平凡なな方ばっかり更新してて本当にすみません。
これからはもっとこっちも更新しますんで。m(__)m
「フッ……フッ……フッ……」
俺は一定のリズムで呼吸をしながら早朝トレーニングの走り込みをする。
最近は二人の先生の特別特訓のおかげで朝はなかなか起きれないので少しお休みすることが多かったが、昨日は特別に特訓が控えめだった。
と、言うのも、今日から二学期が始まるのだ。これまでは夏休みということもありみっちりとやっていた特訓も授業に支障が出てはまずいということでこれからは少し控えめになるだろう。まあ――
「控えめって言ってもハードなんだろうなぁ……」
俺は言いながら少しづつスピードを緩め、荷物を置いていたスタート地点で歩を止める。
「ふぅ……」
俺は一つ息を吐き、額や首元をつたう汗を拭く。
「この後も学校だし…トレーニングは控えめにしとこうかな……明日からは戻していくか……」
言いながら顔の汗をごしごしと拭く。
「ふぅ……さて、のど乾いたしドリンク――」
「はい、これ」
「ありがとうございます。あぁ~乾いた喉が潤う――って誰!?」
横から渡されたペットボトルを飲もうとしたところで違和感に気付きガバッとそちらに顔を向ける。そこには――
「フフフ。励んでるわね」
落ち着いた笑みを浮かべる女性が立っていた。
口元に取り出した扇子をあて、困惑する俺に悪戯っぽい笑みを浮かべて言う女性。
制服を着ているおり、リボンの色で一個上の先輩だとわかる。
先輩だからなのかどこか落ち着いた、余裕を感じさせる、しかしかと思えば悪戯っこのような子供っぽい雰囲気も見せる。はっきり言ってよくわからない人だった。
「えっと……あの……え?」
俺は首を傾げながら挙動不審に女性と女性に渡された飲み物、周りにまできょろきょろと視線を向けながらどうにかこの状況を理解しようとするが、やはりだめだった。誰この人!?
「まあまあ落ち着いて。ほら、それ飲んで落ち着いたら?」
「あ、はい」
言われてペットボトルのキャップを開けて口を付ける。乾いた喉をスポーツドリンクが潤す。
「……ぷはっ」
「アハハ。おいしそうに飲むわね。まだまだ暑いんだから水分補給はこまめにね」
「あ、はい…気を付けます」
「まあ私も君を待ってる途中一口飲んだんだけどね~」
「は?」
謎の女性の言葉に俺は一瞬フリーズする。
「もちろん自分の分をね」
「…………」
ニッコリと笑みを浮かべながら自分のペットボトルを取り出した女性に俺は呆然とする。
「……あ、いま間接キス期待した?」
「なっ!?」
「ごめんね~、期待させちゃって」
「別に期待とか――」
「あっ!あれって!」
「え?」
俺の言葉を遮るように俺の後ろを指さした女性につられて振り返るが、そこには――
「あの、何もありませんけど……」
言いながら視線を戻したが
「あれ?あの人は?」
先ほどまでいたはずの女性は忽然と姿を消していた。
「なんだったんだ…今のは……?」
呆然としながらももう一度スポーツドリンクを飲み、意識を切り替えようとするが、やっぱりよくわからなかった。
「でも……なんでだろう。あの人どこかで………」
ふと、初対面のはずなのにどことなく見覚えのある気がしながら、俺は終始首を傾げていた。
○
「……何?変顔の練習?」
なんともよくわからない出来事の後、考え事をしながら部屋に戻ると、朝起きた時にはいなかった同室の白髪の少女――シロの冷たい言葉が俺を出迎える。
「いや…ちょっと考え事を……」
「アンタが?似合わないしやるだけ無駄でしょ」
「お前ホント俺に対して容赦ねえな!そんなに俺のこと嫌いか!?」
「嫌いじゃない。生理的に無理なだけ」
「よりたちが悪いなぁ」
げんなりする俺の言葉にもフンッと鼻を鳴らすだけで特に何も言わず立ち上がる。
「てか一個訊いていい?」
「なに?」
「スーツもそうだけど、なんで男子の制服なの?」
シロの服装は俺や一夏と同じIS学園の〝男子の〟制服だった。以前のスーツの如くダボダボということもなくちゃんと体格にあった制服だった。
「アンタに関係ないでしょ」
「っ!はいはいそうですね、その通りですね!」
「わかっているなら聞かないで。めんどくさい」
「~~~~っ!」
いちいちイラつくやつだなコイツ。
「じゃ、私行くとこあるから先行くわ。アンタもとっととシャワー浴びてきたら?汗臭い」
「へいへい、そうさせていただきます!」
○
「はぁ~」
朝食を食べながら俺は深い溜息を吐く。朝から面倒なことばかりだった。
「どうしたのナッシー?深いため息ついちゃって」
「幸せが逃げちゃう」
俺のため息に一緒に食べていた本音と更識さんが訊く。
「朝から変なことと疲れることにあっただけ」
「変なこと?」
「疲れること?」
俺の言葉にふたりが首を傾げる。
「まあいろいろあったんだ……いろいろ……」
言いながら俺は朝食の和食セットの味噌汁を啜る。
「ん~よくわからないけどお疲れさまー」
本音が相変わらずののほほんとした雰囲気で言いながらヨーグルトを食べている。
「……そう言えば朝のあの人…あの人どっかで………」
朝の女性を思い出しながら俺はふと更識さんに視線を向ける。
「…………」
「……ん?何?」
「あ…いや……実は今朝あった変な人が――」
「おう、航平。おはよう。ここいいか?」
と、朝の女性のことを訊こうとしたところで背後から声がする。
振り返ると一夏がお盆を手に立っていた。
「ああ、一夏。いいぜ、ここに――」
「ごちそうさま。私先に行くから」
俺が前の席を指したところでガタリと更識さんがお盆を持って立ち上がる。
「え、更識さ――」
「じゃあお先に」
呼び止める間もなくスタスタと去って行く更識さんに呆然としながら見送る。
「……えっと、とりあえず俺は座ってもいいのか?」
「あ、うん。どうぞ」
一夏の言葉に俺が頷く中
「ん~……やっぱりか~……」
俺のとなりで本音がぼそっと呟いていたが、俺はその意味を知ることもなく、またタイミングを逃し、詳しく訊き返すこともできなかった。