チャッピーに考えてもらった架空組織   作:缶コーヒー好き

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オーダー:三日間、何もするな

トランパー本部、幹部会議室。

 

その日、オウル、ローズ、セナ、ミヤビの四人は、白と黒のJOKER様から呼び出しを受けていた。

 

四人が並んで立つ前で、黒のJOKER様が腕を組んでいる。

 

「お前たちに命令がある」

 

「はい」

 

四人が揃って返事をする。

 

「今日から三日間、完全休養だ」

 

「……え?」

 

セナが思わず声を漏らした。

 

白のJOKER様が続ける。

 

「訓練、研究、実験、その他一切の鍛錬を禁止する。施設にも立ち入る必要はない。三日間は身体を休めることに専念しろ」

 

「ですが、JOKER様。私たちは特に疲労を感じておりませんが……」

 

オウルが確認するように尋ねる。

 

「自覚があるかどうかの話ではない。お前たちの訓練量は明らかに過剰だ」

 

黒のJOKER様が、四人を順番に見た。

 

「赫刀化の習得、応用、再現性の向上。カードの複数枚同時変化。投げナイフへの適用。武器の扱いに関する研究……。ここ最近、休んでいる姿をほとんど見ていない」

 

「それは……」

 

ローズが少しだけ目を逸らす。

 

「わたくしは、30枚まで安定しましたので、もう少しだけ精度を上げようかと……」

 

「その『もう少し』を禁止する」

 

「……はい」

 

ミヤビも穏やかに答えた。

 

「わたくしも、ドスの赫刀化を忘れない程度には練習を続けたいと思っておりましたが……」

 

「それも禁止だ」

 

「承知いたしましたわ」

 

そして黒のJOKER様は、最後にセナを指差した。

 

「特にセナ!」

 

「はいっ!?」

 

「赫刀の訓練も許さん。特にセナ!いいな!?」

 

「……名指し……?」

 

セナは目を丸くした。

 

ローズが横で口元を押さえる。

 

「ある意味納得だけど……(笑)」

 

「ローズさん!?」

 

「だって、あなたの場合、休憩中に『ちょっと試してみよう』って言い出しかねないもの」

 

「そ、そんなこと……」

 

「対物ライフルの弾頭を赫刀化したのは誰だったかな?」

 

「……私です」

 

「しかも、相談前だったな?」

 

白のJOKER様が静かに追撃する。

 

「……はい」

 

「新しい対象を見つけては試したくなるのは分かる。だが、今回ばかりは休め」

 

「分かりました……」

 

セナは少ししょんぼりした。

 

休養初日

 

四人は本当に訓練をしていなかった。

 

オウルは読書。

 

ローズは紅茶を飲みながら、ゆったりと過ごす。

 

ミヤビは私室でのんびりと過ごしていた。

 

そしてセナは――。

 

「……暇だなぁ」

 

ソファに寝転がり、天井を見つめていた。

 

しばらくして、ふと思いついたように起き上がる。

 

「そうだ。赫刀化って、もしかしたら――」

 

その瞬間、隣にいたローズが本から目を上げた。

 

「セナ?」

 

「……はい」

 

「何か思いついた?」

 

「……いえ」

 

「本当に?」

 

「……はい」

 

ローズはにっこり微笑んだ。

 

「よろしい」

 

セナは再びソファに沈み込んだ。

 

(名指しって、こういうことかぁ……)

 

休養二日目

 

オウルが四人の休養状況を確認していた。

 

「ローズ、休めているか?」

 

「ええ。問題ありませんわ」

 

「ミヤビは?」

 

「十分に休んでおりますわ」

 

「セナは?」

 

「休んでます!」

 

返事だけは非常に元気だった。

 

オウルは少し考え、尋ねる。

 

「……何も試していないな?」

 

「試してません!」

 

「何も考えていないな?」

 

「それは無理です!」

 

「そこは正直なんだな……」

 

ローズが吹き出した。

 

「ふふっ。考えるだけなら許してあげましょう?」

 

「本当ですか!?」

 

「ただし、実行は禁止ですわ」

 

ミヤビが優雅に釘を刺す。

 

「うぅ……」

 

休養三日目

 

白と黒のJOKER様は、四人の様子を確認していた。

 

「……どうだ、黒いの」

 

「少なくとも、今日は施設に行っていないようだ」

 

「セナは?」

 

「ローズが監視している」

 

「監視って……」

 

「本人に聞こえたら怒るぞ」

 

そのとき、セナから通信が入った。

 

『JOKER様!』

 

「どうした、セナ?」

 

『三日間、ちゃんと休みました!』

 

「そうか。よく守ったな」

 

『はい! それで、明日から訓練してもいいですか!?』

 

白のJOKER様は黒のJOKER様を見た。

 

黒のJOKER様は、深く息を吐いた。

 

「……明日からは許可する。ただし、いきなり全力で始めるな」

 

『分かりました!』

 

通信が切れる。

 

白のJOKER様は苦笑した。

 

「三日間、ずっとそれを待っていたんだろうな」

 

「だろうな」

 

黒のJOKER様は椅子にもたれた。

 

「まあ、四人とも休めたならいい」

 

そして、少し間を置いてから付け加える。

 

「……ただし、セナには今後も定期的に休養命令を出す必要がありそうだ」

 

「同感だ」

 

一方その頃。

 

セナはローズたちに向かって、満面の笑みで宣言していた。

 

「明日から、また頑張りますよー!」

 

ローズは笑いながら、そっと呟く。

 

「……やっぱり名指しされるだけのことはありますわね(笑)」

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