IS~無い物だらけの物語~(休載中)   作:大同爽

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第84話 きつね

「あぁん……?」

 

 一夏のISを『リムーバー』を使って強制的に引き剥がした、巻上――オータムはISを纏ったままとどめを刺すべく一夏へと踏み出した足を止めた。

 背後から感じた気配、それをあえて言葉にするならば、「死」の感触。

 頭髪が皮膚にこすれるのを不快に感じる。

 全身の体毛がヂリヂリと逆立っていくのがわかる。

 頬を伝う汗が鉛のように重い。

 例えるならば、つい先程まで何もないと思ていた場所に、手投げ弾が落ちていた時のような。

 全身のあらゆる神経が針のように研ぎ澄まされていくのを感じながらオータムはゆっくりと振り返る。

 そこには床に手をつき立ち上がろうとする、先程自身が切り裂いたはずの少年――航平の姿があった。

 航平はゆらりと立ち上がる。顔は無造作に下ろされた髪に隠れて口元以外うかがえない。その胸元には右肩から脇腹まで斜めに切られた傷があり、今もなおその胸からは血が流れ出ている。

 

「…………」

 

「航平……?」

 

 警戒した様子で見るオータムの後ろでその光景に一夏も困惑した様子で呟く。

 

「肋骨から腸まで掻っ捌くつもりで斬ったんだが……殺しちゃいけねぇと思って知らず知らずのうちに手ぇ抜いちまったか、なぁ?」

 

首元を掻きながら言うオータムの目の前で、周りの様子を窺うように見渡していた航平はくるんとオータムたちの方へ向き直る。

 

「(…雰囲気がまるで別人だ。瀕死の状態からの覚醒ってか?)けっ、出来過ぎだぜ、このやろう」

 

 顔を顰めるオータムに航平は何も感情の窺えない様子でただ突っ立って見ている。

 

「だが、その傷、あながちダメージがない訳でもねぇみてぇだな。下手に動くと早死にするぞ?」

 

 オータムの言葉にゆったりとした動きで自身の胸元を見た航平は顔を上げ、流れるような動作で右腕を前に突き出すようにすうぅ…っと構える。

 

「そっちから来る気かよ。上等だ。来いよぉっ!」

 

 それを見てオータムは獰猛な笑みを浮かべる。

航平は前に突き出した手を人差し指と小指を立て親指と中指と薬指をくっつける様に向ける。それはまるで

 

「きつね」

 

 言葉通りの一般的に手遊びとして行われる狐のサインであった。

 

「何かしてくると思ったでしょ?あはは、こんこん!」

 

 そこしか見えない口元にのほほんとした朗らかな笑みを浮かべる航平。

 そんな航平にオータムは――

 

 ドンッ!

 

 航平に向けて拳を叩き込む。その威力と衝撃に床が叩き割れて陥没する。

 

 トン

 

 しかし、オータムの腕の下には砕けた瓦礫以外何もなく、オータムの左わきの上、ロッカーの側面に着地するように足を着き、ロッカーの上部分を右手で掴み自重を支える。

 

「てめぇは私を見下した。殺す!」

 

「そう言われちゃ、こっちも何もしないわけにはいかないよ?」

 

 航平の言葉に答えず、オータムは地面を蹴り、一瞬で目の前にまで接近する。

 

「!」

 

 すぐに目の前のオータムへ視線を合わせる航平。

 そんな航平へオータムは振りかぶり左手を手刀で構え高速で突き出す。

 

「ひょい」

 

 それを難なく余裕の動作で口で擬音を言いながら避ける。航平の顔の脇でオータムの手刀がロッカーに突き刺さる。

 そんな航平の様子に、しかしオータムはにぃと笑みを浮かべ

 

「串刺しになれ!」

 

 蜘蛛状の腰から生える自身のモノも含めて計八本の足を広げ、航平へと高速で打ち込む。

 

「あらよっと」

 

