「……三好長門、貴方は管理局の魔導師としての資格はありません。直ちに海鳴市へ帰還して魔法を捨てなさい」
「な、何でだよリンディ提督!! 俺が何をしたって言うんだよ!!」
俺は予想通り告げられた言葉に反論するがリンディ提督は表情を変えずに告げた。
「数多くの独断先行が物語っています。治療代は此方が払いますが、退院次第海鳴市へ帰ってもらいますからね。それと、貴方のデバイスは没収させてもらいます」
「ちょ、リンディ提督……」
リンディ提督は言うだけ言って病室を出て行った。
「……行ったな。ぁ~疲れたぁ……」
提督がいないと判って俺はベッドに潜り込んだ。
「取りあえずA'sまでは終わったから俺の仕事は終わりだな」
俺は見舞い品のリンゴをナイフで剥いてウサギを作って食べる。
俺は俗に言う転生者だ。死んだら神様のところにいたって言うあれだ。
俺は神様の依頼で踏み台転生者をやってくれと言われた。神様曰く「踏み台転生者が面白いから、ついでにハッピーエンドの手伝いもよろ」だと。
踏み台転生者はなのはA'sまでしてくれたらいいと言われ、その後の生活も援助してやるから腕や脚の一本を無くす勢いで行けと言われた。ただリリカルの他に別の世界もよろと言われてる。何の生活かはリリカルが終わってからだと。
そして転生した海鳴市で幼いなのはを見つけたら即行動を開始して原作開始まで「俺の嫁」とか言っておいた。
……凄い恥ずかしかったけどな。一応、オリ主もいたみたいだし、なのは達の好意もオリ主に向いてくれた。まぁ死にかけのリニスが俺の前に転移してくるのは驚いたな。神様にハッピーエンド言われてるから使い魔契約もしてしまったし……勿論、事情は全て説明している。
リニス曰く「私の役目は終えましたし別に構いません」との事だ。
そうそう、踏み台をしているから高町家の父親や兄貴の練習に付き合わされたな。(原因は判っているから文句は言わんけどね)
そして無印でフェイトにも俺の嫁と叫び続けて管理局の指示に従わずに独断先行をしまくって無印終了の時には大怪我をしていた。無論、オリ主はめんどくさいと文句を言いつつアリシアを生き返らせてプレシアの病気を治した。
そして程なくしてA's編が始まって俺は闇の書の陣営に付いたりして最後は猫姉妹によって蒐集された。
この時にリンカーコアは無茶な蒐集をしたらしく、激しく損傷してしまい魔導師の空戦ランクがSSSからDにまで下がったらしい。まぁリニスの負担が大きいし、リニスがいなかったらBだったらしいが……どうでもいいが……。
そんでまた独断先行をして大怪我。結局、闇の書事件が終わると管理局にポイされた。デバイスを没収という付きで。
「……これで俺の中学生生活が始まるぜ。やっとおさらばだ。ぁ~早く退院したいな~」
俺は二回目の中学生生活を妄想しながらそう思った。
そして数週間後に退院すると、俺はアースラで海鳴市に送られてそこで俺の魔導師としての任務は終了した。
「神様終わったぞ~っと」
「じゃあ帰りますか」
「……何でいるの?」
何故か隣にリニスがいた。なしてよ?
