もしかして、これが高校なんでしょうか?そんな考えが過って、いやそんなことはないと冷静になって私は私のことを見ながら泣いている少女のことを見ました。
気のせいかとも思いましたがその子は、私を見てやっぱり泣いているんです。何ででしょう?不思議で、私はその子の言葉に耳を傾けました。
「……うぅ、やっぱり…似ていますぅ。大魔女様と…そっくりですっ。背丈は、すっごく変わりましたけど……でも…お名前も違いますし…」
うーん、全く分かりません。一体どういう事なのでしょう。でも、泣いているのは私も悲しいです。ヒロみたいに言うなら正しくない!と言えます。
なので、屈んで泣いているから届く彼女の頭を撫でました。よくヒロがしてくれたみたいに。
すると、その子は少し驚いて…でも嬉しそうに撫でる私の手に身を任せました。
その笑顔は綺麗で、だから私も嬉しくて笑いました。
けれどそんな時、違う場所から色んな人の声が聞こえました。
その中の一つ、私はそれが知っている声だと気がつきました。
エマ、エマの声です。会えなかった、エマの。
だから、嬉しそうにしている少女から離れて格子のドアに近づいて声を出そうとしました。
でも、その時なんだか変な音がして上の方から声が聞こえました。
けど、そんなことよりエマを…そう思って声を出そうとしたらさっきまで泣いていた少女に引っ張られ、腕の中に包まれてしまいました。
どうしたんだろう、そうやって顔を上げればまた少女は泣いていて、何も出来ずに私は声のする方を見ました。
そこには、可愛らしいまんまるの何かが喋っていました。
「あー、もしもし…映像って見えてます…?」
その可愛らしい姿に、私は見惚れてその後のお話は耳から耳に流れてしまいました。
するとモニターはあっという間に真っ暗になって、外から何かを引きずるような音が聞こえて。
ほんと、高校って不思議な所だなって。そう思いながら、まだ私を抱き締める少女の顔を見上げて聞いてみました。
「おはよぉ、ねぇねぇ高校ってこんな感じなんだねー?私、ハルって言うの。貴方は?」
「…あぅ、あぅ…そうですよね、違いますよね……えっと、わわわ、私は…メルル、ひ…氷上、メルル、です…っ」
上ずった声で、泣きそうな彼女は応えて。だから、私は彼女の手を優しく握ってあげるんです。エマが、よくこうしてくれていたのを思い出したから。
それで、メルルは嬉しそうに微笑んで…そしてまた少し不安そうに言いました。
「…あのぅ、そろそろ行かないと…お、怒られてしまいます…っ。ですから…その、手を繋いだまま…外に出ませんか…?」
「うん、いこぉ!メルルの手、暖かいねぇ」
「…は、はい…っ。ハルさんの手も、暖かい…です…」
私とメルルはそう笑い合いながら扉から出て。通路はやっぱり少しボロボロで、私が選んだ高校ってこんな感じだったっけと思いながら歩いて、声が聞こえたのです。
「ま、待ってよヒロちゃん!」
それは、エマの声で…そして、その言葉はヒロが居るということで─。
そっちを見たんです。すると、エマは私に気がついて不安そうに私のことを見て…。ヒロも、私を見て…。凄く、驚いて…そして。
「─っ!ハルっ!」
走って私の方に来たのです。それを追って、エマも来てくれてやっと…やっと─私たちは三人で居られたんですよ。
それが嬉しくて、私は二人の方を笑顔で見ました。
「ハル…何処か傷はないか?痛みは?ここは空気が悪い…具合は悪くないか?」
心配そうにヒロが言って。でも、平気です。そんなことより、二人と一緒に居れることの方が嬉しいので。
「ううん、大丈夫だよ。エマもヒロも、平気?」
「あぁ、私は平気だ」
「う、うん…ボクも、平気だよ」
少し、エマは苦しそうに応えて─。でも、それも触れて欲しくなさそうだったから私は手を握りながら震えるメルルを二人に紹介したんです。
「そっかぁ、良かったぁ。ねぇねぇ、この子ね…メルルって言うんだ。私の新しい友達!二人も仲良くしてくれる?」
「…うぅ、ハルさん…っ。その、そのぉ…先に行かないと…怒られて、しまいますぅ…!」
確かに、その通りみたいです。大きな、先生?みたいな何かが、私たちのことを見ていたから。だから、先に行くためにも私は一つの提案をしたんです。
それは、三人で居たとき…よくしていたことで─。
「あっ、そうだった!…二人も、手─繋ぐ?」
「えっと…ボク、は」
「あぁ、ハルが怪我するかもしれないからな。繋ぐとも、エマ…行くぞ」
ヒロは私の手を取って、歩き出しました。でもエマは少しだけ後ろからついてきます。
やっぱり、久しぶりだから緊張しているのかな。それなら後で、いっぱい話さないと。
そう思いながら長い階段を上っていきます。それだけで息が切れて、それでも何とか私はヒロとメルルのお陰で歩けました。
すると、広々としたホールに出た。色んな扉があって、長い通路もあって…それに上にも行けるみたいで─。
でも、やっぱり…ヒロと選んだ高校ってこんな雰囲気じゃなかったよね?
