黒の影従   作:御剣鎖刃

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3話「邂逅」

目を覚ますと状況が色々動いていた。

丸3日も眠っていて、その間に皆蘇生できた事。

『大賢者』が『智慧之王』に進化してなんか流暢になった事。

魔王ミリムと魔王カリオンが戦い、獣王国ユーラザニアが消し飛んでカリオンも行方不明になった事。

いやぁ仲間を取り戻せて嬉しい一方で問題も増えたね。

そして真夜中を過ぎ皆が酔い潰れた頃。今後の方針に悩んでいた俺のもとへ、見慣れない人物がやって来た。

 

「お目覚めになられたようで何よりです、我が君」

 

「無事に魔王へと成られました事、心より御祝申し上げます」

 

黒い髪に金と赤のメッシュが入った貴族のような男と、金と赤のオッドアイが伺える灰色のコートを身につけた少女(分かりにくいが少年じゃないよな?)が深々とお辞儀してきた。

 

「誰だっけ、お前等?」

 

「「―――ッ!?」」

 

俺の一言で激しく動揺する二人。

 

「こ、これは御冗談を。悪魔である私が、心核にダメージを受けました……」

 

「ほ、本当に、お忘れなのですか……?」

 

うーん…高位の悪魔とその従者って感じに見えるけど、こんな奴等知らないぞ?

 

「我が主よ。この者達は貴方様が騎士共を供物に召喚なされた悪魔です」

 

あーあの時の。そう言えば、宴の最中も所在なさ気にウロウロソワソワしてた気がする。

 

「思い出した!まだいたんだこいつ等!」

 

「ま、まだ…」

 

俺の発言にまたもやショックを受けた様子。

 

「色々手伝ってもらって助かったよ。聞いたよ、何でも生き残りを捕獲してくれたそうだね。お陰で俺もランガも無事に帰還できたみたいだし」

 

「いいえとんでも御座いません。つきましてh」

 

「長々と引き止めてしまって悪かったね。もう帰っていいよ!」

 

「――――えっ!?」

 

俺が許可を出さないから帰れなかったんだろうと思って純粋な善意で伝えたら更に様子がおかしくなった。

カタカタと動揺している男を見るとかなり綺麗な顔立ち―――というか男なのに凄い美人だ。もう一人も中性的美少女って感じ。

それが今、俺の言葉で涙目になっている。そ、そんなに傷つくか?悪魔なのに?

 

「そんな事仰らずに!先だってお願いしておりました通り、配下の末席に加えて頂きたいのです!!」

 

「どうでしょう、検討して頂けないでしょうか?」

 

えーっと確かに召喚した上位悪魔が言ってたような―――いや待て、目の前の此奴等はもっと上位に見えるぞ?

 

「ランガ、此奴等って本当に俺が召喚した奴等なの?」

 

「間違い御座いません、我が主よ!」

 

間違いないんだ。

 

「召喚主様に騎士の死体を頂いた事で我々も受肉できました。その御恩を少しでもお返しできればと…」

 

「あ、そうなの?成程ねぇ…」

 

心強いけど諸刃の剣だよな。こいつらがどちらかでも暴れ出したらベニマルでも止めるの難しそうだし。

 

あれ、確か4体呼んだよな。あと2体はどうしたんだ?

 

《解。“反魂の秘術”を行使した際、魔素量が不足しておりました。その時に補填に役立ちたいという願いを叶え、魔素に還元して消費いたしました》

 

サラリと恐ろしい事を言う智慧之王。大賢者よりも非情になり格の違いを見せつけられた。

しかしどうしたものか。仲間を差し出してまで俺の役に立とうとしてくれたのに無視するのは可哀想だしな…。

 

「報酬とかないけどいいのか?」

 

「そんなもの、御仕えできるだけで幸福です」

 

無償で働いてくれるのか。断る理由はないな。

 

「分かった。それじゃあお前等も今日から俺達の仲間だ」

 

「「感謝いたします、我が君!」」

 

「我が君はやめろ。なんかむず痒い」

 

「心得ました。ではなんとお呼びすれば?」

 

「リムルでいいよ」

 

「おお、リムル――甘美な響きです。それでは今後はリムル様と―――」

 

大袈裟だなぁ。従者も微笑んで凄い頷いてるし。

 

「まぁいいやそれで。それよりお前等の名は?」

 

「名も無き悪魔で十分で御座います」

 

「私はレプリカと呼ばれております」

 

あれ、主の方は名前ないのか。従者の方は名前あるけど、此奴が呼びやすくつけたのかな。名無しとはいえ高位存在だろうし。

不便だしいつものように名付けやりますか!

 

「よし、報酬代わりに名前を付けてやろう。問題あるか?」

 

「問題など何も御座いません。最大の御褒美で御座います!!」

 

嬉しそうだな。やっぱ俺魔物に好かれやすい体質とかなんだろうなぁ。

そうだな…スーパーカーシリーズで行くか。

 

「お前の名前は“ディアブロ”だ。その名に相応しく、俺の役に立ってくれ!」

 

ごっそりと魔素が減る。慣れっこになったなこれ。

というか半分くらいしか奪われなかったな。

 

ラファエル《告。個体名:ディアブロは元は上位魔将でした。主様は進化して魔素量が大幅に増大しております。故に魔素の消費割合だけで比較しては正確な判断とは言えません》

 

おっとそうなのか。…因みに大幅ってどれくらい?

 

ラファエル《解。参考までに言えば以前の十倍以上です》

 

やっちゃったわ。

 

俺の目の前では黒い繭に覆われ進化に備えるディアブロの姿。そしてその傍らに控えているレプリカ。やっぱ俺抜けてるな。バカは死んでも治らないしもう諦めよ。

すると進化が完了したディアブロが紳士服に姿を変えて現れた。

 

「ディアブロ、それが私の名。感激で胸が一杯ですよ」

 

「「今日この日より誠心誠意御仕えさせて頂きます、リムル様」」

 

恭しく一礼する2人。

 

「おう、これから宜しくな!ディアブロ、レプリカ」

 

あれっ、レプリカの名を呼んだ瞬間4割くらい魔素が減った…!?

 

《告。個体名:レプリカの名前を上書きした模様》

 

…反省した直後だと言うのにやってしまったぜ★

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