久々の投稿となってしまいました。
GWとかにでも投稿しようと思っていたらいろいろと用事ができて今日までできないままとなっておりました(;^ω^)
「はい?」
「今……なんて…?」
八月三十日。明後日には学校が始まるという日。
俺と一夏は寮の自室で山田先生と織斑先生の突然の訪問、そしてその要件に俺たちは驚愕とともに聞き直す。
「ですから、お引越しです」
俺たちの問いに山田先生が答える。
「引っ越しって……」
「またですか!?」
「ああ。まただ」
俺たちの素っ頓狂な言葉に冷静に織斑先生が返す。
「もしかして…また男性操縦者が見つかったとか……」
「いや、違う」
一夏の問いに織斑先生が首を振る。
「実は二学期からある民間団体所属の方を数名IS学園の人員強化として迎えるんですが、それと同時にその団体の方も一人生徒として途中編入することになったんです。それで彼女、寮に入るんですが……」
「それと俺たちの引っ越しとどういう関係が?」
山田先生の言葉に俺は首を傾げながら訊く。
「実は予定では彼女の寮の部屋は一人部屋にする予定だったのですが、先方から入寮について条件付けがありまして。その条件と言うのが……彼女との同室に梨野君を指名してきまして」
「え、俺!?」
山田先生の言葉に驚愕する。
「え?それっていいんですか?いろいろと」
「私たちは反対したんだが…学園上層部の決定だ」
一夏の問いにめんどくさそうに答える織斑先生。
「まあそんなわけで悪いが部屋替えだ。ちなみに移動するのは梨野だ」
「はい、織斑先生!」
俺はぴしっと挙手し、質問の体勢。
「ん、梨野」
「拒否権は――」
「そんなものはない」
「……せめて最後まで言わせてください」
有無を言わせぬ織斑先生の言葉にがっくりとうなだれる。
「さ、とっとと準備しろ」
○
そんなわけで俺は一夏に手伝ってもらいながら新しい部屋へと引っ越しを開始。ちなみに山田先生は手伝ってくれているが織斑先生は手伝うそぶりすらない。
「ここですか?」
段ボール箱で手がふさがった俺と一夏は振り返って訊く。
「ああ、そこだ」
「なるほど……」
部屋の前でドアをじっと見つめる俺たち。
「………何をしている、早く入れ」
なかなか動かない俺たちに言う織斑先生と首を傾げる山田先生。
「いや…入りたいんですけど……」
「手が塞がってるんでムリです!」
「はぁ……開けてやるからちょっと待ってろ」
「ありがとうございま――へぶっ!?」
織斑先生へのお礼は最後まで言うことができなかった。
ドアの前から一歩引いた俺は後頭部への衝撃によくわからない声が漏れる。
「梨野君!?」
「大丈夫か、航平!?」
「あ、悪い。前がよく見えてないんだわ。誰か知らんがすまんな」
心配げな山田先生と一夏の言葉、そして見知らぬ男性の声に顔を上げると背後に…段ボールの三段タワーとその段ボール箱を抱え超長身長の男性が立っていた。
「「!?」」
あまりの驚きに一夏とともに呆然しているとその段ボールの脇からひょこりと長い白髪の男性の顔が現れる。
三段の段ボール箱に隠れないほどの大きな体。その段ボールの上から顔を出していたせいで俺のことがよく見えていなかったのだろう。俺の身長の軽く倍はありそうなので身長はゆうに3mはありそうだ。
「おう、悪いな少年。ケガないか?」
その厳つい顔に笑みを浮かべる男に驚きながらも頷く俺。
「そうか。いやぁよかったよかった」
「よかったじゃないよ。ちゃんと前見て歩かないと」
うんうん頷く男の脇からひょっこりと顔をだす白髪の男とは対照的な小柄な女性。
長い髪に口と鼻以外の顔のほとんどを覆い隠すマスク、普段ダボダボの服を愛用する本音以上にダボダボの歩くと地面に引きづってしまうほどの袖が特徴的な女性だった。何より驚きなのはその見た目がおよそ大人とは見えない、子供としか見えない声、体格だった。
「だったらお前が手伝ってくれればいいじゃねぇか、シトリー」
「それはじゃんけんに負けたベリーが悪いよ。しかもじゃんけんで負けた方が荷物を持つっていうの言い出したのはそっちだよ」
「ちぇっ」
シトリ-と呼ばれた少女(?)の言葉に子供の様に口を尖らせたベリーと呼ばれた男は視線を戻す。
「えっと…そっちの黒髪のが織斑一夏で金髪のが梨野航平だったな」
「え、ええ……」
「そうですけど」
「聞いてるかもしれないけど、私たちが今回IS学園の人員強化として派遣されたメンバーで、私がシトリー。こっちのでっかいのが――」
「ベリアルだ。よろしくな」
「まあ詳しくは君らのクラスで授業する時にね」
「は、はあ……」
「えっとじゃあ…俺の同室ってシトリーさんなんですか?」
「んにゃ、違うよ。私は教員側」
「「「教員!?」」」
「――って、山田先生も知らなかったんですか?」
俺と一夏、加えて山田先生まで驚いている。
