小悪魔の皮を被ったやばい後輩に付きまとわれます 作:あああああああ
原作介入は転生者の特権!part1
1:イッチ
転生するときにどっかのラブコメ世界に転生って聞いてたけど、特に関われていません。どうすればいいですか。
2:名無しの惰性の転生者
ほー、ラブコメですか。転生者の癖に平和な日々を?惰弱ッ!
3:名無しの惰性の転生者
なるほど、経験談だけど原作には関わるべきじゃないと思うよ
4:名無しの惰性の転生者
ファンタジー世界で殺し合いしているやつがいるのにうらやま
5:名無しの惰性の転生者
呪われろ
6:名無しの惰性の転生者
詳しく聞こうか
7:名無しの惰性の転生者
平和に生きろよ
8:名無しの惰性の転生者
場合によっては関わるのは正解じゃないし、見極めた方がいい。どんな作品?
9:イッチ
タイトルは忘れた。現代の日本が舞台で今高校生。転生前に言われた白坂高校に入学したけど特に何もなく1年が過ぎた。
10:名無しの惰性の転生者
>>4 転生特典があるからいいだろ?ない奴もいるんだぞ
11:名無しの惰性の転生者
白坂高校………知らんな
12:名無しの惰性の転生者
『きっとそれは恋になる』という名前の漫画やな。たぶん
13:名無しの惰性の転生者
正直二度目の高校生活って厳しいよね。若者の心についていけない (真顔)
14:名無しの惰性の転生者
草
15:名無しの惰性の転生者
お、有識者
16:イッチ
>>12
どんな世界?誰が主人公?ヒロインは?
>>13
まーじでわかる。意識してロールプレイしてないとテンション合わせられない。
17:名無しの惰性の転生者
現代日本転生かよ
18:名無しの惰性の転生者
漫画原作だけどゲーム化した作品。漫画は人間不信なお嬢様ヒロインを主人公が落とす話。ただ、サブヒロインの人気が高いのでギャルゲー化した稀有な例で、主人公は有坂史郎。確かテニス部。ヒロインは、新山リナ。
19:イッチ
有坂は知ってる。同じクラスだ。新山は同じ部活。納得の可愛いさ。なるほど、今2年生の4月で1年経ってるしこれ関わる余地ないな?
20:名無しの惰性の転生者
純愛系の作品は挟まれないよな
21:名無しの惰性の転生者
ゲーム世界ならやれるだろ
22:名無しの惰性の転生者
そもそも、ラブコメって介入しても面白くない。
23:名無しの惰性の転生者
カップルを引き裂くとか?NTRや
24:イッチ
やるなら主人公の親友役?結構失言したから厳しいかも。
25:名無しの惰性の転生者
>>23
は?殺すぞ
26:名無しの惰性の転生者
どんな失言したの?主人公は器デカいからへーきやぞ?
27:イッチ
去年の体育祭 (球技をやる運動会みたいな?) でテニスがあって、ボコボコにしちゃって。勝ったら女子に告白するみたいな噂を試合前に聞いてたから「ごめん、事情があるなら負けたのに」ていったらちょっと怒られた。
28:名無しの惰性の転生者
普通に強いのかよ!何で現役部員に勝ってんだよ。
29:名無しの惰性の転生者
それくらいじゃ嫌われるまで行かないでしょ
30:イッチ
いや、3年生の先輩と最後に当たったので手を抜いて負けたら何で負けたんだって詰められて、「負けた君に関係なくない?」って言っちゃってぇ
31:名無しの惰性の転生者
人の心
32:名無しの惰性の転生者
スポコンのライバル枠じゃんw
33:名無しの惰性の転生者
売り言葉に買い言葉で。悪気はないんだ、「昔少しだけテニスやってて………部員の有坂が勝つべきだったよな。ごめん」って言ったし。
34:名無しの惰性の転生者
草
35:名無しの惰性の転生者
ま、まあ謝ればリカバリ聞くでしょ。たぶん、セーフではある。別の話始まりそうだけど
36:名無しの惰性の転生者
イッチ、コミュ障だな?
37:イッチ
ワイ元演劇部何だけど、例えば役を決めるオーディションとかも大きめの舞台は主役を3年生がやるべき見たいな感じあるし、体育祭も正解だったのでは?