 が、その攻撃を航平は顔の脇に突き刺さったオータムの腕を掴んでそのまま逆上がりするように回る。回転した直後一瞬前まで航平のいた場所に八本のオータムの足が刺さる。

 そのまま一度オータムの腕の上に降り立った航平はそこから飛び降りる。

 

「てめぇちょこまかと!」

 

 腕を引き抜いたオータムは航平を追って飛び掛かる。

 それを見ながら飛び退こうとした航平だったが

 

「逃がすかよぉ!!」

 

 オータムが左腕を突き出す。その掌から糸が飛び出す。

 

「?」

 

 それが航平と床に絡みつく。航平は足を引っ張るが伸びるばかりで引き戻される。

 

「でかいのいくぜぇ!!」

 

 そのまま大きく右腕を振りかぶるオータム。

そんな中航平は特に焦った様子もなく再び左手を上げてすっと狐のハンドサインをする。

 

「まだふざけやがるか!」

 

 オータムは叫びながら拳を放つ。が――

 

「っ!」

 

目の前で屈むように膝を折った航平はそのままオータムの拳を避け、さらにその腕を右手の甲でグンと上へ押し上げる。

 

 ビスッ

 

そのまま左手を狐のまま突き出す。その手が一瞬煌めき左手のみ部分展開で『打鉄』を纏い、その手がオータムの方に突き刺さる。

 

「っ!?」

 

 その指は的確に肩関節の接続部分、その隙間へと潜り込み

 

ばぐん!ごぎぃ!

 

 狐の口を開く動きでそのまま関節部分を強引に開く。鈍い音と共にオータムの右肩に紫電が一瞬走り、直後だらりとオータムの右腕が力なく垂れさがる。

 

「てめぇ関節をっ!?」

 

 その衝撃にオータムが息を飲む。その一瞬の隙を見逃さず、オータムの肩から腕を引き抜いた航平はそのまま体を回転させる。

 航平の右腕が煌めき左腕同様に『打鉄』が部分展開される。そのまま合わせる様に構えた両手の中に光が集まるように煌めき一瞬で近接ブレードが生成され、それを回転の勢いのまま振り下ろす。

 それは鋭い上段からの斬撃となってオータムの背後の蜘蛛の胴体のような部分へ、振り下ろされ、その右側に並ぶ三本の足を斬り落とす。

 

「なっ!?」

 

 さらに驚愕するオータムに振り向きざまに航平は左手を握り込み

 

 ぼごぉ!

 

 容赦なくオータムの顔面へと叩き込む。その一撃でオータムのバイザーが砕け散る。

 

(ぐ……岩石かよあの拳は……!!)

 

 ダメージにオータムは顔を顰める。が、それで航平の手が止まることなく、さらに攻撃が加えられる。

 そこからは戦闘ともいえない一方的な虐殺となった。

 全身ISを纏った航平の攻撃を受け少しずつ装甲を砕かれ一撃ごとにボロボロになっていく。

 そして――

 

「…………」

 

 だらりと力なくされるがままとなったオータムの首を掴んで持ち上げる航平。

 

「ん?」

 

 と、オータムが何かを持っていることに気付いた航平はそれを空いていた右手で掴む。

 

「これは……」

 

 それをじっと見つめる航平。それは先程リムーバーを使って回収した一夏のIS『白式』のコアだ

 

「いらね」

 

 それを特に興味なさそうにポイッとほおる。

 

「うわととっ!?」

 

 それは弧を描いて今まで呆然とその光景を眺めていた一夏の元に飛んで来て、慌てて一夏はそれを受け止める。

 

「はいトドメ――」

 

 そんな一夏を見ずオータムに視線を向けた航平は右腕を握り込み、すっと中指を立てて構え

 

(デス)

 

 そのままオータムへ突――こうとしたとき、その手が急に方向転換し航平自身の顔面へと叩き込まれる

 

「!?」

 

 呆然とする中オータムを掴んでいた手が離される。

 

「いたいな」

 

 顔面に拳を当てたまま航平が呟くように口を開く。

 

「――邪魔しないでよ、〝もう一人の俺〟」

 