「え?じゃあ俺の同室の人は……」
「たぶん部屋にいるよ。先に荷解きしてるって言ってたし」
「そうですか……」
シトリーさんの言葉に俺はドアに視線を向ける。
「……………」
「………あぁ、開けられないんだったな」
動かない俺たちに織斑先生が扉を開けてくれる。
「えっと…失礼しまーす」
言いながら部屋に入ると、そこには
「……………」
一人の少女が立っていた。
雪のように白い白髪。その髪を留めるおよそ髪留めとは思えない武骨な機械部品のような髪留め。黒いズボンスタイルのスーツのせいかどこか中性的な、しかし、俺の女装のようななんちゃって美少女とは違う本物の美少女だった。
「…………」
「……あっ!えっと、これから同室になる梨野航平です!ヨロシク!」
荷物を脇に置き、少女に握手を求めて右手を差し出す。
「…………」
「…………」
謎の無言のまま俺の顔と手を交互に見る少女。俺も浮かべていた笑みと右手をキープしたまま無言で待つ。
「…………」
「…………」
「………あ、ベリアルさん、荷物こっちにお願いします」
「え?あ、お、おう」
「……………」
無言のまま俺の背後に視線を向けた少女はベリアルさんに言う。
少女の言葉に頷きながら段ボール箱を少女の脇に置くベリアルさん。
その積み上げられた一番上の箱を下ろし、開けて中身をごそごそとあさりはじめる。
「って、無視かい!」
まるで何事もなかったかのように作業に戻った少女に俺はツッコミを入れる。
「…………」
「おいおい、シロ。せっかくこれから同室になるんだし、自己紹介くらいはよ……」
「そうだそうだ!そっちが指定して来たからこうやって面倒な引っ越しを――」
「はぁ……シロ、別にヨロシクしなくてもいいから」
「ため息ついてんじゃねぇよ!」
めんどくさそうにため息をつきながら顔を上げた少女、シロに再度叫ぶ。
「なんだよ、その態度!そっちが来いって言うからわざわざ――」
「私頼んでない」
「はぁ!?」
「その条件出したの上の人だから。私としては正直勘弁してほしい」
「え、お前そんなにイヤだったのか?」
シロの言葉にベリアルが呆けた顔をする。
「イヤです。だって…コイツ…」
ベリアルさんに答えながら俺の顔を指さす。
「すごいザコっぽいし」
眠たげな眼でさらっとこともなげに言う。
「テンション高いし、無駄に。熱血だし…無駄に。髪…長いし……無駄に」
スラスラと俺への悪口がその口から飛び出る。
「まあその…あれです…。なんか…私…コイツ、ダメです。生理的に」
「なっ、何だよ…。……お前!ベリアルさんやシトリーさんはもっといい人だぞ!ホントに同じ組織の人間か!?――って、おい!聞いてんのか!?」
俺の声なんか右から左へ受け流し、さっさと荷解きを再開するシロ。
「ぐっ!?…おい!!っのぉ…!話を、聞け!よ!!」
が、まったく聞く耳もたずすいすいと机や本棚に教科書や本を運んでいく。
「~~~~!!――!」
俺はそんな姿にイライラしながらもあることに気が付く。シロの服のサイズが合っていないのかズボンがダボダボなのだ。しかも何度か折ってはいるがそれでもダボッとしている。
「ハハッ!お前!その服ダボダボじゃん!ムリすんなよ!チィ~~ビ!!」
シュッ ビィィィン
「…………」
見ると俺の頬をかすめて壁に突き刺さっていた、三角定規が。
「ソコ」
定規を投げたらしい左手を上げた態勢で一層目を細めて俺を睨む少女、シロ。
「――お黙り」
「ゴメンナサイ、イイスギマシタ…」
顔に嫌な汗が浮かぶのを感じながら俺は頭を下げる。
「…………」
「そっ…そんな目で見られても…な」
じぃ…っと助けを求めてベリアルさんを見るが苦笑い気味で答える。
「…………」
「まあ…問題だけは起こすな。私からはそれだけだ」
続いて助けを求めた千冬さんは肩をすくめて言われ
「…………」
「えっと…わ、私は梨野君の性格とか髪型は変だとは思いませんよ!」
次に助けを求めた真耶さんからはフォロー(?)をもらい
「…………」
「えっと……くじけるなよ、航平!」
一夏に至っては謎の声援を送られた。
「…………」
これからの前途に俺はがっくりとうなだれたのだった。
「あ、一緒の部屋にいるからって変な事したらぶっ殺すから」
「…………」
まじで前途多難である。
改めましてお久しぶりです。
いい加減タグに不定期更新タグ追加した方がいいかもと思ってしまうくらいの頻度になってきた大同爽です。
さて、今回の話で以前にもちょろっと出ていたキャラクターたちが本格的に参加でございます。
この三人はタグにもあるトライピースのキャラですが、設定とかいじってますし、トライピース知らない人でもわかるように書くんで。
ちなみに、この三人以外にも以降トラピのキャラはでてくると思います。
こうご期待!