転移した異世界で道化になった   作:夢野ココ

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3話目『ジュラの大森林』

どうも。俺は異世界に来て魔物に襲われているとピエロのラプラスに助けられて異世界のことについて少し教えて貰った。どうやら今いる場所はジュラの大森林と言う所らしい。今はラプラスと共に森を抜けるために歩いている。

 

「…結構歩いているけどこの森広すぎません?」

 

「ハハハハ!それはそうやろ。このジュラの大森林の規模は約1.060万平方メートルやからな」

 

「1.060万平方メートル!」

 

そんなに規模があるなら出るだけでどれぐらい掛かるんだよ!

 

──告。このままのペースだと2日掛かる予定です。

 

「二日!?」

 

「おっ? なんや、急に大きな声出して」

 

「いや、森を抜けるのに二日も掛かるらしいんだけど……」

 

「せやで? まあ、途中で休憩も挟むし、実際にはもうちょい掛かるかもしれんなぁ」

 

「マジか……」

 

異世界生活二日目。

 

俺はすでに疲労困憊だった。

 

いや、正確には肉体的な疲れは《健康体》のおかげでかなり軽減されている。だが、精神的な疲労はどうしようもない。

 

そもそも、森の中を二日間歩き続けるなんて経験は元の世界でもなかった。

 

「まあまあ、そんな顔せんと。せっかくの異世界やで? 楽しんでいこうや!」

 

「楽しむ余裕なんてないんだけどな……」

 

「ハハハ! そら残念!」

 

このピエロ、絶対に俺のことを面白がっている。

 

「それでラプラスに質問なんだけどこの世界の人間について知りたい」

 

「人間についてやな…少し嫌な思いをするかもやな」

 

「嫌な思い?」

 

ラプラスは少し黙った後に話し出す。

 

「この世界の人間は基本的に弱い生き物だ。けど…それを何とかするために色々と非人道的なこともしてる。例えば異世界召喚で呼ばれた人間を道具として使うとかやな」

 

「道具として…」

 

なるほどな。この世界の住人じゃないから人権や法律も曖昧だから道具として使うデメリットが少ないしまた強力なスキルなど持っていたら大当たりだからな。

 

「だから君も気をつけるんやで。隙を見せたら首輪付けられる可能性があるからな」

 

「わかった。気をつけるよ」

 

「まあ、そんなに怖がらんでもええよ。人間が全員そういう連中ってわけやないからな」

 

「それはそうだろうけど……」

 

「大事なのは相手を見極めることや。優しそうな顔をして近づいてくる奴ほど、何を考えてるか分からんもんやで?」

 

「それ、今のラプラスにも当てはまるんだけど」

 

「おお! ひどいこと言うなぁ!」

 

ラプラスは大げさに胸を押さえた。

 

いや、どう考えても怪しいだろ。

 

派手な服にピエロの仮面。初対面の相手を助けたかと思えば、何を考えているのか分からない言動ばかり。

 

むしろ、警戒するなという方が無理な話だ。

 

「まあ、ワイは善良な旅人やから安心してええで!」

 

「その言葉を信じられる要素が一つもないんだけど……」

 

「ハハハハ! そら困った!」

 

本当にこの人は何なんだろうな。

 

そんなことを考えながら歩いていると、ふとラプラスが足を止めた。

 

「……おっと。ちょい待ちや」

 

「どうした?」

 

「前に何かおるな」

 

ラプラスは森の奥へ視線を向ける。

俺もそちらを見るが、木々が邪魔で何も見えない。

 

「魔物?」

 

「せやな。しかも、こっちに気づいとるみたいや」

 

その直後だった。

 

ガサッ!

