戦いたくない魔法少女は、それでも引き金を引く   作:菊水晴雅

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第ニ話

 

転生後、記憶を完全に思い出して12年。今年で16歳になった。世間一般では高校生になっている。懐かしいな、俺・・・いや今は私か、も、高等教育まで進んで、そこから兵役に進んだ。まぁ、この世界で言う青春なんてものは一切存在しないが。

 

まぁ、16歳は、この国ではほぼ全員が高等学校に入るらしい。だが、私はそんなところには入っていない。

 

それはなぜか、簡単に言えば、学費が払えなくなったからだ。なにがあったのかというと、両親が夜逃げした。最悪な両親だよ。もともとギャンブル依存症で、さらに酒とたばこに溺れていた。そのため、家にはお金がなく、ほとんどまともな食事が出なかった。水道や電気もたびたび止められたし、家も汚い。借金もあったようで、私を含めすべてを放り出して逃げたのだ。

 

だが、私にとって両親の夜逃げは好都合だった。少し前からそんな雰囲気はあったため、少しずつ準備を進めていたこともあって、かなりスムーズに事を進めることができた。

 

まずは、家の掃除、片付け。散らかっていた部屋をきれいにし、使えるが必要ないものはすべて売り払い、使えないものはすべて捨てた。やけに高く、身の程に合わない高級品も多かったため、結構な額になった。

 

次に、やけに高いマンションの契約を解除し、やすいアパートに引っ越した。鉄道近くの、日当たりの悪い、安いアパートに。引っ越し作業はすべて一人で行った。なるべくお金はかけられない。

 

それから、バイトを始めた。三つぐらいかけもちして、やっと年収100万円ちょっとを狙えるようになった。税金が入り始める109万円を上回らないように調整するつもりだ。

 

限界まで生活を切り詰めて、お金を節約する。光熱費を下げるために家にはほとんど帰らずに、夜は人に見られないように外で過ごす。今は夏で、夜もかなり暑いが、砲弾が降り注ぐよりかはマシだ。食事も限界まで減らす。これも、あのクソまずい泥が混じった戦闘糧食よりかはマシ。水はちゃんと飲んでいる。日中、暑くて時々めまいが起こるが、そこは気合で耐える。その後は、近くの商業施設に行って涼んだ。どれも、あの地獄の戦場よりもはるかにぬるいものだった。

 

学校は、中学までで終わりだ。大して難しい内容ではなかった。まぁ、前の世界で高校レベルは終わったし、カリキュラムは大学の範囲に足を突っ込んでいたから余裕だった。言語系科目、国語と英語には少し苦労したが、それも大したことではない。成績は芸術系以外ぶっちぎりだった。体育に関しては、前の世界の筋力がある程度引き継がれていたし、運動は欠かさずに続けていたから、陸上や水泳は得意だったが、球技やダンスは全然できなかった。格闘技?いや素人相手に戦場で実際に人を殺したことがある人間がやっちゃいけません。とにかく、成績は常に一位をキープした。先生とは特に仲もよくは無く悪くも無く。誰ともしゃべらずにだんまりしているだけで、成績もいいし問題行動は起こさなかったから特に何も言われなかった。変な目で見られてはいた。

 

だが、転生してから気づいたことがある。私はどうやら、あの戦争で想像以上に心が荒んでいたらしい。精神に異常をきたして死んでいった戦友を見ていたから、何も変わっていないだろうと思っていたのだが、そんなことはなかったらしい。

 

そして、この世界の特殊性。魔法。

 

そして、魔法を扱う少女たちの存在と、魔物の存在。

 

この目で見たことはないが、ニュースで時々やっていた。

 

だが、このときはまだ、実際に見ることになるとは思ってもいなかった。

 




現状魔法少女要素ゼロ
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