「ねぇねぇ、ヒロ?高校ってこんな感じなのかなぁ…。選んだ時はもっと綺麗だったよね~?」
「はぁ。いや、ハル。ここは高校ではない…別の何処かだ」
短く、でも呆れたように息を吐いてからヒロはそう言って、嘘って思いました。
だってここが高校じゃないなら…じゃあ、早く高校に行かないと遅刻しちゃうんじゃ…?って思ったからです。
でも、そんなことを口にする前にヒロはどんどんと先生じゃない何かについていって、私たちは部屋に入って─。
そこは、綺麗な部屋でテレビとかソファーとか色んなものがありました。たしか、こういう部屋のことをラウンジというってヒロが言ってた気がします。
「これって本物…?」
エマの声が聞こえて、私はそっちを見て─。そこにあったのは何らかの機械と矢でした。
「ハル、あれはボウガンだろう。それに、きっと本物だ」
ヒロの言葉でそれが何か分かったから二人を見ながら感想を言います。それは三人で良く話していたころと同じように。
「へぇー、ボウガン。これで、矢を撃つの?すごいねぇ…」
それを眺めながら、私はここに他の子が居ることに気がついたんです。
エマと私とヒロとメルル、そして、亀のように角に居る女の子。
「ふんふんふ~ん♪」
鼻歌を歌いながら、部屋のあちこちを動かしている女の子。
「っざけんじゃねえぞ!ぶっ殺してやる!」
すっごく怒っているマスクをつけた女の子や。
「ここくさくね?」
鼻をつまみながらそう喋っている猫の女の子だったり。
「…やれやれ」
何だか気だるそうにそうため息をついている女の子。
「ウフフ」
それに笑いながら皆のことを見ている少し大人な女の子と─。
そして、壁の方で私たちのことを見ている女の子がいました。
全員、女の子だ。そんな中、見覚えのある水色の子が大きな声を出して、びっくりして私はそっちを見たんです。
「いやぁ~すごいですねっ!」
その楽しそうな笑顔を、私は何処かで見た覚えがあって…そして、鍵のついた記憶の一つが読み起こされました。
施設で唯一、私と仲の良かった子。大切で、大好きで…そしていつかまた会えると約束した子。
そう、その子は─シェリーちゃん。
それに気がついて、私は声をあげようとした。けれど、シェリーちゃんの元気な声が先に聞こえて─。
「突然牢屋で目覚め!化け物に見張れていて!」
「なんかすごいことが起こっているのを感じます!高まっちゃいますよね~!ねぇ、ハルちゃん!」
そう言いながら先にシェリーちゃんは私のことを見てくれました。
「うん!これはミステリーだねー!探偵の出番だよ!」
だから、私もあの頃のように返したんです。忘れてしまっていた記憶を辿るように。
「…え、え?ハルちゃん、知り合いなの?」
「わぁ、もしかして貴方もハルちゃんのお友達ですか~?」
そう言って手の塞がっていないエマの手を取ってシェリーちゃんは上下にぶんぶんと強く振ってそれは残像が見えるようでした。
それにエマは痛そうにして、そういえば私もあんなことされて痛かったなぁって思い出していました。
「なあにが、高まっちゃいますよね~、ですわ!というか、貴方達、本当に探偵ですの?」
お姫様みたいな女の子が大きな声でシェリーちゃんと私に聞いてきたので、だから私とシェリーちゃんは目を合わせてから元気よく応えました。
「はい!」
「うん!」
「ならやべーことになっているんですから、もっと危機感を持った方がいいんじゃないかしら!?」
高い声でお姫様が言うことは確かに、正しいです。
けれど、何処からか笑い声が聞こえて─その瞬間、お姫様が赤くなっちゃいました。
「今笑ったのは誰でやがりますの!?」
「─いや、すまない。少し変わった喋り方だなと思ってね」