 

茂みが揺れ、そこから一体の魔物が姿を現した。

 

体長は二メートルほど。トカゲのような体に、背中には硬そうな鱗が並んでいる。口からは鋭い牙が覗いていた。

 

「うわ……また魔物かよ」

 

「おっ、ちょうどええ機会やな」

 

「ちょうどいい?」

 

「イブキ。ちょっと戦ってみいや」

 

「……え?」

 

「もちろん、無理そうならワイが助けたる。せやけど、いつまでもワイに頼っとったら生き残れへんで?」

 

それは正論だった。

 

この世界で生きていくなら、自分の身を守る力くらい身につけなければならない。

俺は近くに落ちていた木の枝を拾う。

 

「……分かった。やってみる」

 

「ええ返事や!」

 

ラプラスは少し離れた場所へ移動し、腕を組んだ。

 

魔物は俺を警戒するように低い姿勢を取っている。

 

どうする……。

 

正面から突っ込んでも勝てるとは思えない。

 

その時、頭の中に声が響いた。

 

──告。対象の身体構造を解析しますか?

 

「……頼む」

 

──告。解析を開始します。

 

視界に魔物の姿が映る。

 

すると、頭の中に次々と情報が浮かび上がってきた。

 

・四足歩行型魔物。

・前脚の筋力が発達。

・背面の鱗は硬度が高い。

・腹部は比較的柔らかい。

・突進攻撃を得意とする。

 

なるほど……。

 

こいつは正面からの攻撃に強いが、腹部は弱いらしい。

 

──告。《開拓者》による解析結果です。

 

やっぱり、この声は《開拓者》だったのか。

 

「おーい! イブキ! ぼーっとしとったら食われるで!」

 

「分かってる!」

 

魔物が地面を蹴った。

 

来る!

 

俺は横へ飛び退く。

 

ドンッ!!

 

魔物の巨体が、さっきまで俺が立っていた場所を通り過ぎる。

 

危なっ!

 

だが、避けただけでは終わらない。

 

俺は魔物の後ろへ回り込み、木の枝を構えた。

 

狙うなら腹部。

 

しかし、魔物はすぐに体勢を立て直し、尻尾を振り回してきた。

 

「うおっ!」

 

慌てて後ろへ下がる。

 

危なかった……。

 

思っていたよりも動きが速い。

 

「イブキ! 相手の動きをよう見ぃ! 魔物にも必ず癖がある!」

 

ラプラスの声が飛んでくる。

 

癖……。

 

俺は魔物の動きを観察する。

 

突進する前には必ず前脚に力を込める。

そして、方向転換するときは右側の後脚に体重が寄る。

 

つまり、次に攻撃してくる方向がある程度予測できる。

 

──告。《開拓者》の補助により、対象の行動パターンを予測します。

 

よし……!

 

魔物が再び突進してくる。

 

今度は避ける方向を間違えない。

 

俺は右側へ飛び退き、魔物の側面へ回り込んだ。

 

そして、体勢を崩した魔物の腹部へ木の枝を叩き込む。

 

「これで……どうだ!」

 

バシッ!

 

だが、木の枝は途中で折れてしまった。

 

「えっ!?」

 

攻撃自体は当たった。

 

しかし、魔物はまだ倒れていない。

 

むしろ、怒ったように唸り声を上げている。

 

「しまっ……!」

 

魔物が振り返る。

 

まずい!

 

俺は慌てて距離を取ろうとした。

 

だが、その瞬間、魔物の動きが一瞬だけ止まった。

 

腹部への攻撃が効いていたのか、わずかに動きが鈍っている。

 

今しかない!

 

俺は地面に落ちていた石を拾い、魔物の顔に向かって投げつけた。

 

ゴンッ!

 

石が頭部に当たり、魔物が怯む。

その隙に俺は近くの太い木の陰へ回り込んだ。

 

魔物は勢いよく突進してくる。

 

「そこだ!」

 

俺は直前で横へ飛び退いた。

 

ドガァン!!

 

魔物の頭が木に激突した。

その衝撃で、魔物は地面に倒れ込む。

 

「はぁ……はぁ……」

 

俺はその場に座り込んだ。

 

勝った……のか?

