空から舞い降りた天人に刀を奪われ、今の江戸は妙な文明の光と泥臭い連中がうごめく不条理な街になってしまいました。天下の将軍・徳川茂茂様が今日もどこかで不運にもマゲを狙われている、そんな相変わらず平和(?)で騒がしい時代です。
……ですが、そんな日常の裏側で、いよいよとんでもない事件が起きていました。
パチンコ狂いで借金の督促に頭を悩ませていただけの我が万事屋の銀さんがですね、ある夜謎の事故に巻き込まれたんです。普通なら跡形もなく消し飛んでいるはずなのに、あろうことか生き残り……あいにく「第一の精霊の受容体」とかいう、名前を聞くだけで胃に穴が開きそうな謎の特殊体質をその身に強制的に刻み込まれてしまったんですよ!
――しかもですよ?
この世界、さらにタチが悪いことに、あろうことかあのグータラな銀さんの『血の繋がらない義理の妹』である坂田琴里が、万事屋の家計と生活を完全に牛耳り始めたんです!
新八「ここからは作者が Geminiに頼らず書いたことなんですか、折り紙さんの二次創作での設定がなってないんですよね、ごめんなさい!」
第一章:絶対神『ゴットリ』の降臨と、天パの国語教師
「……というわけで兄さん。今日からあなたは、この高校の国語教師として勤務してもらうわ」
万事屋のちゃぶ台にドカッと置かれたのは、一枚の採用通知書と教員免許状だった。
黒いリボンを結び、チュッパチャップスを舐めながら冷徹な瞳で兄を見下ろす義妹――坂田琴里。
その向かいで、ボサボサの天然パーマを掻きむしりながら白目を剥いているのが、万事屋の主(にして現在は無職同然)の坂田銀時である。
「……ちょっと待て琴里。俺はジャンプの発売日すら怪しい男だぞ? 教師? 聖職者? 無理無理無理無理! 俺が教壇に立ったら三秒で生徒をパチンコ屋に引率するか、保健室で昼寝して給料泥棒になる未来しか見えねぇよ!」
「文句を言わないの。これはあの地区を日常的に監視するための最も都合の良い配置なのよ。第一、今の万事屋の財政状況を分かってるの?」
琴里は手元のノートを開き、冷徹な口調でペンを走らせる。
「家賃三ヶ月滞納、パチンコの負け額、イチゴミルクのツケ……全部でいくらになると思う? 本来なら即座に路頭に迷って野宿確定のところを、私がどこからか引っ張ってきた謎の資金で立て替えてあげてるの。……分かったら大人しく教壇に立ちなさい、この天パ無職」
「ぐ、ぐぬぬ……! どこから引っ張ってきた資金だよ怖ぇよ! お前どこぞの闇金と繋がってんじゃねぇだろうな!?」
反論のぐの音も出ない銀時を横目に、万事屋の居間の扉がバターンと威勢よく開いた。
入ってきたのは、万事屋の従業員である神楽と志村新八である。
「琴里様……いや、ゴットリ様ぁぁぁーーっ!!」
神楽と新八は、まるで後光が差す救世主を見るような目で琴里の前にひれ伏した。
「今月の給料と危険手当、確かに受け取ったアル! これで高級酢昆布が箱買いできるネ! 銀ちゃんみたいな真っ当に給料も払えないプー太郎に比べて、ゴットリ様はまさに神! スーパーサイヤ人がフュージョンしたレベルの救済神アル!」
「そうですゴットリ様! おかげで僕もずっと買えなかった眼鏡のメンテナンス代と家計費が浮きました! 僕たち、生涯ゴットリ様についていきます! 銀さん? ああ、あんな天パは教員免許でも何でも奪われてどこかのマグロ漁船にでも売られればいいんですよ!」
「お前らぁぁぁ! 誰のおかげでこの事務所で飯食えてると思ってんだコラァ! 完全に妹側に寝返ってんじゃねぇか!」
絶叫する銀時に対し、琴里(ゴットリ)は白いリボンに結び変え、チュッパチャップスを咥えながら無邪気に微笑んだ。