そう言って一歩前に歩いたのは王子様みたいな人。背も高くて近くだと顔を見るのが難しそうです。
けれど、今はなぜかその子から目が離せなくて。でも、私の口は動きました。
「お姫様なんだから、変じゃないよ?」
「そ、そうですわ!そこの人と違って見る目はあるみたいですのね!」
うん、やっぱりお嬢様なんだね。すごいなぁ、仲良くなってみたいなぁ。
「え~?それって私の事ですか~?酷いです~しくしくっ」
あ、でもシェリーちゃんのこと泣かした。やっぱり、もう少し様子を見よう。
「…あはは、えっと。初対面の人も多いと思うから、良かったら自己紹介をしていかないか?」
「先に名乗らせてもらうよ。私の名前は蓮見レイア」
そう言ったレイアの後にお姫様が自己紹介をしてくれました。
「…ふんっ、遠野ハンナですわ。お見知りおきあそばっ…お見知りおきあそばせせ?」
少し突っかかりながらお姫様、ハンナは答えた。それに合わせて私も自己紹介をすることにしたんです。
「わぁ、お姫様と王子様がいるみたいだね?私は、ハル。えっと、名字は─」
「はいはーい!ハルちゃんの名字は御巫ですね!それで私は橘シェリーっていいますっ。事件があるところに私たちあり!この名探偵達にお任せください!」
シェリーちゃんは、そう言ってくれた。それが嬉しくて彼女の後ろ姿を私はぼーっと眺めていました。
そして、気がついた頃には他の子の自己紹介は終わっていて…メルルがこっそりと私の耳元で─。
「…あ、あとで…皆さんのお名前、お教えしますね…?」
そう言ってくれた。だから、私はぎゅっとメルルの手を握って囁き返してみて─。
「…ありがと、メルル。助かる~」
すると、恥ずかしそうにメルルは顔を真っ赤にしてうつむいてしまいました。
もしかすると、やり方を間違えちゃったのかな?囁くって、難しいみたいです。
そう反省していると、モニターに写っていたかわいいまんまるが通気口から飛んできて、話し始めました。
でも、そんなことどうでもよくて…私は二人から手を離してそっとその可愛らしいまんまるに近づこうとしたんです。
けど、その傍にいたおっきな何かが私に離れるように鎌を向けたて来ました。
「えっとぉ、その逆らったら殺すように洗脳してしまったので…そのそのまま近づいたら、ほんとすみません…死んでもらうことになります」
「えー!ねえねえ、まるまるさん!少しだけ触らせてよー!少しだけ、もふってするだけー!」
「いえいえ、それは出来ません。確かに触れたらもふってするかもしれませんが、貴方に触れられると嫌なので」
淡々と返すそのまんまるさんは本当に嫌そうだったから私離す統べなく戻ろうとして、そしてその前にある約束をしようとした。
「む、そっかぁ。じゃあさ、後で、触らせて?嫌じゃなくなったら…!」
「はぁ、嫌じゃなくなることなんてないと思いますがね。分かりました、約束しましょう」
「やったぁ!ねぇねぇ、聞いたよねヒロ、エマ!」
そう振り返って…そして、そこで一歩前に出たヒロの顔が酷く歪んでいる気がした。
だから、だから…私は何にも聞こえなくなって…ヒロへと手を伸ばして─。
横を何かの棒で持ったヒロが通りすぎるのを、見ていた。
何が、起きたんだろう。ヒロが、棒で大きな何かに殴って…それで─。
真っ赤な、インクが飛んで。お肉みたいなのが飛んで─。
そして、私の前にヒロの顔があった。
「あれ、ひろ?…ひろって、まじっくできたんだぁ。ねぇ、ねぇ、わたしも…やるから。だから…ねぇ、ひろ?おしえてよ、ねぇ…」
ぐるぐる、あたまがまわる。なにがおきているのか、わからなくて。
ひろのあたまを、わたしはなでて。
でも、もう…ひろはしゃべってくれなくて。
「ハルちゃん、ハルちゃん…もう、もう─」