 その呟きの意味が分からず茫然とするオータムと一夏。そんな中最初に口を開いたのは

 

「そこまでよ」

 

 第4の人物だった。

 

「「っ!?」」

 

 その声に慌てて顔を向けた一夏とオータムの視線の先には

 

「なんだか予想外の光景だけど、とにかく全員その場を動かないで頂戴ね」

 

 そう言って現れたのは更識楯無その人だった。

 

「『亡国機業』のオータムさんも悪いけど大人しくしてもらえるかしら?」

 

「っ!?チィ!!こんなところでぇぇぇ!!」

 

 楯無の言葉に悔し気に叫んだオータム。

 その言葉の直後オータムの腰部分の蜘蛛の胴体が分離し機械的な動きと怪しい赤い光の点滅で歩き始める。

 

「っ!?危ない!!」

 

 その光景に慌ててISを纏った楯無は生身の一夏の元に飛び、そんな光景を尻目に航平は両脇に並ぶロッカーに視線を向けて左側のロッカーを徐にむんずと掴み

 

ドガァァァン!

 

 大きな爆発とともにあたりが煙に包まれる。

 

「航平!!」

 

 煙に包まれる中楯無のISが展開する水のシールドによって守られた一夏が叫ぶ。

 少しずつ煙が晴れていく中、その煙の向こうから人影が現れる。

 

「あぁあ、逃げられた」

 

 ボロボロになった、先程まで九個のロッカーがくっついて一つになっていたものだったはずのそれをポイと投げ捨てた航平がつまらなそうに言う。

 

「よかった!無事だったんだ――」

 

 言いながら駆け寄ろうとした一夏をスッと手を出して楯無が制す。

 

「梨野航平君……いえ、恐らく今のあなたは別人なのかしらね?」

 

「…………」

 

 楯無の言葉にかくんと首だけを傾げる様に視線を向ける航平。

 それによってここまで髪で隠れていた航平の顔が見える。

 その眼はこれまでの航平と同一人物とは思えないほど冷たい、何の感情の温度も見えない瞳だった。

 

「とりあえず、同行してもらえるかしら?」

 

「嫌って言ったら?」

 

「実力行使するわ」

 

 航平の問いに楯無はその右腕に白いランスを生成し航平へと向ける。

 

「はぁ……だるい……」

 

 ため息をつきながら脱力したまま、しかし、同行する様子もなく航平は楯無へと身体を向ける。

 

「…………」

 

 航平の様子に楯無は身構え

 

「っ!」

 

 一歩踏み出すと同時に加速しランスで航平を突くべく突進する。

 が、それをひらりと躱す航平。

 そんな航平にさらに追撃としてランスを斜め上へと振り上げる。

 しかし、それも難なく避け――

 

「っ!」

 

 その姿勢のまま航平が不自然に体を固まらせる。

 

「そこっ!」

 

 跳び上がりランスを逆手に持った楯無はそのまま航平へ突き刺そうとランスを振り落ろし

 

「よっと」

 

 一瞬早く硬直から戻った航平がくるりとその一撃を避ける。

 

「くっ!」

 

 ランスの切っ先を床に触れるか触れないかの高さで止めて悔し気に声を漏らした楯無。

 

「まだよ!」

 

 航平に攻撃に転じさせない勢いで再び攻撃を仕掛ける。

 航平はそんな猛追を軽い動きで避け続ける。が――

 

「っ!」

 

 上から振り下ろされたランスを避けた航平が再び身体を反らした姿勢で硬直する。

 

「そこっ!」

 

 横薙ぎの振りでランスを振るう楯無。しかし、それも直前で硬直の解けた航平が寸でのところで飛び退いて避ける。

 

「~~~~~!もう!」

 

 と、直後腹立たしげな様子で楯無が叫ぶ。

 楯無の視界の先であ左手で自分の頭を殴り続ける航平の姿があり

 

「ちょっと!動き止められるならしっかり止めてよ!!」

 

