※主人公の名前は「命」と書いて「ミコト」と読ませます
冬の寒さが和らぎ、幻想郷にも暖かい日差しが差し込むようになったある昼下がり、幻想郷の東端に位置する博麗神社では、少女が布団で寝ている少年を起こそうと頑張っていた。
「そろそろ起きなさい。もう昼よ?」
そう言いながら博麗神社の巫女である『博麗 霊夢』は気持ち良さそうに寝ている少年を揺さぶる。しかし、
「もう少し…」
と一向に起きる気配が無い少年。名を、『命』と言った。赤子の時にこの神社の前に捨てられ、先代の巫女に育てられた。名前は捨てられていた彼の近くに置いてあった紙に書いてあった事で判明したが、名字は不明だったため今は『博麗 命』と名乗っている。また、人間が不思議な能力を持っていても何ら不思議ではないこの幻想郷において、やはり彼も悪霊を浄化すると言う特殊な能力を持っていた。
余りに起きる気配の無い彼を見て霊夢はため息混じりに、
「もう少し、じゃないわよ。依頼来てるんだから起きてもらわないと困るの。」
と言うと、命は「ん…」と寝ぼけた声の後、「えっ?」と驚いた声をあげた。
「依頼来てんの…?それ最初に言ってよ…」
まだ少し寝ぼけている様な声でそう文句を言う命。
霊夢が妖怪退治の依頼を受けてお金を稼ぐように、彼も能力を利用して幽霊浄化の依頼を受けてお金を稼いでいる。残念ながら正月でさえも参拝客が見込めないこの神社ではその依頼が大事な収入源だった。
やがて命はダルそうにしながらも起き上がり、
「お早くないございます…」
と妙な挨拶をして、布団を出て準備を始めた。
霊夢からは、
「どんな挨拶よそれ…」
としっかりツッコまれた。
「あ、今日の依頼内容は?」
「無縁塚の見回りよ。」
「いつものね、了解。」
その後、準備を終えた命は霊夢から依頼の内容を聞いた。無縁塚というのは縁者の居ない死者、無縁仏の為の共同墓地で、幻想郷でもかなり外れの方にある静かな場所だ。春には非常に綺麗な桜を咲かせる木が立ち並ぶが、結界の綻びにより冥界や三途の川と繋がったりするだけでなく悪霊や妖怪の数も多いため、幻想郷の中でも最も危険な場所と言われていて、人間は滅多に立ち入らない。
ならば、何故そのような放っておいても良さそうな場所に見回りに行くかというと、結界の綻びの影響で外界のものが流れ着きやすい場所だからである。それは人間も例外ではなく、不慮の事故で外界の人間が流れ着いてしまうことがしばしばあった。そういった人間が妖怪に遭遇し食われてしまうことを減らすため、また命の場合は無縁塚の霊を浄化し弔うために、月に何度か人里から依頼されて見回りをするのである。
「よし、そろそろ行こうか。」
「ええ。」
命の言葉に頷く霊夢。命は悪霊はどれだけ力が強くても浄化することができる一方、強い妖怪には太刀打ち出来ないため、この様に霊夢もついていく事が多い。
自分と霊夢の準備が万端であることを確認し、
「それじゃ、出発!」
という元気な命の掛け声と共に二人はふわりと宙に浮くと、雲一つ無い空の下、無縁塚に向けて飛び立った。
さて、初の文章、いかがでしたでしょうか。自分が上手い作品書けるなどとは思っておりませんゆえ、表現の仕方などコメントで教えてくれたら嬉しいです。
多忙で投稿が遅いと思いますが、少しずつ進めていきますので宜しくお願いします。