「契約は解除じゃなかったか? プレシアの病気も治ったんだし」
「結局はプレシアの身体に負担も掛かりますからね。契約は解除しませんよ。そもそも、貴方は家事とか出来ますか?」
「多少は……」
「多少でも服は毎日洗濯はしないし三日連続同じ服もありましたね? それに食事も蕎麦やラーメンが中心ですし野菜も食べたも思ったらホウレン草しか食べない……見張り役は必要です」
「ア、ハイ」
「プレシアにも了承済みですので心配はありません」
「ア、ハイ」
結局、リニスとはそのままとなりリニスを連れて家に帰ると何故かリビングに二人の男女がいた。
「やぁ三好長門君。済まないが勝手に上がらせてもらってるよ。あぁそれとコーヒーももらってるよ」
「……いやいやいや。なんでお前がいんだよ」
「知り合いですか長門?」
「……なのはシリーズ第三期の敵役」
「ファ!?」
リビングにいたのはなのは第三期でなのは達の敵であるはずのジェイル・スカリエッティ、そして原作第三期では既に死亡しているクイント・ナカジマだった。
「実は私はね。憑依した転生者なんだよ□□▼○」
「そ、その名前は俺の名前……まさか!?」
「そのまさかだ。私の前世の名前は○○□▼だ」
その名前は前世で友人だった名前だ。しかもオタ仲間。
「そしてクイントは▼▼○□だ」
「ファ!? ▼▼○□ってお前の彼女じゃ……」
「ピンポーン、正解だよ▼○君」
クイントがウインクして俺の前世の名前を呼ぶが……信じられんなぁ。
「お前らも神様から転生してもらった口か?」
「あぁ。好きに生きろと言われたけどまさか敵役に憑依するとはな……」
「どうやって○□と会えたんだ?」
「ミッドの町でたまたま」
「把握。でもそうなるとクイントはゲンヤ・ナカジマと結婚してたよな?」
「だからゼスト隊が全滅する前に爆発テロに巻き込まれたとして死んだ事にしたのよ」
「クイントの細胞で右腕のクローンを製作してね。公式にクイントは死んでるよ」
……やり方がえげつないな。
「だってそうしないとジェイルと会えないでしょ?」
「いやまぁ、それはそうだけど……」
「それにさ。憑依していきなり知らない男に私が夫ですと言われて納得する?」
「そりゃぁ……まぁ……」
……まぁ良いか。
「あ、それとギンガとスバルは前以て私が保護している」
「……もう何を聞いても驚かんぞ俺」
「ついでに最高評議会の全員は殺したから」
「(゜ω゜)わけが分からないよ」
「(;゚Д゚)」
「脳味噌にM2の弾丸を叩き込むのって素晴らしいよね」
「素晴らしくねぇよ!! て事は第三期はある意味終了?」
「その通り」
「アタックチャンスはもう無いね。じゃあ何で此処にいるんだ?」
「そりゃぁ逃げてきたからだ」
「まぁそうですね」
「勿論足取りが地球に向かないように百ヶ所ほど次元世界に擬装アジトを作ったほどだ」
「……もう疲れたよリニス」
「大丈夫ですよ長門。今日の晩御飯はラー油たっぷりのラーメンにしますから」
リニスの気遣いが嬉しいよほんと。
「万が一に備えて整形はするつもりだ」
「まぁそうなるな。住む場所は決めているのか? まだなら使っていない部屋を貸すぞ」
「いや、近所に喫茶店を作るから問題ない」
「何故に喫茶店?」
「喫茶店のマスターってカッコいいよな」
「そんな理由で!?」
「まぁ翠屋には負けると思うがな」
「あの店と比べんな」
そしてその日の話はそこで終わり、ジェイルとクイントは帰った。
「次はギンガ達も連れてくるよ」
「もしかしてナンバーズもか?」
「トーレまで製作した。何れは全員製作するよ」
「別に私が産んでも良いけどね」
二人が帰ると俺はソファーに倒れ込む。
「今日は色々と疲れた……」
「楽しくなりそうですね」
「それ以上になるのは間違いない」
何はともあれ、俺は新たな人生を迎えた。なお、学校は同じ市内の小学校に転校した。高町達との関わりを無くすためでもあるがな。
そして時は流れて中二。中学校から帰宅中にスーパーで晩御飯の食材を物色していた。
「お、豚肉安いな」
「豚肉安いやん」
豚肉を取ろうとした時、女の子の手と触れた。しかもその女の子は……八神はやてだった。
「ゲ、三好君……」
「ゲェ!! 八神!!」
「何で三国志の武将ぽく叫ぶねん!?」
「ただのノリだ」
八神と視線が交わるなり二人して嫌そうな顔をする。まぁ少々コントになったが……。
「……晩御飯は牛肉にするか。ほらよ」
俺はそう思い、八神に豚肉を渡して牛肉に手を伸ばしてその場を後にする。
「……ちゅい待ちぃや!!」
「……何だよ」
「三好君……やんな?」
「そうだけど?」
「あんた……えらい変わったな……」
八神が信じられない表情をしながらそう言ってくる。まぁあの時のはねぇ……。
「変わってねぇよ。お前達といた時のは全部演技だよ」
「は……? 演技やて?」
「そう、とある人からの依頼でな。んじゃあな」
俺は唖然としている八神をほっといて他の買い物を済ませてスーパーを後にした。
