個性(能力)がなくても、個性(特徴)豊かな大家族。ヒーローだけが人を救うわけじゃない。 作:紡縁永遠
Side月読
「なぁ、お前ら、新しい家族ができたらどうする?」
「何言ってんだ?私達に家族はいないだろ?とうとうボケたのか?」
「そうだぞ、精神科行って来い」
「
「ありえないだろうがそんなこと」
急に親父がふざけたことを言ってきた。家は父子家庭。母はいないから子供はできない。というか、母がいても、現在高校二年生の俺を産んだ歳が、結婚最低年齢の18の時でも………34歳ならギリいけるか?どっちにしろ、いないんだから不可能だ。
「ありえないのはお前らの顔のにている度合だぞ?」
俺には妹が一人いる。
「似ているのは兄妹だからじゃないのか?」
星菜は兄妹だからを理由にしてるみたいだ。二年分空いてんのに理由になるのかね?
「まぁ、そうなんだが。それで、今回家族が増えるというのは、再婚をしたからだ」
「は?再婚?」
「そうだ。いつまでも独り身というのは辛いだろう。結婚をするわけだが、40の身だから今から子供を作ることはしないがな」
「まぁ、再婚も子作りもそこは親父達の自由だけどさ」
家族か、母親が増えるのね、まぁいいけどさ。こっちに来るのか?というか、鯖読みすんなよ親父、49だろうがなにが40だ。切り捨てしてんじゃねぇよ。
「あっちの家庭は母子家庭…それも、三姉妹らしい」
「新しい家族が四人、ね。親父、わかっていると思うが俺はソイツ等と戦争する可能性がある。そこんとこ理解してほしい」
「ま、そこんところは慣れてくれ。あと、明日引っ越しだから荷物をまとめておけ。今日は学校を休んでいい。連絡はした」
「は?は?はぁ?ふざけんなよクソ親父!顔合わせなしにいきなり同居かよ!順序ってもんがあるだろうが!」
再婚報告から二日目に顔合わせで、そのまま同居とかふざけてんのか?
「問題ないだろう、特にお前はな」
「逆だろうが………」
さっき戦争宣言したばっかりだろうが。
「ま、あっちの人達もいい人だから、心配することはないだろ」
翌日。相手方の家に来ていた。ちなみに、家は相手方なのに名字は家の百鬼を使うらしい。
「デカいな」
「前が小さかったんじゃねぇのか?」
「相変わらず容赦ないな、少しは星菜から遠慮という言葉を学んだらどうだ」
「意識して、精神攻撃していなからセーフだセーフ」
「意識してたら人間性を疑うよ」
だべりながら、インターホンに手を伸ばす。
「あ、ようやく来た」
インターホンに触れる前に扉が開いて、女性が出てきた。見目40後半かな?つまり母親になる人だと思う。
「おはようございます。上がってください」
「これから家族になる人間に対して敬語を使っているだと……」
「兄貴、それが普通だ。特に初対面の相手なら」
「俺の知り合いに敬語を使う奴はいなかったぞ」
「それは兄貴の知り合いがおかしいだけだ」
「あの〜なかに入ったらどうでしょうか?」
「あ、おじゃまします」
玄関から前の家とは違う空気があるな。
「暖かいな。前の冷え切った玄関とは大違いだ」
「いい加減にしろよ、月読、父ちゃん泣くぞ?」
「おお、泣け泣け、みっともない姿を見せてくれ」
「家に入って最初のやり取りがそれ?なんか、凄いですね
永霊とは親父の名前だ。それはそれとして、
「敬語はやめてくれ、緊迫した空気は嫌なんだ」
「大丈夫、敬語は数日だけだから」
「ならいいんだが」
「…だれ?」
奥から一人少女が来た。
「………」
「あ、私は星菜だ………アンタは?」
「………
コイツ………
「もし、殺そうとしたら………わかってるわね?」
「殺しはしないが…なんでそんなことを?私達はこれから家族になるんだぞ?」
「………俺達をテロ組織とでも考えたのか?だから嫌なんだよ、新しい関係性ってのは………」
「なんだ?何か文句でもあるか?私は貴方達よそ者を警戒している…普通のことでしょ…」
「確かに俺達はよそ者だ。だが、これから家族に、身内になる人間に対して随分な態度だな、警戒だけならまっとうな行為としたが、流石にこんな敵意むき出しの歓迎はしないぞ?」
「歓迎?そんな事私がすると思う?」
「あ?」
「住むなら勝手に住めば?私達に危害加えんなよ?」
「ちっ!」
姿を消した、美咲と名乗ったやつ。いい加減にしろよマジで。
「俺は出かける。ここらへんのことも理解したいしな」
「ああ、夕飯前には帰ってこいよ」
「今から二時間俺に話しかけんな、俺はそいつを殺す自信がある」
「………」
Side星菜
「済まないな、兄貴はきつい態度を取られると狂気的になってしまうんだ………」
「あはは…、美咲はちょっと他人にきつくしてしまうけど、いい子ではあるから、そこのところは理解してほしいかな」
「ああ、まぁ」
納得して頷くと、ドタドタと階段を下りる音が聞こえる。
「あの人なら………」
虹色の眼をした少女だ。
「どこ行くの?
