二次創作でありますので、原作改変をお許しください。
原作0巻のネタバレがあります。
それでも良いという方はどうぞ!
プロローグ
俺の名前は○○■だった。だがいまは、綾小路篤臣という凡人以下の人物に憑依してしまった。
今でも憑依した時のことを思い出すと、唇を噛んでしまう。俺の前世は普通ではあったが、それなりにいい人生だった。子供もいて、妻も生きてて、休みの日にはいつも格安の旅行に行っていた。
──それがなぜこんなことになった?
家は二階建てのマイホームから、薄汚い小屋になり、飯はそこらへんで取ってきた山菜と米粒を水に浮かばせただけの・・・・・・いや、もうやめよう。
「篤臣、どうかしたのかい?」
俺の今世の両親は蒸発どころか、お互いがお互いの金をむしり取ろうと裁判を今なお続けている。父母ともに、俺を父の祖父母に預けて、そのまま音信不通。いや、連絡は一応取れるのだが。
「いや、なんでもない」
俺は顔を俯け、その水に浮いた米粒を箸で掴み取り、味をかみしめた。今の俺の夢は、この茶碗に米粒ではなく、しっかりと白米の集合体を食べること。
なんか言い方が、まずそうだな。まあいい。
とりあえず、俺はもう高校生であり、夜間の学校だがそれなりに頭もよくなってきたと思う。ならば、ここで金を稼ぐために何か一つでかいことをしなければならない。
そこで俺は必死になって資格を取ることにし、勉学に励んだ。資格はあれば何かのアドバンテージにはなるからな。
「篤臣」
俺が水に浮かんだ最後の米粒を箸でつまんだと同時に、祖父が持っていた箸を机にそろえて置き、重い口調で俺の名前を呼んだ。
「お前には悪いが、出て行ってくれ」
「え?」
「もう無理なんだ、おばあさんならともかく、とても俺たちじゃあ金銭的な面で限界なんだ」
真上だけハゲ、その横から白髪を生やし、頬はやせ細った姿を見た俺はなぜか納得してしまった。しかし、ここで捨てられれば、俺はついに家なしにいなってしまう。
「いや、せっかく学校に行けたのに・・・学費だって、俺のバイト代で」
「そうじゃあねぇんだ。そうじゃねぇ。俺たち、お前の親父のところに住まわせてもらう予定でよ。その・・・なんだぁ、お前の親父の再婚相手が金持ちで。でも、俺らが住まわせてもらうには、お前を捨てなきゃならねぇ」
なるほど、確かに元妻の子供もいたら気まずいだろう。ふざけるな、と言いたいところだが。これはもう決定事項なのだろう。
だが、ここで俺を追い出したことを絶対に後悔させてやる!!
「わかった」
「本当か!」
俺は了承し、その日の夜には少ない荷物を風呂敷にまとめて小屋を出て行った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
有り金と言っても、必死にバイトで貯めた300万円と祖父母に握らされた三千円。これで賃貸を借りようにも、住めるとしたらせいぜい五年程度。それじゃあダメだ。ならばどうする。簡単なことではないが、稼がなくてはならない。
俺は乗り換えの電車に乗り、どこか適当なところに下りて、ハローワークにでも行こうと思った。
電車を乗り換え続け、東京都から少し離れた南都(架空)に着いた。さすがは日本の経済の中心地に近いだけはある。
「え」
高い。不動産が高い。なぜこんなに高いのだ。月の家賃が十二万円。しかも1LDKだぞ! なぜだ・・・・。
「あの、これより五万安いのはないんですか」
俺は不動産屋にいる一人の肥えた男に店の前に張り出されていたチラシを勢いよくたたきつけるように置いた。肥えた男は人差し指と親指を重ね、擦って、「あのね」と切り出した。
「そんなのここにはないよ」
「それを探すのが、仕事だろう?」
「ないったらない」
「・・・・わかった」
クソが!
豚め!!
どうする。こうなったら公園で段ボールを撒いて寝るしかないぞ。これじゃあ、あの小屋での生活と変わらないじゃないか!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ないですね」
「なぜ?」
「なぜって・・・空きがないですよ」
ハローワークだろ。
肉体仕事でもあるだろうと期待していたが、しかし、背に腹は代えられない。最低賃金でも我慢してやる。
「ああ、それもないですね」
「おかしくないですか、目的の仕事がないのはわかりますが、全くないってのはないでしょう」
「あのね、貴方は高校すら卒業してないんですよ。そんな貴方を誰が雇うんですか?」
「それは親が──」
「そんな理由では、こちらとしても無理ですよ」
そうして俺は、無残にもハローワークからも追い出された。
仕方がない、今日のところは公園で寝てもう一回別のハローワークに行こう。
「ねぇ、君」
「・・・なんだ」
「君顔いいね。どう、ホストって興味ある」
「・・・・・」
「君どうせ、学歴ないでしょ。それでハローワークからも厄介払いされたってところ。そういう人、多いんだよねぇ~。あのふざけた○○ミクスのせいで格差が広がって、いきなり年功序列もなくなって、企業は若い人&学歴を求めて争奪戦」
金髪を横に分け、首には桃色のマフラーを巻いた、一言で言うとチャラい男は淡々と自分の主観を俺に述べる。
「で、そういう無能で低学歴の人たち、正直言うと使い勝手がいい人たちを探してたんだけど」
左手を指でっぽうの形にし、顎にくっつけ、俺の顔をのぞき込む。
なんだこいつ、と思うが、俺にはもうこれ以上のチャンスは巡り合えないと思い、いやいや許諾した。
読んでくださりありがとうございます!
一応言っておきますが、原作が正規の世界線であり時間軸ですので・・・じゃあ、また次の投稿をお待ちください!