「へぇ、八神さんに会ったのですか」
「まぁ同じ市に住んでるから会う確率はあるわな。そういやリニスも今日はテスタロッサと会ってたんだろ?」
「えぇ。今は嘱託魔導師として頑張っているみたいですよ」
リニスはそう言いながら食後のお茶を飲んでいる。
「でもあれですね。八神さんとはまた会いそうですね」
「妙なフラグを立てないでくれリニス……」
そして数日後、またもスーパーで八神と出会った。リニスェ……。
『………』
帰宅中、俺と八神は無言だったが先に口を開いたのは八神だった。
「……なぁ」
「何だ?」
「小学生の時の態度が依頼だったんなら何で転校したん?」
「いきなり「実はあれ演技なんすわ」と言われたらお前信じるか?」
「そ、それは……でも今皆に説明したらええやん」
「説明して俺に何かメリットはあるのか?」
「え……?」
「話変わるけど、リニスから聞いてるが嘱託魔導師をしてるんだってな?」
「う、うん。中学卒業したらミッドに行って就職しようと思ってるわ」
「……それで良いのか?」
「……どういう事や?」
「地球(ここ)での学歴は中卒になるぞ。向こうで怪我してお払い箱になって帰ってきても就職口は狭いぞ」
「………」
「まぁ俺の事じゃないから八神らの好きにしたら良いけどな」
そこで俺と八神は分かれた。
「……いらん事したかなぁ……」
「まぁ三期が起きる確率は少ないから別に良いんじゃないかね?」
俺は別の日にジェイルの喫茶店でコーヒーを飲んでいた。最近、ジェイルの喫茶店は安いのが得りなのか人気が出ている。
「いらっしゃいませー」
多分クイントがメイド服で営業しているせいかもしれないがな。
「長門が踏み台になっているから別に大丈夫だろ」
「だよなやっぱ」
「どうしたのはやてちゃん?」
「……あんななのはちゃん、フェイトちゃん。話があるんよ」
「どうしたのはやて?」
「……あのな二人ともうちな――」
また時が過ぎた。八神とはたまにスーパーで会うが視界に入るだけで声はかけたりしていない。向こうも声をかけに来てない。どうでも良いが。
そして俺は公立高校に入学した。私立? カネがあると思いかね?
「さぁてクラスはと……」
『一年二組 ○□番三好長門』
「お、あったあった。二組かぁ……ん?」
『一年二組 ○□番八神はやて』
……多分同姓同名だろうん。そうだよね、そうであってほしい。そしてクラスに行くとあの八神はやてがいた。
「お、久しぶりやなぁ三好君」
「……何でいんの? いやいや貴女管理局に就職じゃなかったのかよ……」
「いやぁ、それも考えたけど……やっぱり学歴を考えるとな……」
あぁそうか。
「でも高町達はよく納得したよな」
「最終的にはなのはちゃん達もうちの意見を尊重してくれたしな」
「まぁ三年間よろしゅうな三好君」
「……はぁ、よろしくな八神」
俺は溜め息を吐きながら八神は握手した。前世に比べたら楽しい高校生活……かもしれないな。
「……んで何で図書室通いなんだ?」
「何れは管理局で上層部に行きたいしな。何か三好君のお薦めみたいなのはある?」
「……第二次大戦の戦略や島津の釣り野伏せを参考にしたらどうだ?」
「成る程なぁ……ところで島津って何処や?」
「……全国の島津ファンを敵に回した発言だな。ちなみに鹿児島だ」
「ふぅん。その島津の釣り野伏せって奴は有効なん?」
「約三千の敵部隊が僅か三百の島津に大敗した」
「……それは凄そうやな。詳しく教えてや」
「はいはい」
『(朝からイチャラブしてんじゃねぇよ!!)』
彼女及び彼氏がいない図書委員の心境だった。
おまケーネ
「最近、八神が俺に話し掛けてくるんだが……」
「妄想乙というやつか長門?」
「やかましいわトーレ!!」
「ついでだ。私の訓練に付き合え」
「めんどい」
「あ、やっぱ此処におったな」
「ゲェ八神!!」
「誰が三国志の武将やねん!! ってこの下りどっかであったな。それにトーレもおるんかい」
「ふむ、『私』の長門に何か用か八神はやて?」
「……上等やトーレェ……ゴング鳴らしたのはあんたやからな!!」
「……コーヒー美味いなぁ……」
「現実逃避するな長門」
喫茶店のいつもの光景だった。
――後書きという名の舞台裏――
たまたまなのはアンチSSを見て踏み台で思い付いた。戦闘? ジェイルが喫茶店のマスターをしているんだからあるわけない(震え声)
主人公の名前パクりちゃうの?と指摘されましたが全くの偶然です(いやほんとに)
なお霧島の名前は艦これの霧島から(執筆中にたまたまドロップした)八雲は東方の八雲紫から(艦これしながらゆかりんファンタジアを聞いていた)ですので。
念のため一応新しく名前は変えて一部修正ました。三好は三好長慶から(戦極姫3をプレイ中に思い付いた)長門は艦これの長門から(カッコカリまでしてるのが長門だったため)です。
御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m