銀魂✖️デートアライブ✖️Gemini   作:ゼロナナ

14 / 35
13

【予測不可能な狂気・桂小太郎と、AIをも破壊するブルー画面】

ピピッ、ガガガ……キュイーーーン……!!

空中艦〈フラクシナス〉のメインブリーフィングルーム。

中央の巨大ホログラムモニターに映し出されていたのは、なぜかお洒落なサングラスをかけ、無駄にキリッとしたポーズで江戸の街を闊歩する長髪の男の3Dモデルであった。

「……分析完了。結論から言うわ」

五河琴里は司令官席に深く腰掛け、チュッパチャプスの軸をカチカチと噛み鳴らしながら、重々しいトーンでラトタスクのクルーたちに告げた。

「この男――名は桂小太郎。かぶき町におけるテロリスト……もとい、攘夷志者のリーダー格よ。明日の精霊との接触作戦において、この男が予期せぬ乱入や、作戦の根底を覆す奇行に走る危険性が極めて高い。そこで、緊急の対策会議を開くわ」

ブリーフィングルームに集められた神無月恭平、村雨令音、そしてなぜかパイプ椅子に縛り付けられた(ように座らされている)坂田銀時が、一斉にホログラムの桂を見やった。

「ほう……あの長髪の美男子が、我がラトタスクの作戦を揺るがす最大の不確定要素ですか」と、神無月がうっとりと身をよじる。

「……なんか嫌な予感しかしねぇな」と、銀時が頭をポリポリとかいた。

琴里は手元のタブレットをスワイプしながら、冷徹なアナウンスを続けた。

ラムダ演算アルゴリズム、行動心理学、そしてラトタスクが誇る最強の量子AIネットワーク――そのすべてを使ってこの桂小太郎という男の行動パターンを予測しようとしたのだけれど……結果はすべてエラー、全システムがクラッシュしたわ」

「は……? AIがクラッシュした?」と、川越が驚きの声をあげる。

琴里は険しい顔でうなずいた。

「そう。人間の常識はもちろん、AIの高度な予測演算ですら、彼の思考回路を捉えることは不可能だったの。『なぜそこで蕎麦屋のバイトを始めるのか』『なぜテロの最中に突然ヅラを脱いで宇宙人の話を始めるのか』『なぜ職務質問された瞬間にダンボール箱に隠れてみみずくの鳴き声を真似るのか』――すべての行動が因果律を無視している。こいつは、人類の知性にとっても、AIにとっても、完全なる理解不能のバグ(異物)よ!」

第二章:銀時のメタ発言と「Gemini」の限界

その琴里の言葉を聞いた瞬間、銀時はガバッと椅子から立ち上がり、手足をジタバタさせながら大声でツッコミを入れた。

「おいおいおい琴里お前、何を今さら当たり前のこと大真面目に語ってんだよ!! あんな脳みそが常にパチンコ玉の反響音で満たされてるような天然パーマの狂人を、お前らの綺麗なスーパーコンピューターやAIで解析できるわけねぇだろ!!」

「なんですって、バカ兄貴! ラトタスクの誇る情報処理能力を侮ってもらっては困るわ!」

「侮ってんじゃねぇよ、現実を見ろ現実を!!」

銀時はモニターをビシッと指差し、絶叫した。

「いいか!? あいつの相棒は毎週のように着ぐるみのチャックから生足覗かせてプラカードで会話する正体不明の謎の生物(エリザベス)だぞ!? あんな奴の行動原理を分析させたら、お前らが誇る最新鋭のAIだって『もう無理です、人間をやめます』つって青い画面(ブルースクリーン)出してフリーズするのがオチだわ!! つーか、お前が今使ってるその予測AI、そもそも今のGoogleの『Gemini』とかにその演算処理投げたら、マルチバースのバグ超えてAI自身が頭抱えて『すみません、桂小太郎の行動原理は私の処理能力を超えています。諦めてください』って文字通り白旗揚げるレベルだぞ!! AIなめんな、ヅラをなめろ!!」

「突然リアルなAIの固有名詞を出してメタ発言ですべてを台無しにしないでよ!!」

琴里がチュッパチャプスを床に投げつけそうになりながら言い返す。

しかし、その横で、村雨令音はトロンとした目でホログラムの桂を見つめながら、静かに首をかしげた。

葵……。あの男の行動履歴をディープラーニングさせようとしたら、私のノートパソコンから煙が出て、最終的に『桂小太郎は概念です』っていうエラーメッセージだけを残して爆発したの……」

「パソコン壊れてんじゃねぇか!! AIもドン引きするレベルのバグ人間だなオイ!!」

第三章:桂小太郎という「歩く災害」の恐怖

神無月恭平も、うっとりと頬を赤らめながら手を挙げた。

「ですが、予測不能であるということは――それだけ私たちの予測を遥かに超えた『背徳的なまでの混乱と破滅』をミッションにもたらしてくれるということ……! ああ、桂君が突然爆弾を抱えて『攘夷がJoy!!』とか叫びながらデート現場に乱入してくる姿を想像するだけで、私の理性があっさり崩壊してしまいそうです……っ!」

「お前の理性は最初から崩壊してんだよ!」と銀時が一喝する。

「とにかくよ、琴里」と銀時は頭を抱えてため息をついた。

「あいつの対策なんてな、最初から練るだけ無駄なんだよ。あいつは『作戦を立てる側』が一番頭おかしくなるように神様にデザインされてるんだからさ。明日もしあいつに遭遇したら、こっちが計画を立てるんじゃなくて、あいつのボケにどれだけ体力を削られずにスルーできるかの『精神力耐久レース』だと思った方がいい。下手に論理的に話しかけると、こっちの脳の血管が先にブチ切れるからな」

琴里は唇を噛み締め、悔しそうにタブレットをパチンと閉じた。

「……そこまで言うのなら、明日の作戦エリア周辺には、桂小太郎専用の『警戒区域(お断りゾーン)』を勝手に設定して、見つけ次第電磁ネットで捕縛する自動防衛システムを配備しておくわ……!」

「そんな大げさなもん置いたら余計に派手な爆破オチに巻き込まれるわ!!」

予測不可能な狂気・桂小太郎の影に怯えながら、空中艦フラクシナスの作戦会議室は、今日も今日とて頭痛の種を一つ増やしつつ、決戦の夜へと突入していくのだった――!

(第十三話・終わり)

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。