38:名無しの惰性の転生者
平和な話題だ
39:名無しの惰性の転生者
部活あるあるではある。
40:イッチ
今は帰宅部なので関係ないけど人間って難しい。
41:名無しの惰性の転生者
>>21
確かに漫画ルートと違う話なら色々ありそう
42:名無しの惰性の転生者
イッチは転生特典を持ってる側なのか気になる
43:名無しの惰性の転生者
>>33
煽りとして満点で草
44:名無しの惰性の転生者
>>41
はい、あります。現段階でも他ヒロインの分岐あるし、中でも日夏っていう激重闇深後輩ルートが面白くて。基本ノーマルエンドの多いゲームなのにぶっちぎりでバットエンド数が多いキャラだから選ばせて実況して欲しい。
45:名無しの惰性の転生者
性格悪い
46:イッチ
何か変な後輩に絡まれたんだけど、空島日夏って原作キャラ?
47:名無しの惰性の転生者
おや?
48:名無しの惰性の転生者
速いな
49:名無しの惰性の転生者
フラグは回収するもの、ワカリマス
50:名無しの惰性の転生者
草
51:名無しの惰性の転生者
原作介入は転生者の18番。イッチが主役とはこのリハクの目をry
柊雪花は第二の人生では、本気で役者を目指していた。
子供の頃から時間をかけて努力すれば、それなりのものになれると信じ自分なりに必死に取り組みはした。結果が全く出なかったとは言わない。
振り返っても、同年代の子役たちの中ではそれなりに評価されていたと思う。
しかし、同じだけ努力をしても得られる結果は同じにならないのが、この世の心理でありそれを悟ったのは天才を見たからではなく転生特典を使った時だ。
中学1年生の頃、部員数名と共に当時の演劇部顧問の伝手でCMのエキストラに出演したことがある。現場にいたのは、少し年上の女優、空島光だった。SNS でも話題になっていた元天才子役であり現在も評価をされており まさにブレイク間近といった感じだった。
撮影が終わった後余興で演技勝負をすることになった。いくら払ったのか知らないが向こうのマネージャーもOKを出し、光も了承していた。
おそらく、顧問としてはプロの技術を上手いこと盗んで欲しかったのだろう。
普通にやれば勝てるわけもない演技勝負であり、だからこそ興味が湧いてしまった。
今までの人生では基礎固めのために、演技においては使ったことのなかった転生特典を使ったらどうなるのか。
結論から言えば、勝ってしまった。
否、演技というものは純粋な点数を出せるものではない。だから勝ち負けの評価は非常に難しいが、少なくともあの場で見ていた演劇部のメンバーと顧問、マネージャー、そして誰よりも本人たちが理解していた。
しかし雪花の胸に到来した感情は 喜びではなく、言葉にできない虚しさだった。
彼が2度目の人生で培ってきたものは、転生特典という生まれ持った才能の一種でたやすく踏み越えられるものであると、自身が証明してしまったからだ。
以降、彼が転生特典を演技で使ったことはない。
「後生、後生だから昼飯を奢ってくれ!」
4月。心地よい風が吹き抜ける季節。昼休みの喧騒に包まれた高校の生徒指導室で、柊雪花は深い、深いため息をついていた。彼の視線の先では、去年に引き続き担任となった女教師が右脚にしがみついている。
「柊、頼む!今ここで君が私を見捨てたら、私は今日の午後校舎の裏に生えている得体の知れないキノコをソテーして食べるしかないんだ!いいのか?自分の担任がそれで!」
縋り付いてくるのは、赤凪久礼。担当科目は理科。男子学生たちの間で熱狂的かつ密かに崇められている美女だった。
だが、緋色は知っている。この美しい化けの皮を被った生き物の本質を。
「………赤凪先生。一応確認しますけど、先月の給料はどこに消えたんですか?貯金もありますよね」
「…お馬さんの育成代に消えました」
「小賢しいな。競馬に溶かしたんだろ?」
「だって、高オッズだったから!ロマンの塊だったから!神様だって『いけるよ久礼ちゃん!』って耳元で囁いた気がしたんだ!」
「その神様、たぶん邪神ですよ」