 ごすごすごすと自分の頭を殴り続ける航平は

 

「…無茶言わないでくださいよ!一瞬止めるので精一杯なんですよっ!!」

 

 普段と変わらぬ表情豊かな航平の顔になっていた。

 

「てか、さっきから会長ガチ目に攻撃してますよね!?」

 

「そりゃそうでしょ!止めるためにはまずはISを解除させないといけないの!こうなったらシールドエネルギー削りきるしかないでしょ!!」

 

 楯無と会話を続ける間も自分を殴り続けていた航平だったが、それが突如ぴたりと止める。

 

「……………………」

 

 まただらりと顔を下げた航平は顔を上げる。

 その表情は一瞬見せた普段の航平とは違い、やはり冷たい瞳と能面のような感情の薄いで表情で

 

「『共闘』とかまじ萎える」

 

「っ!また出たわねっ」

 

 その顔に顔を顰めた楯無が再びランスを構え――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ったくよう!」

 

 真っ白ななにもない空間で二人の人物が戦っていた。

 その二人は同じ顔で、しかし、片方は感情に溢れる瞳で悔しそうに顔を顰めながら拳を振るい、もう片方は冷たい何の感情も見えない瞳で無表情にその攻撃を全てひょいひょいと躱し続ける。

 

「唐突に…!現れて!!」

 

 拳を振るい続ける方――以前までの航平は叫びながら拳を振るう。

 

「一体何なんだよ!?お前は!!?」

 

 そんな航平の拳を相対する航平――オータムに斬られた直後からの豹変したもう一人の航平が難なくぱしっと受け止め

 

「俺は君であり君じゃない」

 

「はぁ!?お前何言ってんだ!?」

 

 航平の拳をぺいっと放ったもう一人の航平は

 

「君は『解離性同一性障害』を知っているかい?」

 

「かい……?」

 

「一般的には『多重人格』って言われてるものだよ」

 

「まあ……名前くらいなら……」

 

 航平は首を傾げながら頷く。

 

「本来の君――『解離性同一性障害』に当てはめて言うなら『主人格』の君は記憶を失い、その結果生まれたのが君」

 

 言いながらもう一人の航平はゆっくりと航平を指さし

 

「君は記憶を失った直後に生まれたクズ人格なんだよ」

 

「クズッ!?」

 

 目の前の自分と同じ顔をした人物の言葉に航平はショックを受ける。

 

「じゃ、じゃあお前は記憶を失う前の、本来の俺なのか?」

 

「いんや。違うよ」

 

「へ?」

 

 もう一人の航平の言葉に航平が呆ける。

 

「じゃあ……お前誰なんだよ?」

 

「俺は第三の人格、かな」

 

 言いながらもう一人の航平は自身の胸元に手を当てる。そこには右肩から脇腹にかけての大きな傷がある。その傷をなぞりながら目の前の航平へと向ける。

 

「君が受けたさっきの攻撃、これのお陰で少しだけど昔の記憶が戻りかけた。でも、その記憶はあまりにも今のぬるま湯につかった君とはかけ離れたものだった。そのギャップから精神へ不調をきたさないように脳が無意識に生み出したのが…俺さ」

 

「それって……」

 

「俺は昔の君を知っている。同時に今の君も知っている。そう言う人格の俺なのさ」

 

 言いながらもう一人の航平はジッと観察するように航平を見据える。

 

「……航平、君はとてもキレイな目をしているね」

 

「なっ」

 

 突然の言葉に困惑する航平だったが

 

「すごく不愉快」

 

 続いた言葉に顔を引き締める。

 

「君は限られた世界しか知らない。だからこそそんなキレイな目でいられるんだろうね」

 

 目の前のもう一人の自分の言葉を聞きながら航平は息を飲む。自分の目をキレイだと言うその自分はどうしようもないほどに淀み濁っていた。

 

「君は、世界を知らなすぎる。そうしなってしまったのは君の責任では無いけど、このままじゃ君があまりにも不憫だ。だから――」

 

