至極どうでもいい日常、りにゅーある?   作:鳳圭介

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クリスマス

 クリスマス。クリスマスイヴ。

 イエスキリストの誕生日であり、聖なる人の誕生日。しかし、仏教徒の多いこの日本では、この日は何かのイベントと勘違いされているらしい。

 リア充と呼ばれる人たちは、恋人たちと仲を深め合ったりする良い機会にするのだろう。

 そうでもなく、そもそも異性と関わることの少ない人たちは、仕事をしていたり、バイトをしていて、その最中にふと『今日はクリスマス(イヴ)なんだなぁ』と思い、歯がゆい思いをしながら仕事に励むのだろう。

 かという自分はバイトもなく、かと言って親しい異性もいるわけもないので、家でなんら変わりない日常を過ごした。

 朝というには少し遅い時間に起床して、遅い朝食をとり、パソコンで遊び、すぐに昼食を取り、またパソコンをして、思い出したように年賀状を作った。

 そして夜。夕食の際は、親の計らいで祖父母の家で夕食をとることとなり、食後にはケーキも出た。とは言え、誕生日などとなんら変わりない光景だ。

 

 結局のところ、自分はクリスマスにこれといって何もしていないのだ。

 遊ぶ友人はいないではないが、外が寒いのに自転車くらいしか移動手段のない自分はその中をガクガク震えながら移動しなければならない。そもそも、近くに店でもあればいいが、自転車で10分ほど走ってやっとコンビニとプラ●スカットがあるだけで、手近な距離に大型ショッピングモールやらカラオケ、ゲームセンターなるものがないのだ。

 なので、特に何もせずにゆったりと電熱ヒーターの前でぬくぬくとパソコンをしていたわけだ。

 そして、あれよあれよと時間が経ち、いつの間にか真夜中になっている。

 「結局今日も何もしなかったなぁ」と一人つぶやいて、パソコンの電源を切る。

 電灯も消し、暗くなった部屋の中、ベッドに潜り込んで、窓を見る。

「……」

 そのまま、窓に手を伸ばし、窓の鍵を開けた。窓を開けるためでなく、ただ鍵のみを開けた。

「この年になっても、何かを信じたいのかねぇ……」

 自分の行動が理解しきれずか、そんな呟きが漏れ出した。

 『何か』というのはサンタクロースだけではなく、きっとそういう夢物語のような何かだろう。

 寝返りをうって、窓から目をそらす。

 (結局、何も変わるわけがない。今日寝て、朝起きて、また変わらない日々を送るんだろうな……)

 いつの間にか形成された日常が、常識のようにそれを意識させる。意識させられる。

 人間の積み重ねた賜物で、遺産で、固定概念だ。

 変えたいと願っても、願うだけでは叶うはずもなく、行動しても、ちょっとやそっとで変わるほどヤワじゃあない。それが日常なのだ。

 そして、それでこそ日常であり、そうでなければ日常ではないのだ。

 そんなことを考えながら、今日は目を瞑った。

 

 今日も今日とて変わらぬ日常。

 いつかは終わり、変わる日常。

 けれど変わらず、そこにあるのが、日常。




 で、目を閉じたあとにふと何を思ったか起きて書いちゃったんですよね テヘペロ☆(ヲィコラ台無しだよ

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