 

──告。対象の活動停止を確認。勝利です。

 

「よっしゃあ!」

 

思わず声が出た。

 

すると、少し離れた場所から拍手が聞こえてきた。

 

パチパチパチ。

 

「いやぁ、なかなかやるやないか!」

 

ラプラスが笑いながら近づいてくる。

 

「いや、ほとんど運だったけどな……」

 

「運も実力のうちや。それに、相手の動きを観察して弱点を見つけたんはイブキ自身やろ?」

 

「まあ……そうだけど」

 

でもなんで俺はこんなに動けるんだ?

 

──告。《賭博師》の勝利報酬の影響です。マスターはここに来て賭博師による報酬を獲得しているので身体能力が上がっています。

 

なるほど…つまり賭博師の報酬は永続の物なんだな。だとしたら敗北の魔素消失もまた永続てことになる。

 

──そうなります。

 

なら賭博師を発動する。賭け内容を設定。

 

【賭け内容】

勝利条件:ジュラの大森林の脱出。

チップ:魔素20%

報酬:身体能力上昇

敗北:魔素20%消失

 

変更ができるかためしてみよう。《開拓者》さん変更可能か?

 

──告。可能です。勝利条件はマスターの目的。チップはマスターが差し出す代償。報酬はマスターが望むもの。敗北はマスターが賭けた代償になります。

 

なるほどなら今提示された賭け内容変更だ。

 

【賭け内容】

内容:ジュラの大森林の脱出。

チップ:身体能力30%

報酬:魔素制御と感知

敗北:身体能力30%消失。

 

決定だ!

 

俺がそう決めると身体に重りが着いたように重くなり先程のように動くことは難しくなる。

 

「くっ!これは失敗したかな」

 

「なんや?どうした?」

 

ラプラスは俺の様子を見て先程と違うことに気がついた。

 

「実は賭博師で賭けをしたんだ。ジュラの大森林を脱出するという勝利条件でチップは身体能力30%。報酬は魔素操作と感知を設定して発動させた」

 

「そんな事ができるか!すごいな君!ほんま面白いな!」

 

ラプラスは興奮したように言う。

 

「でも結構身体能力30%が重くて先程と同じように動くのが難しい。計算ミスだな」

 

「まぁ〜確かに軽率やな。この森には魔物が出来るから下手をしたら死ぬかもやな。でも…その報酬は気になるからワイが協力したる。」

 

「本当かラプラス!助かるよ」

 

そうして俺たちは歩き出した。

 

……のだが。

 

「なあ、ラプラス」

 

「なんや?」

 

「少し歩く速度を落としてくれないか?」

 

「ん? ああ、そういや君は身体能力を30%も賭けたんやったな」

 

「そうなんだよ……」

 

正直、かなりきつい。

 

今まで普通に歩けていた道なのに、まるで重い荷物を背負っているような感覚だ。

 

《健康体》のおかげで身体に異常はないようだが、身体能力そのものが落ちているため、どうにもならないらしい。

 

──告。《健康体》による身体状態の確認を開始します。

 

──告。肉体に異常はありません。現在の身体能力低下は《賭博師》による契約上の代償です。

 

やっぱりそうか。

 

なぁ〜《開拓者》

 

──告。何でしょうか。

 

この身体能力の低下を回復させることはできないのか?

