
「そうです、これは砂、銀の砂だです」
スァロはそのまま、「
「この力は、
この銀の砂は、一粒一粒が高密度の霊子でできている。そして、その砂粒はスァロの霊子から作られているものだ。つまり──
「血は、出さないであげる。ゆっくり飲み込まれる、なさい」
「な……!? 砂がひとりでに動いて……!!」
スァロはこの砂粒を自在に操作して、地形を自由に作り出すことが可能となる。
「……この砂に呑まれることは、僕に食べられることと同じだです」
「そんなっ!?」
彼が嘆くが、時すでに遅し。「朧月」の半透明の刃で切り裂こうにも、スァロの持つ
「嫌だ……嫌だぁ……!!」
「大丈夫。死ぬ時は、一瞬ですだから」
ついに恐怖から斬魄刀を手放した死神は、次第に砂へと骨を埋める。ゆっくりと、ゆっくりと。しかし、死ぬ時は一瞬で。
「……これが、死神の霊圧だですか」
あまり美味しくはないとぼやきながら、スァロは帰刃を解いて再び歩き出した。
食らった霊圧は、そのままスァロの霊圧と混ざり、溶け合う。そうして、自己を失っていくのだ。
斬魄刀とやらが生まれて十万年ほど経過したが、どうやら己を写す鏡のようなものらしい。
それが本当ならば、もしかしたら更に自分がすり減っていくかもしれない。
「……一応、拾っておくますか」
スァロは死神が手放した斬魄刀を拾い、歩き出した。