赤凪は生粋のギャンブラーだった。勝つための計算を行うタイプではなく、ただひたすらに命がけのヒリつきを求めて全財産を賭け金という名の奈落に放り込む、救いようのない破滅型だ。普段の彼女は、浮世離れしているのに一寸先が闇の賭け事に身を投じている時だけは、その瞳に異常なまでの生命の灯火を宿す。
「何で負けが濃厚な方に賭けるのですかね」
「その方が脳汁が出るから、生の実感が癖になるから!」
「クソギャンブラーが」
「というわけで柊君、定食。A定食でいい。チキン南蛮のタルタルソースを多めにしてもらうだけで、私の命は救われる。500円くれ」
「聖職者が生徒指導室に呼んでやることがこれかよ」
雪花がゴミのように赤凪を見下ろす。
「いいのか?私が倒れれば君がこの鍵を手に入れることはなくなるんだぞ」
そう言って彼女が取り出したのは備品室と書かれた錆びついた鍵だった。
「君が去年から欲しがっていた昼寝用の部屋だ。生徒会の顧問権限で使っていない部屋を融通した」
ニヤリと悪い顔で口角を上げた教師と黙って500円を取り出す雪花。
「………マジで悪党っすね」
「需要があるんだ。空き教室を融通して欲しいという生徒は君だけじゃない。仲良く使ってくれ」
こうして雪花は昼寝部屋、赤凪は昼飯を手に入れた。なお、バレた場合のリスクなどはギャンブラーには関係のない情報だった。
早速、雪花は放課後に備品室に赴いた。昼寝用とは言ったが正確には学校内で一人になれる場所が欲しかったのだ。転生者掲示板のアクセスには集中力がいるからである。
西日が差し込む、どこか埃っぽい部屋だ。昔は美術準備室だったのだろう。
「掃除、しないとだめだな」
独り言は、誰に届くこともなく静寂に吸い込まれていく。予想していた通りだったので、教室から拝借した濡れ雑巾と理科室から奪ったアルコールティッシュを併用して部屋の一角を掃除する。
最低限片付き、椅子に座ろうとした瞬間古い段ボール箱が目についた。開けてみると中には、文化祭で使ったと思われる備品が出てきた。垂れ幕や展示の写真、おそらく過去のクラス演劇で使用したと思われる台本。
「何でここにこんなのあるんだよ」
取りあえず仕分けをしようと、紛れ込んでいた異常に真新しい冊子を手に取ったのが運の尽きだった。
「…………」
表紙には何も書いていない。しかし雪花は、無意識のうちにその表紙をめくっていた。紙が擦れる乾いた音がやけに耳に残る。中身は想像した通り台本だった。演劇用だと思う。妙に出来のいい台本だ。今更興味はない。だが、それでも雪花の指先が、奇妙なほど自然にそして正確にページの特定の行を捉えていた。それはもう何年も触れていないはずの身体の奥にこびりついた習慣だった。
ページに書かれていたのは悪役のセリフ。『――どうせ、最初から決まってたんだよ。選ばれる人間なんて、端から決まりきってたんだ』
雪花は、誰に聞かせるわけでもなく無意識に自分なら演じるかを想像し、そのセリフを小さな声で呟いた。その後もしばらく悪役の演技を続ける。
それは転生特典なしの生身の演技だ。筋肉の制御も、声色も制御していない。精密とは程遠い不完全な演技。
あるのは、中学時代に散々叩き込まれた基礎と彼自身が現実の理不尽さに対して抱いている冷徹な諦めだった。
「――ッ」
鈍い音が部屋に響く。それは重いものを落としたような音だった。背筋に走った悪寒の正体を突き止めるべく、雪花がハッと顔を上げ振り返る。そこには、一人の少女がいた。息を詰まらせてこちらを見つめており、足元には鞄が転がっている。
目を引く美少女だった。透き通るような白い肌。少しでも強く掴めば、ぽきりと折れてしまいそうなほどに細く、可憐な四肢。色素の薄い黒色の髪がさらさらと揺れている。大きく見開かれ水分を含んだその瞳は、庇護欲をこれでもかと刺激する熱を帯びていた。
「………」
「………」
沈黙に耐え切れなくなり、雪花はさっきまでのことをなかったことにした。
「ここに何の用だ?一年生だろ、君」
リボンの色から推察した情報を垂れ流し時間を稼ぐ。