えまがないていた。だから、わたしはえまをなでるの。だってひろとやくそくしたんだ。
えまと□□をまもるって。だから…だから─。
「ねぇ、えま?ひろはかえってくるよね。だって、やくそくしたもん。えまをまもってって。だからね、えまはわたしをたよってね?だいすきなともだちだもん!」
「あ、それにね?ひろはわたしからめをはなさないっていったんだ。だから、ずっといっしょ!えまもずっと!ね?」
わたしは、そういった。でもみんなは、かわいそうなこをみるめでわたしをみた。なんでだろう、よくわからなくて。
だから、だから…ころがったぺんをえまにわたした。ひろがわたした、ぺんを。
そのあとは、もうわからなかった。ただ、てのなかにあるひろをなでて。
でもそれも、なにかがもっていっちゃって。
ぼっーと、ぼっーと、していた。
そのときに、めるるはいてくれて。あったかくて…でもあのひろにはそれがなかったことにきがついて。
わかったんだ。もう、もう─あえないって。
「─うぅ、うぅーっ!やだ、やだよ…ひろ、ひろ─!わすれたくない、なくしたくない…あいたいよ、ひろ─っ」
こえが、かってにでてた。それで、めるるはかなしそうで…えまもかなしそうで。
だから、だから─やっぱり…わすれないと。いやだけど、かなしいけど、わすれないといけない。
それで─。
「もう、大丈夫。メルル…」
先ずは、メルルの頭を撫でたんです。誰かが良くしてくれたから…それをすると私は落ち着いたので。
そんな時、レイアが喋りだしました。
どうやら、これからについてで…皆を守りたい。その為に従おうと言っていました。
□□のような振る舞いやアリサ、きっとマスクの子のような逃亡は危ないって。
確かに、そうかもしれないです。だから、レイアが言ったスマホについても従いました。
そこに確かにレイアが言うように【魔女図鑑】がありました。
それでも、マスクの子は納得してないみたいで怒って、出ていってしまいました。
レイアは、それに肩をすくめて私たちのことを見て…。
けれど、私は離れていくその子が気になって…でもなんでか身体が動かなくて見送ることしか出来ませんでした。
そして、エマもなんでか怒っていて、シェリーちゃんもそっちにつくって言っていたんです。
それにお姫様も、メルルもそう言って…だから私もそっちにつくって言いました。
それから、レイア達は地下に戻るっていって居なくなった部屋で私達は少しだけ話をしました。
けれどエマはやっぱり怒っていて、それでも先ずは地下に行こうって私の手を取ってくれました。
メルルも反対の手を取ってくれて、少し動きにくい身体で私も地下へと戻ろうとしました。
でもその時に見た、シェリーちゃんの目は私のことを見ていたんです。初めて見る、その顔はなんなのか分からなくて…私はくしゃりと笑いました。
すると、シェリーちゃんは私から目を離して少しだけ遠くに行ってしまいます。
それがなんなのか、分からなくて。でもなんだか…考える気力はなくて。
私は部屋に戻りました。メルルは、その間ずっと私の傍にいてくれて…二人で同じベットに入ったんです。
優しい熱が私を包んで、優しい手が頭を撫でて─その微睡みの中で私は目をつぶって。
─よごれてしまいましたね。
何処からか、少し懐かしいそんな声が聞こえたのでした─。
なんだか凄く伸びましたね?嬉しいです!よし、皆もまのさばやろう!そして、書こう!
ということで、やっとここから牢屋敷です。魔女化を書くの楽しみですね!
では、1件の感想、36個のお気に入り、4人の方からの評価。そして、1件の誤字報告。大変嬉しく、これからも精一杯書きますのでこれからもどうぞご贔屓にしていただけたら嬉しいです。
次のお話もきっと直ぐ出来るので楽しみにしていただければ嬉しいです。