「ふふ、頼りにしてるわよ、兄さん♪ あ、そうそう。今日の晩御飯は、兄さんがちゃんと初出勤できたら『もやし炒め』から『豚肉入りもやし炒め』にランクアップしてあげるわね」
「ハードルが低すぎるだろぉぉぉ!! 豚肉数片で俺の尊厳を買い叩くんじゃねぇぇぇ!!」
第二章:万事屋の日常と、妹の主導権
給料袋を大事そうに懐に仕舞い込んだ神楽と新八は、すっかり琴里の味方としてちゃぶ台の周りに座り直した。
「それにしても銀さん、いくらゴットリ様が手配してくれたとはいえ、本当に教師なんて務まるんですか? 生徒に『ジャンプの主人公とは何たるか』とか説教し始めて、一日でクビになりそうですけど」
「新八、甘いネ。銀ちゃんは授業中に寝てそのまま給料を貰う気満々アル。そんなダメ人間に世の中の甘さを教えてやるためにも、ゴットリ様には厳しくビシバシしごいてほしいネ」
神楽と新八の冷ややかな視線を受け、銀時は着流しの胸元をガリガリと掻きながら溜め息をついた。
「お前らなぁ、妹の小遣いトラップにコロッと騙されやがって……大体、琴里。お前こんな大金をどこから用意したんだよ。怪しい壺の絵画商法とか、闇の組織のアルバイトとか手ぇ出してねぇだろうな?」
「失礼ね。ちゃんとした正当なルートで調達した資金よ。……文句があるなら、自分でパチンコ以外の方法でお金を稼いできてから言いなさい」
黒いリボンをチラつかせながら吐き捨てる琴里に、銀時は「うっ……」と絶句する。
「とにかく、遅刻したら晩御飯抜きだからね。ほら、兄さん、さっさと準備して!」
「はいはい、分かりましたよ……ったく、どっちが年上だか分かりやしねぇ……」
第三章:スクーター通学と、謎多き妹
準備を終えた銀時は、愛車の銀色スクーター(原付)を事務所の前へ引き出してきた。
後ろのシートには、制服姿の琴里が白いリボンをゆらゆらと揺らしながらちょこんと腰掛ける。
「ほら、ヘルメット被れ琴里。振り落とされても知らねぇぞ」
「はいはい。兄さんこそ、ちゃんと安全運転で中学校まで送り届けなさいよね。途中でパチンコ屋に寄り道したら、今夜のご飯は本当にもやしだけにするわよ」
「分かったよ……たく、妹を中学まで送迎してから自分は高校で教師かい。どんな地獄のモーニングルーティンだよ……」
ぶすぶすと煙を吐き出しながら、銀時はスクーターのアクセルを吹かす。
琴里は銀時の腰にしっかりと両手を回し、白リボンモードの無邪気な笑顔で風を切った。
「兄さん、今日のクラスには鳶一折紙っていう女の子がいるから、変に刺激しないで普通に接しなさいね」
「折紙? 変な名前の生徒だな……まあいいや、適当に自習にして保健室で寝てくるわ」
「ダメよ、ちゃんと授業しなさい」
江戸の賑やかな街並みをスクーターで走り抜け、目的の中学校の門前へ到着する。
スクーターを止め、ヘルメットを外した琴里は「じゃあね、兄さん。放課後遅くならないでよ」と可愛らしく手を振って校門へと歩き出した。
だが――校舎の中へ一歩足を踏み入れた瞬間。
琴里はポケットから黒いリボンを取り出し、手早く髪を結び直した。
その瞬間、可憐な中学生の雰囲気は一瞬で姿を消し、冷徹でミステリアスな気配を纏う。
チュッパチャップスをカリリと噛み砕き、黒いリボンの少女は不敵な笑みを浮かべて独りごちた。
「……さて。せいぜい頑張りなさい、私のダサい天パの兄さん」
何も知らない銀時が、スクーターのエンジンをかけて自分の赴任先の高校へと向かっていく。
己の身に一体何が起きていて、妹が本当は何者で何を企んでいるのかも……まだ何一つ知らないまま。
(第一話・終わり)