「初めまして。わたし~、空島日夏といいます」
小悪魔じみた甘い声色。だが、はっきりと芯のある声が静かな部屋に響いた。少女は一歩、また一歩と雪花に詰め寄る。その身長は148cmと小柄だが、放つプレッシャーはまるで肉食獣のそれだった。
「いまの、その台本のセリフですよねぇ?悪役の最期の慟哭。今のセリフ~、もう一回やってくれませんかぁ?」
「…は?いや、何のことだ?俺はただゴミの片付け途中で――」
「チープな嘘は嫌いです」
日夏は雪花の言葉を遮り、彼の目の前までピタリと寄ってきた。その顔には濁りのない狂気とどうしようもない飢餓感があった。少女はそこで呼吸を整える。
落ち着いたように見えるが、その瞳の奥で黒い澱みがぐるぐると渦を巻いている。
「嘘つきですねぇ、せんぱい~」
口元に手を添えてクスクスと笑い、後ろに手を組んだまま少女は僅かに上体を傾けた。所謂、上目遣いだ。そして、唇の端を歪めていたずらっぽく微笑んだ。
雪花はわずかに身を引いたが、日夏は一歩も引かなかった。
「いいからぁ、さっきのもう一回やってくださいよぉ」
実に小悪魔っぽい後輩だと思った。しかし、今のところ優れた容姿以外は悪魔にしか見えない。
「は?何の話だ」
「とぼけないでください。私のノートに書いてあったセリフ、呟いたでしょ」
「お前が書いたのか………たまたま目に入ったから口に出しただけだ。とにかく、もう帰るから」
雪花は面倒くさそうに手を振り出口へ向かおうとした。これ以上この少女に関わると、何かが崩れ去る。そんな予感が痛いほど伝わってきたからだ。
しかし―――
「…映画を、作りたいんです」
背後から投げかけられたその声に、雪花の足がピタリと止まった。振り返りはしなかったが、静まり返った部屋の中で、あざとさを捨てた日夏の声が響いていた。
「どうしても映画が作りたいんだです。でも、人が足りない。機材も最低限の準備はしました。だけど肝心の演者がいない、私じゃなくて本物の役者が欲しいんです」
「生憎だな。俺は役者じゃないし、映画なんてものには微塵も興味がない。空島さんの勧誘なら受ける人がいるだろ。他を当たってくれ」
「嫌です!私が欲しいのは本物です!天才をあっと言わせるような、そんな映画じゃなきゃ意味がないんです!!!!!」
彼女は小悪魔的な笑みなど微塵も見せず、ただ真っ直ぐな眼差しで雪花を見上げていた。
「さっきの演技。目を引かれました。…隠したって無駄です。あれは役者になろうとした人にしかできません」
雪花の眉間がわずかにピクッと動いた。図星を突かれた動揺を悟られないよう、彼は努めて冷淡な声を絞り出す。
「いきなりそんなことを言われても困るだけだ…それじゃあな」
「明日も、放課後ここにいてください」
雪花が歩き出そうとした瞬間、日夏はきっぱりと言い放った。
「は? なんで俺がそんな約束を――」
「拒否権はないです。いなかったら先輩の教室に迎えに行くので」
日夏はフッと口角を歪め、ほんの少しだけしかし底意地の悪さを覗かせた笑みを浮かべた。
「私ぃ、結構可愛いのでぇ~先輩に関してあることないこと言ったら大変なことになるかもです。色々~あちこちに言いふらしちゃうかも。演技ができること、色んな人に教えてあげよっかな」
「っ…そんな脅しには屈しねえよ小娘」
「じゃあ覚悟だけお願いしますねぇ?」
ふんわりと甘ったるい口調に戻ったその態度の裏で、日夏の瞳は一切笑っていなかった。本気だ。この後輩は、ここで引かなければ本当にどんな手を使ってでも自分の日常をかき乱しにくる。
雪花は深々と、今日一番の大きな溜息を吐いた。面倒くさい。関わりたくない。関われば間違いなくロクなことにならない。頭の中の理性が警報を鳴らし続けているのに、なぜか心がうずいた。
「…分かった。明日だけだ。話を聞くだけなら付き合ってやる」
「やった!じゃあ約束ですよ、先輩」
満足げに目を細めた日夏の姿を横目に見ながら、雪花は二度と戻れない扉を開けてしまったような重苦しい足取りで、部屋をあとにした。