妹たちが依存し過ぎていたので、しばらく離れて暮らすことになった。久し振りに帰るとさらに悪化していたようで「結婚しよう」と言われたんだが。   作:主義

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中間一貫校に初登校する『後編』

昼食が終わって、山本さんと教室に帰る。その間もずっと周りの視線は僕と山本さんに向いていたのだ。

 

こんな視線を浴びるのは今日だけ。

 

 

明日からはお弁当にしよう。そうすればこんな視線に晒される心配もないし。

 

 

 

教室に帰った後も山本さんは何度も話しかけてきた。もちろん隣の席というのもあるし、この学校自体に慣れていないから話しかけてくれるのもあると思う。

 

それ自体はとても嬉しい事なんだけど、周りの視線が痛い。

 

 

 

――――――

 

午後の授業もあっという間に過ぎ去る。

 

 

校門の周りに人だかりができていて、その中心には僕の妹たちがいた。まぁ、そんなことだろうとは思っていた。

 

今日、妹たちはずっと関わってこなかった。これはとてもすごいことだけど、そろそろ何かをしてきてもおかしくない時間だ。よくここまで僕に会いに来たりしなかったものだ。

 

 

こんなことを考えていると自己評価が高いと思われるかもしれないけど、こっちに帰って来て妹たちと過ごした。あの妹たちはずっと僕から離れなかった。

 

その極めつけがお風呂の時に入ってこようとしたので、それだけは勘弁してくれと言い、結果的に妹たちは脱衣所でずっと僕が出て来るのを待っているのだ。こんな妹がいていいのか。

 

 

見ない間に少しヤバい方に思考がいってしまっているのだ。これをどうにか改善させて欲しいと願うものの、簡単に出来ることではないだろう。

 

 

 

 

そんな妹たちが今日は登校以外で顔を見せなかった。これはもしかしたら、妹たちの兄離れのようなものを起こすのにちょうどいいかもしれない。

 

友人や恋人を作ることで僕のことを忘れてくれればいいが……まぁ、時間を掛けてどうにかしていくしかない。

 

 

妹たちの容姿が良いからなのか、たくさんの生徒に囲まれている。

 

 

 

僕はそんな妹たちを横目に帰路に付いた。あそこで態々目立つような行動を取る必要性はない。どうせ家に帰れば嫌でも妹たちと顔を合わせることになるんだから。

 

 

―――――

 

帰り道を歩いていると後ろから僕のことを呼ぶ声が振り返るとそこには妹たちがいた。

 

 

「どうしたの?」

 

 

「にいに、なんで勝手に帰ったの?」

 

 

「そうだよ、兄さん、帰るんだったらぼくたちに相談してよ」

 

僕は一緒に帰る約束をした覚えはないんだけどな。

 

 

「別に相談しなくてもいいだろう」

 

 

「だめ、にいにと一緒に帰る」

 

 

「そうそう、兄さんと一緒に来たんだから、帰りも兄さんと一緒に帰るのが当たり前だよ」

 

何が当たり前だ。別に行き帰りが同一人物でないといけない決まりなどないのに。やはり僕と帰るために、校門の近くにいたのか。

 

まぁ…そんなところだとは思っていたけど。

 

 

「当たり前じゃない。別に兄妹だからといって一緒に帰る必要はない。二人にだって友人がいるだろうし」

 

 

「いるけど、早雪はにいにと一緒に帰りたい」

 

 

「ぼくも友達よりも兄さんと一緒に帰りたいに決まってる」

 

そういう時は僕よりも友人を優先して欲しい。俺なんて家に帰ればいつだって話せるんだ。もちろん友人とも連絡先の交換をしていれば、いつでもやり取りをしたり、通話をしたりできるだろう。だがやっぱり面と向かって話せる機会は少ないんだから、そういう時間を大切にした方がいいと僕は思っていたりする。

 

かなり古臭い考え方かもしれないけど。

 

 

「二人にとって、僕がそれほど重要な人間であるのは嬉しいことだ。兄として妹からそれだけ想われていることは嬉しいものの、友人との時間も大切にして欲しい」

 

 

「にいには何も心配しなくて大丈夫。ちゃんと友達とはしっかりとコミュニケーションを取ってるから」

 

 

「うん。それにぼくたちは兄さんが帰って来る前からいつも二人で帰ってたよ」

 

 

「そうなのか」

 

それについては初めて知った。僕が来るよりも前の妹たちについてはメイドさんからの話しか情報がない。だからこういう詳しい話はあんまり知らないのだ。

 

元々こうなのであれば…別に気にすることはないのかも。二人で帰るのがいつも通りのルーティンなのだとしたら、ただそこに僕が加わった。

 

 

そんなことを考えていると早雪が急に言い出した。

 

「早雪はにいにのことが大好きだし、結婚したい」

 

 

「ぼくも兄さんと結婚したいよ」

 

急にそんなことを言いだしたことに僕は驚いてしまい、反応するまでに時間が掛かってしまった。

 

 

「え…」

 

「にいには早雪の気持ちを真剣じゃないと思っているかもって…だからもう一度ちゃんと言ったの」

 

 

「ぼくも兄さんに嘘じゃないことを伝えたくて」

 

 

「…そういうことを外で言うのは止めよう。それについては家でもう一度話そう」

 

さすがにここはただの帰り道だ。誰が近くに居てもおかしくないような状況で、妹が兄に対して求婚している姿は見せたくない。

 

 

妹たちに変なレッテルが貼られる可能性だってある。最悪、僕のことはいいけど、妹たちがそういうレッテルを貼られるのだけは絶対に回避しなくてはならない。

 

 

 

 

そして初日の登校から帰り、家に着くとまた『結婚』について兄妹で話し合いが行われた。

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