 言いながら自然な動きですっと近づいたもう一人航平は航平の胸へ手を当て

 

「だから少しだけ、思い出させてあげるね」

 

 その腕がぶずっと沈み込む。

 

「なっ!?」

 

 困惑する航平を冷たい瞳に映しながらドンドンと沈み込んでいき

 

「――この世界の事、それから、戦争ってものを…ね?」

 

 そして、ふと気付いたとき

 

「……お花畑」

 

 航平は広大な花畑に座り込んでいた。

 見渡す限り、色とりどりの花、華、ハナ。

 そんな中で

 

ゾッ

 

「?」

 

 自分の足元の花の影に何かが蠢いた気がした。

 視線を向け、注意して見てみると、それは――

 

「っ!」

 

 悍ましいまでの、無数の蟲が蠢いていた。

 そんな蟲達が無造作に投げ出していた右腕から伝って登ってくる。

 改めて見渡せばその蟲達がふれたところからどんどんとボロボロと腐り落ちていく。

 

「!!?飲まれ――」

 

 

 

戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争戦争銃銃銃弾弾弾銃銃銃弾弾弾銃銃銃弾弾弾銃銃銃弾弾弾銃銃銃弾弾弾銃銃銃弾弾弾銃銃銃弾弾弾銃銃銃弾弾弾銃銃銃弾弾弾銃銃銃弾弾弾銃銃銃弾弾弾銃銃銃弾弾弾銃銃銃弾弾弾銃銃銃弾弾弾銃銃銃弾弾弾銃銃銃弾弾弾銃銃銃弾弾弾銃銃銃弾弾弾銃銃銃弾弾弾銃銃銃弾弾弾孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力暴力幸福幸福幸福幸福幸福幸福幸福幸福幸福幸福幸福幸福幸福幸福幸福幸福幸福幸福幸福幸福憤怒嫉妬強欲怠惰傲慢暴食色欲虚飾憂鬱憤怒嫉妬強欲怠惰傲慢暴食色欲虚飾憂鬱憤怒嫉妬強欲怠惰傲慢暴食色欲虚飾憂鬱憤怒嫉妬強欲怠惰傲慢暴食色欲虚飾憂鬱憤怒嫉妬強欲怠惰傲慢暴食色欲虚飾憂鬱憤怒嫉妬強欲怠惰傲慢暴食色欲虚飾憂鬱憤怒嫉妬強欲怠惰傲慢暴食色欲虚飾憂鬱憤怒嫉妬強欲怠惰傲慢暴食色欲虚飾憂鬱憤怒嫉妬強欲怠惰傲慢暴食色欲虚飾憂鬱憤怒嫉妬強欲怠惰傲慢暴食色欲虚飾憂鬱憤怒嫉妬強欲怠惰傲慢暴食色欲虚飾憂鬱無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい生きたい

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「はっ……はっ……はっ……はっ……はっ……はっ……はっ……」

 

「どうだった?」

 

 気付けば真っ白な空間に戻ってきていた。

 土下座をするように倒れ伏し荒い息を吐きながら目を見開く航平にもう一人の航平は問う。

 

「今気分最悪でしょ?」

 

「……これが」

 

 なおも問いかけるもう一人の航平に、航平は口を開く

 

「これが、この世界なのか……?」

 

「そ」

 

 航平の問いにもう一人の航平は簡素に答える。

 

「…世界は…戦争は…こんな…こんなに!こんなにも…!!」

 

 ガタガタと震えながら譫言の様に呟く航平。

 

「前の俺は…そんな世界にいたって言うのか…?」

 

「わかったでしょ?君が今生きるこの世界がどんなに醜く狂ってるか。そんな狂った世界に君は生きていたってことが」

 

「…ああ、わかった」

 

 もう一人の航平の言葉に航平は頷き

 

「…わかったからこそ、このままじゃダメだって分かった」

 

 そう言ってグッと拳をついて航平は立ち上がる。

 その顔は少し泣き腫らしてはいるものの強い覚悟を秘めていた。

 

