貞操逆転した新エリー都に住む『あなた』とエージェントのお話 作:ぽこちー
『クランプスの黒枝』。
それは、TOPSの内部監査を務める組織であり、不合理な手段で利益を得ようとする企業や、非人道的な行為を働く者を処罰する恐ろしい集団である。
男尊女卑の風潮があるこの世界でも、黒枝による処罰は変わらず行われている。その対象が、男性であったとしても。
故に、黒枝に対する世間のイメージは、男性すらも処罰する、血の通わない集団というものだった。
現に、黒枝の構成員が街中を歩くだけで、人々は逃げるように散っていき、無機質なレッドカーペットが形成される。
そして、物陰から聞こえてくるのは、黒枝に対する罵詈雑言。中には、根拠のない悪意に満ちた誹謗中傷まで存在する。
『自分が気に入らない者は、男性だろうと全て処罰する』
当然、黒枝の裁決は、円卓が定めた不文律に基づいて下される。個人の私利私欲によって決められるものでは決してない。
だが、それでも人々の間では、黒枝に対する悪いイメージが絶えることはない。
仕事柄、周囲の人間から恐れられてしまうのは仕方のないことだ。ましてや、男性であればなおさらである。
だが、黒枝とて人間だ。
公平な社会のために尽くしているにもかかわらず、ありもしない噂によって悪者扱いされるのは耐え難い。慣れているとはいえ、次第に心はすり減っていき、やがて限界を迎えてしまうだろう。
それでも、黒枝は社会のため、人々のためにその手を汚し、心をすり減らしていく。
それが、クランプスの黒枝に入った己の宿命なのだから。
そんなことを微塵も知らねぇ『あなた』は、目の前のふかふかなピンクの毛玉をギュッと抱きしめる。
干したての布団のような、お日様の香りが鼻いっぱいにスゥーッと広がり、モコモコとした感触が『あなた』の疲れ切った心を癒やしていく。
この匂いはダニの死骸の匂いだ!! という話を聞いたことがあるが、仮にそうだったとしても、この匂いが心地いいものであることには変わりない。
というか、そんなことを言ったらこの娘に失礼だろ、いい加減にしろ!! という気持ちでいっぱいになるので、そんな説は絶対に認めない。
そんな鋼の意志を胸に抱きながら、耳と耳の間に顔を埋める。
「うっ、うひゃあ///」
ピンクの毛玉から、可愛らしい声が漏れた。
『あなた』はすぐさま、ごめん、痛かった? と問いかける。
「ちっ、違うよぉ/// 急にそういうことをしたから、びっくりしちゃっただけ///」
もしかして、嫌だった? と『あなた』は問いかける。
「嫌じゃないよっ!! むしろ、もっとして欲しいっていうか……///」
もじもじとするピンクの毛玉、もとい照を見て、『あなた』はよかったと安堵する。そして、再びギュッと照を抱きしめた。
照の身体は次第に熱を帯び、ポカポカとした温もりが『あなた』を包み込んでいく。
すると、照は恐る恐る上目遣いで『あなた』を見つめ、問いかけた。
「ね、ねぇ? 照ちゃんも、『あなた』の方を向きたいんだけど、いいかな……?」
『あなた』はもちろん、と笑いかけ、照をそっと持ち上げる。
そして、照と向かい合わせになった後、テディベアを抱きしめるように、再び照をギュッと抱きしめた。
「むぎゅっ♡♡♡ えへへぇ♡♡♡」
照は『あなた』の胸に顔を埋め、蕩けたような表情で声を漏らす。
そして、これは仕返しだと心の中で呟きながら、『あなた』の身体に顔を寄せ、スンスンと匂いを嗅ぎ始めた。
鼻の奥に突き刺すような、男性特有の刺激臭。
それは決して嫌な匂いではなく、女性の(以下略)。
世の中は等価交換、ギブアンドテイクと謳っている照だが、この行為もまた、立派な等価交換なのである。
癒やしが欲しい『あなた』と、心の安らぎが欲しい照。
もふもふしたい『あなた』と、もふもふされたい照。
やっぱ女の子の匂いって良いよねという『あなた』と、男の人の匂いしゅごい……という照。
こんなことを頼める友人がいてよかったと思う『あなた』と、こんなことをしてくれる男性がいてくれて本当に嬉しいという照。
両者の利害の一致が、ここにあるのだ。
だからこそ、『あなた』と照はこうして定期的に顔を合わせ、お互いが満足するまで抱きしめ合うのだ。
そこに、決してやましい感情などは絶対に——
(ううううぅぅぅ♡♡♡ 好きっ♡♡♡ 好きっ♡♡♡ 大好きっ♡♡♡ この人を照ちゃんの旦那様にしたいっ♡♡♡ もっとずっと、すごいことされてめちゃくちゃにされたいよぉ♡♡♡)
ないはずがなかった。
『あなた』
実は虎のシリオンのお姉様方のお力もあり若干のケモナーになっている。
ちなみに一番好感度が高いのは、腰ヘコしてくる姐弟子。
『照』
シリオン比率が高く生まれた自分にとても感謝感激雨あられ。
『あなた』からの好感度も非常に高い。
だがそれが、恋人への愛情へと変わるのかは照の力次第。
がんばれ、照ちゃん!!
常日頃から妄想してるおかげで、思いついたらすぐ書き始め、それも1000〜3000文字程度だからすぐに投稿できるんですけど、そうなるとハーメルンの仕様的にあまり評価されなくなるらしい???
加えて、連続投稿は新着順に表示されなかったりするっぽいのでね。
困ったもんだよ全く。
でも俺は投稿します。
だって俺ドパガキだから、早く投稿して早く感想・高評価・お気に入り登録してほしいんだもん。