 

──告。不可能です。現在の状態はスキルによる正常な契約結果です。契約条件の変更、または契約終了が必要です。

 

なるほど。

 

《健康体》は身体を健康な状態に保つスキルであって、能力そのものを自由に上げ下げできるわけじゃないのか。

 

「どうしたんや? また頭の中で会話しとるんか?」

 

「まあね。《開拓者》に聞いてみたけど、今の状態はどうにもならないらしい」

 

「そらそうやろなぁ。自分で決めた賭けやからな!」

 

「分かってるよ……」

 

自分で決めたこととはいえ、少し後悔している。

 

やっぱり賭けるなら、もう少し慎重に考えるべきだった。

 

「せやけど、君の《賭博師》はなかなか面白い能力やな」

 

「そうなのか?」

 

「普通、スキルの効果はある程度決まっとるもんや。せやけど君の場合、勝利条件や代償、報酬まで自分で設定できるんやろ?」

 

「まあ、そうみたいだな」

 

「それに、報酬が魔素操作と感知やったか。ええところに目をつけたな!」

ラプラスは楽しそうに笑う。

 

「魔素を扱えるようになれば、魔法を使う時にも役立つ。感知ができれば魔物の接近にも気づきやすくなる。今の君にはぴったりの報酬やと思うで!」

 

「それを聞くと、少し安心するよ」

 

「ただし、賭けに負けたら身体能力がさらに落ちるんやろ?」

 

「……そうだった」

 

「ハハハ! そこは忘れたらアカンで!」

 

笑い事じゃないんだけどな。

 

俺たちはその後、ジュラの大森林を出るために歩いた途中魔物も出てきたがラプラスと俺で倒しながら進み2日目の夕方ついに…

 

「お!イブキみろ!森の出口や!」

 

「やっと着いたーー!」

 

俺達はついにジュラの大森林から出ることが出来た。ここまで長かった!

 

「ありがとうラプラス。君のおかげで無事に森を出ることができた」

 

「せやな。でもワイも楽しかったからお互い様やな」

 

───告。《賭博師》の勝利条件を満たしたことで身体能力30%と報酬の魔素操作と感知を獲得しました。

 

すると体内の魔素と周りの魔素をはっきりと感知出来るようになり、身体の重さもなくなった。

 

「おお!身体が軽くなったし、これが魔素か!すげーな!」

 

「どうやら報酬を貰ったようやな。」

 

この未知の力を感じられるようになって俺はワクワクしていた。

 

「この魔素て全ての生物や空気中にもあるんだな。」

 

「そうや。いい機会だから魔素について少し詳しく教えぞ。」

 

「よろしくお願いします。ラプラス先生」

 

俺は地面に正座をしてラプラスの話を聞く体勢になる。ラプラスは1度咳払いをして話始める

 

「魔素っちゅうんは、この世界を構成する重要なもんや。魔物にとっては生命の源みたいなもんやし、魔法を使う時にも必要になる」

 

「魔物にとっての生命の源か〜。人間も同じなのか?」

 

「そこはちょっと違うな。人間も魔素の影響は受けるし、魔法を使うこともできる。せやけど、魔物と人間では魔素との関わり方が違うんや」

 

「具体的にどう違うんだ?」

 

「魔物は魔素が生命の源だけど、人間は魔素がなくても生命の維持ができる。まぁ〜その分魔物と人間では魔素の扱い方に差が生まれるけどな。」

 

「魔物は日常的に魔素と関わっているけど人間は魔素がなくても生命活動ができるからその違いだな」

 

「そうやな。それと魔素は確かに便利な物やけどデメリットもある。人間や魔物にも魔素を受け入れられる限界がある。自分の許容量を超えた魔素を取り込めば、身体に悪影響が出ることもある。扱い方は注意が必要や」

 

「なるほど…わかりましたラプラス先生」

 

「魔素は色々なものに関わっているエネルギーや。覚えといてそんはあらへん」

 

そうして俺はラプラスから魔素についてのレクチャーを終えた。

 

「ところでラプラス。この近くに人間の集落とかあるのか?」

 

「そうやな。この方向に進めば小さな村があるはずや。そこで情報を集めるのもいいと思うぜ」

 

「そうなんだ!じゃあラプラスも一緒に行こう!」

 

俺がそう誘うとラプラスは俺に背を向ける。

 

「ワイはこの辺でお別れや。ワイにも用事があるからな。一緒に旅をした数日ほんまに楽しかったぜ!イブキ」

 