「俺は、思い出さなきゃいけないんだ、絶対に」

 

「……………」

 

 そんな航平の顔をじっと見てもうひとりの航平は

 

「フッ」

 

 口元に柔らかい笑みを浮かべる。

 

「…君は俺と違って前向きだね。うん。前よりも良い目になったじゃないか!」

 

 嬉しそうに朗らかに笑うもう一人の航平に航平はじっと見つめ返し

 

「……お前は――本当の俺たちはいったい何者なんだ?」

 

 問いかける。

 

「…正義なのか、悪なのか、味方なのか、それとも…」

 

「それは俺の決める事じゃない、君の決める事だ」

 

 言いながらスッと航平を指し示す。

 

「…………」

 

「それじゃ、俺はもう帰るよ」

 

 そう言ってもう一人の航平は身を翻す。が――

 

「きつね!」

 

 左手で狐のハンドサインを作り、くすっと笑みを浮かべる。

 

「え」

 

 その光景に一瞬虚を突かれる航平。そんな航平を尻目に今度こそもう一人の航平は今度こそ歩いていき、壁に手をついたかと思うとそのままずぶぶっと沈み込むように

 

「じゃあね、バイバイ」

 

 そのまま壁の中に消えていった。

 

「…………」

 

 呆然とそれを見送った航平は

 

「……変なやつ、我ながら」

 

 言いながら壁に歩みよりこん、と壁に拳を当てる。

 

「…ちぇっ、結局俺の正体はわからずじまいか…」

 

 ため息をつきながら、しかし、ふと違和感を覚える。

 

「…………?…何だこりゃ?」

 

 自分の手をじっと見つめた航平は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!――お、戻った!」

 

 瞬きをした瞬間目の前に広がる光景が無機質な真っ白な空間からつい先ほどまで見ていたIS学園の更衣室で、目の前には――

 

「はぁぁぁぁっ!!!」

 

 ランスを構え全力で飛び込んで来る楯無の姿があった。

 

「あ、会長!もう大丈夫!アイツもう引っ込んだ!」

 

「え――あっ!」

 

 突然のことに咄嗟に攻撃を緩めることができなかった楯無はそのままの勢いを殺すことができずそのまま航平へと

 

ぴすっ

 

「――え」

 

 右手で狐のハンドサインをした航平が突進してきた槍の切っ先を摘まむように受け止める。

 

「もう…気を付けてくださいよ」

 

「う、うん…ごめん…なさい……」

 

 顔は同じだがつい今しがた戦っていた人物とは違い、少し前の航平と今目の前にいる航平は同じに見える。が、何かが違う気がする。

 

「……ん、なんか体が変…?」

 

 自分の身体をペタペタと触りながら首を傾げる航平。

 

(一瞬気を抜いて全力ではなかったにしろ、今のはかなり渾身の一撃だったのよ!!?)

 

 そんな航平を見ながら人知れず息を飲む。

 

「なんか、今の俺、超強い――気がするんだけど…」

 

(私もそんな気がする!)

 

「……?はっ!〝アイツ〟の感覚が…残ってる?」

 

 はっとしながら手を狐にしながら一人納得したように頷く航平。

 

(よく分からないけど、私の本能がぎゃんぎゃん悲鳴を上げてる!この子…予想以上にヤバイ!!)

 

「航平!」

 

 と、そんな楯無の困惑をよそに一夏が慌てた様子で航平へ駆け寄る。

 

「おぉ一夏!お前無事だったか?」

 

「ああ、お陰様で――じゃなくてっ!!問題はお前の方だよ!!」

 

「ん?何言って……」

 

 一夏の言葉に首を傾げた航平は

 

「あれ?」

 

 そのまま膝をつく。

 

「なんか……体に力が……」

 

「っ!楯無さんっ!」

 

「まずいわね、血を失い過ぎた。すぐに医療室へ連れてかないと」

 

 慌てたように言う一夏と楯無の言葉を聞きながら、航平の意識は暗転していくのだった。

 

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