「あの人なら分かってくれるかもしれない」
「………そう、いってらっしゃい」
私より身長が低いから、年齢も下だろう。兄貴を追って外に出ていってしまった。
「………だれ?」
「眼白。私の娘よ。個性は
「ふ〜ん、面白い子だ」
「…兄妹そろって癖があるわね」
「通常運転だから慣れたほうがいいよ、
「雪音?」
「私の名前よ、そう言えば自己紹介がまだだったわね。今日から百鬼雪音として貴方達の母になるわね」
「星菜ですよろしくお願いします」
Side月読
「………誰だ?」
「え、あ………」
振り返ると、虹色の眼をした子供がいた。平均身長より高い星菜より、身長が低い俺より低い。誰だ?さっきからずっと視線が合ったがこいつか?
美咲とかいうやつより敵意はないな、どっちかって言うと好奇心に近い。
「私は、眼白………これから家族になる…のかな?」
「………じゃぁ、お前、あの家の子供か」
「うん…」
「なんだ?喧嘩でもしに来たか?悪いが美咲とお前の両方を相手にするのは面倒なんだ、辞めてほしい」
「そんな事が目的じゃないから大丈夫、ねぇ、貴方はなんでも視える人間についてどう思う?」
眼白、か。喧嘩する気がないならまだいいかな、あの場にいた人間だったら殺してた、そういった意味ではコイツがついてきたのは正解なのか?。
「見える?心もか?」
「流石にそれはないかな、あと、心は見るんじゃなくて読むっていうんじゃない?」
「………なるほど、別に何とも思わん。何か見えたところで世界が変わるわけでもない、悩みでもあるのか?」
なんでも視えるか、コイツは何かあるな。個性なのは多分そうだが、どこまで視える、心は読めなくてもいい、調べておくか。
日没後。家具を置き、パソコンを置いた。これでゲームができる。
部屋にはいる前に、美咲に「私の部屋に入ったら殺すから」と言われたが、入る理由もねぇよ、だいたいそんな面倒くさいことするバカがどこにいる。
「夕飯どうすっかな………喧嘩をする未来しか見えねぇ」
案外静かだった。夕飯に呼ばれて飯を食っているが、一言も話さない。不気味なくらいだ。一蘭の味集中カウンターみたいに壁があるみたいだ。
「なあ。静かすぎて気味が悪いんだが。何か話したらどうなんだ?」
「いや、何を話せばいいのさ、それに、そっちの紅い眼をした人が喋りかけたら殺すみたいな雰囲気してるんだけど………」
「そこまで酷くねぇよ」
俺の眼は紅い、というかクソ親父、黙れよ。
ちなみに、会話の種を探そうと困惑している奴は、再婚相手の次女、
「というか、悪魔より天使だ天使」
「どこの口が言ってんだよ、この前先生殴ってたじゃん。しかも私の学校の」
「やっぱ問題児じゃん、そっちの兄妹は。警戒をしてよかったよ、人道を外れた野蛮人」
星菜に否定され、美咲が暴言を吐いてくるので反論する。
「なんや?殺すぞ、いい加減にしやがれ、めんどくせぇ」
「だまえ、あと今後私に気安く話しかけんな、私はあんたを家族と認めない」
「頭の硬い奴だな、家族と認めなくとも、家族になってんだよ」
「うるさいうるさい!次しゃべったら殺すから」
「喋る気なんてさらさらねーから安心しな」
「兄貴!さすがに言葉遣いが悪い!」
「知らねーよ喧嘩売ってきたのはあっちだ!非はあっちにあるはずだ」
「は〜マジでこれから先が心配だわ〜」
咲良がなんか言っていたがそれも無視する。
「ごちそうさん、俺はこれから部屋にこもるから話しかけんなよ、」
「ハイハイ失せろ失せろ」
「しね」
気分悪い、相談事持ちかけられてんのにこれかよ、しかも持ちかけられてる内容家族問題だし……