「ラプラスと一緒に行けないのは残念だが仕方ない。またなラプラス」

 

俺とラプラスは別れることになった。色々教えてくれたラプラスに感謝だな。

 

ラプラスは俺とは違う方向に向かって行った。

 

「村に向かうか」

 

俺はそうして歩き出した。これからどうなるかは分からないが…何とかるだろう。そう信じて進む。

 

「そうだ!」

 

《賭博師》発動。賭け内容設定。

 

【賭け内容】

勝利条件:村に到達する。

チップ:魔素10%

報酬:身体能力上昇

敗北:魔素10%消失

 

「よし!ゲームスタート!」

 

すると身体から魔素が抜ける感覚がした。感知出来るようになって自分の魔素が少なくなったことを確認した。

 

──告。《賭博師》は目的を設定とチップと報酬を決めたら発動出来ます。マスターの使い方は効率がいいです。

 

そうだよな。こうして使うことで身体能力などを上げられる。いい使い方を思いついたな。

 

「さて、行くか!」

 

俺は村があるという方向へ歩き始めた。

 

ラプラスと別れてから、まだそれほど時間は経っていない。

 

しかし、今まで隣にいた相手がいなくなると、妙に静かに感じる。

 

「……結構寂しいもんだな」

 

異世界に来てから、まともに話した相手はラプラスくらいだ。

 

怪しい奴ではあったけど、色々と教えてくれたし、助けてもらった恩もある。

 

「また会えるといいな」

 

そんなことを考えながら歩いていると、ふと周囲の魔素に違和感を覚えた。

 

「ん?」

 

──告。周囲の魔素に変化を確認。

 

「変化?」

 

──告。前方約百メートル地点に複数の生命反応を感知。魔素反応から、人間である可能性が高いと推測します。

 

人間か!

 

ということは、村が近いのかもしれない。

 

俺は少し歩く速度を上げた。

 

すると、木々の隙間から何かが見えてきた。

 

「あれは……」

 

木製の柵。

 

その向こうには、いくつもの建物が並んでいる。

 

どうやら、あれがラプラスの言っていた村らしい。

 

「おお! 本当に村があった!」

 

ようやく人間の集落にたどり着いた。

 

異世界に来てから数日。魔物に襲われたり、森を歩き続けたりと色々あったが、ようやく人間らしい生活に近づけそうだ。

 

俺は期待に胸を膨らませながら村へ向かった。

 

しかし、村の入口まで来たところで問題が

発生した。

 

「止まれ!」

 

「うわっ!」

 

突然、入口に立っていた男に呼び止められた。

 

男は革製の防具を身につけ、腰には剣を下げている。

 

村の見張りだろうか。

 

「何者だ? 見慣れない格好をしているな」

 

「あ、えっと……旅人です」

 

「旅人? その格好で森から来たのか?」

 

男は俺の服装をじっと見つめた。

 

そりゃそうだ。

 

俺の服は元の世界の普通の服だ。こちらの世界ではかなり珍しいのかもしれない。

 

「はい。少し道に迷ってしまって……」

 

「一人でジュラの大森林を抜けてきたのか?」

 

「まあ、そんなところです」

 

正確にはラプラスと一緒だったけど、わざわざ説明する必要もないだろう。

 

男は少し考え込むと、俺の身体を確認するように視線を動かした。

 

「怪我はないようだな。身分を証明できるものは持っているか?」

 

「えっ?」

 

身分証明?

 

そんなものあるわけがない。

 

「すみません。持っていないです」

 

「そうか……」

 

男は少し困ったような顔をした。

 

やっぱり、身分証明がないと村には入れないのだろうか。

 

「まあ、事情がある者もいる。村長に話を通してみよう。ついてこい」

 

「いいんですか?」

 

「ああ。ただし、問題を起こすなよ」

 

「ありがとうございます!」

 

助かった……。

 

俺は男に案内され、村の中へと入っていった。

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